第19期事業報告(2017年12月1日から2018年11月30日まで)
企業集団の現況に関する事項
事業の経過及びその成果
全般的概況
当連結会計年度のわが国経済は、米中の貿易摩擦など世界経済の不確実性や金融資本市場の変動等の影響が懸念されるものの、企業収益や設備投資は堅調に推移しており、国内景気については緩やかな回復基調が続いております。一方で、雇用情勢については企業からの求人数が高止まりしており、厚生労働省が発表した2018年11月の全国の有効求人倍率は1.63倍と引き続き高水準で推移しております。従来から人手不足感の強いサービス業に加え、運輸・郵便業や製造業などでも求人が増加してきております。また、総務省が発表した2018年11月の完全失業率も2.5%と低い水準を維持しており、完全雇用に近い状態にあります。
当社グループにおいても、逼迫する雇用情勢を背景に人材派遣サービスが大きく拡大したほか、参画企業が大幅に増加した障がい者雇用支援サービスの売上が伸長しております。一方、損益面においては、低収益案件の増加と生産性の低下によりロジスティクスアウトソーシングサービスの収益が大きく悪化したものの、前述の人材派遣サービスや障がい者雇用支援サービスの増収効果により、営業利益が増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,797百万円(前連結会計年度比26.5%増)、営業利益は983百万円(前連結会計年度比45.9%増)、経常利益は1,007百万円(前連結会計年度比46.5%増)と、過去最高の売上高、営業利益、経常利益を計上いたしました。また、子会社が運営する店舗の立退きに伴う受取補償金31百万円を特別利益に、子会社の本社拡大移転等に伴う固定資産除却損30百万円や中途解約に伴う賃貸借契約解約損14百万円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は619百万円(前連結会計年度比46.3%増)と過去最高を更新いたしました。
事業別概況
当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。
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事業別売上高構成比率
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(単位:)
売上高
前期比%増
ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に障がい者専用の農園を貸し出し、主に知的障がい者や精神障がい者の雇用を支援するサービスを提供しています。また、株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを活用し、企業の経営課題や業務課題の解決を支援するプロフェッショナル人材サービスを提供しています。
後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販企業の商品の発送代行や海外販売を支援する越境ECサービスを提供しています。また、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得や加入促進等のセールスプロモーション業務、キャンペーンやラウンダー等の販売促進業務を行っています。その他、株式会社エスプールでは、主にアルバイトやパートの採用募集に対する応募者対応を代行する採用支援サービスを行っております。
当連結会計年度においては、障がい者雇用支援サービスの参画企業が急増し、設備販売と農園の管理料収入が大幅に増加しました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、通販の発送代行サービスが順調に拡大したほか、採用支援サービスについては、新規受注の増加に対応するためにコールセンターを2拠点新設しました。損益面においては、ロジスティクスアウトソーシングサービスが低収益案件の増加と生産性の悪化により赤字となりましたが、収益性の高い障がい者雇用支援サービスの増収効果により増益を確保しました。その結果、当連結会計年度の売上高は4,482百万円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益は874百万円(前連結会計年度比20.2%増)となりました。 -
事業別売上高構成比率
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(単位:)
売上高
前期比%増
人材ソリューション事業は、人材派遣、人材紹介サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンターや事務センター等のオフィスサポート業務と、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開しております。
当連結会計年度においては、前述のとおり企業の人材不足感が継続しており、主力のコールセンター業務において未経験者の活用に長けたグループ型派遣が大きく増加したほか、店頭販売支援業務についても家電製品の販売支援業務を中心に堅調に推移しました。損益面においては、業容拡大に対応した組織面の強化により人件費が増加しておりますが、新規登録者の確保が順調に進んだことで募集費は増加をある程度抑えることができました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,382百万円(前連結会計年度比34.4%増)、営業利益は1,004百万円(前連結会計年度比47.6%増)となりました。

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事業別売上高構成比率
(単位:)
売上高
前期比%増
ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に障がい者専用の農園を貸し出し、主に知的障がい者や精神障がい者の雇用を支援するサービスを提供しています。また、株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを活用し、企業の経営課題や業務課題の解決を支援するプロフェッショナル人材サービスを提供しています。
後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販企業の商品の発送代行や海外販売を支援する越境ECサービスを提供しています。また、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得や加入促進等のセールスプロモーション業務、キャンペーンやラウンダー等の販売促進業務を行っています。その他、株式会社エスプールでは、主にアルバイトやパートの採用募集に対する応募者対応を代行する採用支援サービスを行っております。
当連結会計年度においては、障がい者雇用支援サービスの参画企業が急増し、設備販売と農園の管理料収入が大幅に増加しました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、通販の発送代行サービスが順調に拡大したほか、採用支援サービスについては、新規受注の増加に対応するためにコールセンターを2拠点新設しました。損益面においては、ロジスティクスアウトソーシングサービスが低収益案件の増加と生産性の悪化により赤字となりましたが、収益性の高い障がい者雇用支援サービスの増収効果により増益を確保しました。その結果、当連結会計年度の売上高は4,482百万円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益は874百万円(前連結会計年度比20.2%増)となりました。 -
事業別売上高構成比率
(単位:)
売上高
前期比%増
人材ソリューション事業は、人材派遣、人材紹介サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンターや事務センター等のオフィスサポート業務と、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開しております。
当連結会計年度においては、前述のとおり企業の人材不足感が継続しており、主力のコールセンター業務において未経験者の活用に長けたグループ型派遣が大きく増加したほか、店頭販売支援業務についても家電製品の販売支援業務を中心に堅調に推移しました。損益面においては、業容拡大に対応した組織面の強化により人件費が増加しておりますが、新規登録者の確保が順調に進んだことで募集費は増加をある程度抑えることができました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,382百万円(前連結会計年度比34.4%増)、営業利益は1,004百万円(前連結会計年度比47.6%増)となりました。
対処すべき課題
当社グループは、「強い特徴を持ち、常に新たな価値を提供し成長し続けるNo.1アウトソーシング・プロバイダーとなる」ことを中期的なビジョンとし、ソーシャルビジネスを通じて、新たな社会価値を提供することを目標としております。また、経営面では、異なる事業領域に複数の収益事業を持つ事業ポートフォリオ戦略を推進し、外部環境の変化に強い企業グループとなることで、持続的な成長の実現を目指しております。
当社グループでは、上記の経営目標を達成し、持続的な成長を実現するために、中期的に以下の重点課題に取り組んでおります。
①安定的な収益基盤の強化
当社グループでは、持続的な成長を実現するためには安定的な収益基盤の強化が必要であると考えております。主力事業については、既存の事業領域において継続的に収益を確保しつつ派生事業の開発にも取り組み収益構造の多様化を進めてまいります。また、長期的視点での成長基盤の確立に向けて新規事業分野の創出にも取り組んでまいります。新規事業については、安定収益が期待できるストック型のシェアリングサービスの開発・拡大を図ってまいります。
②収益源の多角化
当連結会計年度の当社連結売上に占める株式会社エスプールヒューマンソリューションズ(主に人材派遣サービス)の売上高の割合は、70.2%となります。また、株式会社エスプールヒューマンソリューションズと株式会社エスプールプラス(障がい者雇用支援サービス)のセグメント営業利益合計が報告セグメントの営業利益合計に占める割合が非常に高くなっております。主力2事業については今後も成長が見込まれるものの、依存度が極端に高くなることは、経営の健全性の観点からも課題であると認識しております。ロジスティクスアウトソーシングサービスや、採用支援サービスを始めとする新規事業を拡大することで、ポートフォリオ経営の推進と更なる経営の健全化を図ってまいります。
③ダイバーシティの推進
当社グループは、女性を始めとする多様な人材が長期的に活躍することで企業の競争力を高め、持続可能な競争力を持つ企業体になることを目指しております。誰もが活躍できる環境を整備することで組織力の向上を図り競争力を高めていくために、IT投資等による生産性向上に取り組むとともに、多様な働き方を支える環境の整備を進めてまいります。
④優秀な人材の確保及び育成
「社員の成長が会社の成長につながる」という方針のもと、当社グループのビジョンと共鳴する優秀な人材を適時採用するとともに、持続的な成長を支える人材を育成するための研修活動を強化してまいります。また、真のアウトソーシング・プロバイダーとして、新しい顧客価値を創造できる次世代を担うリーダーの育成にも注力してまいります。
当連結会計年度においては、主力2事業が好調を持続し、障がい者雇用支援サービスにおいては、ストック収入が増加して人材派遣サービスの収益力に並ぶ水準にまで成長する等、安定的な収益基盤の強化については大きく進捗しております。また、ダイバーシティの推進については、専門部署を設置して社内業務のIT化を進める等、多様な働き方と生産性向上の実現について一定の成果が見られました。
一方で収益源の多角化については、ロジスティクスアウトソーシングサービスと採用支援サービスを注力事業に据え拡大に取り組むものの、運営面に課題が残り収益化は次期以降に持ち越しとなりました。次期連結会計年度においては、これら2サービスの収益化を早急に目指すとともに、残りの3つの重点課題についても、より高い次元での実現を目標に引き続き努力してまいります。
連結計算書類
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