事業報告(2020年4月1日から2021年3月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

事業の経過及びその成果

経営環境

当期の世界経済は、新型コロナウイルスの影響はもとより、米中対立の激化や地政学リスクの高まりもあり、かつてない不確実性に晒されました。前期末より新型コロナウイルスが世界的に感染拡大する中、各国で実施された渡航制限や都市封鎖によって、世界経済は急速に悪化。その後、各国政府が打ち出した史上最大規模の景気刺激策の効果もあり、中国経済は2020年4-6月期、その他主要国の経済も7-9月期には持ち直しに転じたものの、リーマンショック時を下回る戦後最悪のマイナス成長を記録しました。その一方で、食料や日用品を中心とする生活必需品の需要は底堅く、医療・感染症対策需要、リモートワーク需要や巣ごもり需要といった、コロナ禍による新たな需要も生まれました。また、コロナ禍に対する景気対策の一環として、多くの国が環境投資によって経済回復を図る「グリーンリカバリー」を発表し、カーボンニュートラル、脱炭素社会に向けた動きが大きく加速しました。

当期の業績

このような経営環境のもと、当期の業績は、コロナ禍における輸送需要の停滞が顕在化した事業があった一方、巣ごもり需要を中心とした旺盛な荷動きを背景に、コンテナ船事業での大幅な収益改善が寄与し、前期を大きく上回る経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益を達成しました。

ドライバルク船事業においては、一時的に荷動きが鈍化する局面もありましたが、中国の鉄鋼原料需要回復に加え、穀物の旺盛な輸送需要に支えられ、ケープサイズ、パナマックス共に総じて市況環境は改善しました。一方で、木材チップ船とオープンハッチ船では全般的に低調な荷動きの影響を受けました。

エネルギー輸送事業のうち、油送船事業においては、春先の原油安を受けた洋上備蓄需要の高まりによって市況の歴史的高値を記録し、有利契約の獲得に成功しました。また、LNG船事業では既存の長期貸船契約を主体に安定的な利益を確保し、海洋事業においてはFPSO事業で既存プロジェクトが順調に稼働しました。

製品輸送事業のうち、コンテナ船事業においては、当社持分法適用会社Ocean Network Express社において、北米航路を中心とした夏場以降の旺盛な荷動きと、労働者不足による港湾混雑やアジアに於けるコンテナ不足など様々な制約があったことを背景に、スポット賃率が前期を上回るレベルで推移したことで大幅な増益を達成しました。自動車船事業においては、新型コロナウイルスの流行による世界的な完成車減産の影響を受け、第3四半期以降回復したものの、前期比で輸送台数が大きく減少しました。

なお、当期の対ドル平均為替レートは、前期比¥3.33/US$円高の¥105.95/US$となりました。また、当期の船舶燃料油平均価格(全油種)は、前期比US$112/MT下落しUS$355/MTとなりました。以上の結果、当期の業績につきましては、売上高9,914億円、営業損益△53億円となりましたが、コンテナ船事業の増益が寄与し経常損益は前期比で785億円増加の1,336億円となりました。一方、海洋事業におけるFSRUに関する減損損失や、各事業における不採算船の処分、並びに石油製品船事業のシンガポール拠点への集約や自動車船事業における日産専用船㈱との組織合理化等に関する事業再編関連損失等、特別損失501億円を計上したこともあり親会社株主に帰属する当期純損益は900億円となりました。

各事業別の概況

ドライバルク船事業

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[ 主な事業内容 ]

  • ・鉄鉱石や原料炭、穀物、木材、チップ、セメント、肥料、塩、鋼材などを運ぶ、ばら積み船や貨物特性に合わせた専用船の保有・運航。

2020年度の概況

  • ケープサイズ市況は、上半期は中国の鉄鋼原料需要回復及び先物運賃上昇による相乗効果で改善し、全般的に底堅く推移。下半期は一進一退を繰り返しながら2021年3月上旬からの好調なパナマックス市況が波及し上昇基調で推移。
  • パナマックス市況は、上半期は南米積み穀物の旺盛な輸送需要に支えられ夏場にかけて上昇した後、中国向け石炭輸送需要の減少により低調に推移。下半期は北米積み穀物等の輸送需要による下支え、年明け以降の堅調な中国向け石炭需要などを背景に高水準で推移。
  • ハンディマックス船型以下は、上半期は横ばいで推移。下半期は年明け以降に中国を中心とする旺盛な貨物需要により上昇基調となり、2021年2月以降パナマックス市況に連動して急騰。
  • ドライバルク船事業全体では、当社連結子会社MOL Bridge Finance社において、持分法適用関連会社Gearbulk Holding社に対する貸付金について貸倒引当金繰入額76億円を計上したため、前期比で大幅な損益悪化。

主な取り組み

鉄鋼原料船

  • 鉄鋼石輸送用新造船7隻竣工(ケープサイズ5隻、パナマックス2隻)。
  • LNG燃料ケープサイズバルカー、風力推進及びマイクロプラスチック回収装置設置等の環境ソリューションの検討・提案。

不定期船

  • 発電用バイオマス燃料木質ペレットの長期契約を獲得。
  • 2021年度より発足する、鉄鋼・電力会社向けを除くドライバルク輸送(不定期船・木材チップ船・近海船事業)を集約した「商船三井ドライバルク㈱」の立ち上げを決定。

木材チップ船

  • マイクロプラスチック回収装置を新造船へ搭載。
  • 既存船における低燃費運航の実施及び環境規制(SOx規制)へ対応したスクラバーの搭載。

木材チップ運搬船「SOUTHERN STAR」

鉄鋼原料船「AKAGISAN」

エネルギー輸送事業

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[ 主な事業内容 ]

  • ・ 原油タンカー、ナフサやガソリンなどの石油精製品を運ぶプロダクトタンカー、液体化学品を運ぶケミカルタンカーなどの、油送船の保有・運航。
  • ・ 液化天然ガスを運ぶLNG船の保有・運航、及びFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)・FSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)等の海洋事業の展開。
  • ・火力発電用石炭を運ぶ石炭船の保有・運航。
  • ・風力発電関連事業の開発・推進。

2020年度の概況

油送船

  • 原油船市況は、上半期は原油価格の下落を背景とした洋上備蓄需要の高まりにより歴史的高値を記録するも、その後の備蓄需要解消などにより下落基調に。下半期は主要産油国の協調減産などにより荷動きが回復せず、市況は低迷。
  • 石油製品船市況は、上半期は原油船市況同様、洋上備蓄需要による需給の引き締まりの影響で一時高値を記録した後、製油所稼働率の低下により夏場にかけて下落基調に。下半期はコロナ禍による世界的な石油製品の余剰を背景に輸送需要が低迷し、低調に推移。
  • LPG船市況は、上半期は底堅い需要を背景に堅調に推移。下半期は原油価格に比べて競争力のある価格が好感されるなど需要が増加し、5年ぶりの高値を記録。
  • 油送船部門全体では、前期比で大幅な増益。

LNG船・海洋事業

  • LNG船部門においては、新たに竣工したLNG船4隻・LNG燃料供給船1隻の契約が開始した他、既存の長期貸船契約を主体に安定的な利益を確保し、前期比で増益。
  • 海洋事業部門においては、FPSO事業で既存プロジェクトが安定的に利益を積み上げた一方で、FSRU事業では、従来の契約が完了した1隻において、次の長期契約開始まで短期契約に投入した結果、前期比で損益悪化。

石炭船・風力事業

  • 石炭船では、堅調な国内石炭火力発電所向け荷動きを背景に中長期契約船は高稼働を維持するも、期初のスポット市況軟化の影響等により前期比で損益悪化。

LPG運搬船「HISUI」

主な取り組み

油送船

  • 新造VLCC 2隻の竣工に加え、メタノール船長期貸船案件含む、国内外顧客向けの新規契約締結。
  • MOL Chemical Tankers社が旧MOL Nordic Tankers社の営業・運航を統合し、「MOL Chemical Tankers」ワンブランドによる運営を開始。

LNG船・海洋事業

  • LNG燃料供給船GAS AGILITYが大型LNG燃料コンテナ船へのLNG燃料供給を開始。
  • セネガルLNG発電船プロジェクト向けに、トルコKarpowership社との「KARMOL」ブランドによる1隻目のFSRUが竣工。
  • ノルウェー Larvik Shipping社へ出資、液化CO2海上輸送事業へ参画。

石炭船・風力事業

  • 台湾大彰化洋上風力発電所の保守作業を支援する、アジア初の「サービス・オペレーション・ベッセル(SOV)」事業に関する定期貸船契約及び造船契約を締結。
  • 東北電力㈱と「ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載石炭船」による輸送契約を締結。
  • 新造石炭船2隻が竣工、国内顧客向け長期契約に従事。

LNG燃料供給船「GAS AGILITY」

サービス・オペレーション・ベッセル(SOV)
(イメージ)

LNG船「NIKOLAY URVANTSEV」

製品輸送事業

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** 当社持分法適用会社Ocean Network Express社の営業開始に伴い、コンテナ船サービスに関する売上は、2018年度より当社の売上高に計上しておりません。

[ 主な事業内容 ]

  • ・コンテナ船の保有・運航、コンテナターミナルの運営。
  • ・航空・海上フォワーディング、陸上輸送、倉庫保管及び重量物輸送などの「トータル・物流ソリューション」の提供。
  • ・完成車、建設機械を運ぶ自動車専用船の保有・運航、及び陸上輸送・ターミナル運営等総合的な自動車輸送サービスの展開。
  • ・太平洋沿海・瀬戸内海でのフェリー及び内航RORO船の運航による旅客及び貨物輸送。

うち、コンテナ船事業

2020年度の概況

コンテナ船

  • 当社持分法適用会社Ocean Network Express(ONE)社において、北米航路を中心に、巣ごもり需要を背景に夏場以降好調な荷動きを維持。
  • 新型コロナウイルス拡大に起因する労働者不足による港湾混雑発生やアジアにおけるコンテナ不足など、様々な理由で供給面の制約があったことにより、スポット運賃率は前期を大幅に上回るレベルで推移。
  • 加えて燃料油価格が総じて安値圏を維持したこともあり、前期比で大幅な増益。

自動車船

  • 上半期は新型コロナウイルスの流行による世界的な自動車減産の影響を受け、完成車輸送台数が大きく減少。下半期に入り荷動きは回復したものの前期比では大幅に低い水準。
  • 船隊規模の圧縮、並びに配船合理化を推し進めるも、損益は前期比で悪化。

フェリー・内航RORO船

  • 旅客については、新型コロナウイルスの影響を受け大幅に減少。感染症対策を強化するなどし一時回復が見られたが、総じて低調に推移。
  • 荷動きは、下半期後半に回復基調に転じたものの前期を下回る状況が継続。
  • フェリー・内航RORO船事業全体では、前期比で損益悪化。

フェリー「さんふらわあ さつま」

ハイフォン危険品倉庫

次世代自動車船「BELUGA ACE」

コンテナ船「MOL TRIUMPH」

主な取り組み

コンテナ船(Ocean Network Express社)

  • 世界最大級となる24,000TEU超の超大型コンテナ船6隻の15年間の長期傭船契約に基本合意。
  • 成長が見込まれるマーケットの取り込み強化を目的とした、アジア域内、欧州発インド・中東で新サービスの開始を発表。
  • CO2排出削減に向け、プロペラの交換や船首構造の改造など、運航環境に応じた運航船の改良を継続して実施。

ターミナル・ロジスティクス

  • 国内コンテナターミナル事業において、横浜港での拠点を2021年4月より本牧ふ頭から国内最大水深・高規格バースとなる南本牧ふ頭に移転することを決定。
  • ロジスティクス事業において、スチールコイルのコンテナ輸送を対象に高性能、かつ環境に優しい固縛装置「MOL COILPORTER®」を開発、商船三井ロジスティクス㈱で提供を開始。
  • ベトナムで現地合弁会社を通じてハイフォンに危険品倉庫を開業、タイでもMOL Logistics社がタンクローリー事業を拡充、化学品物流を強化。

自動車船

  • 安全品質を一層強化する体制を整備すべく、当社とグループ会社の日産専用船㈱の自動車船運航に特化した専門組織を2021年4月1日付で設立。
  • 豪州向け航路での徹底したカメムシ侵入対策を実施し、豪州農業省の定める検疫基準に達していることを証するVessel Seasonal Pest Scheme(VSPS)の認証を邦船社として初めて同省より取得。

フェリー・内航RORO船

  • 現場でのさまざまな感染症対策実施、及び発着地の自治体・ホテル・旅館・他の交通機関等との連携により、密を避けながらも旅の魅力を味わえる新しい旅の形を提案。
  • 日本初となるLNG燃料フェリー「さんふらわあくれない」「さんふらわあむらさき」が国土交通省の認証する「内航船省エネルギー格付け制度」において、優れた環境性能(重油使用時と比しCO2排出量を20%以上カット)が評価され、最高評価の星5つを取得。

関連事業

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[ 主な事業内容 ]

  • 不動産事業、客船事業、曳船業、商社事業(燃料・舶用資材・機械販売等)等。

2020年度の概況

  • 不動産事業は、当社グループの不動産事業の中核であるダイビル㈱による新規物件取得が寄与し、安定的に利益を計上。
  • 客船事業は、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、長期に亘り運航休止を余儀なくされたことから前期比で損益悪化。
  • 曳船事業の業績は、曳船作業対象船の入出港隻数減少により、前期比で減益。
  • 関連事業セグメント全体では前期比で減益。

ユーグレナバイオディーゼル燃料
トライアル航行の様子

主な取り組み

  • 不動産事業において、ダイビル㈱の豪州初進出オフィスビル、「275 George Street」が12月に竣工。
  • 外国人人材活用を行う日系企業に向けて、フィリピンに外国人人材コンサルティング会社MM EMPOWER社を設立。
  • 曳船事業において、日本栄船㈱が運航するLNG燃料タグボート「いしん」が、内航船省エネ格付け最高評価を獲得。加えて、「シップ・オブ・ザ・イヤー2019」において作業船・特殊船部門賞を受賞。
  • グリーン海事㈱が保有・運航するタグボート(「13 たましお」)にて、環境負荷の低いユーグレナバイオディーゼル燃料を使用したトライアル航行を実施。

豪州初進出オフィスビル
「275 George Street」

その他

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[ 主な事業内容 ]

  • ・船舶管理業、金融業、情報サービス業、経理代行業、海事コンサルティング業等。

2020年度の概況

  • 主として当社グループのコストセンターであるその他事業は、前期比で減益。

会社の経営戦略と対処すべき課題

(1)グループ企業理念・グループビジョン・MOL CHARTS

当社は、社会的要請の変化及び当社自身の業容の変化を踏まえ、従来の「企業理念、長期ビジョン」を、2021年4月1日付で下表の通り、「グループ企業理念・グループビジョン・MOL CHARTS」に改定しました。

グループ企業理念(Mission・存在意義)とMOLCHARTS(Values・価値観/行動規範)を当社グループ全体の事業運営のよすがとし、グループビジョン(Vision・目指す姿)の達成に向け、企業価値向上に向けた取り組み(経営計画「ローリングプラン 2021」・サステナビリティ課題)を推進してまいります。

(2)経営計画「ローリングプラン2021」〜環境戦略を基軸に、成長への基礎固め〜

当社は2017年度に経営計画「ローリングプラン」を導入して以来、相対的競争力NO.1事業の集合体を目指し、年度ごとの具体的な重点項目を設定しその実現に向けて取り組んでまいりました。2020年度は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の中、コロナ収束後までを見通したメガトレンド予測を実施の上、「守り」の面においては上半期に一歩踏み込んだ減船を行い、市況エクスポージャーの縮減や政策保有株式売却などの資産流動化に努めた一方、「攻め」の面では新規投資を厳選しながら海洋事業への重点投資を行うとともに、ばら積み船や自動車専用船事業では事業特性に応じた構造改革を実施しました。

新経営計画「ローリングプラン2021」では、依然コロナ禍の影響による荷動き低迷からの回復途上にある中で、2021年度を、回復のタイミングを見据えながら成長軌道復帰に向けて着実に基礎固めを行う年とします。また、環境問題を含む社会的な要請に応えつつ当社の10年先を意識したときに、当社が目下最優先で取り組むべきは環境戦略であると認識しています。新たなグループビジョン(「ローリングプラン2021」での目指す姿)に向けて、環境戦略を基軸とし、ポートフォリオ戦略・営業戦略と連関させながら、当社グループの成長戦略を推進します。

<ローリングプラン2021の特徴>

<利益目標、キャッシュフロー見込み、財務目標および配当方針>

(3)サステナビリティ課題(マテリアリティ)への取り組み強化

当社は2019年4月に、当社の社会価値向上に向け事業活動を通じて優先的に取り組むべき社会課題として、サステナビリティ課題(マテリアリティ)を特定し、経営計画と密接に連動させて、解決へ向けた取り組みを推進しています。

また、2021年4月には、従来の「環境経営委員会」を「環境・サステナビリティ委員会」とし、サステナビリティ全般についての議論を行うとともに、社内の専門組織「環境・サステナビリティ戦略部」を新設し、サステナビリティ推進体制を強化しました。

2021年度においては、この体制のもと、サステナビリティ課題の一部見直しと取り組み推進のためのKPI(Key Performance Indicator)の設定を行うとともに、社会的懸念が高まっている環境問題への取り組みに関し、2020年6月にGHGの削減目標を掲げて策定した「環境ビジョン2.0」を「環境ビジョン2.1」へ改定し、その取り組みを加速していきます。

(4)当社のモーリシャス環境回復・社会貢献活動への取り組み

2020年8月、当社がチャーターしていたばら積み貨物船がモーリシャス共和国で座礁による油濁を起こし、現場水域と地域の自然環境や、地域社会とその産業にも大きな影響を及ぼすこととなりました。

当社は、船主との間における用船契約において本船を利用していた関係者として、現地のニーズに沿った支援を通じ、環境回復や地域社会への貢献に注力して取り組んでおり、今後もこれを継続してまいります。

具体的には、事故直後より当社社員を現地に派遣し様々な現地支援活動を行うとともに、専門家等を現地に派遣し事故影響のアセスメントを行いながら、現地NGO、学術機関等への寄付を実施、自然回復活動・現地住民支援活動をサポートいたしました。

また当社が委託者となり、国内における公益信託基金、さらにモーリシャスにおいても支援基金を設立いたします。これら総額8億円規模の基金を通じ、現地での自然環境保護・回復活動及び、水産、文化・教育などの地域社会産業各分野への貢献活動を助成し、モーリシャス国民の健康的な生活及び持続可能な経済発展に努めます。

なお、当社グループは、2012年以降、完成自動車車両の海上輸送に関して各国競争法違反の疑いがあるとして、米国等海外の当局による調査の対象となっております。また、本件に関連して、当社グループに対し損害賠償及び対象行為の差止め等を求める集団訴訟がカナダ、英国及びチリにおいて提起されています。このような事態を厳粛に受け止め、当社グループでは独禁法をはじめとするコンプライアンス強化と再発防止に引き続き取り組んでまいります。

財産及び損益の状況

連結計算書類