第1号議案 吸収分割契約承認の件

1. 吸収分割を行う理由

当社グループは「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、総合エレクトロニクスメーカーとして家庭用電化製品、住宅、自動車、およびB2Bビジネスのお客様向けのさまざまな商品やソリューションの提供など、幅広い事業を展開しています。

当社では、2019年5月に策定いたしました中期戦略に基づき、基幹事業を中心とした利益成長に向けたリソースを強化するとともに、固定費削減や構造的赤字事業への対策などの経営体質強化策も着実に推進し、低収益体質からの脱却を目指しています。一方、当社グループを取り巻く事業環境は、各国の政治・金融情勢や新型コロナウイルスの影響などにより、その変化が年々激しさを増している状況にあります。不透明な状況が続くなか、より中長期的な視点でグループの経営を深化させ、成長をより確かなものにしていくために、当社グループは持株会社制への移行に向けた具体的検討を進めてまいりました。

この度当社は、持株会社制への移行のため、当社を分割会社とし、当社の完全子会社であるパナソニック分割準備株式会社(2022年4月1日付でパナソニック株式会社に商号変更予定。以下「新パナソニック」といいます。)を分割承継会社として、当社のホームアプライアンス事業、中国・北東アジア事業、空質空調事業、食品流通事業および電気設備事業を新パナソニックに承継する旨の吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。)を行うとともに、当社を分割会社とし、別表1の「分割承継会社」欄記載の各法人を分割承継会社として、「承継対象事業の概要」欄記載の事業を承継する旨の各吸収分割(以下「その他吸収分割」と総称します。)を実施することとし、2021年5月31日付で、各分割承継会社との間でそれぞれ吸収分割契約を締結しました。本吸収分割およびその他吸収分割の効力発生日は2022年4月1日の予定です。

本吸収分割およびその他吸収分割の効力発生後、持株会社制へと移行した後の各社を構成する事業部・部門の概要は、別表2の「各社を構成する事業部・部門」欄記載のとおりです。

吸収分割により、分社化された各事業会社は、より明確になった責任と権限に基づき自主責任経営を徹底いたします。これにより、各事業会社は、外部環境の変化に応じた迅速な意思決定や、事業特性に応じた柔軟な制度設計などを通じて、事業競争力の大幅な強化に取り組むことができます。

一方、当社は持株会社「パナソニック ホールディングス株式会社」として、各事業会社の事業成長の支援と、グループ全体最適の視点からの成長領域の確立に特化し、グループとしての企業価値向上に努めてまいります。

なお、2022年4月の吸収分割効力発生に先立ち、2021年10月には現行のカンパニー制を廃止し、持株会社制移行後の事業体制に準拠した、新たな体制へと事業再編を実施いたします。

本議案は、本吸収分割に係る吸収分割契約について、ご承認をお願いするものです。なお、その他吸収分割につきましては、いずれも会社法上の簡易分割要件を満たしておりますので、会社法第784条第2項に基づき株主総会でのご承認を経ずに実行することを予定しております。ただし、本議案の吸収分割のご承認がいただけない場合には、その他吸収分割についても実行いたしません。

2. 吸収分割契約の内容

本吸収分割に係る吸収分割契約の内容は次のとおりであります。

吸収分割契約書(写し)

パナソニック株式会社(以下「甲」という。)及びパナソニック分割準備株式会社(以下「乙」という。)は、第1条に定める甲の事業に関する権利義務を乙に承継させる吸収分割(以下「本吸収分割」という。)につき、以下のとおり吸収分割契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(本吸収分割)

本契約の規定に従って、甲は、会社法第2条第29号に定める吸収分割の方法により、甲が営む次の各号に掲げる事業(以下「本事業」という。なお、本効力発生日(第6条に定義する。以下同じ。)までに甲の組織内再編が行われる場合、各号に記載される各組織は、当該組織内再編後の後継部門と読み替える。)に関して甲が有する第3条第1項に定める権利義務を乙に承継させ、乙はこれを承継する。

(1)アプライアンス社が営む事業(テクニクス事業を含み、スマートライフネットワーク事業部が営む事業(テクニクス事業に主として付随し又は関連する事業を除く。)及びこれに主として付随し又は関連する事業、コネクティッドソリューションズ事業又はエナジー事業に主として付随し又は関連する事業並びにCS統括本部戦略企画部お客様関連課が営む事業を除く。)及びこれに主として付随し又は関連する事業(イノベーション推進部門マニュファクチャリングイノベーション本部リサイクル事業推進室及びプロフェッショナルビジネスサポート部門グローバル調達社AP調達センターが営む事業(同センター内のスマートライフネットワーク調達部(山形購買課を除く。)及び機能・機構デバイス契約部門真機構課が営む事業を除く。)を含む。)

(2)ライフソリューションズ社が営む事業(建設業統括部が営む事業を除く。)及びこれに主として付随し又は関連する事業(プロフェッショナルビジネスサポート部門グローバル調達社LS調達センターが営む事業を含む。)

(3)中国・北東アジア社が営む事業及びこれに主として付随し又は関連する事業(コーポレート戦略本部グローバル事業推進部中国事業推進課が営む事業及びイノベーション推進部門テクノロジー本部事業開発室アクティブエイジングデザインプロジェクトが営む事業を含む。)

(4)US社ハスマン事業部が営む事業及びこれに主として付随し又は関連する事業

(5)イノベーション推進部門デザイン本部が営む事業及びこれに主として付随し又は関連する事業

第2条(当事者の商号及び住所)

甲及び乙の商号及び住所は、次に掲げるとおりである。

(甲)吸収分割会社

商号: パナソニック株式会社(但し、本効力発生日付で「パナソニック ホールディングス株式会社」に商号を変更予定。)

住所: 大阪府門真市大字門真1006番地
(乙)吸収分割承継会社

商号: パナソニック分割準備株式会社(但し、本効力発生日付で「パナソニック株式会社」に商号を変更予定。)

住所: 大阪府門真市大字門真1006番地

第3条(本吸収分割により承継する権利義務)

  • 乙が本吸収分割により甲から承継する本事業に関する資産、債務、契約その他の権利義務(以下「承継対象権利義務」という。)は、別紙「承継対象権利義務明細表」記載のとおりとする。
  • 第1条及び前項に基づき乙が甲から承継する債務として別紙「承継対象権利義務明細表」に記載されたものについては、乙が免責的にこれを引き受ける。
  • 甲は、当該承継する債務について履行その他の負担をしたとき(会社法第759条第2項に基づき履行その他の負担をしたときを含むがこれに限られない。)は、乙に対してその負担の全額について求償することができる。

第4条(本吸収分割の対価)

乙は、本吸収分割に際し、乙が前条に基づき承継する権利義務の対価として乙の普通株式1株を甲に対して交付する。

第5条(乙の資本金及び準備金の額)

本吸収分割により変動する乙の資本金及び準備金の額については、会社計算規則第37条又は第38条に定めるところに従って乙が別途定める。

第6条(効力発生日)

本吸収分割がその効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、2022年4月1日とする。但し、本吸収分割の手続の進行上の必要性その他の事由により必要がある場合には、甲乙協議の上合意することにより、本効力発生日を変更することができる。

第7条(競業避止義務)

甲は、本効力発生日以降においても、本事業に関し、会社法第21条に基づく競業避止義務を負わない。

第8条(本吸収分割の承認)

甲及び乙は、本効力発生日の前日までに、それぞれ本契約及び本吸収分割に必要な事項に関する機関決定(会社法第319条第1項に基づき株主総会の決議があったものとみなされる場合及び同法第370条に基づき取締役会の決議があったものとみなされる場合を含む。)を得る。

第9条(本吸収分割の条件の変更及び本契約の解除)

甲及び乙は、本契約の締結日から本効力発生日に至るまでの間において、甲又は乙の資産状態、経営状態に重大な変更が生じたとき、又は本吸収分割の手続を阻害する重大な事態が生じたときは、甲乙協議の上、本吸収分割の条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。

第10条(本契約の効力)

本契約は、第8条に定める機関決定が本効力発生日の前日までに得られないとき、又は必要な関係官庁の承認が本効力発生日の前日までに得られないときは、その効力を失う。

第11条(準拠法及び管轄)

  • 本契約は、日本法に準拠し、これに従って解釈されるものとする。
  • 本契約に関する一切の紛争については、大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第12条(協議事項)

本契約に定めのない事項及び本契約の条項に関して疑義が生じた場合には、本契約の趣旨及び信義誠実の原則に従い、甲乙誠実に協議の上これを解決する。

(以下余白)

本契約の締結を証するため、本契約書1通を作成し、各当事者が、それぞれ署名又は記名押印の上、甲が原本を乙はその写しを保有する。

2021年5月31日

甲: パナソニック株式会社
代表取締役社長 津賀 一宏  ㊞
乙: パナソニック分割準備株式会社
代表取締役   品田 正弘  ㊞

別紙:承継対象権利義務明細表

本効力発生日において乙が本吸収分割により甲から承継する資産、債務、契約その他の権利義務は、本効力発生日の直前(以下「基準時」という。)における次に定める権利義務とする。

  • 資産
    本事業に属する一切の資産(知的財産権については下記2.において定める。)。但し、次に掲げる資産を除く。

    (1)全ての土地(土地を目的とする信託受益権を含む。)。但し、東京都北区中里所在の土地を除く。

    (2)共通活用可能な基幹・複合拠点として以下に掲げる建物(建物を目的とする信託受益権を含む。)及びその用に供する設備等(本事業に属するものを除く。)

    ・大阪府門真市及び守口市の甲の本社地区、ライフソリューションズ社大阪(門真)地区及びインダストリアルソリューションズ社本社地区(以下「本社・西門真地区」と総称する。)所在の建物(専ら研究開発の用に供する建物を除く。)

    ・横浜市都筑区佐江戸町所在の建物(専ら研究開発の用に供する建物を除く。)

    ・東京都港区所在のパナソニック東京汐留ビル

    (3)海外法人及び国内法人の株式又は持分。但し、本号にかかわらず、次に掲げる法人の株式は、承継対象とする。なお、当該株式を本吸収分割により乙に承継することに関し、当該法人の他の株主の同意を要する場合であって、基準時時点においてかかる同意を取得できる見込みがなく、かつ、当該株式を乙に承継させることにより甲又は乙その他の甲の子会社に重大な不利益が発生するときには、当該株式を承継対象権利義務から除外する。
    ①パナソニック アソシエイツ滋賀株式会社
    ②パナソニック アソシエイツ鳥取株式会社
    ③パナソニック エコシステムズ株式会社

  • 知的財産権
    本事業に属する著作権等の知的財産権。但し、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権及び商標権)はいずれも乙に承継されない。
  • 債務・負債
    本事業に属する一切の債務及び負債
  • 契約(労働契約を除く。)
    甲を当事者として締結された本事業に属する一切の契約(当該契約の変更・更新合意その他これに付随する契約を含み、労働契約を除く。また、調達取引その他これに類する取引に関する契約については、本事業に関する契約とし、そのうち本事業以外の事業にも関連する契約については、本事業に関連する部分に限る。)並びにそれらの契約上の地位及びこれらに基づき発生した一切の権利義務。但し、次に掲げる契約及びこれらに基づき発生した一切の権利義務を除く。また、承継対象権利義務に含まれる甲の契約上の地位若しくは当該契約に基づく権利義務を本吸収分割により乙に承継することが、当該契約に定める義務と抵触し、かつ当該義務の免除について当該契約の相手方の同意が得られず、又は、甲の契約上の地位等を乙に承継させるために当該契約において必要とされる手続を甲が基準時時点において履行できる見込みがない場合であって、かつ、当該契約上の地位等を乙に承継させることにより甲又は乙その他の甲の子会社に重大な不利益が発生するときには、承継対象権利義務から除外する。

    (1)産業財産権に関する契約
    (i)甲が有し、又は将来取得する見込みの産業財産権の手続、譲渡又はライセンスを主たる目的とする契約、(ii)第三者が有し、又は将来取得する見込みの産業財産権の譲受又はライセンスを主たる目的とする契約、及び、(iii)前記以外の契約であって、本事業に係る甲の組織又は子会社以外の甲の組織又は子会社に管理籍が設定された産業財産権の譲渡又はライセンスを含む契約(当該契約上の地位等を乙に承継しないことによって、甲又は乙その他の甲の子会社に重大な不利益が発生するものは除く。)。但し、(i)から(iii)のいずれについても、甲の子会社との間で締結された契約を除く。

    (2)産業財産権以外の知的財産権に関する契約
    本事業以外の事業においても必要となる、第三者との間で締結されたソフトウェアのライセンスインに関する契約。但し、当該契約上の地位等を乙に承継させることによって甲又は乙その他の甲の子会社に重大な不利益が発生しないものは除く。

    (3)合弁契約・株主間契約
    承継対象権利義務に含まれない株式又は持分に関する合弁契約及び株主間契約その他これに類する契約

    (4)M&A取引に係る契約
    M&A取引に係る契約のうち、クロージングが既に完了しているもの

    (5)アンブレラ契約
    但し、当該契約上の地位等を乙に承継させることによって甲又は乙その他の甲の子会社に重大な不利益が発生しないものは除く。

    (6)関係官庁との和解契約
    但し、当該契約上の地位等を乙に承継させることによって甲又は乙その他の甲の子会社に重大な不利益が発生しないものは除く。

    (7)本社・西門真地区に所在する土地に係る甲を賃借人とする賃貸借契約

  • 労働契約

    (1)本事業に主として従事する従業員(傷病、育児、介護等による長期欠勤又は出向等の理由で休職中の者を含む。以下同じとする。)との間の労働契約に関する契約上の地位及びこれらに基づき発生した一切の権利義務。但し、下表に記載するグローバルID(甲のグローバルID管理規程に基づき従業員に割り振られるグローバルIDをいう。)を有する従業員及び本吸収分割により乙に承継されないことについて個別に同意した従業員との間の労働契約に関する契約上の地位及びこれらに基づき発生した一切の権利義務を除く。

    (2)本効力発生日において甲とパナソニックグループ労働組合連合会及びその傘下の労働組合が締結している労働協約のうち、甲とパナソニックグループ労働組合連合会及びその傘下の労働組合との間で乙に承継することを別途合意した労働協約

  • 許認可等
    本事業に属する免許、許可、認可、承認、登録、届出、補助金等のうち、法令上承継することが可能なものの一切
  • 以上


 

3. 会社法施行規則第183条各号に掲げる事項の内容の概要

各事項の内容につきましては、法令及び当社定款の規定に基づき、インターネット上の当社ウェブサイト(https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir.html)に掲載しておりますので、株主総会参考書類には掲載しておりません。