事業報告(2023年4月1日から2024年3月31日まで)

はじめに,公正取引委員会からの独占禁止法にもとづく課徴金納付命令などの受領に関し,株主のみなさまからの信頼を損なうとともに,多大なご心配をおかけし,心よりお詫び申しあげます。

今後,二度とこのような命令などを受けることがないよう,独占禁止法の遵守をはじめとしたコンプライアンスのさらなる徹底に努めてまいります。

中部電力グループは,お客さまや社会からの信頼が事業運営の基盤であることを肝に銘じ,事業環境の変化に応じ,常により高いレベルでの意識と行動を実践してまいりますので,引き続きご指導とご支援を賜りますようお願い申しあげます。

企業集団の現況に関する事項

(1)事業の経過およびその成果

事業報告の内容を分かりやすくお伝えするため,当社ホームページ上で,映像とナレーションによるビデオ映像を公開いたしておりますので,以下をご参照ください。

https://www.chuden.co.jp/ir/ir_kabunushi/ir_sokai/

2023年度のわが国経済は,新型コロナウイルスの5類感染症への移行に伴う社会経済活動の正常化の進展などにより,景気は緩やかな回復が継続しました。一方で,世界的な金融引き締めなどにより,景気の下振れが懸念されております。

燃料価格につきましては,2021年から2022年頃には過去に例を見ない水準まで高騰し,一時的にLNGなどの供給不足が危ぶまれる事態となりました。それ以降,落ち着きを見せ,足元では低位に推移しておりますが,引き続き,地政学リスクなどにより,ボラティリティ(変動性)・不確実性が高い状態が継続しております。また,再生可能エネルギーの大量導入による電気の流れの複雑化や,需給調整に関わる市場構造の複雑化により,適切な電力品質の維持が難しくなってきております。

長期的には,生成AIなどを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展などにより,電力需要の増加が見込まれております。脱炭素化に向けては,「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX(グリーントランスフォーメーション)推進戦略)が閣議決定されるなど,2050年カーボンニュートラル実現への取り組みが進められており,社会構造そのものが大きく変容していくことが見込まれます。

これらを背景に,あらためて「S(安全性)+3E(安定・安価・環境への適合)」を実現する安定供給メカニズムの再構築に向け,電力システム改革全体の検証が進められております。
このような中,当社は,経営ビジョン2.0の達成に向けグループ一体となって,電力の安定供給の確保と脱炭素化された安心で安全な分散・循環型社会の実現,事業構造の変革を通じた新たな収益源の獲得・拡大に取り組んでおります。

2023年度の電力供給につきましては,水力発電所の安定的な運用や,JERAによる継続的な燃料確保に取り組むとともに,送変電設備や周波数変換所などの運転・保守を確実に実施することにより,年度を通じて安定的に電力を供給することができました。
また,2024年1月に発生した能登半島地震においては,北陸電力送配電株式会社の要請にもとづき,被災エリアの電力復旧に向け,延べ2,000人を超える応援派遣などを行いました。

浜岡原子力発電所につきましては,従前より自主的に地震・津波対策や重大事故対策に取り組んでまいりましたが,原子力規制委員会が策定した新規制基準を踏まえて,さらなる安全性向上対策を進めております。
3・4号機については,原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査を受けており,2023年9月の審査会合において,基準地震動については概ね妥当と評価されました。基準津波の審査についても着実に進捗しており,審査において了承が得られた後は,プラント関係の審査などに対応するとともに,審査対応などにより必要となった追加の設備対策についても,可能な限り早期に実施してまいります。
また,現場対応力の強化に向けた教育・訓練の充実や防災体制の整備を図るとともに,住民避難を含む緊急時対応の実効性向上に向けて,国・自治体との連携を一層強化しております。
加えて,経営層が原子力安全のリスク評価・対応策を審議する枠組みを構築し,ガバナンスやリスクマネジメントの強化を図っております。また,社外有識者の知見を安全性向上に活用するため,アドバイザリーボードを設置し,経営的観点および現場における技術的観点から,それぞれアドバイスをいただいております。
これらの取り組みを通じて,浜岡原子力発電所の再稼働への歩みを確実に進めてまいります。

浜岡原子力発電所

再生可能エネルギーの拡大につきましては,2017年度比で「2030年頃に保有・施工・保守を通じた再生可能エネルギーの320万kW(80億kWh)以上の拡大に貢献」の目標達成に向け,グループ一体となって取り組んでおり,2023年度末時点における進捗は,グループ全体で目標の320万kWに対して約93万kW(29%程度)となっております。

再生可能エネルギーの拡大目標と進捗

ご参考 新規制基準適合性確認審査への対応

福島第一原子力発電所の事故の反省と教訓を踏まえ,原子力規制委員会が設置され新規制基準が施行されました(2013年7月)。新規制基準への適合性確認審査は,下図①,②,③があり,事業者からの申請後,原子力規制委員会が段階的に実施します。地震・津波関係の審査で基準地震動・基準津波(安全上重要な施設の耐震・耐津波安全性を確保するうえでの基準となるもの)が概ね妥当との評価を受けた後は,地震や津波などの審査結果を踏まえた,プラント関係の審査に移行します。

●審査の流れ

審査会合開催状況については,以下ページをご覧ください。

https://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/hamaoka/anzen/shinkisei/shinsajokyo/

2023年度の当社連結収支の状況につきましては,連結売上高(営業収益)は,燃料費調整額(燃調収入)等の減少などから,前年度と比べ9.4%減少し3兆6,104億円となりました。
連結経常損益は,燃料価格等の変動が電力販売価格に反映されるまでの期ずれについて差損から差益に転じたことや,中部電力ミライズにおける電源調達価格の低下,中部電力パワーグリッドにおける需給バランス調整などを適切に実施するための調整力確保費用の減少などから,前年度と比べ7.8倍増の5,092億円の利益となりました。
なお,期ずれを除いた連結経常損益は,3,710億円程度の利益と,前年度と比べ2,150億円程度の増益となりました。
また,政策保有株式の一部を売却したことなどにより有価証券売却益92億円を特別利益に計上した一方,子会社における固定資産の減損損失126億円や独占禁止法関連損失26百万円を特別損失に計上しました。
この結果,親会社株主に帰属する当期純損益は,前年度と比べ10.5倍増の4,031億円の利益となりました。

2023年度の収支状況や業績の詳細につきましては,以下をご参照ください。

https://www.chuden.co.jp/ir/ir_siryo/kessan/

ミライズ
(中部電力ミライズ株式会社およびその子会社,関連会社)

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〔事業の内容〕

電力・ガスの販売と各種サービスの提供

〔業績〕

2023年度の中部電力ミライズの販売電力量は,産業用電力の需要減などはあるものの,中部エリア内での標準メニューの受付再開による契約増加などから,前年度と比べ1.3%増加し1,038億kWhとなりました。
中部電力ミライズおよびその子会社,関連会社の合計の販売電力量は,他事業者への切り替え影響などから,前年度と比べ1.6%減少し1,111億kWhとなりました。
売上高につきましては,燃調収入の減少などから,前年度と比べ6.5%減少し2兆8,892億円となりました。
経常損益は,電源調達価格の低下などから,前年度と比べ3.1倍増の2,038億円の利益となりました。

〔2023年度の取り組み〕

電気・ガスなどのお届けを通じて築いてきたお客さまとのつながりをもとに,お客さまのくらしを豊かにするサービスや,ビジネス上の課題解決を実現するサービスを提供し,新たな価値をお届けしております。
お客さまの日常のくらしやライフイベントにおける多様なニーズにお応えするため,子会社の中部電力ミライズコネクトが家族の絆やつながりを育む「くらしサービス」などを提供しております。
脱炭素社会の実現に向けては,CO2フリー電気をお届けする「ミライズGreenでんき」,初期費用やメンテナンス費用をお支払いいただくことなく太陽光発電をご利用いただけるサービス「カテエネリース」,電気を効率的にご利用いただくためのデマンドレスポンスサービス「NACHARGE」などを提供しております。加えて,2024年2月には,来店者・従業員用の駐車場を所有する法人のお客さまを対象としたEV充電サービス「treev」の提供を開始いたしました。今後もお客さまと一体となって,脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。
また,燃料価格のボラティリティが高い中においても,お客さまに安定して電気をお届けするため,2022年11月に低圧の一部料金メニューの燃料費調整制度の変更,2023年4月に特別高圧・高圧の標準料金メニューの見直しを行いましたが,その後の経営環境の改善を踏まえ,負担軽減策を実施いたしました。具体的には,特別高圧・高圧と一部の低圧のお客さまの電気料金の割引に加え,低圧のお客さまには高い省エネ性能を有する機器への買い替えの支援などを行いました。2024年度においても,同程度の負担軽減策を実施するとともに,お客さまのニーズに応じた魅力的なサービスの開発・提供に努めてまいります。

中部電力ミライズコネクトは,時代の変化とともに多様化するライフスタイルに合わせたくらし全般のサービスを提供し,お客さまに一生涯よりそってまいります。

https://miraiz-connect.co.jp/

パワーグリッド
(中部電力パワーグリッド株式会社およびその子会社,関連会社)

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〔事業の内容〕

電力ネットワークサービスの提供

〔業績〕

2023年度の中部エリアの需要電力量は,産業用電力の需要減や省エネ・節電影響などから,前年度と比べ1.3%減少し1,227億kWhとなりました。
売上高につきましては,再生可能エネルギー特別措置法にもとづく購入電力の卸電力取引市場への販売単価の低下などから,前年度と比べ18.8%減少し9,065億円となりました。
経常損益は,需要電力量の減少に伴う託送収益の減少はあったものの,レベニューキャップ制度導入に伴う託送料金の見直しや,需給バランス調整などを適切に実施するための調整力確保費用の減少などから,前年度と比べ13.6倍増の956億円の利益となりました。

〔2023年度の取り組み〕

再生可能エネルギーの大量導入に伴う電源ポートフォリオの変化や,需給調整に関わる市場構造の複雑化などの影響により,需給バランスが厳しい状況がありましたが,お客さまや他の一般送配電事業者との連携も含めた系統運用・需給調整により周波数や電圧を適切に維持するとともに,日々の設備保守を確実に行うことで,中部エリアの安定供給に加え,全国の安定供給にも寄与してまいりました。
また,電力系統設備・運用の高度化や各種研究・実証に取り組むとともに,全国規模での最適な経済運用・レジリエンス確保を目的とする次期中央給電指令所システムの開発や,他エリアとの電力融通の拡大に向けた設備増強を着実に進めるなど,電力の安定供給と脱炭素社会の両立に向けた取り組みに努めております。
さらに,地域ごとの電力需給の多様化や,自治体をはじめとするお客さまのニーズに迅速かつ適切に対応するため,支社の再編などの組織見直しを行いました。各支社では,地域ごとのデータ分析にもとづくさらなる設備投資の効率化やレジリエンスの向上,自治体の脱炭素化活動の支援,電力系統への早期接続など,サービスの拡大に取り組んでおります。
今後も,中部電力パワーグリッドビジョンの実現に向け,地域の未来像実現に貢献してまいります。

脱炭素社会の実現に向けた取り組みの1つとして,岐阜県本巣市において系統用蓄電池の活用による電力潮流の変動抑制などを目指すための実証試験を実施しております。
詳細につきましては,以下をご参照ください。

https://powergrid.chuden.co.jp/news/press/1212299_3281.html

JERA
(株式会社JERAおよびその子会社,関連会社)

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(株式会社JERAおよびその子会社,関連会社)

〔事業の内容〕

燃料上流・調達から発電,電力・ガスの販売

〔JERAによる当社業績への影響〕

JERAによる当社連結経常損益への影響は,燃料価格の変動が電力販売価格に反映されるまでの期ずれについて差損から差益に転じたことなどから,前年度と比べ2,031億円改善し1,788億円の利益となりました。なお,期ずれを除いたJERAによる連結経常損益への影響は540億円程度の利益となりました。

(注1)JERAは持分法適用関連会社のため,JERAの売上高は当社連結財務諸表へ計上されません。

〔2023年度の取り組み〕

燃料上流・調達から発電,電力・ガス販売にいたるバリューチェーンの最適運用,効率的運営に努めつつ,安定的な燃料調達などエネルギーの安定供給確保における重要な役割も担っております。
燃料制約や需給ひっ迫の回避に向けては,最新鋭の火力発電設備へのリプレース,休止火力発電所の再稼働を通じ,安定的な供給力の確保に取り組むとともに,需給変化を迅速に捉え,JERAの子会社であるJERA Global Marketsを通じた機動的な調達により,安定的な燃料確保に努めてまいりました。
また,エネルギーの安定供給を確保しながら,2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2を実質ゼロとするJERAゼロエミッション2050に向けた取り組みを進めております。
まずは発電時にCO2を排出しない燃料であるアンモニア転換の技術確立を目指し,碧南火力発電所4号機において,アンモニア20%転換の実証試験に着手しております。さらに,燃料アンモニアの製造や調達,輸送に向けた協業の検討を進めるなどサプライチェーン構築にも取り組んでおります。
2024年1月31日に発生した武豊火力発電所の火災事故につきましては,事故調査委員会の徹底的な調査・分析により判明した事故原因を踏まえ,再発防止策を講じたうえで,早期の復旧を目指してまいります。

(注2)JERAゼロエミッション2050は,脱炭素技術の着実な進展と経済合理性,政策との整合性を前提としております。
JERAは,引き続き,自ら脱炭素技術の開発を進め,経済合理性の確保に向けて主体的に取り組んでまいります。

JERAゼロエミッション2050の詳細やその達成に向けた取り組みにつきましては,以下をご参照ください。

https://www.jera.co.jp/corporate/about/zeroemission

(2)対処すべき課題

中部電力グループは,経営ビジョン2.0において,2030年度連結経常利益の2,500億円以上への拡大とバランスの取れた事業ポートフォリオの構築を掲げており,大きく変化した燃料・電力市場や今後,制度・政策が見直される中にあっても,利益成長を積極的に追求することを目指しております。2024年4月には,その実現に向けたマイルストーンである中期経営目標を引き上げ,「2025年度の連結経常利益2,000億円以上,ROIC3.2%以上」にいたしました。今後も,国内エネルギー事業において安定的な収支の確保に取り組むとともに,新成長領域やグローバル事業のさらなる拡大などにより持続的な成長を実現することで,その達成を目指してまいります。
将来にわたり選ばれ続ける企業であるために,時宜に応じたお客さまの負担軽減策の実施や利益成長を踏まえた株主還元などに努めるとともに,事業環境の変化に応じ,経営資源を戦略的に投入するなど,柔軟に対応し,ステークホルダーのみなさまとともに,中長期的な社会の持続的な発展に貢献してまいります。

経営ビジョン2.0および中期経営計画の詳細やその進捗状況につきましては,以下をご参照ください。

経営ビジョン:
https://www.chuden.co.jp/corporate/bus_vision/

中期経営計画:
https://www.chuden.co.jp/corporate/bus_vision/management/

【安全・安価で安定的なエネルギーのお届け】

事業環境が大きく変動する中においても,中部電力グループは,S+3Eの実現を目指してまいります。
このため,国際情勢,社会・お客さまのニーズの変化や,国の政策・制度の見直しなどを捉えながら,環境負荷・経済性などの電源ごとの特徴などを考慮した最適な電源ポートフォリオや調達ポートフォリオの構築を目指してまいります。また,デマンドレスポンスのさらなる活用を進めるとともに,電力先物取引や燃料先物取引などのヘッジ手法を適切に組み合わせることで,安全・安価で安定的なエネルギーの確保に努めてまいります。
電力品質の維持に向けては,分散型電源の遠隔制御による需給調整などの技術も組み合わせながら,系統の次世代化を進めてまいります。また,太陽光発電をはじめとした自然変動電源の予測精度向上,他の一般送配電事業者と連携した広域的な需給運用の拡大などにより,中部エリアを中心に全国の安定供給の維持に寄与してまいります。

東京中部間(50・60Hz地域間)を
連系する飛騨変換所(容量90万kW)

能登半島地震 応援派遣

【浜岡原子力発電所の再稼働に向けた取り組み】

浜岡原子力発電所については,「福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさない」という固い決意のもと,安全性向上対策を進めております。
3・4号機については,原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査の審査会合において基準地震動が概ね妥当と評価されました。基準津波の審査も着実に進捗しており,審査において了承が得られた後は,プラント関係の審査などに対応していくとともに,安全性向上対策の有効性をはじめ浜岡原子力発電所の安全性に係る理解活動を実施してまいります。
エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
今後も,新規制基準への適合性確認を早期にいただけるよう最大限努力するとともに,地域のみなさまのご理解をいただけるようコミュニケーションを図り,安全確保を大前提に浜岡原子力発電所の再稼働に向けて取り組んでまいります。

発電所見学会
(5号機シミュレーター室で説明している様子)

菊川市放射線防護施設稼働訓練
(放射線測定器を用いて訓練している様子)

発電所キャラバン
(お客さまへ説明している様子)

可搬型注水設備訓練
(現場で注水ホースを展開している様子)

【脱炭素社会実現に向けた取り組み】

中部電力グループは,経営ビジョン2.0,ゼロエミチャレンジ2050およびJERAゼロエミッション2050にもとづき,再生可能エネルギーの拡大や,水素・アンモニアサプライチェーンの構築を含むゼロエミッション電源の追求などに取り組むとともに,社会・お客さまと一体となって進めるエネルギー利用の電化・脱炭素化を通じて,脱炭素社会の実現を目指しております。また,国の「GXリーグ基本構想」にもとづいて設立された「GXリーグ」に参画し,CO2排出量削減に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
経営ビジョン2.0で掲げた「2030年頃に保有・施工・保守を通じた再生可能エネルギーの320万kW(80億kWh)以上の拡大に貢献」という目標の達成に向け,短期的には太陽光発電,中期的には水力・バイオマス・陸上風力発電,長期的には洋上風力・地熱発電の開発・保有拡大を全国で積極的に推進してまいります。同時に,小規模分散が主体となる太陽光発電については,グループ会社による設備の保守・施工などに加えて,お客さまのお役立ちにつながる付加価値サービスを提供してまいります。これらの事業の推進にあたっては,安全の確保を大前提に,地域のみなさまに丁寧にご説明を行い,ご理解をいただけるよう努めてまいります。
また,欧州・アジアなどの地域を中心にグローバルな事業展開を行うことで,各国における脱炭素化にも貢献し,グループ全体でカーボンニュートラルの実現を目指してまいります。

【新しいコミュニティの形の創造に向けた取り組み】

中部電力グループは,エネルギー事業とさまざまなサービスを掛け合わせた新たなサービスをお届けすることで,新たな価値の創出を目指してまいります。
不動産事業については,日本エスコン,中電不動産を中心に,地域の特色を生かしたまちづくりを進めてまいります。
また,資源循環・上下水道・地域交通・森林経営などの地域インフラ事業については,さまざまなパートナーのみなさまと連携して,分散・循環型社会の実現を通じ,地域課題の解決と脱炭素化に貢献してまいります。
今後も,地域のみなさまやパートナーとの連携を大切にしながら,「新しいコミュニティの形」の創造に挑戦してまいります。

不動産事業

エスコンフィールド北海道
(日本エスコン)
名古屋市瑞穂区でのまちづくりの開発
(中電不動産)

地域インフラ事業

公正取引委員会からの独占禁止法にもとづく課徴金納付命令などにつきましては,株主のみなさまからの信頼を損なうとともに,多大なご心配をおかけし,心よりお詫び申しあげます。
今後,二度とこのような命令などを受けることがないよう,独占禁止法の遵守をはじめとしたコンプライアンスのさらなる徹底に努めてまいります。
中部電力グループは,従前より,企業の社会的責任を果たすため,CSR宣言にもとづき事業活動を進めており,そのことがESG経営の深化や,SDGsの課題解決に貢献するものと考えております。今後とも,お客さまや社会からの信頼が事業運営の基盤であることを肝に銘じて,コンプライアンスを徹底することで,CSRを完遂してまいります。

※当社および中部電力ミライズは,2024年3月,中部地区における大口需要家向け都市ガス供給に関し,排除措置命令および課徴金納付命令(対象期間2016年11月から2021年6月まで)を受領しました。なお,2023年3月に受領した中部地区等における特別高圧電力および高圧電力の供給に関する排除措置命令および課徴金納付命令(対象期間2018年11月から2020年10月まで)につきましては,2023年9月に取消訴訟を提起しております。

中部電力グループのESGの取り組みにつきましては,以下をご参照ください。

https://www.chuden.co.jp/ir/esg/

連結計算書類