第4号議案 取締役に対する長期インセンティブ型報酬の決定の件
当社は、社外取締役以外の取締役(以下「対象取締役」といいます)に対する長期的な企業価値の創造に向けた動機づけと、株主のみなさまとの利益意識の共有を目的として、業績連動型株式報酬の一種であるパフォーマンス・シェア・ユニットを用いた長期インセンティブ型報酬制度(以下「本制度」といいます)を導入しています。
本制度では、1事業年度を支給対象年度として年度ごとに各対象取締役に基準となる株式ユニットを付与し、支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間として予め複数の評価指標を定めたうえで、評価対象期間終了後に各評価指標の達成率等に応じて支給率を算出し、この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を各対象取締役に支給いたします。各対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で給付することにより、当社普通株式の交付を受けるものとし、この場合の払込金額は、当該株式の発行または処分に係る当社取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)(以下「交付時株価」といいます)を基礎として、当社普通株式を引き受ける各対象取締役に特に有利な金額とならない範囲で当社取締役会において決定した額とします。対象取締役に対する当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭を支給する条件の概要については、下記<本制度をご理解いただくためのご参考情報>に記載のとおりです。
本制度に係る報酬等の各対象取締役への具体的な支給時期および配分については、社外取締役を委員長とする指名・報酬諮問委員会の審議を経て、当社の取締役会において決定することといたします。本制度における2023年度に係る報酬等として、2023年度から連続した3事業年度終了時における会社業績等の目標達成率等に応じて対象取締役に支給する当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭の総額については、当社普通株式136,000株に交付時株価を乗じた額(以下「支給上限額」といいます)を上限とし、また、本制度に基づき対象取締役に交付する当社普通株式の総数について68,000株(以下「交付上限株式数」といいます)を上限とし、この範囲内で、各対象取締役に対し、原則として、本制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給することといたします。上記報酬の支給について、ご承認をお願いいたします。
なお、本議案の内容は、事業報告に記載の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に沿うものであり、その内容は相当であると考えています。
現在の当社の取締役の員数は8名(うち社外取締役4名)であり、第2号議案が原案どおり承認された場合、取締役は10名(うち社外取締役5名)となります。対象取締役は、この10名の取締役のうちの社外取締役以外の取締役5名となります。
<本制度をご理解いただくためのご参考情報>
本制度の概要
本制度は、毎年、支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間として予め複数の評価指標を定め、評価対象期間の終了後に、当該評価指標の達成率等に応じた数の当社普通株式を交付するための金銭報酬債権および金銭を、報酬等として支給する制度です。
2023年度を支給対象年度とする分の評価対象期間は、2023年1月1日から2025年12月31日までの3事業年度であり、対象取締役に対する当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭の額の確定および支給は、原則として評価対象期間の終了後に行います。なお、本制度は、評価指標の達成率等に応じて当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭を支給するものであることから、株式ユニットの付与時点では、各対象取締役に対してこれらの報酬等を交付または支給するか否か、ならびに交付する当社普通株式の株式数、当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭の額はいずれも確定しておりません。
また、本議案の決議の日以降、当社普通株式の株式分割(当社株式の株式無償割当てを含む)または株式併合が行われた場合には、当該分割または併合の比率に応じて、上記の支給上限額の計算の基礎となる当社普通株式の数(136,000株)および交付上限株式数(68,000株)ならびに各対象取締役に交付する当社普通株式の数を調整するものとします。
本制度の具体的な仕組み
本制度の具体的な仕組みは、以下のとおりです。
① 本制度では、業績連動部分と固定部分が設定されています。
② 業績連動部分には中期経営計画等に連動した評価指標を使用するものとし、各対象取締役に交付する株式数等の具体的な算定にあたっては各評価指標の達成率等に応じた支給率等を設定します。これらの評価指標および支給率等は、指名・報酬諮問委員会での審議を経て、当社取締役会において決定します。
③ 本制度の評価指標とそのウエイトの全体像は下表のとおりです。なお、評価指標のうち、経済評価指標である評価対象期間の最終事業年度におけるコア営業利益率および連結売上高年平均成長率(CAGR)については、それぞれ評価上限値と評価下限値を定め、評価上限値を達成した場合にはそれぞれの指標における支給率上限を適用し、評価下限値に満たない実績となった場合にはそれぞれの指標について業績連動部分を支給しないこととしています。また、社会価値指標のうち環境および社会については、複数の指標それぞれにつき、目標の達成・未達成を判定し、達成した場合にそれぞれの指標における支給率上限を適用し、未達成の場合は、それぞれの指標について業績連動部分を支給しないこととし、ESG全般については目標値を設定し、それらの達成率に応じて支給率が変動する仕組みとしています。
④ 固定部分は、対象取締役に一定の株式報酬が安定的に支給されることにより、株主との持続的な利益意識の共有、企業価値の毀損の牽制および長期にわたる高い企業価値の維持、ならびに有能な人材の獲得・維持といった目的を実現するために設けています。
⑤ 評価対象期間終了後、各評価指標の達成率等に応じて決定される支給率(50%~150%の範囲で変動します)に基づき、各対象取締役に割当てる当社普通株式の数および支給する金銭の額を、指名・報酬諮問委員会での審議を経て、取締役会において決定します。なお、中期経営計画等の目標設定において合理的に予見することが困難であった想定外の外的要因等が発生したと指名・報酬諮問委員会が判断した場合には、指名・報酬諮問委員会は、それらの要因を総合的に勘案して慎重に審議を行い、取締役会が相当と認めるときは、その決定により評価指標のうち経済価値指標についての支給率の調整を行うことがあります。
⑥ 当社は、上記⑤で決定された各対象取締役に割当てる当社普通株式の数に応じて、当社取締役会決議に基づき、各対象取締役に対し、当社普通株式交付のための金銭報酬債権を支給し、各対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で給付することにより、当社普通株式の交付を受けます。なお、当社普通株式の払込金額は、交付時株価を基礎として、当社普通株式を引き受ける各対象取締役に特に有利とならない範囲内で当社取締役会において決定します。
⑦ 上記⑥の当社株式の交付に伴い、各対象取締役に納税費用が発生することから、この納税費用の資金確保のため、当社は、上記⑥の金銭報酬債権に加えて、上記⑤で決定された額の金銭を各対象取締役に支給します。
⑧ 各対象取締役に対する株式交付の要件その他詳細は、当社取締役会で定めるものとします。
本制度に基づく報酬等の支給要件
当社は、以下の要件を満たす対象取締役に対して、本制度に基づく報酬等を支給します。当社が当社普通株式を交付する際は、当社による株式発行または自己株式の処分により行われ、当社普通株式を交付する対象取締役および当該株式発行または自己株式の処分に係る募集事項は、以下の①ないし③の要件および上記に記載した算定方法に従い、評価対象期間終了後に当社取締役会において決定します。
① 在任期間要件を満たすこと(支給対象年度中継続して当社もしくは当社子会社の取締役またはエグゼクティブオフィサーのいずれかの地位にあったこと等を要する)
② 権利確定前に退任する場合は、懲戒処分等による退任ではないこと
③ その他本制度の趣旨を達成するために必要なものとして当社取締役会が定める要件を充足すること
なお、本制度においては、マルス・クローバック条項を導入しており、対象取締役に重大な不正行為があった場合等一定の場合には、取締役会はその決定により、株式ユニットの数を減少させ、または返還を受けることができます。
対象取締役の退任時の取り扱い
対象取締役が評価対象期間中に当社または当社子会社の取締役およびエグゼクティブオフィサーの地位を喪失した場合であっても、上記支給要件等の一定の要件を満たす場合は、当該地位の喪失事由の性質に応じ、支給上限額および交付上限株式数の範囲内で当社取締役会において定める合理的な方法に基づき算定した数の当社普通株式もしくは金銭またはその双方を、当社取締役会が定める時期に交付または支給することがあります。なお、対象取締役の退任に伴い評価対象期間の終了前に本制度に基づく報酬等を支給する場合は、当該対象取締役に交付する株式の数または支給する金銭の額の算定には、当該支給に係る当社取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を用います。
(注)会社法第361条においては、取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益を「報酬等」と呼んでおり、本議案における「報酬等」もこれと同義です。