事業報告(2018年4月1日から2019年3月31日まで)

当社グループの現況に関する事項

事業の経過及びその成果

当期の経済環境

 当期における世界経済を概観すると、米国は雇用・所得環境の改善を背景に堅調な景気拡大を維持しつつも足元では減速の動きが見られ、ユーロ圏も自動車の環境規制強化の影響を主因に成長率が鈍化、新興国においても中国で個人消費や輸出が伸悩むなど、期末にかけて減速の動きが広がりました。加えて、米中貿易摩擦の影響や英国のEU離脱交渉の難航等により、今後の世界経済に対する不透明感が強まっています。そうした中で、原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、期初の60ドル台前半から、米国の核合意離脱に伴うイランの供給懸念等により上昇した後、世界経済の先行き懸念を背景に年末近くには下落しましたが、主要産油国による減産を受けて期末には60ドル台まで値を戻しました。
 日本経済は、昨年初の足踏みから拡大基調を取戻した後、台風や地震等の自然災害による影響から、夏場には個人消費や輸出を中心に再び停滞、その後は持直しつつありますが足取りは緩慢なものに止まっています。円・ドル相場は、期初の106円台から、米国の長期金利上昇等を背景に10月上旬に114円台まで円安が進みましたが、その後は米国の長期金利の動きに合わせて推移し、110円台で期末を迎えました。日経平均株価は、期初の21,000円台前半から、米国株価の上昇や円安傾向を受けて24,000円台を回復しましたが、米国株価の下落に伴い年末に19,000円台へ下げた後、期末は21,000円台に持直しました。10年物国債利回りは、期初の0.04%から10月上旬には0.15%まで上昇しましたが、その後の円高傾向や景気の先行き懸念により期末にはマイナス0.08%台まで低下しました。

当社グループの当期の業績

 当期の収益は、食料においては新会計基準(IFRS第15号)適用の影響に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増収、エネルギー・化学品においては新会計基準適用の影響に加え、エネルギー関連事業における販売価格上昇等により増収、機械においては新会計基準適用の影響に加え、前第2四半期における(株)ヤナセの子会社化等により増収となり、全体としては前期比6兆904億円(110.5%)増収の11兆6,005億円となりました。新会計基準適用の影響による増収5兆907億円が含まれております。

 売上総利益は、食料においてはDoleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増益、情報・金融においてはポケットカード(株)の子会社化等により増益、機械においては前第2四半期における(株)ヤナセの子会社化に加え、自動車関連取引が堅調に推移したこと等により増益となり、全体としては前期比3,533億円(29.2%)増益の1兆5,638億円となりました。

 販売費及び一般管理費は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化や前第2四半期における(株)ヤナセの子会社化の影響等により、前期比3,030億円(34.0%)増加の1兆1,933億円となりました。

 貸倒損失は、ポケットカード(株)の子会社化に伴う増加等により、前期比57億円増加の90億円(損失)となりました。

 有価証券損益は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益及び北海油田開発事業の売却益等により、前期における中国生鮮食品関連事業の一部売却に伴う利益の反動はあったものの、前期比1,960億円増加の2,030億円(利益)となりました。

 固定資産に係る損益は、当期におけるアパレル関連事業の減損損失等はあるものの、前期におけるアパレル関連事業及びDoleの減損損失等の反動により、前期比176億円改善の120億円(損失)となりました。

 その他の損益は、前期における海外特定債権に対する引当金計上の反動等により、前期比110億円好転の107億円(利益)となりました。

 受取利息、支払利息の合計である金利収支は、USドル金利上昇による支払利息の増加等により前期比75億円悪化の143億円(費用)となり、受取配当金は、石油及びLNGプロジェクト、鉄鉱石関連投資からの配当の増加等により、前期比141億円(41.1%)増加の484億円となりました。その結果、金利収支に受取配当金を加えた金融収支は、前期比66億円増加の341億円(利益)となりました。

 持分法による投資損益は、その他及び修正消去(注)においてはCITIC Limitedに対する投資の減損損失等により減少となり、一方、住生活においてはパルプ市況上昇によるITOCHU FIBRE LIMITED(欧州パルプ事業)及び日伯紙パルプ資源開発(株)の取込損益増加等により増加、エネルギー・化学品においては東シベリア石油開発事業における油価上昇及び原油生産量増加並びに同事業を保有する日本南サハ石油(株)の取込比率上昇に加え、石油化学関連事業の取込損益の増加等により増加となりましたが、全体としては前期比1,182億円(54.7%)減少の981億円(利益)となりました。

(注)「その他及び修正消去」は、各事業セグメントに帰属しない損益及びセグメント間の内部取引消去が含まれております。

 以上の結果、税引前利益は、前期比1,575億円(29.3%)増益の6,954億円となりました。法人所得税費用は、堅調な利益拡大に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益に係る税金費用の増加及び米国税制改正の反動等により、金融関連事業に係る税金費用の減少はあったものの、前期比436億円(41.0%)増加の1,497億円となり、税引前利益6,954億円から法人所得税費用1,497億円を控除した当期純利益は、前期比1,140億円(26.4%)増益の5,457億円となりました。このうち、非支配持分に帰属する当期純利益452億円(利益)を控除した当社株主に帰属する当期純利益は、前期比1,002億円(25.0%)増益の5,005億円となりました。

(ご参考)
 日本の会計慣行に基づく営業利益(売上総利益、販売費及び一般管理費、貸倒損失の合計)は、食料においてはDoleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増益、エネルギー・化学品においては原油生産量増加及び油価上昇による開発原油取引の採算改善等により増益、情報・金融においてはポケットカード(株)の子会社化等により増益となり、一方、金属においては石炭価格の上昇はあったものの、ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdにおける一部の鉄鉱石権益保有形態変更による減少等により減益となりましたが、全体としては前期比446億円(14.1%)増益の3,615億円となりました。

見通しに関する注意事項
 本事業報告に記載されているデータや将来予測は、現在入手可能な情報に基づくもので、種々の要因により影響を受けることがありますので、実際の業績は見通しから大きく異なる可能性があります。従って、これらの将来予測に関する記述に全面的に依拠することは差し控えるようお願いいたします。また、当社は新しい情報、将来の出来事等に基づきこれらの将来予測を更新する義務を負うものではありません。

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主要な事業内容

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、国内及び海外におけるネットワークを通じて、繊維、機械、情報・通信関連、金属、石油等エネルギー関連、生活資材、化学品、食糧・食品等の各種商品の国内、輸出入及び海外取引、更には損害保険代理業、金融業、建設業、不動産の売買、倉庫業並びにそれらに付帯または関連する業務及び事業への投資を多角的に行っております。

セグメント別業績

連結財政状態

 総資産は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)及びポケットカード(株)の子会社化等により、前期末比1兆4,348億円(16.6%)増加の10兆987億円となりました。
 有利子負債から現預金を控除したネット有利子負債は、堅調な営業取引収入と着実な資金回収による借入金の返済はあったものの、配当金の支払や自己株式の取得に加え、ポケットカード(株)の子会社化等もあり、前期末比863億円(3.7%)増加の2兆4,068億円となりました。有利子負債は前期末比2,044億円(7.4%)増加の2兆9,838億円となりました。
 株主資本は、配当金の支払及び自己株式の取得があった一方で、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ等により、前期末比2,674億円(10.0%)増加の2兆9,369億円となりました。
 株主資本比率は、前期末比1.7ポイント低下の29.1%、NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前期末比改善の0.82倍となりました。

連結キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、食料、金属、エネルギー及び情報・通信における営業取引収入の堅調な推移等により、4,766億円のネット入金となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、主として食料、金属及びエネルギーにおける固定資産の取得等はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化による現金の受入及びユニー・ファミリーマートホールディングス(株)におけるユニーの売却等により、2,011億円のネット入金となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済に加え、配当金の支払及び自己株式の取得等により、5,383億円のネット支払となりました。
 現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末比1,399億円増加の5,720億円となりました。

中期経営計画「Brand-new Deal 2020」

 当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)において、「商いの次世代化」、「スマート経営」、「健康経営No.1企業」を基本方針として掲げております。「Brand-new Deal 2020」初年度である当期の具体的成果は次のとおりです。

繊維カンパニー

ブランドビジネスの更なる拡大・強化

 多様化する消費者ニーズに対応するため、オリジナリティのあるブランドを新たに導入しました。カナダの防寒ウェアからスタートしたアウターウェアブランド「ムースナックルズ」の独占輸入販売権を取得し、2018秋冬シーズンより販売を開始、好調な滑り出しとなっています。また、米国で70年以上の歴史があり、モカシンシューズが有名な「ミネトンカ」の日本市場における独占輸入販売権及びマスターライセンス権も取得しました。今後も顧客視点の徹底により、ブランドビジネスの更なる拡大・強化を目指していきます。

新たな流通チャネルへの参入

 ブランドビジネスにおける「商いの次世代化」では、ますます多様化する消費行動を受け、EC等の新たな流通チャネルへの参入を目指し、様々な取組を進めています。2018年度には、世界最大級のファッションB2Bマーケットプレイスを運営するJOOR社等、国内外のベンチャー企業への投資を実行しました。今後も、激しく変化する世の中の動きをいち早く捉えながら、ブランドビジネスの次世代化を加速させていきます。

機械カンパニー

オマーン海水淡水化事業の商業運転開始

 当社が筆頭株主として参画するバルカ海水淡水化プラントが2018年6月に商業運転を開始しました。本件は、オマーン最大の海水淡水化事業であり、プラントで製造される水は、オマーン電力・水公社経由、マスカット首都圏の生活用水として今後20年間供給されます。オマーンを含む中東湾岸地域では、人口増加や都市化で水需要が増加する一方、生活用水不足が課題となっています。今後も世界各地で水資源を有効活用し、本業を通じたESGの取組を推進していきます。

中国における次世代モビリティビジネスへの参入

 当社は、中国におけるEV商用車のレンタル・メンテナンスサービスの地上鉄に2018年8月出資参画しました。地上鉄によるEV商用車の管理台数は2万台超と中国最大であり、EV商用車を使った物流オペレーションのノウハウをEV先進国の中国で蓄積していきます。また、中国物流事業とのシナジー、EVバッテリーの二次利用やリサイクル、分散型エネルギーへのEV活用といった次世代電力とのシナジー追求も検討していきます。

金属カンパニー

サウス・フランク鉄鉱山の開発決定

 世界最大級の資源会社BHP Group社と共同で運営する西豪州鉄鉱石事業において、サウス・フランク鉄鉱山の開発を決定しました。同鉱山は、今後終掘に向かうヤンディ鉄鉱山の後継として、25年以上の生産が可能な鉱量を有しており、2021年の初出荷を予定しています。当社は、本事業を通じて、地域社会への貢献、労働環境の整備、環境保全等に配慮した持続可能な資源開発を継続していきます。

エネルギー・化学品カンパニー

天然ガス/LNGへの取組と中長期安定収益基盤の構築

 当社は、クリーンエネルギーとして世界的に需要拡大が見込まれる天然ガス/LNGについて、新規プロジェクト参画に向けた取組を進めています。また、石油・ガス上流資産の入替を進め、中長期安定収益基盤の構築に努めています。アゼルバイジャンACG事業等、既存事業からの安定収益に加え、2018年3月にはイラク西クルナ1油田権益を取得、同年9月には英領北海事業を保有する子会社を売却し、2018年度は、エネルギー部門として過去最高益を記録しました。今後も、中長期視点での安定収益基盤構築に資する資産ポートフォリオ形成を進めていきます。

次世代蓄電システムの販売開始

 自社ブランド蓄電池「Smart Star L」と英国Moixa社製AIソフトウェア「GridShare Client」を連携させた次世代蓄電システムの販売を2018年11月より開始しました。AIを搭載した蓄電システムが最適な充放電を行うことにより、電力の効率的運用が可能になる他、家庭における災害時電力対策としての効果も期待されます。蓄電システムの販売で国内トップクラスのシェアを誇る当社の強みを活かし、再生可能エネルギーの普及を促進していきます。今後も、電力供給の安定化並びに分散型エネルギー社会実現に貢献し、「未来よし」を目指していきます。

食料カンパニー

ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化

 当社の関連会社であったユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の株式を公開買付により取得し、子会社としました。伊藤忠グループで最大の顧客接点を有する同社との連携を一層強固なものとして、マーケティングの高度化、サプライチェーンの次世代化、店舗運営の効率化等を実現し、その経験・知見を他のビジネスにも広く応用することにより、当社グループ全体での更なる価値向上を目指していきます。

HyLife事業の更なる拡大

 カナダ最大級の養豚・豚肉生産者HYLIFE GROUP HOLDINGSは、工場を拡張し、生産能力を従来の1.2倍に増強しました。更に強化された供給力により、日本向けの輸出をますます拡大していきます。また、2016年のオープンより好調な営業を続けている東京・代官山の直営レストラン「HyLife Pork TABLE」では、こだわりのハーブ三元豚の素材を存分に活かした料理を提供し、ブランド価値の向上に努めています。今後も当社は、HyLife事業の拡大を目指していきます。

住生活カンパニー

「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」J-REIT市場に上場

 当社は、2000年初頭より本格的に物流施設開発に取組んでおり、これまでに多くの開発実績を有しています。今回の本REIT上場により、物流不動産事業における開発・リーシング・保有・運営管理までのバリューチェーンが確立されました。また、本REITを通じてグループの保有する物流施設等の売却・有効活用ニーズにも対応し、グループ全体の経営効率化にも貢献していきます。当社は、今後も物流関連事業の拡大を進め、スポンサーとして本REITの成長に向けた支援を進めていきます。

天然ゴムのトレーサビリティ実証実験開始

 天然ゴムは、日々の生活に欠かせない天然資源です。持続可能な社会への意識の高まりに伴い、調達活動における高い透明性が求められるようになりました。植林地域の広さや流通経路の複雑さにより、これまでは生産者の実態を把握することは著しく困難でした。当社は、子会社のABP社(本社:インドネシア)のサプライチェーンを活用し、天然ゴム業界では世界初の試みとしてブロックチェーン技術を活用した実証実験を開始、トレーサビリティの実現を推進していきます。更に、世界有数の天然ゴム会社であるHalcyon Agri Corporation Limited(本社:シンガポール)が設立した持続可能な天然ゴム取引のマーケット・プラットフォームを運営するHevea Connect社との資本提携により、持続可能な天然ゴムの普及を目指していきます。

情報・金融カンパニー

(株)フリークアウト・ホールディングスとの資本業務提携

 当社は、データを活用したマーケティング分野において、広告配信サービスを展開する(株)フリークアウト・ホールディングスと資本業務提携を締結しました。(株)フリークアウト・ホールディングスが有するデジタル広告技術、データ収集・活用技術と、当社が保有するデータや生活消費関連事業での顧客接点を組合わせることにより、デジタルマーケティング領域での新たな収益源の構築を目指していきます。

(株)Paidyへの戦略的事業投資

 当社は、子会社のポケットカード(株)とともに、オンライン後払い決済サービスを運営する(株)Paidyへ持分法適用会社化を前提とした戦略的事業投資を実施しました。当社グループ内外における加盟店ネットワーク拡大を推進するとともに、(株)Paidy及びポケットカード(株)の強みを活かし、消費者の収入と支出、送金等に係る先進的で使い勝手の良い次世代金融サービスの開発を進め、両社の企業価値向上に向けた支援をしていきます。

総本社

健康経営の取組推進

 当社は、「予防」「治療」「共生」の3つの観点から、がんと仕事の両立支援に継続的に取組んでいます。がんの早期発見につなげるため、2018年度より40歳以降の対象年齢の社員にがん検診を行っており、対象者のほぼすべてとなる300名以上の社員が受診しました。また、朝型勤務推進の一策として朝7時半からの早朝時間を活用した「朝活セミナー」において、がんと仕事の両立に関するセミナーを開催する等、社員のがんに対する意識醸成、知識向上に努めています。

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対処すべき課題

来期の見通し

 来期の経営環境を展望しますと、米国経済は緩和的な金融政策が続けられるものの成長は鈍く、欧州経済は幾分復調するとの見方はあるも不透明な状況が続くと見込まれます。中国経済は政府の大規模な景気刺激策の効果により下期には持直しが期待されますが、世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱への懸念が残る間は先行きを見通し難い状況が続くと見込まれます。そうした中で、円・ドル相場は概ね横ばい、原油相場は変動の大きな状況が続く中で主要産油国による需給調整もあり概ね横ばい圏での推移が見込まれます。
 日本経済は、このような世界経済の影響を受けて当面は輸出が伸悩み、設備投資もピークアウトが見込まれるものの、公共投資や個人消費の下支え、及び消費増税に伴う影響は政府の対策によって抑制される等、緩やかな拡大になると考えられます。

中期経営計画「Brand-new Deal 2020」の更なる推進

 中期経営計画「Brand-new Deal 2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)の2年目となる2019年度は、当該中期経営計画の3つの基本方針である「商いの次世代化」、「スマート経営」、「健康経営No.1企業」の一層の推進を図るため、短期経営計画の基本的な考え方として4つの観点から「持続的成長基盤の構築」に取組みます。

①成長投資の着実な実行と高効率経営の継続

 「商いの次世代化」を一層推進するため、次世代型成長モデルに向けた積極投資を推進するとともに、ピークアウト・低効率ビジネスの資産入替を行い、当社の強みである高効率経営を継続していきます。

②「新しい商社像」に向けて

 「第4次産業革命」をはじめとする急激な環境変化に対応するため「マーケットインの発想」に基づく新たな組織として「第8カンパニー」を創設し、商社特有の商品・タテ割り文化を打破し、市場や消費者からのニーズを捉えた新たな発想でビジネスに取組んでまいります。また、このような環境変化に対応できる人材育成の必要性から、人材を更に活性化させるための施策を実行してまいります。

③バランスを追求したキャッシュ・アロケーション

 成長投資、株主還元、有利子負債コントロール、3つのバランスを追求し、A格付けの維持を前提としたB/Sマネジメントを行います。

④サステナビリティ施策の着実な推進

 持続的成長を実現するため、社会課題の解決と社会価値の創出への取組強化を図ります。2019年度は中でも低炭素社会への寄与を目指す「気候変動への取組」(環境)、働きがいのある職場環境の整備を目指す「スマート・健康経営」(社会)及び確固たる「ガバナンス」体制の堅持(ガバナンス)の強化に注力し、サステナビリティ施策を着実に推進してまいります。

株主還元方針

 2018年10月1日に、配当額・配当性向の段階的引上げと自己株式取得の更なる積極活用を示した「中長期的な株主還元方針」を公表いたしました。2019年度は当方針の着実な実行を進めることとし、一株当たりの配当金は当社史上最高となる85円下限、2020年度も累進配当とし、配当額、配当性向の更なる引上げを目指します。また、自己株式取得についても、キャッシュ・フローの状況等を踏まえ、2019年度も機動的・継続的に実施いたします。

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

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連結計算書類

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