事業報告(2022年3月1日から2023年2月28日まで)

当連結会計年度の事業の状況

事業の経過及びその成果

(経営成績に関する説明)

当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)の業績は、売上高が3,037億76百万円(対前年比107.0%)、旧収益認識基準で、3,392億35百万円(同106.8%)、営業利益158億14百万円(同100.5%)、経常利益160億6百万円(同101.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益101億52百万円(同95.2%)となりました。

※対前年比は、前年実績を新収益認識基準に組替えた上で、同基準による比較により算出しています。

売上高は、全7事業で増収となり前年を上回りました。営業強化による顧客内シェア拡大や新規受託物件の増加に加え、建設施工事業では下期以降、各種工事の受託を大幅に拡大し前年比で売上高を大きく伸長しました。しかしながら、環境変化に伴うお客さまの設備投資計画の見送りや先送りに加え、主に上期に顕著であった新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢に伴う資機材の調達遅延などが影響したことで、期初に掲げた連結業績予想に対しては下回る結果となりました。
営業利益は、売上高の拡大に伴い前年を上回りました。しかしながら、アルコール消毒清掃の需要が減少した清掃事業、原材料や物流費などの高騰により仕入原価が上昇した資材関連事業などで減益となりました。加えて、持続的成長に向けてDXや海外といった領域で積極的な先行投資を実施した結果、期初に掲げた連結業績予想に対しては下回る結果となりました。
なお、当第4四半期連結会計期間(2022年12月1日~2023年2月28日)においては、設備管理事業・警備事業・清掃事業で新規受託物件を拡大したほか、建設施工事業においてエネルギーコスト上昇に伴う省エネ関連工事の受託を大きく伸長しました。これらの結果、同期間における業績は前年同期比で大幅な増収増益となりました。

※期初に掲げた2023年2月期の連結業績予想:売上高3,100億円、営業利益170億円

[当連結会計年度の主な取り組み]

当社は、更なる持続的成長を目的に2018年10月に、イオンディライト ビジョン2025(以下、「ビジョン2025」)を策定し、アジアにおいて「安全・安心」、「人手不足」、「環境」の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指すことを決めました。
また、ビジョン2025の実現に向けた成長を加速するため、2021年度を初年度とする中期3ヵ年経営計画を策定し、「お客さま起点の経営」、「DXの推進」、「グループ経営」の3つを基本方針に掲げました。当期は前期に引き続き、これら3つの実践に向けた各種取り組みを推進しました。

〈お客さま起点の経営〉

・支店エリア体制再編による顧客接点の強化と「エリア管理」実施体制の整備
2022年4月の機構改革により、国内全8支社配下の支店エリア体制をお客さまのニーズや施設特性、地域特性などに合わせて再編するとともに、オペレーションからマネジメントに至る各階層の職務を再定義しました。これにより、支社全体で各地域のお客さまと向き合う体制を構築するとともに、現在展開を進める「エリア管理」の実施体制を整備しました。

・営業体制強化によるマーケットシェアの拡大
当期は、アカウント営業や顧客接点を強化した各支社・支店の地域営業により顧客内シェアを拡大しました。加えて、新規顧客開拓に向けて、省エネや防疫対策など、お客さま起点の提案活動を継続することで、新たに多種多様な施設においてサービスの提供を開始しました。

・エネルギーコスト上昇への対応
エネルギーコストの上昇が企業や団体にとって課題となる中、当社では、照明のLED化や空調機の更新、ノンフロンケースの販売などを通じて、施設の省エネに貢献してまいりました。加えて、施設毎により高度なエネルギーマネジメントを実施していくことを目的に、施設における使用電力を可視化するツールを171施設へと導入しました。

〈DXの推進〉

・データ連携基盤「イオンディライトプラットフォーム」のアップデート
当社では、全てのお客さまに対して、それぞれの課題に最適なソリューションを提案し、効率的に提供していくためのデータ連携基盤「イオンディライトプラットフォーム」を構築し、その利活用とアップデートを進めています。
当期は、データウェアハウスを導入し、ビジネスインテリジェンスツールと連携させることで主要システム群を一元管理し、各種システムから任意のデータを抽出のうえ、分析・加工できる体制を確立しました。これにより、アウトプット情報の利用を開始し、営業活動の効率化や業務品質の向上に繋げました。

※ イオンディライトプラットフォーム…施設内外から得られる各種情報を収集・分析、価値ある情報へと加工し、当社グループ各社やパートナー企業を含めたサービスネットワーク全体に共有する仕組み。

・新たな施設管理モデル「エリア管理」の展開
当社では、深刻化する人手不足に対応した持続可能な事業モデル構築を目的に、IoTなどの技術を活用し、エリア単位で複数の施設を効率的に管理する新たな施設管理モデル「エリア管理」を展開しています。カメラやセンサーによる点検業務の自動化、遠隔監視機能を備えたカスタマーサポートセンターへの一部業務の集約などにより、常駐設備管理業務の省力化に取り組み、従来の常駐型個別管理から巡回を主体に複数の施設をエリア単位で管理するモデルへと移行を進めています。
当期は、2022年4月の支店エリア再編により、全国で「エリア管理」の展開を加速し、新たに計95施設(累計273施設)にて省人化・無人化を実現し、常駐設備管理員52名分(累計167名分)のポストを削減しました。また、常駐ポスト削減に伴い、施設管理の現場で培われた専門性を更なる収益機会の拡大に繋げるため、新規受託物件や営業部門、工事部門などへとこれら専門人材の再配置を実施しました。

※カスタマーサポートセンター(CSC)…2021年度期初より国内全国8支社配下で稼働を開始。各種システムやセンサーの活用により、複数の施設を遠隔制御するとともに、各地域でお客さまの施設情報やリクエストを集約する機能を担う。

・DX推進に向けた人的資本への投資強化
ファシリティマネジメント(以下、「FM」)業界において、人手不足や有資格者人材の高齢化が深刻化する中、当社では、これからのFM人材には、DXを推進するためのITリテラシーが不可欠だと考えています。そのため、次代のFMを担う人材育成を目的に2022年7月よりDX教育プログラムの導入を開始しました。第一弾として、入社2年次以降、30歳未満の全ての正社員約500名が、eラーニングによりDXの基礎について学習しました。
そのほか、2022年9月からは、保安防災教育にVR(仮想現実)ツールを導入し、電気主任技術者を中心に年間約500名を対象とした新たな教育プログラムを導入するなど、教育手法のDXも推進しました。

・第17回 日本ファシリティマネジメント大賞「優秀ファシリティマネジメント賞」を受賞
当社は、公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会が主催する「第17回 日本ファシリティマネジメント大賞※1」に「本社移転に伴う『DX活用のFMオフィス』づくり」で応募し、2022年12月に「優秀ファシリティマネジメント賞」を受賞しました。これは、2021年9月に営業を開始した新本社オフィスにおける、「WELL Health-Safety Rating※2」の取得や築50年以上のビルのリノベーションによる省エネと長寿命化、危機管理センターの代替機能付与などが評価されたものです。
同オフィスでは、分散型勤務に対応した通信機能や業務に応じた様々な執務エリアの完備に加え、DXを活用した各種設備の統合制御やエネルギーマネジメントの見える化などを実施しています。当社では、同オフィスをFMの情報発信基地と位置付け、今後もFMにおける先進的な取り組みを積極的に取り入れ、新たなサービス開発へと繋げてまいります。

※1 日本ファシリティマネジメント大賞…国内におけるFMの普及・発展に資することを目的にFMに関する優れた業績などを表彰する制度。

※2 WELL Health-Safety Rating…建物の環境・エネルギー性能と利用者の健康・快適性を評価する「WELL認証」の一つとして、新型コロナウイルス流行を機に策定された国際的な認証制度。

〈グループ経営〉

(国内グループ会社)
設備管理や警備、清掃、建設施工を展開する国内グループ会社各社では、環境変化に伴うお客さまの設備投資計画の見送りや先送りに加え、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢に伴う資機材の調達遅延などが影響したことで、期初想定を下回る業績となりました。
一方で、2020年度以降、コロナ下で苦戦を強いられてきた旅行関連事業では、出張需要やイベントのリアル開催が回復基調に転じたことや前年度からの営業強化が奏功し業績を大幅に回復しました。

(中国事業)
アジア最大の成長エリアと位置付ける中国では、新型コロナウイルス感染症による影響に対応しながらも、顧客内シェア拡大や新規顧客開拓を推進し増収増益となりました。
中核事業会社である「永旺永楽(江蘇)物業服務有限公司(以下、「AD江蘇」)」では、施設管理業務の集中的な受託を推進するため、2016年以降、4つの都市開発プロジェクトから成る蘇州市政府による都市開発戦略「一核四城」に参画しています。これまで同プロジェクトでは、2016年に相城区、2020年に呉江区といったエリアで事業を展開し、受託を拡大してきました。当期は、2022年8月より新たに呉中区において、更なる受託拡大に向けた取り組みを開始しました。
また、中国全土への事業拡大を見据えた、各地の物業管理会社や異業種企業を対象としたM&Aを積極化するため、2022年10月に中国事業の統括会社である「永旺永楽(中国)物業服務有限公司」の会社形態をより広範な業務が可能となる投資性公司に移行し、商号を「永旺永楽(中国)投資有限公司」へと変更しました。

(アセアン事業)
アセアンでは、コロナ下で停滞していた経済が回復傾向に転じたこともあり、事業を展開する各国で増収増益となりました。
また、中長期的に更なる成長が見込めるエリアであることから、グループガバナンス体制を強化し、アセアン全体としての新たな成長戦略を描くべくアセアン本社設立に向けた準備を進めました。

〈自己株式の取得〉

当社は、資本効率の向上と株主還元の強化を目的に、2022年10月5日から2023年10月4日を取得期間に、自己株式を除く発行済株式総数の約3%にあたる150万株を上限に自己株式を取得していくことを決議し、2023年2月末日現在で625,300株を取得いたしました。

当連結会計年度における主要事業の概況

[セグメント別業績]

売上高※1
対前年比※3 %増
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売上高構成比率※2 %

(単位:

設備管理事業は、売上高647億94百万円(対前年比105.3%)、セグメント利益58億10百万円(同105.7%)となりました。同事業では、継続契約の新規受託や各種整備業務の受注拡大を通じた顧客内シェア拡大などにより増収増益となりました。
※ 旧収益認識基準:売上高646億86百万円(対前年比105.1%)

売上高
対前年比 %増
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売上高構成比率※2 %

(単位:

警備事業は、売上高494億78百万円(対前年比104.7%)、セグメント利益32億79百万円(同95.5%)となりました。同事業では、施設警備の新規受託を拡大した一方、上期に安全カメラの受注が減少したことなどにより収益性が低下し増収減益となりました。なお、下期以降は安全カメラの受注も拡大し、収益性は改善傾向で推移しました。

売上高
対前年比 %増
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売上高構成比率※2 %

(単位:

清掃事業は、売上高683億36百万円(対前年比102.0%)、セグメント利益70億14百万円(同86.5%)となりました。同事業では、商業施設や医療施設を中心に継続契約の新規受託を拡大した一方、前年度上期に上積み要因となったアルコール消毒清掃の需要減少や人件費の上昇などが影響し増収減益となりました。

売上高
対前年比 %増
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売上高構成比率※2 %

(単位:

建設施工事業は、売上高520億84百万円(対前年比121.1%)、セグメント利益40億80百万円(同113.9%)となりました。同事業では、下期以降、震災復旧関連工事や省エネ関連工事といった各種工事の受託を拡大したことで大幅な増収増益となりました。

売上高※1
対前年比※3 %減
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売上高構成比率※2 %

(単位:

資材関連事業は、売上高415億44百万円(対前年比104.8%)、セグメント利益19億99百万円(同78.1%)となりました。同事業では、イオングループ内でのシェア拡大に注力し増収となりましたが、原油価格や原材料、物流費などの高騰に伴い仕入原価が上昇したことなどにより収益性が低下し減益となりました。こうした中、物流費などの効率化に加え、上昇する原価の適正な売価への反映努力を継続しました。
※ 旧収益認識基準:売上高596億42百万円(対前年比105.6%)

売上高※1
対前年比※3 %減
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売上高構成比率※2 %

(単位:

自動販売機事業は、売上高94億66百万円(対前年比101.3%)、セグメント利益10億83百万円(同178.0%)となりました。同事業では、人流回復や夏場における猛暑の影響で飲料の売上が伸長したことなどにより増収となりました。また、前期に不採算機を減損処理したことで減価償却費が減少しました。
※旧収益認識基準:売上高269億37百万円(対前年比102.2%)

売上高
対前年比 %増
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売上高構成比率※2 %

(単位:

サポート事業は、売上高180億70百万円(対前年比112.6%)、セグメント利益4億62百万円(同104.8%)となりました。同事業では、お客さまの施設とその周辺の管理運営に関するアウトソーシングニーズに応える様々なサービスの提供拡大に取り組みました。また、旅行関連事業では、回復傾向にある出張需要への対応やイベント関連事業に注力することで、前年より業績を大幅に回復しました。この結果、同事業は増収増益となりました。

※1 設備管理事業、資材関連事業、自動販売機事業において一部、収益認識基準が今期より変更されています。

※2 構成比は新収益認識基準のみを記載しています。

※3 設備管理事業、資材関連事業、自動販売機事業の前年比は、前年実績を新収益認識基準に組替えた上で、同基準による比較により算出しております。

直近3事業年度の損益の状況

企業集団の営業成績の状況の推移(連結)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2023年2月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年増減率は記載しておりません。なお、2022年2月期の売上高に当該会計基準を適用すると283,787百万円となり、2023年2月期の売上高303,776百万円の前年増減率は7.0%となります。

対処すべき課題

①経営の基本方針

当社は、経営理念「私たちは、お客さま、地域社会の『環境価値』を創造し続けます。」のもと、アジアを主たる活動領域にファシリティマネジメント(以下、「FM」)事業を展開しています。当社が掲げる「環境価値創造」とは、人々が平和と豊かさを享受できる環境を創出していくということです。当社は、事業を通じて環境価値を創造し続け、社会の持続的発展に貢献していくことで、お客さま、地域社会から必要とされ続ける企業でありたいと考えています。

②イオンディライト ビジョン2025

当社は、更なる持続的成長を目的にイオンディライト ビジョン2025(以下、「ビジョン2025」)を策定し、「アジアにおいて『安全・安心』、『人手不足』、『環境』の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指す」ことを宣言しています。また、これを実現するため、FMの専門家集団としての企業ブランドを確立するとともに、事業を展開する各エリアにおいて地域経済圏の形成に取り組んでいます。

③中期経営計画(2022年2月期-2024年2月期)

当社は、ビジョン2025の実現に向けて、2022年2月期を初年度とする中期3ヵ年経営計画(以下、「中期経営計画」)を策定しました。中期経営計画では、「お客さま起点の経営」、「DXの推進」、「グループ経営」の3つを基本方針に掲げ、各種取り組みを推進しています。
2024年2月期は、引き続き、3つの基本方針に則った各種取り組みを推進してまいります。これにより、エネルギーコストや人件費の上昇といった大きな環境変化を伴ったアフターコロナにおける新たな成長戦略を描くための変革を遂行してまいります。

(ア)お客さま起点の経営

当社が目指すのは、お客さまの声をサービス開発や品質管理、営業といった自らの組織力に変え、価値ある提案へと繋げる体制です。これを実現するため、お客さまの声や施設の状況、顧客業界の市場動向といった様々なデータを収集、分析し価値ある情報へと加工していく仕組みとしてイオンディライトプラットフォームの整備に取り組んでまいりました。

2024年2月期は、お客さまの課題解決に貢献する情報のアウトプットに向け、更なる整備を進めてまいります。

また、営業部門では、アカウント営業をより一層強化することで、顧客内シェア拡大や新規顧客開拓の更なる促進を図ります。アカウントマネジメントを通じて、個々のお客さまとの関係性を強化することにより、施設用途毎によりカスタマイズされたソリューションを提案してまいります。この一環として、省エネ機器の導入をはじめとしたエネルギーマネジメントなど、これまで培ってきた環境負荷低減に関するノウハウを活かしたソリューションを通じて、お客さまのエネルギーコスト上昇に対する課題解決に貢献してまいります。また、感染制御を組み込んだ清掃ソリューション「衛生清掃」や防疫対策を含めた清掃サービスの提供を通じて、医療関連施設や宿泊施設における感染対策を含めた「安全・安心」の確保に貢献してまいります。

(イ)DXの推進

当社は、「お客さま起点の経営」と「DXの推進」は不可分の関係にあると考えています。お客さま起点の経営体制を精度の高いものとしていくためには、イオンディライトプラットフォーム(以下、「ADプラットフォーム」)の整備とともに、より多くのお客さまの声や様々な施設の情報をADプラットフォーム上に流通させ、分析、加工を経たアウトプット情報をグループ全体で活用していく必要があります。

こうした中、当社では、施設の情報量拡大と人手不足に対応した持続可能な事業モデル構築を目的に、業務プロセスのDXを推進しています。業務プロセスのDXとして2022年2月期より、新たな施設管理モデル「エリア管理」の展開を本格化し、2023年2月期末までに全国累計273施設で省人化を実現し、カスタマーサポートセンターから遠隔制御できる施設を増加させました。同時に、より付加価値の高いアウトプットを実現していくため、施設の使用電力を可視化するツールの導入など、インプット情報の質を高めるための取り組みを推進しています。

2024年2月期は、引き続き「エリア管理」の展開を拡大していきます。アカウントマネジメント強化を通じて得られる顧客情報と合わせてADプラットフォームにインプットする施設情報を増加させることで、お客さまにとって、より価値の高い情報をアウトプットし、カスタマーサクセスへの更なる貢献を目指してまいります。

(ウ)グループ経営

(国内)

国内グループ各社は、2022年2月期以降、新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ情勢といった環境変化の影響もあり苦戦を強いられています。こうした中、グループとしての更なる成長を図るため、あらためて各社の専門性を踏まえた個社毎の精緻な戦略を策定し実践してまいります。これにより、イオンディライトグループ内での機能と役割を明確化し、協力会社との関係性強化と合わせて、事業を展開する各エリアでの地域経済圏形成を促進していきます。

なお、地域経済圏形成に向けた取り組みの一環として、2023年3月には、九州一円で清掃を中心に設備管理やマンション管理、建設施工などを展開する株式会社アスクメンテナンス(以下、「アスクメンテナンス」)の株式を取得し完全子会社化することを決定しました。アスクメンテナンスは様々な用途の施設へのサービス提供実績を持つとともに、九州の事業者として初めて「清掃サービス」のエコマークを取得するなど、品質面でも高い評価を受ける企業です。当社は、アスクメンテナンスをイオンディライトグループに迎え入れることで、九州における事業基盤を拡大するとともに、両社が培ってきた技術やノウハウを融合し、更なる品質向上や経営の効率化を図ってまいります。

(中国)

アジア最大の成長エリアと位置付ける中国では、引き続き、中核事業会社による重点ターゲット(高級ショッピングセンターや医療関連施設、都市開発エリア)での受託拡大を促進するとともに、2022年10月に投資性公司へと移行した「永旺永楽(中国)投資有限公司」のもと、M&Aや新規事業への投資を積極化してまいります。これにより、事業規模の拡大を加速してまいります。

(アセアン)

アセアンでは、2022年度にマレーシア(クアラルンプール)に地域事務所を開設いたしました。2023年度は、既進出エリア(マレーシア、ベトナム、カンボジア、インドネシア)での事業拡大や品質マネジメントの強化に取り組んでまいります。

連結計算書類