第6号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く。)等に対する業績連動型株式報酬制度等に基づく報酬額の算定方法等一部改定の件

1.提案の理由及び当該株式報酬等を相当とする理由

当社は、2023年6月21日開催の第136期定時株主総会において、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)等に対する業績連動型株式報酬制度等に基づく報酬額等の算定方法等決定の件」として、前年に継続した同制度を監査等委員会設置会社への移行に伴い改定することにつき株主の皆様にご承認いただき、今日に至っています。

今般、同総会でご承認いただいた制度対象期間の終了に際し、当該株式報酬制度が、当社の経営方針の実現に向けた取締役等の取組みを後押しし、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上及びサステナビリティ経営の推進をより一層促すものとなるよう、内容を一部改定し継続いたしたいと存じます(改定後の制度を、以下、「本業績連動型株式報酬制度」といいます。)。

主な改定内容は、中期経営計画との評価対象期間の統一及び業績連動指標の算定方法の変更等です。また、株主の皆様と一層の利害共有を図るべく業績連動型変動報酬の比率を引き上げることに伴い、当該株式報酬へ当社が拠出する金員の上限についても変更することといたします。

今回の改定は、当社の中期経営計画及びサステナビリティ経営との連動性をより明確にし、中長期的な企業価値向上に対する取締役等の貢献意識をこれまで以上に高めることを目的としております。また、本業績連動型株式報酬へ当社が拠出する金員の上限の設定にあたっては、当社の事業規模、内容、人材確保等の観点から、同業及び同規模他社並びに従業員給与等の水準とのバランスを勘案し、外部専門機関による客観的な報酬水準及び構成割合の調査データも参考としていることから、本議案の内容は相当であると考えています。

なお、第2号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる本株主総会終結後の取締役は4名(社外取締役3名は対象者ではありません。)となります。また、本業績連動型株式報酬制度は、取締役を兼任しない執行役員(ただし、兼務執行役員を除きます。)も対象としており、本株主総会終結時点において、対象となる上述の執行役員は24名を予定しています。

2.本業績連動型株式報酬制度等における報酬等の内容等

(1)本業績連動型株式報酬制度の概要

本業績連動型株式報酬制度は、基本報酬及び第5号議案でご提案する業績連動型金銭報酬とは別に、当社が拠出する金銭を原資として当社が設定した信託が当社株式を取得し、当該信託を通じて取締役等に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下、これら当社株式と金銭を併せて「当社株式等」といいます。)の交付及び給付(以下、「交付等」といいます。)を行う株式報酬制度であり、その内容の概要は次のとおりです。

(2)当社が拠出する信託金の上限額等

本業績連動型株式報酬制度は、中期経営計画(通常、4年程度の期間を対象に策定することを想定しております。)に対応する連続した事業年度を対象とし、後記の信託期間の延長が行われた場合にも同様とします。ただし、当初は、現行の中期経営計画に合わせるため、例外的に2025年4月1日から開始する2事業年度(2027年3月末日まで)とします(以下、これらの期間を「対象期間」といいます。)。

当社は、対象期間ごとに7億円に対象期間の年数を乗じた金額(当初対象期間である2事業年度に対しては合計14億円)を上限とする信託金を、取締役等への報酬として拠出し、各対象期間において受益者要件を満たす取締役等を受益者とする信託(以下、「本信託」といいます。)を設定します(後記の信託期間の延長を含みます。以下、同じとします。)。

本信託は、信託管理人の指図に従い、信託金を原資として当社株式を株式市場から取得します。当社は、信託期間中、取締役等に対する株式交付ポイント(下記(3)のとおりとします。以下、「ポイント」といいます。)の付与を行い、信託期間中に、当社株式等の交付等を行います。

なお、本信託の信託期間の満了時において、新たな信託の設定に代えて信託契約の変更及び追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、その時点の中期経営計画に対応する年数が新たな対象期間となり、本信託の信託期間も当該新たな対象期間と同一期間延長します。当社は、延長された信託期間ごとに、7億円に対象期間の年数を乗じた額の範囲内で追加拠出を行い、当該延長期間中、引き続き取締役等に対するポイントの付与及び当社株式等の交付等を行います。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除きます。)及び金銭(以下、これら当社株式と金銭を併せて「残存株式等」といいます。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、7億円に新たな対象期間の年数を乗じた額の範囲内とするため、残存株式等の金額の分だけ新たに拠出する金額は減少いたします。

(3)取締役等が取得する当社株式等の数の算定方法及び上限

役位固定部分については毎事業年度終了後に、当該事業年度の役位に基づく「固定ポイント」を付与し、業績連動部分については対象期間終了後、当該対象期間中の役位及び在任期間に基づく基準ポイントに業績連動係数を乗じた「変動ポイント」を付与します。

変動ポイントの算定にあたって用いる業績連動指標は、配当込み当社TSR及びサステナビリティ指標とします。当社TSRについては、対象期間中の東証株価指数(TOPIX)成長率との比較によって達成度を測ります。また、サステナビリティ指標については、GHG排出量及び女性管理職比率の達成度による定量評価、並びに当社グループが掲げるマテリアリティ(安全、環境、人材)への取組みの進捗状況に対する定性評価等によって測ります。各指標の達成度に応じ、業績連動係数は0~2.0の範囲で変動します。

取締役等に付与されるポイントは、下記(4)の当社株式等の交付等に際し、1ポイントあたり当社普通株式1株に換算されます(ただし、当社株式について、株式分割・株式併合などを行った場合には、その比率などに応じて、当該換算株式数、及び後記の上限株式数について調整を行います。)。

本信託により取締役等に交付等される当社株式等は、対象期間ごとに100万株に対象期間の年数を乗じた株数を上限とします。この上限株式数は、上記(2)の信託金上限額等を踏まえて設定しています。また、当社株式は株式市場から取得するため、希薄化は生じません。

なお、固定ポイントに基づき毎年交付される株式には、交付後3年間又は退任時のいずれか先に到来する時まで譲渡制限を設けるものとします。また、全ての交付株式について、別途、インサイダー取引規制の観点から定めた社内規程による譲渡制限が適用されます。

(4)対象取締役等に対する当社株式等の交付等の時期

受益者となる取締役等は、固定ポイントについては毎事業年度終了後に、変動ポイントについては対象期間終了後に、付与されたポイント数に応じた当社株式の交付を受けるものとし、その際、一定割合について、当社株式の交付に代えて、市場で売却して得られる金銭の給付を受けるものとします。

なお、対象期間中に取締役等が退任する場合(自己都合により退任する場合及び解任される場合を除きます。)又は役位変更により制度対象者ではなくなった場合(変動ポイントについては、固定ポイントのみを対象とする役位への変更を含みます。以下、同じとします。)は、当該取締役等は、所定の手続きを経た後遅滞なく、退任又は制度対象者でなくなった時までの固定及び変動ポイント数(変動ポイントについては、その時までのポイント数を前記の業績連動指標及び係数に関する考え方を勘案して別途個別に評価します。次段落においても同じとします。)相当の当社株式等の交付等を受けるものとします。

取締役等が国内非居住者となることが決まった場合は、所定の手続きを経た後遅滞なく、その時点までの固定及び変動ポイント数相当の当社株式を市場で売却して得られる金銭について給付を受けるものとします。

また、取締役等が死亡した場合は、所定の手続きを経た後遅滞なく、死亡時までの固定及び変動ポイント数(変動ポイント数については取締役会で別に決定する業績連動係数を用いて算出します。)相当の当社株式を市場で売却して得られる金銭について、当該取締役等の遺族が給付を受けるものとします。

(5)本信託内の当社株式に関する議決権

本信託内にある当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中議決権は行使されないものとします。

(6)マルス・クローバック

制度対象者が不正行為その他の非違行為等を行った場合、本業績連動型株式報酬制度に基づき付与された全ポイントを没収し、または本業績連動型株式報酬制度に基づき交付等された株式等(役位固定部分にかかるもの)の価値に相当する金銭の賠償を過去3年に遡及して求めることがあります。

(7)その他の本業績連動型株式報酬制度の内容

本業績連動型株式報酬制度に関するその他の内容については、今回の制度改定に伴う所要の経過措置とともに、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加拠出等の都度、取締役会において定めるものとします。ただし、本業績連動型株式報酬制度に重大な影響を与える変更等については法令の要件に従い再度株主総会の決議によるご承認をお願いすることとします。

(8)国内非居住により本業績連動型株式報酬制度の対象外となる取締役等の株式報酬相当の報酬等に関する措置

国内非居住であることによって本業績連動型株式報酬制度の対象外となる取締役等の株式報酬相当の報酬等については、同様の仕組みにより算出・付与されたポイント相当の金銭を別途(基本報酬及び第5号議案に係る業績連動型金銭報酬とは別に)会社より支給する(株式の交付はしない)ものとします。支給の時期及び方法等は、同制度による支給と同等といたします。

なお、当該ポイント相当数の金銭の価額については実際の支給時期の株価によって定まることとなり現時点では確定いたしませんが、当該報酬等は国内非居住であることによって本業績連動型株式報酬制度の対象外となる場合のみに支給されるものであること、及び、その算出方法は本業績連動型株式報酬制度と同様であることから、過大なものとはならないと考えています。また、本株主総会終結時点で本措置の対象となる取締役の報酬等はありません。

3.本議案と第5号議案の関係

本議案と第5号議案は、相互に他方の承認可決を条件とするものであり、仮に一方が否決された場合は他方も否決されたものとみなします。