事業報告(2022年1月1日から2022年12月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

事業の経過およびその成果

中部電力グループとのシナジー効果発揮状況

当社は、2021年4月に中部電力株式会社(以下「中部電力」といいます。)の連結子会社となり、中部圏においてより一層積極的に事業を展開する等、様々なシナジー効果を発揮しております。

中部電力との共同事業として、2022年8月に愛知県および名古屋市が主催する「第20回アジア競技大会選手村後利用事業」において、中部電力を代表法人とし、当社も構成メンバーとして参画する事業者グループ(以下「当該事業者グループ」といいます。)が当該事業に係る基本計画協定を締結しました。また、同年9月には、愛知県が募集する「カーボンニュートラルの実現に向けた事業・企画アイデア」に対し、当該事業者グループは愛知県産木材の活用等の企画・応募を行った結果、「建築物木材利用促進協定」を同県で初めて締結しております。

また、中部電力および株式会社スプレッド(以下「スプレッド」といいます。)とともに「合同会社TSUNAGU Community Farm」を設立し、世界最大規模となる1日10トンのレタスを生産できる完全人工光型植物工場「テクノファーム袋井」の建設を行っております。2024年1月の生産開始に向け、中部電力のエネルギー管理に関するノウハウ、当社の不動産開発力、スプレッドの栽培技術を融合し、効率的かつ安定的に、「安心・ 安全」なレタスの生産に向け取組んでおります。

さらに、中電不動産株式会社(以下「中電不動産」といいます。)との共同事業として、中部エリアを中心に分譲マンション・商業施設開発事業について取組んでおります。共同事業の第1号・第2号案件として、名古屋市東区白壁で手掛けた「グラン レ・ジェイド白壁 月露ノ邸(総戸数24戸)」「グラン レ・ジェイド白壁 凛然ノ邸(総戸数34戸)」は、いずれも2022年11月に全戸完売しております。

引き続き中部電力グループとの連携を強化し、大型まちづくりや「新しいコミュニティの形」の実現に向けて積極的に取組んでまいります。

北海道における事業の進捗

2023年3月に開業予定の北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」を核とした北海道ボールパークFビレッジ(総開発面積約36.7ha、以下「Fビレッジ」といいます。)におけるまちづくり構想に参画するとともに、新球場に係るネーミングライツ契約を締結しております。

「ES CON FIELD HOKKAIDO」外観写真 ©H.N.F

2022年2月には、Fビレッジにおけるまちづくり構想の第1弾プロジェクト、かつFビレッジ内で唯一の分譲マンションである「レ・ジェイド北海道ボールパーク(北海道北広島市、総戸数118戸)」の販売を開始しました。当該物件は、新球場の外野スタンド方面から直線距離約80mと新球場至近かつ北海道の豊かな自然を楽しめる希少立地において、「ボールパークに住む。」という理想を具現化するものです。北海道内外のメディアに注目され、全国から多数の資料請求・モデルルームへのご来場をいただき、同年9月に早期に契約完売しました。

さらに、2022年2月には、Fビレッジの南東の一角においてシニアレジデンス開発に着手しております。メディカルモールを併設したアクティブシニア向けのレジデンスとして、2024年春の完成を予定しております。この取組みは、多世代交流の場を創出する持続可能なまちづくりの一環であり、自然に恵まれ、スポーツやアクティビティを存分に楽しんでいただくための住まいを創造し、青少年から高齢者まであらゆる年齢の方々の健康維持および地域医療に貢献いたします。

また、Fビレッジへの重要なアクセス拠点としてさらなる期待が集まるJR北広島駅での「駅西口周辺エリア活性化事業」について、当社は事業パートナーとして開発を推進しております。2021年11月に、同事業における開発用地の一部を取得し、北広島駅の目の前の「駅前広場」、商業施設とホテルからなる「複合交流拠点施設」、屋内外の「立体的広場・公園」からなる3つの開発を行っております。この用地における開発事業の内、商業施設等は2024年度の完成を目指しており、当該駅前における開発を着実に進めております。

「北広島駅西口Aプロジェクト」完成予想図

同市以外においても、2022年11月に当社において札幌市内初となる分譲マンション「レ・ジェイド札幌元町(札幌市東区、総戸数39戸)」が完売したほか、分譲マンション「レ・ジェイド札幌苗穂(札幌市東区、総戸数42戸)」の開発等、北海道での事業が順調に進捗しております。

引き続きスポーツや文化振興等にも協力し、北広島市、ひいては北海道地域の皆様に喜ばれるよう、地域全体の活性化と発展に貢献してまいります。

不動産開発を通じた地方創生・地域活性化への取組み

茨城県つくば駅前において、商業施設・オフィスからなる「tonarieつくばスクエア」と、分譲マンション「レ・ジェイドつくば Station Front(茨城県つくば市、総戸数218戸)」からなる「商×職×住」一体開発を行い、賑わいの創出に向け取組んでおります。2022年11月に同分譲マンションの全戸引渡しを完了しており、翌月にはその敷地内において、当社グループが開発・運営するカフェダイニング2号店目となる「Cafe Apartment TSUKUBA」を新たにオープンしました。

また、2022年2月に、福島県いわき市において、いわき駅並木通り地区市街地再開発組合および株式会社フージャースコーポレーションとともに、住宅・商業・駐車場棟一体の「並木の杜シティ」開発プロジェクトとして、同駅周辺にさらなる賑わいを創出するべく再開発を行っております。同年11月には、住宅棟について同市最高層の免震構造タワーマンションとして「ミッドタワーいわき」の名称で販売を開始しております。

2022年3月には、長崎県大村市での「新大村駅前市有地開発事業」において、大和ハウス工業株式会社、株式会社イズミとともに3社で構成する事業者グループの構成員として、大村市と基本協定を締結しました。当該事業は同年9月の西九州新幹線「新大村」駅開業に伴い、大村市のまちづくり方針に沿って住民や市外からの来訪者が交流できる分譲マンションや商業施設等を開発する計画であり、当社は2区画において分譲マンション開発を手掛ける予定です。

2022年3月には、株式会社タカラレーベン(現MIRARTHホールディングス株式会社)と、地域密着型ショッピングセンター「tonarie星田(仮称)(大阪府交野市)」の開発に着手しております。同施設は、当社の商業施設ブランド「tonarie」シリーズ10施設目として、2023年春の開業を予定しております。

「tonarie星田」完成予想図

2022年6月には、株式会社LANDICホテル&リゾートと、海水浴やサーフィン等多彩なアクティビティを楽しめる福岡県西端の糸島半島において、当エリア初となるホテル開発に着手しております。

さらに2022年8月には、兵庫県姫路市において、2023年初頭に開院予定の新病院を中心に「医療・介護ゾーン」として、福祉施設等の開発が予定されている場所で約7つの診療科目(予定)を扱うクリニックモールの開発に着手しております。

総合デベロッパーとして、地域コミュニティに根差し、複合開発等多様な事業展開を積極的に行っております。

多様な分譲マンション開発の推進と安心な住まいの提供への取組み

単に分譲戸数を拡大することではなく、仕入れた用地が持つ価値を最大限に引き出す商品企画を軸に多様な展開を行っております。

2022年10月には、軽井沢の豊かな自然に囲まれた立地で開発を手掛けた「オストレジデンス軽井沢(長野県北佐久郡軽井沢町、総戸数33戸)」について、上質な商品企画が評価され、2022年度グッドデザイン賞を受賞しております。また、神奈川県三浦郡葉山町において2つの事業用地を取得しており、「森戸海岸」等豊かな自然環境を最大限活かした分譲マンション開発に取組む等、立地特性を活かした付加価値の高い商品企画を推進しております。

「オストレジデンス軽井沢」外観写真

また、東京都千代田区景観まちづくり重要物件に指定された歴史的建造物「東方学会本館」隣接地において開発中の「レ・ジェイド クロス 千代田神保町(東京都千代田区、総戸数50戸)」は、2022年12月に早期契約完売を実現する等、東京都心の希少立地においても事業が順調に進捗しております。

さらに、当社は住まいという「一生もの」を創り出す企業として、分譲マンション開発に関する品質管理指針「IDEAL CONPASS」を策定し、分譲マンションにお住まいいただく方の生活をサポートする長期アフターサービス「Escon Premium After Support」の提供を開始する等の取組みを行っており、よりお客様が安心・安全、快適と感じていただける住まいを引き続き提供してまいります。

戦略的なM&Aの実施

2021年10月に、不動産賃貸事業等を手掛ける株式会社ピカソおよび同社グループ(以下「ピカソグループといいます。)を子会社化し、不動産賃貸事業を強化するとともに安定収益を確保し、第4次中期経営計画に掲げる収益構造の「転換」を一気に推進し、今後の当社グループの持続的成長に大きく寄与しております。

また、2022年1月には、オンラインファンドの運営および不動産特定共同事業法型クラウドファンディング事業者へのシステム提供等の事業を手掛けるFUEL株式会社を子会社化しております。当社の事業領域を広げるとともに、5年10年先の新しい不動産DXビジネス(ST・CF等(※1))に挑戦できる体制を早期に整備してまいります。

引き続き、事業承継をお考えの会社様等との協議を前向きに推進していくとともに、マーケットに出てこないM&A案件について今後も積極的に検討を進め、当社グループの事業強化・領域拡大を図っております。

※1 ST(Security Token(セキュリティトークン))とは、ブロックチェーン技術を用いたデジタル証券発行による投資運用です。
CF(Crowd Funding(クラウドファンディング))とは、インターネットを通じて不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、趣旨に賛同した人から資金を集める方法です。

新領域への挑戦

第4次中期経営計画に「新規事業のコア化」「新領域の挑戦」を掲げ事業内容の多角化、次世代を見据えた取組みを進めております。

2021年3月より東京都港区において都市型の納骨堂「了聞(りょうもん)」の永代使用権の販売を開始し、特に都心部でお墓を手に入れることが困難という現代社会の課題解決を図り、かつ不動産事業の新たな領域への展開を目指し、事業に取組んでおります。

また、2021年12月には、日本発の3Dプリンターによる世界最先端の家「Sphere(スフィア)」の開発を目指すセレンディクス株式会社と、「世界最先端の住宅開発に関する基本合意書」を締結し、同社に出資しております。当社はSphere開発実現に向けた研究への協力等を行うとともに、将来的にはSphereの技術を応用し店舗・オフィス・倉庫といった住宅以外の分野での展開も図ってまいります。

さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を慎重に見極めながら、海外事業に複数取組んでおります。直近では、2022年12月に、タイ王国の不動産デベロッパーであるOrigin Property Public Company Limitedの子会社Britania Public Company Limitedが進める戸建開発プロジェクトに出資および参画しました。本プロジェクトは、当社として海外初の戸建開発プロジェクトとなります。

引き続き、次代を見据えた新たな事業分野への取組みに注力し、多面的に不動産ビジネスを展開いたします。

気候関連財務情報開示タスクフォース提言への賛同表明および情報開示

当社は2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向け、次世代型まちづくり等、新たな環境価値を創造することを目指しております。

気候変動課題を経営の重点戦略の一つと捉え、経営層および全社各部署から選抜したESG推進グループメンバーが一体となり、「気候変動が事業にもたらすリスクや機会を分析するとともに、その情報開示を推進する」という気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」といいます。)提言の枠組みに基づく情報開示に向け取組んでおります。また、当社グループは2022年6月にTCFDへの賛同を表明いたしました。

TCFD提言に基づく情報開示(気候変動のリスク・機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)の詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。

・シナリオ分析を踏まえた戦略

シナリオの分析、財務影響評価の結果を基に、事業への影響が大きい気候リスク・機会への対応策については、今後検討してまいります。

<対応策例>

  • 再生可能エネルギーの電力利用率の向上を検討。
  • 商業施設へのLED照明等省エネ設備機器設置を促進。
  • ZEH(※2)-M開発の更なる促進推進を検討。
  • DBJ Green Building認証(※3)やCASBEE不動産評価認証(※4)の取得による、環境性能評価向上を促進。

※2 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。

※3 DBJ Green Building 認証とは、環境・社会への配慮がなされた不動産(「Green Building」)を支援するために、2011 年 4 月に株式会社日本政策投資銀行が創設した認証制度です。

※4 Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency / 「建築環境総合性能評価システム」は、建築物の環境性能を評価し格付けするもので、省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮等も含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。

ESG活動の取組み状況

当社における重要な経営戦略として「ESG推進による社会課題への対応」を掲げております。「ESG推進グループ」および健康経営をより促進するための「健康文化醸成チーム」を中心に全社で取組みを推進し、財務情報だけでは測れない本質的な企業価値向上に注力いたします。

直近の主要な取組み内容は以下のとおりです。

①環境(E)

・各種認証取得

当社は、2020年5月に環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)である「エコアクション21」の認証を取得しているほか、当社が保有する商業施設「tonarieふじみ野」について、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構より認定を受けたCASBEE評価認証機関より、CASBEE不動産評価認証の最高ランクである「Sランク」を取得しております。また、エスコンジャパンリート投資法人(以下「EJR」といいます。)が保有している「tonarie大和高田」「tonarie栂・美木多」「tonarie南千里」「tonarie清和台」「あすみが丘ブランニューモール」の各商業施設について、株式会社日本政策投資銀行よりDBJ Green Building認証を取得しております。上記6物件は、連結子会社である株式会社エスコンプロパティが運営管理を行っており、グループ全体で施設の価値向上に向けて取組んでおります。

・環境に配慮したZEH対応住宅の継続的・積極的な開発

2022年8月に、分譲マンション「レ・ジェイド本川越 コエドテラス(埼玉県川越市、総戸数102戸)」について、優れた断熱性能を有し年間の一次エネルギー消費量削減に資する「ZEH-M Oriented(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)」の認証を取得しております。2021年度グッドデザイン賞を受賞した「レ・ジェイド大倉山(横浜市港北区、総戸数25戸)」、2022年6月に全戸早期契約完売した「レ・ジェイド八尾桜ヶ丘(大阪府八尾市、総戸数72戸)」に続き、当社において3物件目のZEHマンションとなります。

「レ・ジェイド本川越 コエドテラス」外観完成予想図

今後も、総合デベロッパーの開発ノウハウを最大限活かし、お客様に評価され、かつ環境に配慮したZEHマンションの開発に積極的に取組みます。

また、2020年11月には、連結子会社である株式会社エスコンホームおよび株式会社エスコンクラフトにおいて、ZEHビルダー認証登録をしております。

・完全人工光型植物工場の建設・運営「テクノファーム袋井」

前述のとおり、中部電力、スプレッドと協業し、世界最大規模となる1日10トンのレタスを生産できる完全人工光型植物工場「テクノファーム袋井」の開発を進めております。当社を含む3社は、植物工場事業を通じて、食や農業分野の課題を解決するとともに、クリーンエネルギーの積極的な利用や栽培過程におけるCOの有効活用等、脱炭素化に向けた取組みを進めていくことで、持続可能で暮らしやすい社会の実現とSDGsの達成に貢献してまいります。

・第20回アジア競技大会選手村後利用事業における木材の使用促進の取組み

前述のとおり、当該事業者グループは、愛知県と「建築物木材利用促進協定」を締結しております。愛知県産木材を積極的に活用する等、当該事業を通じて脱炭素に資する取組みを行ってまいります。

・「おおさか環境にやさしい建築賞 住宅部門賞」受賞

2022年1月に、分譲マンション「レ・ジェイド千里青山台(大阪府吹田市、総戸数152戸)」について、環境にやさしい建築物の普及促進および大阪府民の意識啓発を図ることを目的として、建築物の環境配慮の模範となる建築主や設計者を表彰する「令和3年度おおさか環境にやさしい建築賞 住宅部門賞」(主催:大阪府・大阪市)を当社において初めて受賞しました。

②社会(S)

・一般事業主行動計画の策定

2022年12月には、育児や介護を行う社員の家庭と仕事の両立支援の促進、女性を含めた全ての人材が継続して就業し活躍できる職場づくりを目指し、次世代育成支援対策推進法や女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2023年1月1日~2024年12月31日)を策定し、公表しました。

・「企業版ふるさと納税」を活用した北海道北広島市への支援

北海道北広島市のまちづくりのさらなる発展に寄与するとともに、交通、観光、スポーツおよび教育等様々な分野に波及することにより、同市のさらなる発展の一助になればとの想いから、2022年3月に「企業版ふるさと納税」を活用し、同市に3億円を寄附しました。同年7月には、当該寄附に対し同市より感謝状を拝受しており、当該資金は将来にわたって活力あるまちを維持していくために活用されます。

・医療への貢献

病気や怪我で苦しんでいる多くの方々のために、iPS細胞による治療を早期にかつ安価で提供実現する活動を支援するため、京都大学「iPS細胞研究基金」に2020年以来寄附を行っております。

また、癌治療薬として期待されている癌ワクチンの治験支援として大阪大学大学院医学系研究科に2019年以来寄附を行い、2022年5月には癌免疫療法の研究を目的に、同研究科が取組んでいる「癌免疫学」寄附講座の設置にかかる費用について寄附いたしました。

2022年11月には、チャリティイベント「Osaka Great Santa Run 2022」(主催:グレートサンタラン・オーガニゼーション(一般社団法人 OSAKA あかるクラブ内))へ協賛いたしました。当イベントでは、参加費の一部を病気と闘うこどもたちへのプレゼントとして届ける取組みを行っております。

・スポーツ振興への貢献

2021年4月には、プロサッカーチーム「FC琉球」を運営する琉球フットボールクラブ株式会社に出資し、これを通じて沖縄での事業機会創出の橋頭堡とするとともに、同チームの沖縄に密着した地域活性化活動を支援することにより、スポーツ振興を通して地域社会に貢献してまいります。

③ガバナンス(G)

・取締役指名および報酬に関する任意の委員会設置

2020年1月に取締役の指名、報酬等にかかる取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的として、「指名・報酬諮問委員会」を設置し、取締役の選任および報酬につき公平性・透明性を確保しております。

・後継者育成

後継者候補制度いわゆるサクセッションプランへの取組みも開始し、2023年1月には計7名を雇用型執行役員として選任しております。

・取締役会の多様性

当社の取締役会は業務執行取締役3名、社外取締役2名、監査等委員である取締役3名の計8名で構成されており、取締役の半数となる4名(内女性1名)を独立役員として選定しております。また、2023年3月24日開催予定の第28回定時株主総会において、社外取締役および監査等委員である取締役候補者をそれぞれ1名ずつ新たに選任する旨の議案を付議することについて決議しており、取締役会の多様性を確保し、よりガバナンスの効いた体制構築を図ってまいります。

・コンプライアンス室設置

当社の連結子会社である株式会社エスコンアセットマネジメント(以下「EAM」といいます。)に対する行政処分(詳細は「(9)EAMに対する行政処分について」に記載いたします。)を重く受け止め、2022年10月に、法令遵守態勢および内部管理態勢を強化するとともに、利害関係者との取引プロセスを監視し、二度と同じ事象を起こさないよう利益相反管理態勢を構築すべく、社長直下組織としてコンプライアンス室を新設しました。新設のコンプライアンス室は、コンプライアンス担当役員(取締役 管理本部長 藤田賢司)を室長として、当社およびグループ全体における法令遵守に係る経営姿勢の明確化を行うとともに、コンプライアンス経営をより効果的に強化、徹底推進してまいります。

④その他

不動産セクターのESG配慮を測る年次のベンチマーク評価であるGRESBに2018年より毎年参加し、継続的な評価結果の向上を目指しております。2022年10月には、「ディベロップメント・ベンチマーク」における環境への配慮やサステナビリティへの取組みについて、総合スコアでの相対評価に基づく5段階評価のGRESBレーティングにおいて、「2 Stars」の評価(報告期間:2021年1月1日~2021年12月31日)を取得し、また4年連続で「Green Star(※5)」を取得しております。

※5 「ディベロップメント・ベンチマーク」における「Green Star」とは、「マネジメント・コンポーネント」および「ディベロップメント・コンポ―ネント」の2軸で絶対評価の上、双方ともの得点率が50%以上の参加者へ与えられます。

EAMに対する行政処分について

当社の連結子会社であるEAMは、2022年7月15日に金融庁より業務停止命令および業務改善命令の行政処分を受け、同年8月15日に業務改善報告を金融庁長官宛に提出し、受理されております。また、EAMでは、エスコンジャパンリート投資法人(以下「EJR」といいます。)における独立性を確保した法律事務所の調査結果を受けて損害金666百万円をEJRに支払っております。この調査結果についてEAMは、不動産鑑定評価業者への不適切な働きかけがあったものの、不動産評価書に記載の鑑定評価額は適正な評価額であることを前提としたうえで、それでもなおEJRに損害が生じていると判断すべきとの認定がなされたものと認識しております。

当社は、EAMの親会社であり、EAMを資産運用受託者とするEJRのメインスポンサーとして、今回のEAMに対する行政処分を重く受け止め、再発防止をグループ全体の重要課題と認識し、前述のとおり利益相反管理態勢を構築するためコンプライアンス室を設置しております。また、行政処分に至った事態を真摯に受け止め、当社代表取締役社長である伊藤貴俊より報酬月額の30%(2023年1月から同年3月の3カ月間)、専務取締役である中西稔および常務執行役員である江頭智彦より報酬月額の20%(同上)の自主返上について申し出があり、これを受理しております。

引き続き、指摘を受けた内容の本質、真因を踏まえ、EAMのみならずグループ全社で法令遵守態勢および内部管理態勢の強化を徹底し、改善策を着実に実行してかかる事態の再発防止に全力を挙げて取組んでまいります。

セグメント別の事業展開

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が懸念されたものの、行動制限緩和や感染症対策の進展があり、経済社会活動の正常化が着実に進み、内需を中心に景気の緩やかな回復基調が続いております。

当社グループが属する不動産業界においては、働き方改革や在宅勤務等の新しい暮らし方の広がりを背景に安定した住宅需要があることや、金融緩和政策の継続等による下支えの効果も加わり、不動産マーケットは堅調に推移しております。一方で、原材料高騰による建築コストの上昇、部品等の供給不足による資材の納品遅れ、不動産取得競争の激化・取得価格の上昇等は依然顕著であり、マーケットに与える影響を注視すべき状況が続いております。

先行きについては、ウクライナ情勢悪化による資源等の供給不足や円安の進行による物価上昇に加え、米国をはじめ各国で金融引締め政策が継続し、国内でも大規模金利緩和が事実上縮小され金利の上昇傾向が強まる等、景気の下振れ要因が存在します。今後の不動産マーケットの動向は不透明であり、不動産事業の展開も引き続き慎重に進めていく必要があります。

このような先行きの見通しが非常に難しい事業環境ではありますが、当社は2021年2月に策定した第4次中期経営計画「IDEAL to REAL 2023」(2021年12月期から2023年12月期までの3ヶ年を対象)のもと、「転換&飛躍」を基本方針として、いかなる経済環境にも耐えうる強固な経営基盤を確立し、企業価値の最大化により持続的な成長を目指しております。

第4次中期経営計画初年度である2021年度は、中部電力を割当先とする第三者割当増資により、中部電力の連結子会社となり、中部電力グループとの分譲マンションや植物工場開発等の協業・連携が進捗する等、様々なシナジー効果を発揮しております。同年10月には、優良な賃貸収益不動産を多数保有するピカソグループを子会社化する等、財務基盤の強化、安定収益構造への転換を着実に推進しました。

これらにより、2022年9月に株式会社日本格付研究所より、2021年7月に取得した「A」から引き上げとなる「A+」(安定的)の格付を取得しており、「JPX日経インデックス400」について2021年度に続き2022年度(2022年8月31日~2023年8月30日)の構成銘柄に選定されております。この評価取得等を背景に、金融機関とのコミットメントライン契約の締結や社債の発行登録等、様々な投資機会を機動的・積極的に検討できる体制を整備しました。

上記の取組み体制のもと、第4次中期経営計画の2年目である当連結会計年度の経営成績は、主に主力事業である分譲マンション販売が堅調に進捗し、売上高99,431百万円(当初計画比0.6%減)は概ね計画どおり、営業利益15,492百万円(同10.7%増)および経常利益14,012百万円(同14.9%増)が計画比上振れとなるものの、株式会社了聞に関する特別損失等の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は7,250百万円(同12.6%減)と、計画未達になりました。

第4次中期経営計画最終年度である2023年度は、「飛躍」を目指し全社一丸となって邁進してまいります。

2023年3月には、北海道北広島市に建設された北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールドHOKKAIDO)」が開業いたします。当社は、Fビレッジにおけるまちづくり構想に参画し、開業と同月に引渡予定の分譲マンション「レ・ジェイド北海道ボールパーク(北海道北広島市、総戸数118戸が早期契約完売)」や、シニアレジデンス開発を行っております。さらに、JR北広島駅での「駅西口周辺エリア活性化事業」について、当社は事業パートナーとして駅前ロータリー等、Fビレッジへの玄関口を創出する開発事業を推進しております。

今後も、事業を通じて地域活性化に貢献し続け、持続的な成長を実現してまいります。

①不動産販売事業

中核事業である不動産販売事業においては、収益不動産の販売等を行うとともに、分譲マンションの販売が順調に進捗しております。

分譲事業においては「レ・ジェイド四天王寺夕陽丘(大阪市天王寺区、総戸数52戸)」「レジアス大橋(福岡市南区、総戸数140戸)」をはじめ16物件の販売を開始しております。

販売の進捗としては、「レ・ジェイド上本町(大阪市天王寺区、総戸数56戸)」をはじめ14物件が完売、2023年度竣工予定の「レ・ジェイド北海道ボールパーク(北海道北広島市、総戸数118戸)」「レ・ジェイド上新庄(大阪市東淀川区、総戸数60戸)」等6物件が契約完売となり、合計20物件の完売を達成する等順調に契約・引渡が進んでおります。

また、北海道での分譲マンション事業の進捗や、九州での当社第1弾分譲マンション「レジアス大橋(福岡市南区、総戸数140戸)」の販売等、関東・関西・中部・九州・北海道の全国5大都市圏における事業基盤の確立を着実に行い、事業エリアの拡大を進めております。

②不動産賃貸事業

不動産賃貸事業においては、前述のピカソグループの子会社化により、賃貸事業の強化による安定収益確保を実現しました。また、2021年11月に開業した「tonarie南千里アネックス」における「無印良品」が、期間限定仮設店舗から2022年4月に関西最大級の売り場面積を誇る店舗となる等、賃貸事業の強化を着実に推進しております。

また、「tonarie宇都宮(栃木県宇都宮市)」における店舗入れ替えによるリニューアルの推進や、前述の「tonarie星田(仮称)」の開発等、今後さらなる安定収益構造への転換を行うべく、商業施設の新規開発・取得および保有する商業施設の安定的な賃料収入の確保と資産価値の向上に努めております。

③不動産企画仲介コンサル事業

当社が強みとする企画力等を活かし、業務受託、販売の仲介等ノンアセットで利益率の高い事業として注力しております。

当連結会計年度の業績について

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、99,431百万円(前連結会計年度比25.8%増)、営業利益15,492百万円(同49.2%増)、経常利益14,012百万円(同54.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,250百万円(同21.6%増)となりました。

当初計画に対して、売上高が当初計画比0.6%減と概ね計画どおり推移するとともに、分譲マンションや収益不動産販売が堅調に推移し、営業利益は同10.7%増、経常利益は同14.9%増と上振れました。しかし、株式会社了聞において現状の販売進捗の遅れによる2022年度の業績を踏まえ、将来の収益計画を見直した結果、減損損失1,760百万円および貸倒引当金繰入額1,483百万円を計上し、また、EAMにおけるEJRへの賠償金の支払額を含めた損害賠償損失682百万円を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.6%減と、計画未達になりました。

セグメント別の業績

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

不動産販売事業

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不動産販売事業においては、分譲マンションおよび収益不動産の販売等を行った結果、売上高86,531百万円(前連結会計年度比23.0%増)、セグメント利益17,006百万円(同30.4%増)となりました。

不動産賃貸事業

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不動産賃貸事業においては、保有する収益不動産の賃料収入の増加を含めた資産価値の向上を図るべくリーシング活動およびプロパティマネジメント事業に注力した結果、売上高11,824百万円(前連結会計年度比46.1%増)、セグメント利益4,716百万円(同39.8%増)となりました。

不動産企画仲介コンサル事業

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不動産企画仲介コンサル事業においては、企画力、多面的な事業構築力を最大限に活かし、企画コンサル等の業務受託等に積極的に取組んだ結果、売上高1,074百万円(前連結会計年度比81.3%増)、セグメント利益228百万円(前連結会計年度は516百万円のセグメント損失)となりました。

セグメント別売上高

設備投資の状況

① 当連結会計年度中に取得した主要設備

不動産賃貸事業 ディノス札幌白石 商業施設の取得 1,573百万円

② 当連結会計年度中に実施した重要な固定資産の売却、撤去、滅失

特記すべき事項はありません。

資金調達の状況

当連結会計年度において、金融機関等から新たに46,131百万円の借入による資金調達を行いました。

他の会社の株式その他の持分の取得

当社は、2022年1月21日をもってFUEL株式会社の全株式を取得し、子会社化いたしました。

対処すべき課題

企業を取り巻く経営環境は、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大がこれまでの生活様式や企業活動にとって大きな変容の機会となったことで、「ニューノーマル」な時代として急速にかつ大きく変化し続けています。ワクチンの普及や各国による対策等により、行動制限は緩和され社会経済活動が正常化しつつある一方で、直近ではウクライナ情勢の悪化、円安の進行、これらに端を発した物価上昇等、今後の経済動向を大きく左右する事象が発生しております。また、地球温暖化、少子高齢化、人口の減少、ジェンダー問題、格差問題、地政学的リスク等様々な社会課題や、あらゆる分野におけるDX、激化する産業の境界を超えた競争等に対応することが急務になっていることに加え、顧客消費行動や価値観は常に早いスピードで変化し続けており、企業の持続的成長のためには、事業活動を通じてお客様や社会へ真の価値提供が常に求められる事業環境にあります。

当社グループが、このように急激な多様化、変革が続く環境に対応し、社会貢献を通じた持続的成長を実現するためには、これまでの前例や既成概念にとらわれることのない柔軟な新しい発想で事業展開を行い、地域活性化に寄与することに加え、強固な財務基盤のもと安定した経営を行い、お客様の満足を糧に確実に成長していくことを方針とし、なによりもそこに暮らす人たちの幸せを思い描き、理想を具現化し未来を創造する、暮らしそのものを開発する「ライフ・デベロッパー」を目指し続ける必要があります。

住宅開発、商業開発、物流開発、賃貸事業、オフィス開発、ホテル開発、海外事業、企画コンサルティング、施設運営管理、資産運用、納骨堂事業、不動産クラウドファンディング事業といった不動産ビジネスの多面的な展開により、常に事業の最適バランスを見据えた展開を行い、いかなる経済環境にも耐えうる強固な経営基盤を確立する必要があります。また、持続的な成長の実現には組織力を強化していくことも重要課題であると捉え、社員または社員が持つ知識、技能、資質等である「人的資本」のさらなる充実が重要であることを認識し、人材育成方針等の策定や教育・研修体系構築、さらには人的資本に係る情報開示等の準備に着手しております。

引き続き企業価値の最大化、株主様へのさらなる還元を行うことにより、他にはないオンリーワンの企業を目指してまいります。

具体的な課題としては次のとおりであります。

経営管理体制

一定の利益を確保できる土地の価格には当然上限があり、適正な価格での仕入れがもっとも重要な課題の一つであります。良質な用地の仕入れを行うためには、優秀な人材の確保と育成、情報ルートの常なる強化や拡大、他社とのアライアンスの模索、迅速な判断、慎重かつ大胆な決断が必要となります。また、業界特性として、用地仕入れ等を通じ借入残高が大きくなる傾向にあることから、金利上昇環境においては予定した利益計画に差異が出ることも予想され、資金調達コストの低減や方法の多様化、キャッシュ・フローの改善等を強化しつつ、強固な財務基盤を引き続き構築していくことが必要となります。

また、前述のとおり、当社の連結子会社であるEAMは、2022年7月に金融庁より業務停止命令および業務改善命令の行政処分を受けております。グループ全社で法令遵守態勢および内部管理態勢の強化、コンプライアンス経営のさらなる推進をしていくことが当社グループ全体の重要課題と認識しており、着実に体制強化を推進いたします。

自社独自体制の強化

不動産は一つとして同じ形状、立地のものはありません。立地特性を最大限活かすとともに、その地域、エリアに住む方々や当社が開発する住宅に住まわれる方々、施設等を利用する方々にとって、理想の住宅、まち、生活環境を提案、提供していくことが当社グループのミッションであると考え、単なる住宅や施設という空間を創るだけではなく、より豊かな暮らしを提案する「ライフ・デベロッパー」であることを目指し、具現化に取組んでおります。

分譲マンション開発を推進していくにあたり、仕入、企画、販売の担当それぞれが一連のプロジェクトとして最初から最後まで関わり「三位一体」で取組む事業体制をとっております。ファミリー層を中心とした実需で購入いただくお客様目線で、将来に亘る住み心地を追求し、画一的ではなくその地にあったお客様のニーズを創造するものづくりを特徴としており、直近においては、都心や自然豊かな希少立地での付加価値の高い商品企画、賃貸マンションの開発等にも注力しております。

商業開発については、地域コミュニティに根差した「暮らし密着型」の商業施設を中心に開発を行い、地域活性化に寄与できるよう事業展開を行っております。

当社の開発コンセプトは比較的容易に特徴を出すことができる仕様やデザインだけではなく、土地の取得段階や基本設計(企画)の段階でプロジェクトの規模や供給戸数を追求するのではなく、常に最適な企画は何なのかを追求いたします。当社の強みであるこの体制を維持し、強化することにより、いかなる事業環境においても優位性を保つことができるよう、常に危機意識を持ち事業を推進してまいります。

新たな取組み

経済環境のいかなる変化によっても、自己保有が可能なNOI基準を設定・遵守し、案件の取得開発を実行するとともに、積極的に次世代を見据えた取組みに着手し、事業領域を拡大しております。

不動産販売事業については、分譲マンション、商業施設開発を中核事業に、物流施設、オフィス、ホテル開発、まちを再生させる土地区画整理事業等、マーケット動向を見据えながら多様な開発領域で事業展開しております。

不動産賃貸事業については、第4次中期経営計画における経営戦略基本方針である「フロー収益重視からストック収益重視への転換」のもと賃貸事業を重点的に推進しており、2021年に優良な賃貸収益不動産を多数保有するピカソグループを子会社化しております。後継者不在などの課題を抱え事業承継をお考えの会社様等との協議を通じた市場に出てこないM&A案件についても検討を行い、収益構造の安定化に引き続き注力してまいります。

また、2021年4月に中部電力の連結子会社となったことにより、中部圏での事業拡大、同社グループとの複数の共同事業着手等、着実にシナジー効果を発揮しております。当社のまちづくりのノウハウと中部電力グループが持つエネルギーマネジメントの知見を掛け合わせ、「新しいコミュニティの形」の実現を目指し、都心・駅前の大型再開発、大型まちづくりにも取組んでまいります。

さらに、不動産を開発するだけでなく、連結子会社である株式会社エスコンプロパティにおいて、不動産の付加価値を一層高めていくプロパティマネジメント事業にも注力するとともに、不動産の利用形態に適合するオペレーション機能を有する唯一無二の総合デベロッパーとしての地位を確立するため、連結子会社である株式会社エスコンリビングサービスにおいて、不動産オペレート事業の充実による不動産開発力の幅と奥行きの拡大を図ってまいります。

次代を見据えた取組みとして、海外投資事業を着実に進捗させているほか、都市型納骨堂の永代使用権の販売事業を推進するとともに、2022年1月には不動産クラウドファンディング事業を手掛ける企業のM&Aを実行し、事業領域の幅と質を向上させています。

中長期的な取組み

現在推進する第4次中期経営計画「IDEAL to REAL 2023」において経営戦略の一つに掲げている「ESGの推進」を強化してまいります。2030年の新たな温室効果ガス排出量削減や2050年のカーボンニュートラル等国全体での気候変動に対する取組みは当社グループにとっても経営上の重要な課題と捉えております。さらに、持続可能な開発目標であるSDGsについても事業を通じて着実に貢献してまいります。

人々が暮らすまち、住まい、空間を提供する当社グループは、多様な人々が様々なライフスタイル、働き方、住まい方を選択でき、安全に安心して、生き生きと生活できる活力ある環境、環境性能の高いサステナブルなまちづくりを推進してまいります。

また、経営の透明性、公正性を高め信頼されるガバナンスの効いた企業を目指すとともに、人権を尊重し、多様な人材が活躍できるよう人的資本経営を加速させていくとともに、健康経営についても強化し、企業の社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

財産および損益の状況

(注)
  • 第25期は、新規分譲マンション事業および商業施設、物流施設開発に注力いたしました。また、名古屋支店を開設後、中部電力株式会社の子会社である中電不動産株式会社との共同事業にも着手するほか、新たな事業として海外事業にも注力し、上記のとおりとなりました。
  • 第26期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がありながらも、新規分譲マンション事業では早期にWEB接客を取り入れ堅調に推移、分譲事業以外ではエスコンジャパンリート投資法人・中電不動産株式会社への物件売却により前期増収となるほか、北海道圏においても事業拡大すべく支店を開設するなど、積極的に事業を展開いたしました。一方、売却を予定していたホテルの販売時期の見直しや、物流用地の販売時期の期ずれ等による減益により、上記のとおりとなりました。
  • 第27期は、新規分譲マンション事業において、対前期比368戸増の1,020戸の引渡しを達成するなど順調に推移したほか、優良な賃貸収益不動産を多数保有する株式会社ピカソグループを子会社化する等「収益構造の転換」を推進した結果、上記のとおりとなりました。
  • 第28期(当連結会計年度)の状況につきましては、前記「1事業の経過およびその成果」に記載のとおりであります。
  • 第21期(2015年12月期)に当社は、取締役に対する業績連動型株式報酬制度と株式給付型ESOPを導入しており、これらの制度に関して設定される役員向け株式給付信託および株式給付型ESOP信託が所有する当社株式を、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。また、1株当たり純資産額の算定上は、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。

連結計算書類