事業報告(2021年4月1日から2022年3月31日まで)

企業グループの現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過および成果

当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、企業の生産活動等において持ち直しの動きがみられます。

航空業界を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあるものの、需要は国内線を中心に回復基調にあり、入国制限が徐々に緩和される中で国際線の需要にも回復の兆しがみられます。

このような経済情勢のもと、人の移動が徐々に回復し、売上高はコロナ禍の影響を大きく受けた前期から増加し1兆203億円(前期比40.0%増)となりました。コロナ禍の影響が続いていることから、営業損失は1,731億円(前期 営業損失4,647億円)、経常損失は1,849億円(前期 経常損失4,513億円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,436億円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失4,046億円)となりました。

当社は、事業における安全と品質の追求等の取り組みが評価され、米国S&P Global社の「Sustainability Awards 2022」において、2年連続で最高格付であるゴールドクラスに選定された他、世界の代表的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability World Index」の構成銘柄に5年連続で選定されました。今後も社会的価値と経済的価値の同時創造による持続的な成長を目指してまいります。

以下の頁で、当期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。

連結業績

セグメント別業績

(注)売上高にはセグメント間の取引を含みます。また、セグメント利益は、連結損益計算書の営業損益と調整を行っております。

セグメント別の概況

航空事業

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グループ経営ビジョンに掲げている「世界のリーディングエアライングループ」を目指すための中核となるのが航空事業です。

ANAグループは、英国スカイトラックス社から「World Airline Award 2021」において「機内客室の清潔さ」をはじめ4部門で最も優秀な航空会社に選ばれた他、航空データ分析を提供するCIRIUMの「The On-Time Performance Awards」にて、2021年の定時到着率が全世界で1位に認定されました。

※ スカイトラックス社は1989年設立、英国ロンドンに拠点を置く航空会社の格付会社です。

航空事業の概況について

コロナ禍の影響により旅客需要の低迷は続いていますが、前期に比べて回復基調にあります。一方で、貨物収入は需給環境を追い風に2年連続で過去最高となりました。

国際線旅客

国際線旅客は、新型コロナウイルスの感染再拡大や変異株の流行により旅客需要が大きく低迷した状況が続きましたが、海外赴任・帰任を中心とするビジネス需要やアジア発北米行きの接続需要が回復し始めたこと等から旅客数・収入ともに前期を上回りました。通期ではコロナ禍以前の1割程度にとどまりましたが、本年3月から日本の入国制限が緩和されたことにより回復の動きは一層強まっています。

路線ネットワークでは、アジア発北米行きの接続需要を取り込むため、7月より一部の北米路線を羽田から成田空港発着に移管する等、機動的な運航路線の選択や臨時便の設定等に努めました。

営業・サービス面では、顔認証技術による新しい搭乗手続き「Face Express」を7月より成田=メキシコシティ線で開始し、成田=ブリュッセル、ムンバイ、チェンナイ線に順次拡大しました。また、本年2月から日本発の米国・欧州・中国路線において、事前にオンラインで渡航書類を登録・確認するサービス「ANA Travel Ready」を導入し、スムーズにご搭乗いただけるようにする等、利便性の向上に努めました。

国内線旅客

国内線旅客は、上期に緊急事態宣言が繰り返され需要が低迷しましたが、宣言解除後の第3四半期(10月~12月)には需要が回復基調を辿り、旅客数・収入はコロナ禍において四半期ベースで最高となりました。第4四半期(本年1月~3月)に変異株が拡大し、まん延防止等重点措置が適用されると再び需要が減少しましたが、解除の見通しが立った本年3月中旬から需要は強く回復を始めました。その結果、旅客数・収入ともに新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前期を上回りました。

路線ネットワークでは、航空需要の変動に合わせて運航規模の調整を進め、特に10月からは回復する需要を取り込むために、週末や年末年始・春休み等において臨時便を積極的に設定しました。

営業・サービス面では、12月から全席にパーソナルモニター付きの新シートを装備した国内線新仕様のボーイング787-9型機を投入しました。また、12月からテレビアニメ「鬼滅の刃」とタイアップした搭乗キャンペーンや機内サービス等を実施し、さらにキャラクターを描いた特別デザイン機を2機就航させました。

貨物

国際線貨物は、新型コロナウイルス感染症の影響による世界的な旅客便の運休・減便が続く中、経済の回復による貨物需要の活発化に加え、海上輸送の混雑に伴う航空へのシフト等により、引き続き航空貨物需要は好調に推移しました。

旺盛な需要を背景に、4月から成田=ロサンゼルス線、10月から成田=香港線、成田=台北線、11月から成田=青島線に大型貨物専用機ボーイング777F型機を就航させる等、貨物専用機を最大限活用したことに加え、旅客機を使用した貨物専用便を機動的に設定しました。

首都圏ハブを基盤に、貨物便と旅客便を合わせ持つコンビネーションキャリアとしてネットワークの充実を図り、自動車部品や半導体・電子機器、ワクチン等の医薬品の需要を積極的に取り込みました。その結果、輸送重量・収入ともに前期を上回り、収入は2年連続で過去最高となりました。

LCC・その他

LCCは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除された第3四半期(10月~12月)や本年3月には需要が好調に推移したことに加え、運航規模を拡大した効果もあり、旅客数・収入ともに新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前期を上回りました。

路線ネットワークでは、7月に関西=女満別線、10月に福岡=石垣線を新規開設しました。今後も需要回復等の動向を見極め、ネットワークの拡充を図ってまいります。国際線はアジア各国の入国制限の継続のため、期初から全路線で運休しています。

営業・サービス面では、行き先を選べない旅を提案する「旅くじ」を機内や専用の自動販売機で販売しました。「旅くじ」には指定された行き先への航空券が購入できるピーチポイントや、旅先でのミッション等が入っており、目的地を運に任せる新たな旅の体験を提供し、需要の創出に取り組みました。

また、LCC以外の航空事業におけるその他の収入は1,354億円(前期比8.0%減)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。

航空関連事業

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主に航空事業をサポートするため、空港地上支援、航空機整備、車両整備、貨物・物流、ケータリング(機内食)、コンタクトセンター等の事業をグループ各社が展開しています。

グループ内における投資抑制の影響に伴いシステム開発業務の取扱高が減少したこと等により、売上高は前期を下回り、営業損失となりました。

また、ご好評いただいている機内食のインターネット販売について、11月から商品ラインアップを拡充し、新たにANA国際線ビジネスクラスの機内食の販売を開始しました。

旅行事業

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「ANAトラベラーズ」をブランド名称として、国内・海外における幅広い旅行ビジネスを展開している他、ANA pocketやANAでんき等、「マイルで生活できる世界」を目指した取り組みを行っています。

当社グループが企画する全ての海外旅行の催行を中止したことに加え、国内旅行は「Go Toトラベルキャンペーン」の効果があった前期に比べて取扱高が減少しました。一方で、グループ内からデジタルマーケティング等の機能が移管されたことにより受託収入が増加したことから、売上高は前期を上回りましたが、営業損失となりました。

4月にデジタル領域での販売強化に向けて、顧客データを活用したプラットフォーム事業を担うANA X株式会社に旅行事業を移管するとともに、ANAあきんど株式会社は地域創生事業を開始しました。

商社事業

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航空機の輸出入、リース・売却や航空機部品の調達、機内サービス・販売用品の企画調達、空港売店の運営をはじめ、食品や半導体に至るまで多様なビジネスを展開しています。

航空需要の緩やかな回復に伴い、空港物販店「ANA FESTA」等で増収となった他、半導体市場の好調な需要を受けて電子事業の取扱高が増加したことから、売上高は前期を上回りました。

一方で、当期より収益認識に関する会計基準を適用したこと等による減収影響を受けました。

その他

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不動産の資産管理や建物・施設の総合保守管理事業、研修事業等を行っています。また、アバター技術の開発により、新たな移動スタイルを創造してまいります。

新型コロナウイルスの影響により、建物・施設の保守管理事業において取扱高が減少したものの、不動産関連事業において住宅開発や物件管理等の取扱高が増加したことから、売上高は前期を上回りました。

avatarin株式会社では、アバターロボットを活用し、遠隔地へ自分自身の「存在」を伝送する瞬間移動サービス「アバターイン」のベータ版の提供を10月から開始しました。

直前3事業年度の財産および損益の状況

(注)

  • △は損失を表しております。
  • 1株当たり当期純利益は、期中平均発行済株式総数(自己株式数を控除後の株式数)に基づき算出しております。1株当たり純資産は、期末発行済株式総数(自己株式数を控除後の株式数)に基づき算出しております。また、自己株式(普通株式)については、取締役への株式交付信託が所有する株式数を加算しております。
  • 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当期の期首から適用しており、当期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

対処すべき課題

当社グループは、アフターコロナの新常態でも持続的成長が可能な事業モデルに変革するとともに、新たな収益源として、顧客データ資産を活用したプラットフォームを確立すべく、事業構造改革を進めてまいります。

① 最適な航空事業ポートフォリオの追求

ANA、Peach、Air Japanの3ブランド体制により、お客様の価格・サービスにおける幅広いニーズに対応できるエアライングループとして持続的な成長を追求します。各エアラインはコロナ後の新常態に適合した新しいサービス・モデルを展開するとともに、マーケティングにおいて連携を図り、航空事業の競争力強化と効率化を同時に追求してまいります。

② 顧客データ資産を活用した新たな収益機会の創出

これまで当社グループが蓄積してきた顧客データとウェブサイトやアプリ等のお客様との接点を活用したプラットフォーム・ビジネスを具現化し、航空や旅行等の非日常に加え、日常生活でも「マイルで生活できる世界」を実現することで、グループにおける非航空収入を拡大します。

ANAグループのESG経営

当社グループは、事業を通じて環境・社会課題解決に寄与し、将来にわたり社会から必要とされる企業として、価値を生み出し続けるためにグループの垣根を越えたグローバルかつ長期的な視点で環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮したESG経営を推進し、持続的な成長を目指します。

グループ全体のESG経営推進に関わる重要方針や施策については、代表取締役社長を統括とし、ESG経営推進の最高責任者であるチーフESGプロモーションオフィサーが議長である「グループESG経営推進会議」で情報共有、意見交換・議論、関連施策の進捗管理を行い、経営に直結する重要な課題については、グループ経営戦略会議および取締役会に付議・報告しています。

これからも、グローバルに事業を拡大していくにあたり、地球・社会とともに発展していく視点を事業戦略に織り込み、ESGに関する取り組みの目標設定や達成までのプロセス、成果の開示にも積極的に取り組んでまいります。

ESGにかかわる外部評価

ANAグループのESG経営の推進状況について、以下の4つのESGに関する外部評価を活用し、客観的かつ多面的に把握しています。また、これら4評価機関の評価を役員報酬にも反映させています。

※ ANAホールディングス株式会社のMSCI指数への組入れ、およびMSCIロゴ、商標、サービスマークまたは指数名称の使用は、MSCIまたはその関連会社によるANAホールディングス株式会社へのスポンサーシップ、支持、宣伝を表すものではありません。
MSCI指数はMSCIの独占的財産です。MSCI、MSCI指数の名称およびロゴはMSCIまたはその関係会社の商標またはサービスマークです。

TCFD提言に基づく情報開示

ANAグループは、2019年3月に日本のエアライングループとして初めて「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しました。気候変動への取り組みについて、TCFDのガイドラインに沿って当社のコーポレートサイトに情報を開示しています。

E:環境

当社グループは2050年度までに航空機の運航とそれ以外で排出するCO2を実質ゼロ*とし、事業を通じて持続可能でカーボンニュートラルな社会の実現に向けて責任を果たしてまいります。

*実質ゼロ・・・排出量抑制に努めながら、排出されたCO2を回収したりする技術革新等により、排出と吸収のバランスを取ること

<航空機の運航におけるCO2削減の取り組み>
<航空機の運航以外におけるCO2削減の取り組み>

施設、設備機器の省エネ化やグループが所有する施設での再生可能エネルギー活用(太陽光・風力)などによるCO2排出量削減、空港車両のEV化に伴うCO2排出量削減に取り組んでいます。

<資源類の廃棄削減の取り組み>

事業活動で発生する資源類の廃棄率を2050年度までにゼロにする中長期目標の実現に向けて、使い捨てプラスチック製品の削減や環境配慮型素材への変更、リサイクルなどの取り組みにより、年間711トンの使い捨てプラスチック使用量を削減しました。 ※2019年度比

植物由来の容器

木製カトラリー

<食品廃棄率削減の取り組み>

株式会社ANAケータリングでは、機内食調理時に発生する食品残渣を全て堆肥や飼料にリサイクルし、自社で有効活用する「循環型」の仕組みを導入しています。

S:社会

企業運営にかかわる下記テーマについて継続的に取り組んでいきます。

<人権尊重の徹底>

ANAグループの事業は、様々な国籍の従業員に支えられており、特に航空機の運航には多くの業務委託先が関わっています。そこで働く外国籍の方々が安全で快適な環境で働けるよう、2021年度も継続して、委託先の従業員への直接アンケートや第三者を通じたインタビュー調査等を実施しました。また、第三者が運用する苦情受付窓口である「Ninja」の利用を委託先に対して推奨し、従業員の方々の声を通じた実態把握に努めています。さらに、健全なサプライチェーンを構築していく目的で、調達先へのアンケート調査や海外の生産工場の従業員の方々への第三者を通じたインタビュー調査を実施しました。

  • 人権報告書
    当社グループは2018年に日本で初めて「人権報告書」を発行し、以後更新を続けています。

<イノベーションを活用した社会課題の解決に向けた取り組み>

産学官連携プロジェクト「Universal MaaS」にて、高齢者や障がいを持つお客様が、スムーズかつ快適に旅や移動を楽しめるようなサービスの実現を目指しています。2月にはJR東日本、東京モノレール、MKタクシーと連携し、「一括サポート手配」の実証実験を行いました。当サービスは、お客様が交通事業者ごとに実施されている介助手配の負荷軽減を目的としています。今後様々なお客様のご意見をいただきながら、各事業者と連携して試行と改善を重ね、「誰もが移動をあきらめない世界」の実現に向けて段階的な社会実装に取り組んでまいります。

G:ガバナンス

「グループ経営理念」に基づき、当社グループを取り巻くすべてのステークホルダーの価値創造に資する経営を行うことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現させてまいります。

これを確実に進めていくために、経営の迅速性、効率性が確保できる意思決定・業務執行体制と、経営の健全性、透明性が維持できる監督・監査体制を構築しております。

詳細につきましては、当社ホームページに掲載しております、「コーポレート・ガバナンス基本方針」ならびに「コーポレート・ガバナンス」に関する報告書をご参照ください(URL:https://www.ana.co.jp/group/about-us/governance/)。

次期の見通し

今後の経済見通しにつきましては、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直していくことが期待されますが、ウクライナ侵攻等に伴う原油高、円安、物価上昇等の影響が懸念されます。

新型コロナウイルス感染症が当社に与える影響は依然大きく、前期に引き続き業績への影響は避けられないと考えていますが、本年3月以降、まん延防止等重点措置の解除や各国の入国制限緩和に向けた動きもあり、航空需要の更なる回復の兆しがみられます。

このような状況下で当社グループでは、2020年10月27日に公表した「ANAグループの新しいビジネス・モデルへの変革」に基づき、コロナがもたらす人々の行動変容に対応し、感染症の再来にも耐え得る強靭な企業グループに生まれ変わるための事業構造改革プランを引き続き着実に遂行してまいります。航空事業においては、機動的な運航規模の調整により回復する旅客需要を確実に取り込む他、需要が堅調な貨物事業のマーケティングを更に強化し、収入最大化に取り組んでいきます。費用面では、前期に実施した固定費のコスト削減効果を持続させることで損益分岐点の改善を進めてまいります。また、燃料価格の高騰や物価上昇等により増加するコストについては、コスト構造と収益モデルを見直すことで抑制し、黒字化を目指します。資金面では、12月にユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行等の資金調達により、2022年3月末時点の手元流動性は9,509億円となりました。今後も必要に応じて適宜資金調達を行い、手元流動性の確保に努めてまいりますことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。

航空事業

国際線旅客(ANAブランド)では、各国の入国制限の緩和を背景に、足元ではアジア=北米間の接続需要やビジネス・外国人留学生・技能実習生等の日本発着の需要において、従来よりも強い回復傾向が見られます。今後、更に観光客を対象とした制限緩和が進み、需要の回復基調が継続することを前提として、2023年3月末時点ではコロナ禍以前の5割程度まで需要が回復すると見込んでいます。引き続き需要動向に応じた機動的な運航便の再開・増便等により、積極的な需要の取り込みを図ってまいります。

国内線旅客(ANAブランド)では、変異株等による感染者数の増減の影響を受ける可能性はあるものの、需要は着実に回復傾向を辿り、グループ全体では上期中に旅客数がコロナ禍以前の水準に達すると見込んでいます。新型コロナウイルスと共存する社会へと変化していく可能性も想定し、需要の変動に合わせた機動的な運航規模の調整により需要を取り込んでまいります。

国際線貨物(ANAブランド)では、航空各社の運休・減便や海上輸送混雑に伴う航空貨物マーケット全体での供給量不足が続く中、自動車や半導体等を中心とした好調な貨物需要が見込まれるため、当面は需給逼迫が継続することが想定されます。当社グループは、貨物便と旅客便を合わせ持つコンビネーションキャリアとして、需要に応じた航空ネットワークの整備や柔軟な運航便設定を行い、お客様の利便性向上を図ってまいります。

LCC(Peach)では、引き続き国内線を中心とした運航を継続し、既存路線の増便や深夜早朝便の設定等により、運航規模を最大化することで収益確保に努めます。国際線につきましては各国の入国制限の状況等を踏まえ、需要回復が早いとみられる路線から順次再開する方針です。

航空事業 機材計画

機材計画では、以下の機材導入および退役を予定していますが、設備投資計画の見直しに伴い、実施時期が変更になる可能性があります。

その他の事業

航空関連事業では、旅客需要に合わせて運航規模の回復が見込まれること等から、空港における旅客・貨物の空港地上支援業務等の受託拡大を通じて、グループ収益への貢献を目指してまいります。

旅行事業では、国内旅行においてダイナミックパッケージ商品の企画・販売の強化に加え、エアバスA380型機「FLYING HONU」を使用した国内遊覧飛行等を継続し、収入拡大を目指してまいります。海外旅行はハワイツアーを約2年ぶりに催行し、今後も各国の入国制限の動向を注視しながらツアーの催行を順次再開してまいります。また、航空・旅行等の非日常に加え、日常生活でも「マイルで生活できる世界」を実現するため、2022年中にはANAスーパーアプリのリリースを目指す等、非航空事業の中核となるサービスを提供してまいります。

商社事業では、航空需要に連動して空港リテール事業を中心に業績の回復が想定されます。また、非航空分野における収入の拡大と新規事業の取り組みの加速等により収益力の更なる向上を目指します。

新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい経営環境が続くと想定されますが、株主の皆様におかれましては、今後ともご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

連結計算書類