第3号議案 役員報酬制度の改定に伴う、取締役に対する報酬額の改定並びに譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬の導入の件
当社の取締役の報酬等の額は、2006年6月23日開催の第140回定時株主総会及び2015年6月24日開催の第149回定時株主総会において、年額7億円以内(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与を含みません。)とし、その内訳は①年俸部分6億3,000万円以内、②株式報酬型ストックオプションの公正価値部分7,000万円以内とご承認いただいております。
今般、当社は、コーポレート・ガバナンス及びステークホルダーの視点、並びに中長期視点(サステナブル、ESG)での経営強化に基づく企業価値創造をさらに強化するため、役員報酬制度の改定を実施します。
この改定に伴い、取締役の金銭報酬等の額については年額6億3,000万円以内(うち、社外取締役については年額1億円以内と致します。)とし、株式報酬制度として現行の株式報酬型ストックオプションを廃止し、株式報酬型ストックオプションに代えて当社の取締役(会長、相談役及び社外取締役を除きます。以下「対象取締役」といいます。)に当社の中期経営計画の目標値達成や中長期的な企業価値の向上に向けたインセンティブを付与することを目的として、対象取締役に対して、新たに譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬の付与のための報酬をそれぞれ金銭報酬等の額とは別枠にて支給することといたしたいと存じます。
本議案に基づき、対象取締役に対して譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬の付与のために支給する報酬は原則として金銭債権とし、譲渡制限付株式報酬の付与のための報酬額の総額を年額7,000万円以内(年50,000株以内)とし、業績連動型株式報酬の付与のための報酬額の総額を年額3億円以内(年200,000株以内)とします。また、各対象取締役への具体的な支給時期及び配分については、当社の報酬諮問委員会等による審議を経たうえで、当社の取締役会において決定します。
本議案をご承認いただいた場合、ご承認いただいた内容とも整合するよう、本総会終結後の当社の取締役会において、同封の「第155回定時株主総会ご報告」38~40頁に記載の取締役の報酬等の内容に係る決定方針のうち、本招集ご通知22~23頁記載の項目について、現行制度を新制度の内容に変更することを予定しております。
ただし、本招集ご通知22頁⑤及び本招集ご通知23頁⑥(b)①に記載しております、業績連動報酬に対する業績評価指標(収益性指標としての「連結当期純利益ROE」、成長性指標としての「連結EBITDA」、投入資源に対する収益効率性指標である「連結営業利益ROIC」の3指標)、並びに、本招集ご通知23頁⑥(b)②及び本招集ご通知25頁表2に記載しております、業績連動型株式報酬(PSU)に対する業績評価指標(連結当期純利益ROE、連結EBITDA、TSR及び非財務指標)、目標値、業績評価期間及びその構成割合を含め、本招集ご通知22~23頁の新制度の内容は、すべて新制度当初におけるものであり、中期経営計画2020-2022『ALWAYS EVOLVING』の期間(2021年度及び2022年度に限る。以下「当初対象期間」)終了後は、株主総会決議により承認を受けた範囲内で、新たに設定されることになります。

社内取締役の報酬構成比率
表1-1 現行制度

(注1) 業績連動報酬及び株式報酬型ストックオプションについては、段階的に設定する目標値のうち標準的な値(以下、「標準目標値」)を達成した場合の比率であり、実際の達成度に応じて増減します。
(注2) 当社のアドバイザリー・ボード及び当社の報酬諮問委員会における審議を経て、2020年度より基本報酬の比率を引き下げることとし、昨年度(2019年度)の報酬比率のうち、基本報酬の比率を65%から60%、株式報酬型ストックオプションの比率を10%から15%とすることを当社の取締役会において決定しました。
表1-2 新制度

(注) 業績連動報酬は、段階的に設定している目標値のうち標準目標値を達成した場合、及び業績連動型株式報酬は目標値を達成した場合の比率です。なお、業績連動型株式報酬については、各業績評価指標について、それぞれ一つの目標値を設定し、その達成の有無により当該業績評価指標に係る構成割合に相当する部分の支給の有無が決まります。
新制度では、役員のグローバル対応が進んでいる国内の大手企業群の報酬調査結果を参考とし、中期経営計画の達成や中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブを目的として株式報酬を付与する代わりに、定額報酬の基本報酬部分及び業績連動報酬の金銭報酬部分の比率を下げ、株式報酬の比率を高める報酬設計とすることで現行制度より中期経営計画の達成や中長期的な企業価値向上に資するものと考えております。また、代表取締役社長執行役員の変動報酬の比率及び株式報酬比率を他の取締役の比率と相違させることでその役位及び責任の重さを明確にしております。
また、代表取締役社長執行役員の報酬については当社のアドバイザリー・ボードにおいて、また、代表取締役社長執行役員以外の取締役の報酬については当社の報酬諮問委員会において審議された後に当社の取締役会に提案され決定します。
表2 業績連動型株式報酬の業績評価期間及び業績評価指標等

(注) 上記内容は、すべて新制度当初におけるものであり、当初対象期間終了後は、株主総会決議により承認を受けた範囲内で、新たに設定されることになります。
なお、現在の取締役は9名(うち社外取締役4名)でありますが、第1号議案「取締役10名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、取締役は10名(うち社外取締役4名)となります。
また、本議案における取締役の金銭報酬等の額並びに譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬の付与のための金銭債権の額に係る報酬額の上限、発行又は処分をされる当社の普通株式の総数その他の本議案に基づく対象取締役への譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬の付与の条件は、上記の目的、当社の業況、当社の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針その他諸般の事情を考慮して決定されているため、本議案は報酬枠として必要かつ合理的な内容となっており、相当であると考えております。
1.譲渡制限付株式報酬制度の概要
譲渡制限付株式報酬制度は、対象取締役に対し、当社の取締役会決議に基づき、原則として金銭債権を支給し、対象取締役は、当該金銭債権の全部について、現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受ける事前交付型の株式報酬制度です(※1)。これにより発行又は処分をされる当社の普通株式の総数は年50,000株以内(ただし、本議案が承認可決された日以降、当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含みます。)又は株式併合が行われた場合その他譲渡制限付株式報酬として発行又は処分をされる当社の普通株式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、当該総数を、合理的な範囲で調整致します。)とします。対象取締役に発行又は処分される当社の普通株式数は、対象取締役の役位を踏まえて設定された一定数とします。
なお、その1株当たりの払込金額は各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、当社の取締役会において決定します。
【対象取締役に対する支給条件等】
対象者が、以下の要件を満たすことを条件に、各対象取締役に対し、当社の普通株式の発行又は処分を行います。
① 当社の取締役会において定める一定の非違行為がなかったこと
② 譲渡制限付株式報酬制度として当社の取締役会が定めたその他必要と認められる要件
なお、当社の譲渡制限付株式報酬制度に基づく普通株式の発行又は処分及びその現物出資財産としての金銭債権の支給に当たっては、当社と対象取締役との間で、以下の内容を含む譲渡制限付株式割当契約(以下「RS割当契約」)を締結することを条件とします。
【RS割当契約の概要】
(1)譲渡制限期間
対象取締役は、RS割当契約により割当を受けた日(以下、「RS交付日」)より、当社の取締役会が予め定める地位を退任した直後の時点までの間(以下、「RS譲渡制限期間」)、RS割当契約により割当を受けた当社の普通株式(以下、「RS割当株式」)について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下、「譲渡制限」)。
(2)譲渡制限の解除
当社は、対象取締役が、当社の取締役会が予め定める期間(以下「役務提供期間」)中、継続して、当社の取締役会が予め定める地位にあったことを条件として、RS割当株式の全部について、RS譲渡制限期間が満了した時点をもってRS割当株式の全部の譲渡制限を解除する。
(3)退任時の取扱い
上記(2)の定めにかかわらず、対象取締役が役務提供期間の満了前に、任期満了、定年、死亡その他の正当な理由(対象取締役の自己都合によるものはこれに含まれない。以下同じ。)により、当社の取締役会が予め定める地位を退任した場合、当該退任の直後にRS割当株式の一部(当該対象取締役の在任期間等を考慮し合理的に算定された数)の譲渡制限を解除し、譲渡制限を解除しない残部については、当社が無償で取得する。また、対象取締役が任期満了、定年、死亡その他の正当な理由以外の理由により、取締役会が予め定める地位を退任した場合、当社は、RS割当株式の全部を当然に無償で取得する。
(4)組織再編等における取扱い
前頁(2)の定めにかかわらず、当社は、RS譲渡制限期間中に、当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転計画その他の組織再編等に関する事項が当社の株主総会(ただし、当該組織再編等に関して当社の株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認された場合(RS譲渡制限期間満了時より前に効力発生日が到来するときに限る)には、当社の取締役会の決議により、役務提供期間の開始日から当該組織再編等の承認の日までの期間等を踏まえて合理的に定める数のRS割当株式について、当該組織再編等の効力発生日に先立ち、譲渡制限を解除する。また、当社は、上記に定める場合、譲渡制限が解除された直後の時点において、譲渡制限が解除されていないRS割当株式を当然に無償で取得する。
(5)その他の無償取得事由
当社は、RS譲渡制限期間中において、対象取締役が禁錮以上の刑に処せられた場合、対象取締役について破産手続開始等の申立てがあった場合、対象取締役が当社の事前承諾なく当社グループの事業と競業する業務等に従事し、若しくは退任後に従事することが予定されていると当社のCEOが認めた場合(対象取締役がCEOである場合には、取締役会が決議した場合。以下同じ)、対象取締役において法令、当社の社内規程等の違反行為があったと当社のCEOが認めた場合等、一定の事由が生じた場合には、RS割当株式の全部を当然に無償で取得することができる。
(6)その他の事項
RS割当契約に関するその他の事項は、当社の取締役会において定めるものとする。
(※1) ただし、当社は、対象取締役が、役務提供期間の開始後、当社の普通株式の発行又は処分を行うより前に、任期満了、定年、死亡その他の正当な理由により、当社の取締役会が予め定める地位を退任した場合は、退任後すみやかに、当該対象取締役の役務提供期間における在任期間を踏まえて合理的に算定される額の金銭を対象取締役に対して支給します。また、当社は、役務提供期間の開始後、当社の普通株式の発行又は処分を行うより前に、当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転計画その他の組織再編等に関する事項が当社の株主総会(ただし、当該組織再編等に関して当社の株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認された場合には、当社の取締役会の決議により、役務提供期間の開始日から当該組織再編等の承認の日までの期間を踏まえて合理的に算定される額の金銭を対象取締役に対して支給します。加えて、対象取締役において、役務提供期間の開始後に役位変更があった場合で、当該対象取締役が次の役務提供期間の開始前に退任する場合には、当該役位変更の時期、変更後の役位を踏まえて合理的に算定される額の金銭を必要に応じて当該対象取締役に対して支給します。
2.業績連動型株式報酬制度の概要
業績連動型株式報酬制度は、当社中期経営計画の対象事業年度のうち1乃至複数の事業年度からなる評価期間(以下、「業績評価期間」)と中期経営計画の重要指標やステークホルダー視点等から設定された経営指標の中から1乃至複数の業績評価指標を当社の取締役会において設定し、対象取締役に対し、原則として、当該業績評価指標の目標達成度等に応じた数の当社の普通株式の発行又は処分のための金銭債権を支給し、対象取締役は、当該金銭債権の全部について、現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受ける事後交付型の株式報酬制度です。したがって、対象取締役への当社の普通株式の発行又は処分のための金銭債権の支給は、原則として業績評価期間終了後に行います。なお、業績連動型株式報酬制度は、上記業績評価指標の目標達成度等に応じて、原則として当社の普通株式の発行又は処分のための金銭債権を支給するものであることから、業績連動型株式報酬制度の導入時点では、各対象取締役に対して、これらを支給するか否か、発行又は処分する当社の普通株式の数(以下、「交付株式数」)及び当社の普通株式の発行又は処分のための金銭債権の額はいずれも確定しておりません。
なお、当初対象期間の業績評価期間及び業績評価指標は、本招集ご通知25頁表2のとおり予定しておりますが、当初対象期間終了後も、本議案で承認を受けた範囲内で、業績評価期間及び業績評価指標を新たに設定したうえで、業績連動型株式報酬制度の実施を継続できるものとします。
【業績連動型報酬制度の具体的な仕組み】
①当社は、業績連動型株式報酬制度において各対象取締役に発行又は処分する当社の普通株式の数及び金銭債権等の算定に当たって必要となる業績評価指標並びにその目標値、構成割合及び達成状況の評価等を当社の取締役会において定めるものとします。
②当社は、原則として業績評価期間満了後、当該業績評価期間における各業績評価指標の目標値の達成度等に応じ、各対象取締役に割り当てる当社の普通株式の数を決定します。なお、業績連動型株式報酬は、各業績評価指標について、それぞれ一つの目標値を設定し、その達成の有無により当該業績評価指標に係る構成割合に相当する部分の支給の有無が決まります。
③当社は、上記②で決定された各対象取締役に割り当てる当社の普通株式の数に応じて、各対象取締役に対し、当社の取締役会決議に基づき、原則として業績連動型株式報酬の付与のための金銭債権を支給し、各対象取締役は当該金銭債権の全部を現物出資の方法で給付することにより、当該数の当社株式の割当てを受けます。なお、当社の普通株式の1株当たりの払込金額は、上記割当てに係る各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、当社の取締役会において決定します。
(1)発行又は処分する当社の普通株式の数及び支給する金銭債権の額の算定方法
当社は、次頁の①の算定方法に基づき、各対象取締役に発行又は処分する当社の普通株式の数を算定し、次頁の②の算定方法に基づき、各対象取締役に支給する金銭債権の額を算定します。
なお、業績連動型株式報酬制度に基づき、対象取締役に対して発行又は処分される当社の普通株式の総数は年200,000株以内(ただし、本議案が承認可決された日以降、当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含みます)又は株式併合が行われた場合その他業績連動型株式報酬として発行又は処分をされる当社の普通株式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、当該総数を、合理的な範囲で調整します)とします。
①各対象取締役に発行又は処分する当社の普通株式の数の算定方法
役位別株式報酬基準額(※2)、各業績評価指標の構成比率(※3)、業績評価期間、在任期間比率により算定された交付金額を、基準株価(※4)で除することで割当株式数を計算します(当初対象期間の割当株式数の計算方法については下記表3を参照ください。下記表3の計算式は、当初対象期間の業績評価指標、その構成比率及び業績評価期間におけるものであり、当初対象期間終了後は、新たに設定された業績評価指標、その構成比率及び業績評価期間に基づき計算されることになります)(※5)。当初対象期間に係る業績評価指標、各業績評価指標の構成割合、業績評価期間及び各業績評価指標の目標値については、本招集ご通知25頁表2を参照ください。
(※2) 予め定められた、業績連動型株式報酬に係る役位別の1年当たりの基準額を意味します。
(※3) 各業績評価指標の構成比率は、業績評価期間中の各業績評価指標の目標値を達成した場合には、当該業績評価指標の構成割合とし、当該目標値を達成できなかった場合にはゼロとします。
(※4) 各年度の業績連動型株式報酬の付与を決議する当社の取締役会の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合には、それに先立つ直近取引日の終値))とします。
表3 業績連動型株式報酬の割当株式数の計算式
※2020-2022年の中期経営計画では、新制度の導入が中期経営計画開始2年目からとなるため、当初対象期間においては下記の算定方法のうちⅱ)及びⅲ)を用いて算定されます。
ⅰ)中期経営計画1年目
割当株式数= 役位別株式報酬基準額×業績評価指標(連結当期純利益ROE分)の構成比率×業績評価期間×在任期間比率÷基準株価
ⅱ)中期経営計画2年目
割当株式数= 役位別株式報酬基準額×業績評価指標(連結当期純利益ROE分)の構成比率×業績評価期間×在任期間比率÷基準株価
ⅲ)中期経営計画3年目
割当株式数は、以下のA~Dの合計とする。
A=役位別株式報酬基準額×業績評価指標(連結当期純利益ROE分)の構成比率×業績評価期間×在任期間比率÷基準株価
B=役位別株式報酬基準額×業績評価指標(連結EBITDA分)の構成比率×業績評価期間×在任期間比率÷基準株価
C=役位別株式報酬基準額×業績評価指標(TSR分)の構成比率×業績評価期間×在任期間比率÷基準株価
D=役位別株式報酬基準額×業績評価指標(非財務指標分)の構成比率×業績評価期間×在任期間比率÷基準株価
(※5) 対象取締役が業績評価期間中に、任期満了、定年、死亡その他の正当な理由により退任する場合においては、業績評価期間における退任時までの在任期間及び当該期間における対象取締役の役位並びに当該退任時点に応じた各業績評価指標の別途定める各年度の目標値の達成度合いを考慮し、必要に応じて株式数を合理的に調整したうえで計算します。
②各対象取締役に支給する金銭債権の額の算定方法
前頁①の算定方法に基づき算定された各対象取締役に発行又は処分する当社の普通株式の数に、交付時株価を乗じることで、各対象取締役に支給する金銭債権の額を計算します。交付時株価は、業績評価期間終了後に行われる当社の普通株式の発行又は処分に係る当社の取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会において決定します。
(2)対象取締役に対する支給条件
業績評価期間終了後、以下の要件を満たすことを条件に、各対象取締役に対し、(1)の算定方法に従い、当社の普通株式の発行又は処分を行います(※6、7)。
①業績評価期間の全部又は一部の期間中に対象取締役が当社の取締役会が定める地位にあったこと
②当社の取締役会において定める一定の非違行為がなかったこと
③業績連動型株式報酬制度として当社の取締役会が定めたその他必要と認められる要件
(※6) 対象取締役が、業績評価期間中に、任期満了、定年、死亡その他の正当な理由により退任する場合においては、退任後の合理的期間内に、対象取締役(死亡による退任の場合には対象取締役の権利承継者)に対して、上記(※5)に従い計算した数の当社の普通株式を発行又は処分するものとします。
(※7) 当社は、業績評価期間の開始後、当社の普通株式の発行又は処分を行うより前に、当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転計画その他の組織再編等に関する事項が当社の株主総会(ただし、当該組織再編等に関して当社の株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認された場合には、当社の取締役会の決議により、当社の普通株式又は現金を交付するものとします。普通株式を交付する場合、業績評価期間の開始日から当該組織再編等の承認の日までの期間及び当該期間における対象取締役の役位並びに当該取締役会の決議時点に応じた業績評価指標の達成度合いを考慮し、必要に応じて株式数を合理的に調整したうえで、当該組織再編等の効力発生日に先立ち、対象取締役に対して当社の普通株式を発行又は処分するものとします。
現金を交付する場合、業績評価期間の開始日から当該組織再編等の承認の日までの期間及び当該期間における対象取締役の役位並びに当該取締役会の決議時点に応じた業績評価指標の達成度合いを考慮し合理的に算定される額の金銭を対象取締役に対して支給するものとします。
なお、当社の当該業績連動型株式報酬制度に基づく普通株式の発行又は処分及びその現物出資財産としての金銭債権の支給に当たっては、当社と対象取締役との間で、以下の内容を含む業績連動型株式割当契約(以下、「PSU割当契約」)を締結することを条件とします。
【PSU割当契約の概要】
(1)譲渡制限期間
対象取締役は、PSU割当契約により割当を受けた日(以下、「PSU交付日」)より、当社の取締役会が予め定める地位を退任した直後の時点までの間(以下、「PSU譲渡制限期間」)、PSU割当契約により割当を受けた当社の普通株式(以下、「PSU割当株式」)について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下、「譲渡制限」)。
(2)譲渡制限の解除
当社は、対象取締役が、PSU譲渡制限期間中、継続して、当社の取締役会が予め定める地位にあったことを条件として、PSU割当株式の全部について、PSU譲渡制限期間が満了した時点をもってPSU割当株式の全部の譲渡制限を解除する。
(3)退任時の取扱い
上記(2)の定めにかかわらず、対象取締役が任期満了、定年、死亡その他の正当な理由以外の理由により、当社の取締役会が予め定める地位を退任した場合、当社は、PSU割当株式の全部を当然に無償で取得する。
(4)組織再編等における取扱い
上記(2)の定めにかかわらず、当社は、PSU譲渡制限期間中に、当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転計画その他の組織再編等に関する事項が当社の株主総会(ただし、当該組織再編等に関して当社の株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認された場合(PSU譲渡制限期間満了時より前に効力発生日が到来するときに限る。)には、当社の取締役会の決議により、PSU割当株式の全部について、当該組織再編等の効力発生日に先立ち、譲渡制限を解除する。
(5)その他の無償取得事由
当社は、PSU譲渡制限期間中において、対象取締役が禁錮以上の刑に処せられた場合、対象取締役について破産手続開始等の申立てがあった場合、対象取締役が当社の事前承諾なく当社グループの事業と競業する業務等に従事し、若しくは退任後に従事することが予定されていると当社のCEOが認めた場合、対象取締役において法令、当社の社内規程等の違反行為があったと当社のCEOが認めた場合等、一定の事由が生じた場合には、PSU割当株式の全部を当然に無償で取得することができるものとする。
※ 以下の内容は、議案の内容をよりご理解頂くための参考資料として記載させて頂いており、議案の一部を構成するものではありません。
【ご参考】当社の新たな役員報酬制度の概要
1.役員報酬制度の改定の目的
・ 当社は、コーポレート・ガバナンス及びステークホルダー(◆)の視点、並びに中長期視点(サステナブル、ESG)での経営強化に基づく企業価値創造をさらに強化するため、下記2.の新報酬制度の基本方針を基に、役員報酬制度の改定を実施します。
・ また、この制度改定に際し、グローバルに展開する全ての国籍の帝人グループ執行役員の報酬構成を統一することにより、ダイバーシティ&インクルージョンをさらに加速させ、様々なイノベーション創出や環境変化に対処するスピードを速めると共に、グローバル全体での、更なるグループ経営の強化に取り組みます。
◆ 当社は、これまで、各ステークホルダーに対し、様々な取り組みをおこなってきました。以下は、その一例です。
・ 環境保全、安全・防災、健康に関する支出(投資額・費用)

・ 社会貢献への対応(寄付金・奨学金など)
社会貢献活動に対し、連結経常利益の1%以上を支出しています。※2016年度~2019年度の平均値。
・ 株主様への還元、従業員への分配

2.新報酬制度の基本方針
・中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めるものであること
・会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性が高いものであること
・ ステークホルダーとの価値の共有や株主重視の経営意識を高めることを主眼としたものであること
・優秀な経営人財を確保するために経営者のインセンティブとなる報酬水準、報酬内容とすること
3.役員報酬の構成内容(グローバルに展開する帝人グループ執行役員も同一)
・基本報酬(金銭)
各取締役の役位に応じて支給額を決定し、定額報酬として支給します。役位毎の定額の12分の1を月例報酬として支給します。
・業績連動報酬(金銭)
単年度業績を反映した金銭報酬として、社内取締役(会長、相談役を除く)に対して業績連動報酬を支給します。業績連動報酬に対する業績評価指標は、中期経営計画2020-2022「ALWAYS EVOLVING」で経営指標として掲げた、収益性指標としての「連結当期純利益ROE」、成長性指標としての「連結EBITDA」、投入資源に対する収益効率性指標である「連結営業利益ROIC」の3指標としております。また、支給率は、役位、連結当期純利益ROEの達成度、連結EBITDA及び連結営業利益ROICの対予算達成度並びに取締役個人の業績評価に基づき計算し、期末一時金として6月末までに支給します。
・譲渡制限付株式報酬(株式)
株主の皆様との更なる価値共有や中長期的な企業価値向上を企図した株式報酬制度です。社内取締役(会長、相談役を除く)に対し、当社の取締役会決議に基づき、金銭債権を支給し、対象取締役は、毎年7~8月に当該金銭債権の全部について、現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けます。交付する当社の普通株式には譲渡制限を付し、その譲渡制限が解除されるのは、退任後となります。
・業績連動型株式報酬(株式)
株主の皆様との更なる価値共有や中長期的な企業価値向上に加え、中期経営計画の業績達成への更なるコミットを企図した業績連動型の株式報酬制度です。業績連動型株式報酬に対する業績評価指標は、中期経営計画2020-2022「ALWAYS EVOLVING」で経営指標として掲げた、収益性指標としての「連結当期純利益ROE」、成長性指標としての「連結EBITDA」、並びにステークホルダー視点としての「TSR」、及び持続的な成長やESG(環境・社会・ガバナンス)の観点より、「1) Changing Portfolio, 2)Diversity and Inclusion」の4指標としています。社内取締役(会長、相談役を除く)対し、業績評価指標毎に1乃至複数の事業年度からなる業績評価期間を対象として、各業績評価期間終了後に、当該業績評価期間における各数値目標の達成度等に応じ、各対象取締役に割当てる当社の普通株式の数を決定します。なお、支給率は、各業績評価指標の目標を達成した場合は、当該業績評価指標の構成割合を支給するものとし、当該目標を達成できなかった場合にはゼロとします。交付する当社の普通株式には譲渡制限を付し、その譲渡制限が解除されるのは、退任後となります。
<業績連動型株式報酬の付与時期イメージ>
・ 4つの業績評価指標(①連結当期純利益ROE、②連結EBITDA、③TSR、④非財務指標)に対し、それぞれ目標値を設定しており、それぞれの業績評価指標が目標値を達成した場合には、当該業績評価指標に係る業績評価期間の翌年に、当該業績評価指標の構成割合相当の株式を付与します。
・ 当該業績評価指標に係る業績評価期間が複数年にわたる場合は、業績評価期間分の構成割合相当の株式を一括して付与します。
・ 現行の中期経営計画において、4つの業績評価指標が目標値を全て達成した場合の株式付与時期イメージは下表のとおりとなります。
※下表は、現行の中期経営計画(2020年-2022年)における付与イメージです。現行の中期経営計画においては、新制度の導入が中期期間の2年目である2021年以降となるため、中期期間の2年目及び3年目の通算期間である2年間が業績評価期間となります。

4.役員報酬の構成比率
・ 社内取締役(会長、相談役を除く)の報酬は、前項の通り、金銭報酬である「基本報酬」「業績連動報酬」、及び株式報酬である「譲渡制限株式報酬」「業績連動型株式報酬」で構成しております。なお、現行制度において、業績連動報酬及び株式報酬型ストックオプションが、段階的に設定する目標値のうち標準的な値(以下、「標準目標値」)を達成した場合(この場合 の業績連動報酬の支給額を、以下、「標準額」)と、新制度において、変動報酬である「業績連動報酬」が標準目標値を達成し、かつ「業績連動型株式報酬」もすべての業績評価指標の目標値をすべて達成した場合の報酬構成(代表取締役社長執行役員の場合)は以下のとおりとなり、現行制度と比べて新制度の方が株式報酬および変動報酬の比率が高まります。
・代表取締役社長執行役員の報酬構成イメージ

※ 業績連動報酬及び株式報酬型ストックオプションについては、標準目標値を達成した場合、業績連動型株式報酬は、全ての業績評価指標の目標値を達成した場合の比率であり、実際の達成度に応じて増減します。また、執行役員を兼務しない取締役(会長、相談役、社外取締役)の報酬は、「基本報酬(定額)」に一本化しております。
5.新旧制度における業績連動度のイメージ(代表取締役社長執行役員の場合)
・「 業績連動報酬(金銭)」が、2021年度の業績見通しに相当する支給額であった場合、かつ、「業績連動型株式報酬」の業績評価指標である中期経営計画の目標値を達成しない場合は、現行制度よりも総報酬総額が減額となります(最小給付時も同傾向になります)。
・ 一方、「業績連動報酬(金銭)」の支給額が、標準額かつ「業績連動型株式報酬」の4つの業績評価指標(①連結当期純利益ROE、②連結EBITDA、③TSR、④非財務指標)の目標値を全て達成した場合には、現行制度よりも総報酬総額が増額となります。

※ 上記の報酬イメージの試算前提
・ 最小給付時:現行・新制度ともに、連結当期純利益ROE 0%未満、連結EBITDA計画対比60%未満の際の給付額。
・ 2021年度業績見通しベース:現行・新制度ともに、連結当期純利益ROE 8%、営業利益ROICおよび連結EBITDA 計画対比100%達成時の給付額
・ 最大給付時:現行・新制度ともに、連結当期純利益ROE 15%以上、連結EBITDA 計画対比150%以上達成時の給付額。かつ、新制度における業績連動型株式報酬は、全ての業績評価指標達成時(上記、業績連動型株式報酬の付与時期イメージ参照)における中期経営計画最終年(中期3年目)の実績に対する付与相当額
6.改定後の役員報酬の総額の上限と決定方法
取締役の金銭報酬の上限は、6.3億円で、そのうち社外取締役の金銭報酬の上限は、1億円です。また、譲渡制限付株式報酬の上限は、0.7億円(株式数 50,000株)、業績連動型株式報酬の上限は、3億円(株式数 200,000株)となります。
取締役の報酬等の額については、当社において非日本人執行役員が増加している現状並びに今後の計画を鑑み、第三者による企業経営者の報酬に関する調査に基づき、役員のグローバル対応が進んでいる国内の大手企業群をベンチマークとしたうえで、当社の報酬諮問委員会での審議を踏まえたものとなっております。


※業績連動型株式報酬の報酬枠は、全ての業績評価指標達成時における中期経営計画最終年(中期3年目)の実績に対する付与相当額を考慮して設定しています。
※希薄化率自己株控除後の発行済み株式総数に対する希薄化率(それぞれ上限株式数が発行されたと仮定した場合)
‐業績連動型株式報酬;0.10%
‐譲渡制限付株式報酬;0.02%
合計 ;0.12%