第2号議案 取締役10名選任の件
取締役全員(5名)は、本総会終結の時をもって任期満了となります。つきましては、次の理由から、取締役を5名増員し、計10名の選任をお願いいたしたいと存じます。
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取締役候補者増員の理由
2008年に当社が執行役員制度を導入して15年が経過しました。導入時25名であった取締役は、迅速かつ機動的な経営を目指して以後段階的に減員し、現在では社内出身の取締役3名、社外取締役2名の計5名としております。
この間、当社は業務執行を司る執行役員を中心に漸次その増強を進めてまいりましたが、この程、執行の監督にあたる取締役会についても、事業ポートフォリオの転換、業容の拡大、成長領域の多様化等への対応力の強化を図るとともに、次世代経営者のスキルアップ、育成の観点からも、人員補強による取締役会の機能強化を行うことにしました。
そこで、取締役会全体として求められるスキルに合致する能力、経験を持つ者であることを第一に考え、社内から、海外事業、先端技術および財務の各分野で大きな成果を残してきた人材を新たに取締役に登用し、取締役会の執行監督機能の強化を図ります。
また、当社のビジネス領域は、BtoBからBtoCまで広範囲に亘っており、加えて、SDGsはもちろん、地政学的リスク、経済安全保障、サイバーテロ等、当社取締役会が対応すべき経営課題は益々広がっております。この拡大する取締役会の守備範囲は、社内登用では充分カバーできない領域を含んでおり、社外の有識者の知見を生かす必要性が高まっています。このため、独立した立場で、中長期的な視点に基づき、助言、監督をいただける社外取締役も増員することとしました。これにより、取締役は10名となり、その内社外取締役は4名(全体の1/3超)となります。
尚、動きの激しい経営環境の下、取締役会のあり方についてはその実効性を含め適宜検証を継続し、経営環境と必要性に応じて適切に対応していく所存です。
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取締役候補者
当社の取締役会は、全社的事業戦略または執行を統括する取締役および複数の事業戦略または本社機能を統括する取締役を中心としつつ、経営の健全性を担保するため、2名以上かつ3分の1以上の独立社外取締役を加えた体制とすることを基本としており、取締役候補者は、かかる基本的考えに基づき、以下のとおりとさせていただきます。

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御手洗 冨士夫再任
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1935年9月23日 所有する当社の株式の数 151,944株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1961年4月 当社入社1981年3月当社取締役1985年3月当社常務取締役1989年3月当社代表取締役専務1993年3月当社代表取締役副社長1995年9月当社代表取締役社長2006年3月当社代表取締役会長兼社長2006年5月当社代表取締役会長2012年3月当社代表取締役会長兼社長2016年3月当社代表取締役会長2020年5月当社代表取締役会長兼社長(現在)〈重要な兼職の状況〉
・株式会社読売新聞グループ本社監査役候補者とした理由 同氏は、長年にわたりCEOとして当社の経営を指揮し、生産革新等の経営改革による収益力の大幅な改善、成長が期待される新たな領域への事業構造の転換に向けた基盤整備など、多くの成果を上げてまいりました。また、経団連会長をはじめ、他団体の要職も多数歴任しており、経営に関する豊富な知見と能力が当社の経営に欠かせないものと判断し、取締役の候補といたしました。 -
田中 稔三再任
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1940年10月8日 所有する当社の株式の数 25,310株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1964年4月 当社入社1995年3月当社取締役1997年3月当社常務取締役2001年3月当社専務取締役2007年3月当社取締役副社長2008年3月当社代表取締役副社長(現在)2011年4月当社経理本部長2014年3月当社人事本部長2017年4月当社ファシリティ管理本部長(現在)2018年3月当社渉外本部長(現在)2018年4月当社経理本部長2023年7月当社コーポレートガバナンス推進室長(現在)候補者とした理由 同氏は、長年にわたりCFOとして当社の強靭な財務体質の構築に大きく貢献してまいりました。また、本社管理部門全体の統括も務めており、その高い専門性と識見、幅広い経験が当社の経営に欠かせないものと判断し、取締役の候補といたしました。 -
本間 利夫再任
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1949年3月10日 所有する当社の株式の数 76,252株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1972年4月 当社入社1995年1月当社複写機開発センター所長2003年3月当社取締役2003年4月当社事業化推進本部長2007年1月当社Lプリンタ事業本部長2008年3月当社常務取締役2012年3月当社専務取締役、当社調達本部長2016年3月当社副社長執行役員2016年4月当社映像事務機事業本部長2017年3月当社代表取締役副社長(現在)2020年4月当社デジタルプリンティング事業本部長(現在)2021年4月当社プリンティンググループ管掌(現在)候補者とした理由 同氏は、長年にわたり複写機の開発・商品化に従事した後、大判プリンターの事業化において大きな成果を上げました。また、調達革新を主導して原価率低減を支える仕組み作りに貢献し、現在、商業印刷を含むプリンティング事業全体を管掌・統括するとともに、CTOとして当社の技術研究開発を統括する立場にあります。その幅広い知識と経験が当社の経営に欠かせないものと判断し、取締役の候補といたしました。 -
小川 一登新任
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1958年4月5日 所有する当社の株式の数 6,500株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1981年4月 当社入社2005年4月Canon Singapore Pte. Ltd. 社長2008年3月Canon Canada Inc. 社長2011年4月当社執行役員2014年2月キヤノン(中国)有限公司執行副社長2016年4月当社常務執行役員2018年4月Canon U.S.A., Inc. 社長2021年4月当社専務執行役員(現在)2024年1月当社グローバル販売戦略推進本部長(現在)候補者とした理由 同氏は、約10年の海外勤務に続き、シンガポールおよびカナダの販売子会社の社長、アジア地域販売統括子会社の副社長、米州販売統括子会社の社長を歴任し、コロナ禍の中、構造改革や新規事業育成を推し進めて米州での業績を着実に向上させるなど、各社で卓越したリーダーシップを発揮してまいりました。同氏の豊富なグローバル経験と事業運営能力が当社の経営に欠かせないものと判断し、取締役の候補といたしました。 -
武石 洋明新任
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1964年3月20日 所有する当社の株式の数 9,500株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1990年7月 当社入社2008年7月当社半導体機器第二設計センター所長2009年7月当社半導体機器第一PLMセンター所長2012年1月当社光学機器事業本部半導体機器事業部長2012年4月当社執行役員2016年7月当社光学機器事業本部副事業本部長2017年1月当社光学機器事業本部長(現在)2017年4月当社常務執行役員2021年4月当社専務執行役員(現在)
当社インダストリアルグループ管掌(現在)
キヤノントッキ株式会社取締役会長兼CEO(現在)候補者とした理由 同氏は、長年にわたり半導体製造装置の開発に従事し、その中核を担ってきたほか、2012年からは半導体事業の責任者として事業の強化、育成に尽力し、現在は、有機ELディスプレイ製造装置等を含むインダストリアルグループの事業全体を統括しております。今後の当社事業の柱の一つであるこの分野における同氏の技術、事業運営両面での経験と知見が当社の経営に欠かせないものと判断し、取締役の候補といたしました。 -
浅田 稔新任
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1962年6月18日 所有する当社の株式の数 9,979株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1985年4月 当社入社2016年4月当社経理本部グループ経営統括センター所長2017年4月当社執行役員2018年4月当社経理本部副本部長2018年9月Océ Technologies B.V.(現 Canon Production Printing Netherlands B.V.)副社長2018年12月Océ Holding B.V.(現 Canon Production Printing Holding B.V.)社長2020年4月当社常務執行役員2023年1月当社経理本部長(現在)2023年4月当社専務執行役員(現在)候補者とした理由 同氏は、長年にわたり国内外で経理業務に従事し、当社グループの財務体質強化に貢献してまいりました。2018年、商業印刷機器の製造販売を受け持つオランダの子会社の社長に就任し、合理化の徹底と新製品開発を推し進め、同社経営の健全化を果たしました。現在は経理本部長としてグループの経理業務を統括しており、高度な経理・財務知見と子会社運営の経験が当社の経営に欠かせないものと判断し、取締役の候補といたしました。 -
川村 雄介再任社外取締役独立役員
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1953年12月5日 所有する当社の株式の数 2,000株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1977年4月 大和証券株式会社入社1997年1月同社シンジケート部長2000年4月長崎大学経済学部 経済学研究科教授2010年4月株式会社大和総研専務理事2011年1月財務省財政制度等審議会委員2012年4月株式会社大和総研副理事長2013年2月金融庁企業会計審議会委員2017年6月三井製糖株式会社(現DM三井製糖ホールディングス株式会社)社外取締役(現在)2019年4月日本証券業協会特別顧問2020年4月一般社団法人グローカル政策研究所代表理事(現在)2021年3月当社取締役(現在)〈重要な兼職の状況〉
・DM三井製糖ホールディングス株式会社社外取締役
・一般社団法人グローカル政策研究所代表理事候補者とした理由および期待される役割 同氏は、証券会社勤務を経て大学教授、財務省や金融庁の審議会委員、日本証券業協会の特別顧問などを務め、金融・証券制度や金融機関の経営戦略の専門家であるとともに、社外取締役としての経験も豊富です。その豊富な経験および金融・証券に関わる高度な知見に基づき、M&A、株主・投資家の視点を踏まえたESG関連テーマの議論等において、特に有益な助言がいただけるものと期待し、社外取締役の候補といたしました。 -
池上 政幸新任社外取締役独立役員
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1951年8月29日 所有する当社の株式の数 0株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1977年4月 検事任官2006年6月法務省大臣官房長2008年10月最高検察庁検事2011年8月最高検察庁次長検事2012年7月名古屋高等検察庁検事長2014年1月大阪高等検察庁検事長2014年10月最高裁判所判事2021年8月最高裁判所判事退官2023年3月弁護士登録(現在)〈重要な兼職の状況〉
・弁護士候補者とした理由および期待される役割 同氏は、名古屋、大阪各高等検察庁検事長等の要職を歴任後、約7年間、最高裁判所判事を務められるなど、長年法曹として企業案件を含む様々な事案に関与してこられました。その豊富な経験および高度な知見に基づき、特に企業のコンプライアンス確保の観点を含む内部統制の仕組みやコーポレートガバナンスのあり方に関し、有益な意見および監督をいただけるものと期待し、社外取締役の候補といたしました。 -
鈴木 正規新任社外取締役独立役員
( 男性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1955年4月18日 所有する当社の株式の数 3,700株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1978年4月 大蔵省入省2007年7月財務省大臣官房総括審議官2008年7月環境省大臣官房審議官2012年9月環境省大臣官房長2014年7月環境省環境事務次官2015年7月環境省退官2015年10月株式会社イオン銀行代表取締役会長2016年6月イオンフィナンシャルサービス株式会社代表取締役会長2017年3月イオン株式会社執行役総合金融事業担当2023年6月株式会社FPパートナー社外取締役(現在)〈重要な兼職の状況〉
・株式会社FPパートナー社外取締役候補者とした理由および期待される役割 同氏は、長年の財務省勤務の後、環境省に転じ、事務次官等の要職を歴任、退官後は民間金融機関の代表取締役も務めてこられました。そのことから、特にコーポレートファイナンスや環境分野に関する有益な意見をいただけると考えており、加えて、高度な適正性・コンプライアンスが求められる金融機関での経営経験に基づく助言および業務執行監督をいただけるものと期待し、社外取締役の候補といたしました。 -
伊藤 明子新任社外取締役独立役員
( 女性 )
略歴を開く閉じる生年月日 1962年2月28日 所有する当社の株式の数 0株 略歴、地位、担当および重要な兼職の状況 1984年4月 建設省入省2014年9月内閣官房内閣審議官まち・ひと・しごと創生本部事務局次長2016年6月国土交通省大臣官房審議官2017年7月国土交通省住宅局長2018年7月内閣官房内閣審議官まち・ひと・しごと創生本部事務局統括官補2019年7月消費者庁長官2022年7月消費者庁退官2023年6月伊藤忠商事株式会社社外取締役(現在)〈重要な兼職の状況〉
・伊藤忠商事株式会社社外取締役候補者とした理由および期待される役割 同氏は、建設省(現国土交通省)に技官として入省し、同省初の女性局長(住宅局長)、人材育成及びしごとやまちづくりを含む地方創生の政策担当を経たあと、消費者庁長官を務められました。退官後は、引き続きかかる分野の研究に携わる傍ら、企業の社外取締役を務めておられます。これらのことから、特に顧客・消費者視点からの有益な助言および監督、また、多様な人材の活用促進に関しても助言をいただけるものと期待し、社外取締役の候補といたしました。
- 各候補者と当社との間にいずれも特別の利害関係はありません。
- 川村雄介氏、池上政幸氏、鈴木正規氏および伊藤明子氏は、いずれも会社法施行規則第2条第3項第7号に定める社外取締役候補者であります。
- 川村雄介氏、池上政幸氏および伊藤明子氏は、いずれも社外取締役または社外監査役となること以外の方法で会社の経営に関与された経験はありませんが、上記「候補者とした理由および期待される役割」に記載のとおり、社外取締役としての職務を適切に遂行いただけるものと判断いたしております。
- 川村雄介氏の社外取締役としての在任期間は、本総会終結の時をもって3年となります。
- 当社は、川村雄介氏との間で、会社法第423条第1項の損害賠償責任を法令に定める限度額に限定する契約を締結しております。同氏ならびに池上政幸氏、鈴木正規氏および伊藤明子氏が取締役に選任された場合、当社は各氏との間で会社法第423条第1項の損害賠償責任を法令に定める限度額に限定する契約を締結する予定です。
- 当社は、当社取締役を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うことまたは当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を当該保険により塡補することとしております。すべての取締役候補者は、取締役に選任された場合、当該役員等賠償責任保険契約の被保険者となります。なお、当該契約は、2024年9月に更新される予定です。
- 当社は、川村雄介氏を、当社上場の国内各証券取引所がそれぞれ定める独立役員として、同各取引所に対し届け出ております。同氏ならびに池上政幸氏、鈴木正規氏および伊藤明子氏が取締役に選任された場合、当社は各氏を独立役員とする予定です。
- 伊藤明子氏の戸籍上の氏名は野田明子です。
【ご参考】取締役会全体のスキルについて
当社は、「共生」の理念に基づき、より良い社会の実現に向け、テクノロジーとイノベーションの力で新たな価値を創造し、世界初の技術、世界一の製品・サービスを提供するとともに、社会課題の解決にも貢献することを目指しております。
その上で、BtoBからBtoCまで、市場環境が異なる多様な分野の事業を世界中で展開しております。
そのような当社において、取締役会が適切な意思決定と執行監督を継続し、以て経営目標を着実に達成していくためには、すべての構成員が「共生」の理念を共有することに加え、当社事業領域に関する市場や技術上の知見、幅広く活動する大規模企業での経営スキル、高度な国際感覚、ESGに関する高度な知識等、取締役会全体として、少なくとも下表7つの領域のスキルを保有する必要があると考えています。
※下表は、各人に対し特に発揮してもらいたいと期待するスキルの領域の最大5項目を示しました。各人のすべての経験、知識、もしくはスキルの有無を表すものではありません。
