事業報告(2021年4月1日から2022年3月31日まで)
企業集団の現況
(1) 当事業年度の事業の状況
事業の経過及び成果
【全般的状況】
当連結会計年度におけるわが国の経済は、期初に3度目の緊急事態宣言が発出されるなど前連結会計年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中で始まりました。その後、ワクチン接種の普及などにより状況の改善は見られたものの、新たな変異株の発生やウクライナ情勢に起因する地政学リスクの高まりなどにより、依然として先行き不透明な状況が続いた年度でありました。
このような経営環境の中、当社グループの受注高は、期初より順調に推移し前連結会計年度を大きく上回る結果となりました。売上収益は、一部苦戦した事業はあったものの、昨年度に引き続き情報セキュリティコンサルティング事業が好調なことに加え、グローバル企業向けアウトソーシング事業が堅調に推移したこと、金融業界向けシステム開発事業の業績が回復したこと等により前連結会計年度を上回る実績となり、12期連続の増収となりました 。
また、売上総利益につきましても、売上収益の増加に応じ前連結会計年度を上回る結果となりました。
販売費及び一般管理費については、事業拡大に向けた広告宣伝費や人件費の増加、本社移転の費用の計上等により前連結会計年度を上回る実績となりました。
その結果として、当連結会計年度における業績は、売上収益32,346百万円(前連結会計年度比10.9%増)、営業利益2,745百万円(前連結会計年度比24.8%増)、税引前利益2,792百万円(前連結会計年度比20.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,764百万円(前連結会計年度13.5%増)となりました。また、当社グループの目標とする経営指標である連結営業利益率は8.5%(前連結会計年度比1.0ポイント増)、自己資本利益率(ROE)は、15.0%(前連結会計年度比0.6ポイント減)となり、目標値(それぞれ7%、10%)を上回りました。
なお、当社グループでは、当連結会計年度より会社計算規則第120条第1項の規定により国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して連結計算書類を作成しております。事業報告に記載をしている経営成績の前年度比については、IFRSに組み替えて表示しております。
事業区分別の概況
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
コンサルティング・システム開発事業
コンサルティング・システム開発事業の当連結会計年度は売上収益24,682百万円(前連結会計年度比13.8%増)、セグメント利益2,168百万円(前連結会計年度比28.2%増)となりました。
事業別の内訳は次のとおりであります。

(注) PLM支援ソリューション
PLM(Product Lifecycle Management)支援ソリューションでは、製造業を中心とした製品設計の効率化をもたらすソリューションを提供しております。
マネージメントサービス(BPO)事業
マネージメントサービス(BPO)事業の当連結会計年度は売上収益8,190百万円(前連結会計年度比4.7%増)、セグメント利益576百万円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。また、事業ポートフォリオの目標値であるマネージメントサービス(BPO)事業売上の売上収益に対する比率は24.9%(前連結会計年度比1.6ポイント減)となり、目標値の30%に届きませんでした。これは、マネージメントサービス(BPO)事業の売上が順調に伸長したものの、規模の大きいコンサルティング・システム開発事業も堅調に拡大したことが主な要因であります。
事業別の内訳は次のとおりであります。

(2) 直前3事業年度の財産及び損益の状況
19/3 (日本基準) | 20/3 (日本基準) | 21/3 (日本基準) | 21/3 (IFRS) | 22/3 (IFRS) | 26,023 | 29,852 | 28,076 | 28,163 | 33,647 |
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19/3 (日本基準) | 20/3 (日本基準) | 21/3 (日本基準) | 21/3 (IFRS) | 22/3 (IFRS) | 24,819 | 28,351 | 29,087 | 29,159 | 32,346 |
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19/3 (日本基準) | 20/3 (日本基準) | 21/3 (日本基準) | 21/3 (IFRS) | 22/3 (IFRS) | 1,653 | 2,256 | 2,492 | 2,312 | 2,792 |
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19/3 (日本基準) | 20/3 (日本基準) | 21/3 (日本基準) | 21/3 (IFRS) | 22/3 (IFRS) | 994 | 1,427 | 1,650 | 1,554 | 1,764 |
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(3) 対処すべき課題
2022年4月からの第56期(当期)は、中期経営計画『BBS 2023~Make Hybrid Innovations~』の2年目になります。前期は順調に推移いたしましたので、当期も戦略面、計数面ともにしっかりと取り組み、中期経営計画の目標達成へ道筋を付けてまいります。
当期は、『BBSグループ人財力と半歩先行くイノベーションによって、高品質なDXを実現する』という方針を掲げました。中期経営計画の各施策の中でも「デジタルトランスフォーメーション」「社会的存在意義・価値の向上」「人財」「品質」の4つを特に意識して、各々の課題に対処してまいります。
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①デジタルトランスフォーメーション
~BBS自身が半歩先を行くDXを実現するとともに、お客様のDX推進を支援する~
前期は、社内にDX推進委員会を立ち上げ、お客様のDX推進へのサポートと社内のDX推進への体制を構築し、推進してまいりました。また、経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定も取得しました。
当期は、対顧客ではDXソリューションメニューの更なる充実とDX推進サポーターとしてのブランドの浸透、対社内ではDXツールに関する教育の実施などより一層のDX化を推進してまいります。
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②社会的存在意義・価値の向上
~BBSグループ独自のソリューションで差別化を図り、お客様の経営会計をしっかりと支えることでお客様と共に成長し、加えてサステナビリティ経営を推進し社会に貢献する~
BBSグループ14社は「経営会計」という共通のキーワードのもと、それぞれ独自の事業ドメインを形成しお客様へソリューションを提供しております。
当期においては、これらソリューションをより一層高度化しお客様の成長に貢献いたします。さらに、各種サステナビリティ課題にも積極的に取り組み、またサステナビリティ課題に対するソリューションの提供により、社会に貢献してまいります。
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③人財強化
~100年存続企業を目指しBBS2030 売上収益1,000億円を実現するために、人財の育成、採用を強化し、相応しい体制を構築する~
BBSグループでは従前より人材を最も重要な経営資源だと捉え、“人財”と表記をしてまいりました。BBS2030の売上目標を達成し、サステナブルに成長・発展していくためには、人財の確保と充実した育成・教育が欠かせません。前期より人財の採用につきましては、インターンシップの拡大やキャリアチェンジ採用の導入など、戦略的な採用を強化してまいりました。
当期は、これらの活動を一層強化するとともに、事業推進の要となる中核人財の採用、育成に注力してまいります。また、BBSグループの次世代を担う人財の教育についても強化してまいります。
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④品質の更なる強化
~コンサル/SIの企画・設計段階での「事前」品質を更に強化するとともに、BPO品質を向上する~
お客様へのサービス提供に当たり、品質を高めていくことは永遠のテーマだと考えています。前期から、コンサルティング・システム開発事業につきましては、特に“事前”品質という観点での品質向上に取り組んでおります。また、マネジメントサービス(BPO)事業につきましては、障害管理プロセスの状況把握など品質保証本部によるモニタリングを強化いたしました。これらの施策により一定の成果が出ているものの、期待するレベルに至っていない状況にあります。
当期は、各部門のグランドデザイン(事業活動計画)作成時から品質管理部門の関与を強め、より高いレベルの品質強化活動を計画・推進してまいります。