事業報告(2018年4月1日から2019年3月31日まで)

企業集団の現況

当連結会計年度の事業の状況

事業の経過及び成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・個人所得環境が緩やかな回復基調にあるものの、世界経済への米中貿易摩擦の影響や欧州における政治リスク等もあり、その回復基調がより緩慢なものになりつつあります。
 コンタクトレンズ業界におきましては、少子高齢化が進んでいるものの、近視人口が増加しており、また、引き続き1日使い捨てタイプへのシフトが続いていることや、乱視用、遠近両用等の高付加価値商品の伸長等により、市場は緩やかながらも成長基調にあるものと認識しております。しかしながら、当社製品と競合するシリコーンハイドロゲル素材のラインナップ増加、インターネットやドラッグストア等の販売チャネルの多様化、サークル・カラーレンズカテゴリーを中心とした新規参入企業の増加等もあり、当社を取り巻く競争環境は継続して厳しい状態で推移しております。
 このような状況の中、当社グループは、新3ヶ年中期経営計画の初年度となる2019年3月期につきましては、『~61年目からの新たな挑戦~日本のシードから世界のSEEDへ』を常軌化すべく、主力である純国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心に日本国内での安定した成長と同時に積極果敢な世界展開を実現し、販路拡大を通じた事業規模の拡大と将来的な成長基盤の強化を図ってまいりました。
 当連結会計年度の業績について、売上高は、国内外においてコンタクトレンズの売上が増加し、29,489百万円(前期比6.0%増)となりました。利益につきましては、積極的なテレビCMの投下や新商品発売に伴う広告宣伝費の増加、新商品導入に伴うトライアルレンズ費用、海外コンタクトレンズメーカーの株式取得に係る一過性の費用等、販売費及び一般管理費が前期比で1,192百万円増加したこと等により、営業利益1,874百万円(前期比11.0%減)、経常利益1,840百万円(前期比14.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、製品等の廃棄及び子会社に関連する特別損失を計上したこと等により、963百万円(前期比19.6%減)となりました。前期比で増収減益となりましたが、新商品の投入や事業の国際化の進捗に沿った販売費及び一般管理費の増加は、いずれも長期的な当社の競争力強化や欧州やアジア地域での事業展開に資するものであります。

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セグメント別の概況

 セグメントの業績は次のとおりであります。

コンタクトレンズ・ケア用品

 純国産使い捨てコンタクトレンズ「ピュアシリーズ」においては、品質力の高さやきめ細やかな対応力を強みに、7月に新発売した現代人のライフスタイルに合わせて“近くを見る”ということに着目した新しいコンセプトのコンタクトレンズ「シード ワンデーピュアうるおいプラス フレックス」や乱視用、遠近両用などの高付加価値商品の販売に注力してまいりました。また、8月に新発売した「ジルスチュアート ワンデーUV」の広告宣伝を強化するとともに、新たにうるおい成分を配合してリニューアルした「アイコフレワンデーUV M」「ファインUVプラスシリーズ」及び乱視用サークルレンズの投入など、新商品と既存商品のリニューアルを中心とする積極的な展開をしてまいりました。
 この結果、主力カテゴリーである1日使い捨てコンタクトレンズにおいて、「ワンデーピュアシリーズ」は乱視用、遠近両用を中心に引き続き伸長しました。サークル・カラーレンズカテゴリーについては、主力の「アイコフレワンデーUVシリーズ」が国内外で売上が横ばいで推移したことや「ジルスチュアート ワンデーUV」の販売が目標に対して大きく乖離したこともあり、カテゴリー全体として前期比微増に留まりました。
 ケア用品につきましては、コンタクトレンズ市場の使い捨てタイプへのシフトによるケア用品市場縮小と同じ傾向により、前期を下回る結果となりました。
 その結果、セグメント全体の売上高は28,217百万円(前期比5.8%増)と増収となりました。営業利益につきましては、新商品導入に伴うトライアルレンズ費用や広告宣伝の強化、人件費・物流関連費用等の増加に伴い、販売費及び一般管理費全体が増加しており、3,036百万円(前期比2.4%減)となりました。さらに、コンタクトレンズ小売事業を運営する(株)アイスペースの事業環境が厳しく、不採算店舗2店舗の閉店を決議し、それに伴う引当金や特別損失(減損処理含む)を計上しております。

眼鏡

 主力フレームの「ビビッドムーン」や「プラスミックス」を中心に、販路拡大や既存得意先での取引量拡大に努めてまいりました。その結果、売上高は840百万円(前期比1.3%増)となりましたが、販売費及び一般管理費が増加したこと等により、営業損失79百万円(前期営業損失71百万円)となりました。眼鏡事業は小売子会社も含め、非常に厳しい経営環境にあることから、卸販売の営業拠点を概ね東京に集約し、小売子会社の不採算店6店舗の廃止を決議し、それに伴う特別損失を計上しております。

その他

 その他につきましては、就寝前に装用することで睡眠時に角膜を矯正するオルソケラトロジーレンズの普及・拡販を進めたことや、12月より販売を開始したセンサー内蔵のいわゆる医療用スマートコンタクトレンズ「Triggerfish」「Triggerfishセンサー」を大学病院等への納入を開始したこと等により、売上高は431百万円(前期比27.3%増)と増収となりました。利益につきましては、オルソケラトロジーレンズの香港・マレーシア・その他アジア諸国への新規導入費用の増加等により営業損失61百万円(前期営業利益5百万円)となりましたが、成長が大いに期待できるカテゴリーであり、当社コンタクトレンズの主要販売先である眼科関係施設との紐帯強化に資するものであります。

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