第18号議案 定款一部変更の件原子力損害賠償制度の見直しがない原発の稼働禁止

▼提案の内容

当社の定款に以下の章を新設する。
第14章 原子力損害賠償制度改革委員会の設置
第57条 当社は不備のある現行の損害賠償制度を改革することを目的として、原子力損害賠償制度改革委員会を設置する。
第58条 当社は過酷事故が起きた時に、正しく機能する原子力損害賠償制度ができるまで原発を稼働しない。

▼提案の理由

当社は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(支援機構)を通じて、東電の原発事故に対する損害賠償の一部を負担している。その負担金は、日々の電気料金に付加して、需要者に負担させている。しかし、東電の事故は当社の責任ではないから、東電の賠償金を当社の需要者に転嫁して負担させる謂れはない。
福島原発事故後40年にわたり、当社など他の電力会社から回収される負担金はすべて福島事故賠償のために使われる。もし当社の原発が過酷事故を起こし、支援機構が資金援助をしてくれたとしても、負担金の期間40年がもっと長くなるだけだ。
不十分な原子力損害賠償制度に頼るのは、安全な運転に対するモラルハザードを引き起こす懸念がある。東電にはすでにモラルハザードを疑われる事象も散見されている。
現行制度は不十分で見直しが必要だと、国の有識者会議でも指摘されている。正しく機能する制度ができるまで原発を稼働しないことを求める。

○取締役会の意見:本議案に反対いたします。

原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の枠組みは、原子力事業者による相互扶助や国の支援が可能となる仕組みであり、将来にわたって、原子力損害が発生した場合の原子力損害賠償の支払い等に対応すべく構築されたものであります。また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、原子力事業者から納付を受けた一般負担金を、原子力事業者への資金援助等の業務に要する費用に充てることになっているものと認識しております。
当社は、原子力発電の運転に当たっては、国の定める規制基準への確実な対応に留まらず、自主的・継続的に安全性向上に努めてまいります。
したがいまして、ご提案の内容を定款に定めることは適当ではないと考えます。