〈株主(1名)からのご提案
(第20号議案および第21号議案)〉

第20号議案および第21号議案は、株主(1名)からのご提案によるものであります。なお、提案株主(1名)の議決権の数は、41,925個であります。

第20号議案 定款一部変更の件原発に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制の構築

▼提案の内容

本会社の定款に以下の章を新設し、以下の条文を追加する。
第15章 持続可能な社会の実現への貢献
(原発に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制の構築)
第60条 本会社は、原子力発電に依存しない、持続可能で安心安全な電力供給体制の早期構築を目指す。

2 前項の規定による電力供給体制の実現に向け、多様な主体の自由・公正な競争により、再生可能エネルギーなどの多様なエネルギー源の導入を促進するため、発電部門もしくは送配電部門の売却等適切な措置を講ずる。

3 第1項の規定による電力供給体制が構築されるまでの間において、電力の安定供給のために必要な範囲で原子力発電所を運転する場合は、安全性の確保と地域の住民の理解を得た上で行うものとする。

▼提案の理由

原子力発電に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制を早期に構築していく必要があり、原発を脱炭素社会実現のための最善の選択肢と捉えることなく、再生可能エネルギーなどの多様なエネルギー源の導入を促進し、電力の供給力向上や安定供給、電気料金の安定化を図ることが重要である。
そのため、発電部門もしくは送配電部門の所有分離により、中立的な系統運用を行う事業主体として確立させるなど、事業形態の革新に取り組み、自由・公正かつ競争的な市場環境の実現を図るべきである。
また、原子力発電に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制が構築されるまでの間に既設原発を稼働する場合は、必要な範囲に留めるとともに、更なる安全性の確保と地域住民の理解を得た上で行うべきである。

○取締役会の意見:本議案に反対いたします。

当社は、エネルギーの安定供給と脱炭素化をあわせて進めることが重要であると考えております。そのためには、再生可能エネルギーの主力電源化、火力のゼロカーボン化および確立した脱炭素技術である原子力発電の安全確保を大前提とした最大限活用が不可欠であると考えており、これらの積極的な取組み等を通じて、S+3E、すなわち、安全確保を大前提に、エネルギーの安定供給、経済性および環境性の同時達成を念頭に置いた最適な電源構成を目指してまいります。当社としては、発電事業および送配電事業をはじめとする、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築し、引き続き、持続可能な電力供給体制の構築・維持に努めてまいります。
また、原子力発電所の運転に当たっては、国の定める規制基準への確実な対応に留まらず、自主的・継続的に安全性向上に努めており、今後も、原子力の重要性や安全性について広く社会のみなさまにご理解を賜わる活動に全力を尽くしてまいります。
したがいまして、ご提案の内容を定款に定めることは適当ではないと考えます。