事業報告(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過及び成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善がみられるものの、英国のEU離脱や米国の新政権発足、新興国の経済減速による下振れリスク等、海外経済の不透明感による為替・株式相場の混乱から、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移しており、個人消費の伸び悩みとともに企業収益も足踏み状態にあります。
 当社グループが属する外食業界においては、消費嗜好の多様化、他業種・他業態間での顧客獲得競争の激化に加え、消費者の節約傾向も強く、また、業界特有の人手不足の課題も継続しており、経営環境は依然として厳しい状況で推移しております。
 このような状況のなか、当社グループにおきましては、平成28年4月に「大須二丁目酒場 岩塚店」(名古屋市中村区)、「なつかし処昭和食堂 岐阜羽島店」(岐阜県羽島市)、同5月に「Baby Face Planet's 羽島店」(岐阜県羽島市)、新業態となる「静岡パルコ 昭和ビアガーデン」(静岡市葵 区)、同6月に「なつかし処昭和食堂 常滑駅前店」(愛知県常滑市)、同7月に「なつかし処昭和食堂 弥富店」(愛知県弥富市)、同9月に「なつかし処昭和食堂 中村公園店」(名古屋市中村区)、新業態となる「天満橋酒場魚'S男」(大阪市中央区)、同10月に新業態となる「はまぐり御殿 紺屋町 店」(静岡市葵区)、同11月に「淀屋橋酒場 魚'S男」(大阪市中央区)、事業譲受による「なつかし処昭和食堂 彦根店」(滋賀県彦根市)及び「なつかし処昭和食堂 長浜店」(滋賀県長浜市)、同12月に「きら天 イオンモール長久手店」(愛知県長久手市)、新業態となる「MILKISSIMO イオンモール長久 手店」(愛知県長久手市)及び「MILKISSIMO 静岡パルコ店」(静岡市葵区)、平成29年2月に「なつかし処昭和食堂 大垣駅前店」(岐阜県大垣市)、同年3月に「なつかし処昭和食堂 名駅柳橋市場店」(名古屋市中村区)を新規出店しました。また、業態変更としましては、平成28年5月に「炭火焼き鳥 六三 豊田西町店」(愛知県豊田市)を「焼き鳥◎串焼き鳥はち 豊田西町店」に、同10月に「Briccone SKYLOUNGE」(大阪市北区)を「梅田イタリア酒場魚'S男」に、同11月に「ゆずの雫 名張店」(三重県名張市)及び「BARON 宮崎一番街店」(宮崎県宮崎市)をそれぞれ「上方御馳走屋うるる 名張店」及び「上方御馳走屋うるる 宮崎一番街店」にてリニューアルオープンいたしました。また、平成28年8月に「なつかし処昭和食堂 東郷店」(愛知県愛知郡東郷町)を、さらに同年4月14日に発生した「平成28年(2016年)熊本地震」により平成29年1月に「BARON 下通り店」(熊本市中央区)をそれぞれ閉店いたしました。
この結果、平成29年3月末の店舗数は、109店舗(前連結会計年度末は94店舗)となっており、目標としていた100店舗を達成いたしました。
 既存店につきましては、少子高齢化や若者のアルコール離れによる市場の縮小等により、一部で売上高の伸び悩みがみられました。また、コストに関しましては、経費の削減等に努めたものの、上半期での原材料の高騰に対する売価への対応に一部遅れも見られました。

 以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高63億40百万円(前連結会計年度比7.1%増)、営業利益30百万円(同78.3%減)、経常利益49百万円(同68.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益10百万円(同82.3%減)となりました。

 なお、当期末の株主配当金につきましては、本年度中に100店舗を達成できましたので、1株につき100店舗達成記念配当2円とさせていただく予定であります。

(注) 当社グループの報告セグメントは飲食事業のみであり、その他の重要性が乏しい事業につきましては記載を省略しております。
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対処すべき課題

 当社グループの属する外食産業において、企業間競争はますます激化しております。今後もこの傾向は継続すると考えられます。こうした中、当社グループは、「幸せな食文化の創造」という社是のもと、ビジネスチャンスを着実に収益に繋げ、企業価値を高めていくために、以下の点に取り組んでまいります。

①人材の確保及び育成

 当社グループにおける最も大切な経営資源は「人」であり、他社が模倣できない当社の風土が生み出す「人間力」は、サービス向上の原動力であり、差別化の源泉として、貴重な経営資源であると考えております。当社グループの飲食事業においては、お客様のニーズに柔軟に対応するため、出店立地の峻別や店舗の個性を最大限に発揮させることで、店舗運営・サービスの提供方法等について各店舗の創意工夫を最大限に活かす仕組みとなっております。その結果が店舗活性化のノウハウや顧客ニーズへの対応力等、ソフト面での経営資源の蓄積につながり、競争力の向上に寄与するものと考えております。そのため、お客様に提供するサービスや店舗運営方法等は、各店舗の人材に影響を受けますので、優秀な人材の確保・育成は重要な課題となります。人材の確保につきましては、従来から力を入れております新卒・中途採用の一層の充実を図り、育成につきましては、人事制度の一層の充実を図ってまいります。

②既存店舗・業態の収益力の維持、拡大

 外食産業におきましては、個人消費の低迷を受けての低価格路線や、企業間競争の激化による既存店売上の減少等により企業収益の低下傾向が長く続いております。当社グループの飲食事業は、平成29年3月31日現在において、18業態109店舗を有しておりますが、そのうち61店舗が主力業態の「なつかし処昭和食堂」であり、安定した収益を生み出す業態となっております。「なつかし処昭和食堂」については、都心部や当社グループが出店を強化している郊外ロードサイドにおいて、まだまだ出店余地が残されていると考えており、引き続き、同業態の既存店売上の底上げと併せ、空白地帯への出店を図ってまいります。
 その中で、当社グループは、子会社に鮮魚類の卸売を業とする株式会社魚帆があることによって安価で付加価値の高い商品を提供することが可能となっております。また、社内に販促物制作室があることによって、スピーディーで様々な販促手法が可能となり、客数の更なる向上と収益力の維持・拡大を推進してまいります。

③新業態の開発

 外食業界が成熟する中でお客様のニーズも多様化しており、いわゆる総合居酒屋の枠を超えた新しい業態を開発することが、今後の更なる成長においては必要であると考えております。これまで当社グループになかった業態を開発することで、顕在化する経営リスクをヘッジ出来るものと考えております。
 加えて、新業態を積極的に展開することは、従業員のチャレンジの場となり、成長機会やモチベーションの向上につながるため、人材育成の観点からも重要であると考えております。

④新たなエリアへの出店

 当社グループの飲食事業は、主に平均客単価2,400円前後の総合居酒屋を、東海地区の郊外を中心に展開しております。現在の展開領域においても競争力と出店余地は十分にあると分析しておりますが、更なる事業拡大に向けて出店エリアの拡大が重要課題であると考えております。今後、関東地区や関西地区への出店の強化を図ってまいります。長期的には、全国へ出店地域を拡大することで、安定的な成長並びに知名度のアップによる優秀な人材の確保を推し進めてまいります。

⑤衛生管理の強化、徹底

 外食産業においては、食中毒事故や食材の偽装表示の問題等により、食品の安全性や品質管理に対する社会的な要請が強くなっております。当社グループの各店舗・事業所では、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理を徹底すると共に、定期的に本社人員による店舗監査や子会社への監査を行っております。その結果に基づき各店舗・事業所に指導を行う等の衛生管理体制を整備しております。今後も法改正等に対応しながら、更なる衛生管理体制の強化を図ってまいります。

⑥経営管理体制の強化

 当社グループは、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信用され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのための更なる企業規模拡大の基盤となる経営管理組織を拡充していくため、今後においても意思決定の明確化、組織体制の最適化、内部監査体制の充実及び監査役並びに会計監査人による監査との連携を強化し、加えて全従業員に対しても、継続的な啓蒙・教育活動を行ってまいります。

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