株主の皆様へ

株主の皆様には日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
2020年度の定時株主総会招集ご通知をご覧いただくにあたり、ご挨拶を申し上げます。

本年4月1日付で当社代表取締役社長執行役員に就任いたしました橋本剛でございます。ご挨拶に先立ち、このたびの新型コロナウイルス感染症により影響を受けられた方々に、謹んでお見舞い申し上げます。また、医療関係者の皆様をはじめ、感染症の拡大防止、収束に向けご尽力いただいている方々に、心より敬意と感謝の意を表します。

当期2020年度は、前期末頃から続く新型コロナウイルスの感染拡大により、世界的な製造業の生産活動停止による大幅な荷動き停滞が顕在化しました。当社事業においても、自動車船の他、フェリーRORO船・客船などがその影響を大きく受けました。他方エネルギー輸送事業においては、長期契約を主体とする安定事業としてLNG船・FPSOが期初の見通し通りに推移したほか、油送船は原油価格低迷時の洋上備蓄需要により船腹需給が好転し、好業績をあげることができました。また製品輸送事業のうち、コンテナ船事業においても、Ocean Network Express(ONE)社が旺盛な輸送需要と堅調な運賃市況を背景に大幅な収益改善となりました。以上の結果、当社は、前期を大きく上回る経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益を達成しました。

配当につきましては、当期の収益を踏まえて株主の皆様への利益還元を実施すべく、1株当たりの年間配当金を前期比85円増の150円(中間配当15円、期末配当135円)とする予定です。

2021年度におきましては、経営計画「ローリングプラン2021(以下、RP2021)」のもと、売上高1兆600億円、事業利益(営業利益+持分法投資損益)900億円、経常利益1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益900億円を計画しております。この利益計画に基づき、年間配当は1株当たり150円(うち中間配当70円)を予定しております。

経営計画RP2021では、これまでの経営方針である「環境戦略」「営業戦略」「ポートフォリオ戦略」の3本柱を基礎とし、ネットゼロエミッションの目標時期についてはこれまでより大幅に前倒しし、2050年までの達成を掲げるなど「環境戦略」への取り組みを加速させます。また、「営業戦略」については、インドから東南アジア、そして中国を中心としたアジアに重点を置いた地域戦略を進めてまいります。

さて、当社は4月1日付で新しいグループ企業理念とグループビジョンを策定しました。また当社社員の価値観・行動規範となるMOL CHARTに“S” = Safetyを加え、MOL CHARTSとしました。

新たなグループ企業理念のもと、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を契機に加速する世の中の変化に対応し、グループビジョンの達成に向け、事業の基盤である安全品質の向上、コンプライアンスの遵守は当然の事として、RP2021とサステナビリティ課題に取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。

引き続きご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役 社長執行役員