〈株主(1名)からのご提案(第19号議案)〉

第19号議案は、株主(1名)からのご提案によるものであります。なお、提案株主(1名)の議決権の数は、682,868個であります。

第19号議案 定款一部変更の件ゼロカーボン社会の実現への貢献

▼提案の内容

本会社の定款に以下の章を新設し、以下の条文を追加する。
第15章 持続可能な社会の実現への貢献
(ゼロカーボン社会の実現への貢献)
第59条 本会社は、ゼロカーボン社会の実現に貢献するため、多様かつゼロカーボンの実現につながるエネルギー源の導入及び新技術の開発を推進する。

2 原子力発電については、次の各号の要件をすべて満たせる見通しが立たない限り、必要最低限の稼働とし、新増設は行わない。

  • ⑴ 天災・武力攻撃を含む論理的に想定されるあらゆる事象についての万全の安全対策
  • ⑵ 原子力発電所の事故発生時における賠償責任が本会社の負担能力を超えない制度の創設
  • ⑶ 使用済燃料の最終処分方法の確立

▼提案の理由

ゼロカーボン社会の実現に向けて、革新的な新技術の開発を行いながら、再生可能エネルギーや同エネルギーから製造する水素の飛躍的な導入など多様かつゼロカーボンの実現につながるエネルギー源の導入を進めるべきである。
原発については、ひとたび過酷事故が発生すると広範囲での回復不可能かつ甚大な被害が想定され、株主利益の著しい棄損のみならず、将来に過大な負担を残す恐れがある。また、原発が戦闘行為の対象となるリスクも顕在化した。さらには、使用済燃料の中間貯蔵施設の候補地が未だ決まらず、最終処分方法も確立されていない。現在も増え続けている使用済燃料について処理の見通しが立たないまま、原発の稼働や新増設を行い、ツケを将来世代に回すことは、断じて許されることではなく、これらの課題を早急に解決すべきである。

○取締役会の意見:本議案に反対いたします。

当社は、ゼロカーボン電源の開発やエネルギーソリューションを中心とした様々なサービスの開発・提供を通じて、エネルギーの安定供給と脱炭素化に貢献したいと考えております。そのために、再生可能エネルギーの主力電源化、確立した脱炭素技術である原子力の安全確保を大前提とした最大限活用、火力のゼロカーボン化に向けた脱炭素技術の開発・導入等の積極的な取組みを通じて、S+3E、すなわち、安全確保を大前提に、エネルギーの安定供給、経済性および環境性の同時達成を念頭に置いた最適な電源構成を目指してまいります。
原子力発電の安全性については、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、安全を多段的に確保する深層防護の観点から、対策の強化を実施するとともに、国の定める規制基準への確実な対応に留まらず、自主的・継続的に安全性向上に努めてまいります。
原子力発電所の事故による賠償については、原子力損害賠償法および原子力損害賠償・廃炉等支援機構法等に基づいて、事業者間の相互扶助や国の支援が可能となる仕組みが導入されております。
使用済燃料の再処理工程から発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分については、国のエネルギー基本計画において、国が前面に立って取り組むという方針が示されております。2017年7月に科学的特性マップが公表されて以降、全国で対話活動が行われ、一部地域では文献調査が進められております。当社としても、国および事業の実施主体である原子力発電環境整備機構と連携してまいります。
したがいまして、ご提案の内容を定款に定めることは適当ではないと考えます。