第4号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対する業績連動型株式報酬等の額及び内容改定の件

1.提案の理由及び本議案の内容を相当とする理由

 当社は、2018年6月26日開催の第14回定時株主総会において、当社の取締役(監査等委員である取締役、社外取締役及び国内非居住者を除く。)を対象とする株式報酬制度(以下「本制度」という。)の導入について、株主の皆様のご承認をいただき、今日に至っております。


 今般、当社は、急速に変化する事業環境の中で、当社グループが今後、持続的且つ高い利益成長を実現していくためには、「将来自分たちが、どのような価値を社会やお客様に提供している企業グループになりたいのか」という目指す姿を明確にし、そのビジョンのもと、価値創造の考え方・手法を、進化・変革させる必要があるとの考えをベースに、2022年4月に当社グループの2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」を策定し、同時に新たな中長期経営計画(以下「本計画」という。)を策定・公表しました。


 本議案は、後記「2.改定後の本制度における株式報酬等の額及び内容等」に記載の業績連動部分の株式報酬の対象となる取締役に対し、本計画の目標達成に向けた取締役の経営努力の成果と報酬制度の連動性をより高めること、並びに、同項記載の非業績連動部分の株式報酬の対象となる取締役に社外取締役を追加し、社外取締役における株主との価値共有意識の一層の向上を図ることを目的に、本制度の内容を一部改定のうえ継続いたしたく、本株主総会にお諮りするものであります。


 具体的には、本制度の対象となる取締役の中長期的な企業価値向上への貢献意識を高めるために、株式報酬のうち業績連動部分を増加することにより株主との利害共有意識を強化し、さらに経営目標の達成に向けたインセンティブを引き出すことにもなります。


 また、昨今の社外取締役に期待される職責の拡大を踏まえて、上述の通り、当社の社外取締役を非業績連動部分の株式報酬の対象に追加いたします。これは、当社の企業価値毀損防止及び信用維持へのインセンティブとして働くことによる、コーポレートガバナンスの強化を目的としております。社外取締役に付与される株式報酬は、当社業績との連動性がないこと、株式の交付は退任時まで繰り延べられること、その役割に照らして適正な範囲であること等を踏まえると、改定は相当であると考えております。なお、監査等委員である取締役については引き続き本制度の対象外といたします。


 本制度の改定については、報酬決定プロセスにおける透明性・客観性を担保するため、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名報酬諮問委員会における審議を経ております。また、監査等委員会は、本議案の内容は相当であり、指摘すべき事項はないと判断いたしました。

 当社は、本議案をご承認いただくことを条件に、「監査等委員を除く取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針」の改定を予定しております。本議案の内容は、改定後の当該方針に沿った内容であることからも相当であると考えております。


 本制度の対象となる取締役(以下「対象取締役」という。)の員数は、現在の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は6名(うち社外取締役1名)でありますが、本株主総会終結時点における取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は、第2号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」が原案どおり承認可決されますと7名(うち社外取締役1名)となります。

(参考)本制度改定要旨

2.改定後の本制度における株式報酬等の額及び内容等(下線部分が主要な改定箇所)

ア 本制度の概要

 本制度は、当社が拠出する金銭を原資として、当社株式が信託を通じて取得され、当社取締役会が定める株式交付規程に従って、当該信託を通じて対象取締役に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)の交付及び給付(以下「交付等」という。)を行う株式報酬制度です。(詳細はイ以降のとおり)


 本制度は、当社株式等の交付等を各事業年度の開始から3年経過後に行う「業績連動部分」と、原則として取締役及び当社グループの役員のいずれも退任した時に行う「非業績連動部分」から構成されます。

イ 当社が拠出する金銭の上限

 本制度は、連続する3事業年度(以下「対象期間」という。)を対象とし、本制度改定後の当初の対象期間は2023年3月末日で終了する事業年度から2025年3月末日で終了する事業年度までの3事業年度(以下「改定後当初対象期間」という。)とし、後記ウの期間の延長が行われた場合には、以降の各3事業年度とします。なお、改定前の本制度に基づき2022年3月末日で終了する事業年度から開始した対象期間については同事業年度をもって終了するものとします。


 当社は、対象期間ごとに16億5,000万円(うち社外取締役については対象期間ごとに1名あたり990万円)を上限とする金銭を、対象取締役への報酬として拠出し、受益者要件を充足する取締役を受益者とする信託(以下「本信託」という。)を設定(後記ウの期間の延長を含む。以下同じ。)します。改定後当初対象期間にかかる本信託については、改定前の本制度に基づき現在設定している信託(以下「既存信託」という。)の変更を行うことにより設定します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託された金銭を原資として当社株式を当社(自己株式処分)又は株式市場から取得する予定です。


なお、既存信託内に残存する当社株式(2022年3月末日で終了する事業年度までのポイントとして取締役に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除く。)及び金銭(以下、既存信託内に残存する当社株式と併せて「改定前残存株式等」という。)は、改定後当初対象期間に活用するものとし、上記の追加信託により拠出される金銭と改定前残存株式等との合計額は16億5,000万円の範囲内とします。


ウ 対象期間の延長

 本信託の対象期間の満了時において、対象期間の延長を決定した場合には、信託契約の変更及び追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、さらに3年間、対象期間と本信託の信託期間を延長し、当社は、延長された対象期間ごとに16億5,000万円(うち社外取締役については延長された対象期間ごとに1名あたり990万円)の範囲内で、追加拠出を行い、引き続き延長された対象期間及び信託期間中、対象取締役に対するポイントの付与及び当社株式等の交付等を継続します。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長前の対象期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役に付与されたポイント数に基づき交付等が見込まれる当社株式を除く。)及び金銭(以下、残存する当社株式と併せて「残存株式等」という。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される金銭の合計額は、16億5,000万円の範囲内とします。


 なお、本信託の対象期間の満了時に信託契約の変更及び追加信託を行わない場合には、それ以降、対象取締役に対するポイントの付与は行われません。ただし、当該時点で受益者要件を満たす可能性のある取締役が在任している場合には、当該取締役が原則として取締役及び当社グループの役員のいずれも退任し、当社株式等の交付等が完了するまで、最長で10年間、本信託の信託期間を延長させることがあります。


エ 対象取締役に対して交付等が行われる当社株式等の数の算定方法及び上限

 対象取締役に対して交付等が行われる当社株式等の数は、以下の算定式に従って付与されるポイント数に応じ、1ポイントにつき当社株式1株として決定します。なお、本信託に属する当社株式が株式の分割、株式の無償割当て又は株式の併合等によって増加又は減少した場合は、当社は、その増加又は減少の割合に応じて、1ポイントあたりの交付等が行われる当社株式等の数及び交付等が行われる当社株式等の総数を調整します。


(ポイント数の算定式)

① 業績連動部分

 役位ごとに予め定められた基準報酬額を本信託が当社株式を取得したときの株価で除して算定したポイント数(以下「PSポイント数」という。)を、対象期間中の各事業年度末日に在任している対象取締役(ただし社外取締役は除く。)に対して付与します。各事業年度に付与されたPSポイント数に対して、当該事業年度の開始から3年経過後の業績目標の達成度に応じて決まる業績連動係数を乗じて、業績連動ポイント数を算出します。

業績連動ポイント数の算定式:PSポイント数×業績連動係数※


※ 業績連動係数は、経営計画における連結営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益等に基づき設定した目標値に対する達成度に応じて0~200%の範囲で変動します。


② 非業績連動部分

 役位ごとに予め定められた基準報酬額を本信託が当社株式を取得したときの株価で除して算定したポイント数(以下「RSポイント数」という。)を、対象期間中の各事業年度末日に在任している対象取締役に対して付与し、加算していきます(以下、加算したRSポイント数を「非業績連動ポイント数」という。)。


 本信託により対象取締役に交付等が行われる当社株式等の総数は、対象期間ごとに合計672,000株(うち社外取締役については対象期間ごとに1名あたり4,030株)を上限とします。この上限となる株式数は、前記イの金銭の上限金額を踏まえて、過去の株価等を参考に設定しています。


オ 対象取締役に対する当社株式等の交付等の時期及び方法

① 業績連動部分

 業績連動部分に係る当社株式等の交付等の時期は、対象期間中の各事業年度の開始から3年経過後です。所定の受益者要件を充足した対象取締役(ただし社外取締役は除く。)は、業績連動ポイント数の50%に相当する当社株式(単元未満株式は切り捨て)の交付を受け、残りの業績連動ポイント数に相当する当社株式については、本信託内で換価したうえで、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。


② 非業績連動部分

 非業績連動部分に係る当社株式等の交付等の時期は、原則として取締役及び当社グループの役員のいずれも退任した時となります。受益者要件を充足した対象取締役は、退任時までに付与された非業績連動ポイント数の50%に相当する当社株式(単元未満株式は切り捨て)の交付を受け、残りの非業績連動ポイント数に相当する当社株式については、本信託内で換価したうえで、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。


カ 本信託内の当社株式に関する議決権

 本信託内の当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使しないものとします。


キ 本信託内の当社株式の剰余金配当の取扱い

 本信託内の当社株式に係る剰余金配当は本信託が受領し、本信託の信託報酬・信託費用に充てられます。信託報酬・信託費用に充てられた後、最終的に本信託が終了する段階で残余が生じた場合には、原則として、当社グループ及び当社グループの取締役等と利害関係のない団体への寄付を行う予定です。


ク 本信託内の当社株式の残余株式の取扱い

 信託期間満了により本信託を終了させる場合に、業績目標の未達成等により残余株式が生じたときは、株主への還元策として、本信託は当社に当該残余株式を無償譲渡し、当社はこれを取締役会決議により消却する予定です。


ケ クローバック制度等

 本制度は、対象取締役に重大な不正・違反等が発生した場合、当該対象取締役に対し、本制度における当社株式等の交付等を受ける権利の喪失又は没収(マルス)、交付した当社株式等相当の金銭の返還請求(クローバック)ができるものとします。


コ その他の本制度の内容

 本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めますので、ご一任願いたく存じます。

(参考)

 本議案においてご承認をお願いする当社の取締役に対する株式報酬等の支給のほか、野村不動産株式会社、野村不動産投資顧問株式会社等の当社の主要な子会社の取締役及び執行役員(社外取締役及び国内非居住者を除く。)の全部又は一部に対しても、信託を利用して株式報酬等を支給することを予定しております。株式報酬等の支給対象者全体について、対象期間(3事業年度)ごとに、信託に拠出する金銭の額の上限は76億6,000万円、交付等が行われる当社株式等の数の上限は3,129,000株(1事業年度あたりの平均である1,043,000株2022年3月31日時点の発行済株式総数(自己株式控除後)に対する割合は、約0.57%となります。)を予定しております。


(参考)

 当社では、2022年5月19日開催の取締役会において、本制度の改定内容を踏まえた「監査等委員を除く取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針」の変更を決議しており、本制度の改定内容に関係する内容は以下の通りであります。

トップへ戻る