第5号議案 取締役等に対する業績連動型株式報酬の継続に伴う報酬等の額及び内容一部改定の件

1.提案の理由

当社は、2016年12月19日開催の第47回定時株主総会において、当社の取締役(非業務執行取締役及び社外取締役を除く。以下本議案において同じ。)、執行役員及び研究理事(国外居住者を除く。以下「取締役等」という。)に対する業績目標の達成度等に応じて当社株式の交付を行う業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)の導入について、株主の皆様のご承認をいただき、現在に至っております。

今般、本制度について、中長期的な成長戦略実現及び企業価値の向上への貢献意識をより一層高めるとともに、今後の取締役等の役位の変動等に対応するため、業績評価指標並びに拠出金額の上限額及び交付する株式数の上限額を変更いたしたいと存じます。

本制度の継続及び内容一部改定は、ガバナンス諮問委員会の審議結果を踏まえたうえで本議案を付議しております。本制度の継続及び内容一部改定は、取締役等の報酬と、当社の業績及び株主価値との連動性をより明確にし、中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的としていること、当社における取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の内容(後記の事業報告「3 会社役員に関する事項(2)取締役及び監査役の報酬等」に記載のとおりであり、本議案をご承認いただくことを条件に、その内容を末尾に記載のとおりに変更することを予定しております。)との関係においても、報酬額の算定の基準、取締役報酬全体に対して占める割合の水準、付与対象となる取締役の人数水準などに照らした報酬枠として必要かつ合理的な内容といえること、当社の業況その他諸般の事情を総合的に考慮したうえで決定されたものであり、相当であると判断しております。

本議案は、2007年12月14日開催の第38回定時株主総会においてご承認いただきました取締役の報酬限度額(年額600百万円)とは別枠で、毎事業年度における業績達成度等に応じて、取締役等に対して株式報酬を支給する旨のご承認をお願いするものであります。

なお、本制度の対象となる取締役の員数は、第3号議案「取締役9名選任の件」が原案どおり承認可決されますと4名となります。また、上記のとおり、本制度は、執行役員及び研究理事も対象としており(本株主総会終結時点で本制度の対象となる取締役を兼務しない執行役員及び研究理事は16名)、本制度に基づく報酬には、執行役員及び研究理事に対する報酬も含まれますが、本議案では、それらの執行役員及び研究理事が本信託(下記 (2)に定義される。)の対象期間中に新たに取締役に就任する可能性があることを踏まえ、本制度に基づく報酬の全体につき、取締役等の報酬として、その額及び内容を提案するものであります。

2.本制度における報酬等の額・内容等

(1)

本制度の概要

本制度は、当社が拠出する取締役等の報酬額を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当該信託を通じて取締役等に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)の交付及び給付(以下「交付等」という。)を行う株式報酬制度です。(詳細は(2)以降のとおり。)

(2)

当社が拠出する金員の上限

本制度は、本(2)第4段落の信託期間の延長が行われた場合も含め、原則として中期経営計画の対象となる期間に対応した3事業年度を対象とします(本制度の対象とする期間を以下「対象期間」という。)。

当社は、対象期間毎に合計13.5億円を上限とする金員を、取締役等への報酬として拠出し、受益者要件を充足する取締役等を受益者とする信託期間3年間の信託(以下「本信託」という。)を継続します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託された金員を原資として当社株式を株式市場から取得します。当社は、信託期間中毎年、取締役等に対し株式交付ポイント(下記(3)に定める。)の付与を行い、取締役等の退任後(取締役等が海外赴任により国外居住者となることが決定した場合は当該決定後、取締役等が死亡した場合は死亡後。以下同じ。)に株式交付ポイントの累積値(以下「累積株式交付ポイント数」という。)に相当する当社株式等の交付等を本信託から継続します。

なお、本信託の信託期間の満了時において、新たな本信託の設定に代えて信託契約の変更及び追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、本信託の信託期間を3年間延長し、信託期間の延長以降の3事業年度を新たな対象期間とします。当社は、延長された信託期間毎に、合計13.5億円の範囲内で、追加拠出を行い、引き続き延長された信託期間に係る対象期間中、取締役等に対する株式交付ポイントの付与を継続します。ただし、係る追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与された株式交付ポイントに相当する当社株式等で交付等が未了であるものを除く。)及び金銭(以下「残存株式等」という。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、13.5億円の範囲内とします。

また、信託期間の終了時に、受益者要件を満たす可能性のある取締役等が在任している場合には、それ以降、取締役等に対する株式交付ポイントの付与は行われませんが、当該取締役等に対する当社株式等の交付等が完了するまで、一定期間、本信託の信託期間を延長させることがあります。

(3)

取締役等に対して交付等が行われる当社株式の数(換価処分の対象となる株式数を含む。)の算定方法及び上限

取締役等に対して交付等が行われる当社株式の数(換価処分の対象となる株式数を含む。)は、以下に定める累積株式交付ポイント数に基づき、定まります。なお、1ポイント=1株とし、1ポイント未満の端数は切り捨てます。本信託に属する当社株式が株式の分割、株式無償割当て、株式の併合等によって増加又は減少した場合、当社は、その増加又は減少の割合に応じて、1ポイント当たりに交付等が行われる当社株式の数(換価処分の対象となる株式数を含む。)を調整します。

取締役等には、役位に応じて計算される基準ポイントに基づき、各事業年度における業績目標達成度等に応じて変動する『年次業績連動ポイント』と、中期経営計画の業績目標達成度等に応じて変動する中計業績連動係数を乗じた『中計一括業績連動ポイント』を付与します。『年次業績連動ポイント』と『中計一括業績連動ポイント』の構成割合は1対1といたします。

取締役等の退任後に、『年次業績連動ポイント』の累計及び『中計一括業績連動ポイント』の累計の合計値(以下「株式交付ポイント」という。)が算定され、株式交付ポイントに相当する数の当社株式等の交付等が行われます。『年次業績連動ポイント』、『中計一括業績連動ポイント』及び株式交付ポイントの算定式は以下のとおりです。

株式交付ポイントは、各事業年度・中期経営計画における業績目標達成度等に応じて、基準ポイントの0~150%の範囲で変動します。業績目標達成度等を評価する指標は、連結売上高、連結営業利益、自己資本利益率(ROE)、非財務価値等とします。

(基準ポイントの算定式)

基準ポイント=(役位別に定める株式報酬額×対象事業年度における当該役位毎の在任月数/12か月)の合計÷延長後の信託期間の初日の属する月の東京証券取引所における当社株式の終値の平均値(小数点以下の端数は切り捨て。)

(年次業績連動ポイントの算定式)

年次業績連動ポイント=基準ポイント×50%×年度計画に係る業績連動係数

(中計一括業績連動ポイントの算定式)

中計一括業績連動ポイント=基準ポイント×50%×中計期間×中期経営計画に係る業績連動係数

(株式交付ポイントの算定式)

株式交付ポイント=年次業績連動ポイントの累計+中計一括業績連動ポイントの累計

なお、対象期間中の事業年度の途中で退任又は海外赴任が決定した取締役等には、業績連動係数は適用せず、当該事業年度における退任又は海外赴任までの在任期間に応じた基準ポイントを当該事業年度に係る年次業績連動ポイント及び中計一括業績連動ポイントとして付与するものとします。

取締役等の退任後、死亡後又は海外赴任決定後に、累積株式交付ポイント数が算定され、累積株式交付ポイント数に相当する当社株式等の交付等が行われます。

本信託の信託期間中に取締役等に付与する株式交付ポイントの総数は、1事業年度当たり100,000ポイントを上限とし、対象期間に取締役等に付与される株式交付ポイントの総数は300,000ポイントを上限とします。この株式交付ポイントの総数の上限は、上記(2)の信託金の上限額を踏まえて、過去の株価等を参考に設定しています。

(4)

取締役等に対する当社株式等の交付等の時期及び方法

受益者要件を充足した取締役等は、当該取締役等の退任後、死亡後又は海外赴任決定後に、上記(3)に基づき算出される累積株式交付ポイント数に相当する当社株式等の交付等を受けるものとします。

受益者要件を充足した取締役等が退任する場合、当該取締役等は、当該ポイントの70%に相当する当社株式(単元未満株式は切り捨て。)について交付を受け、残りについては本信託内で換価したうえで、換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。受益者要件を充足した取締役等が死亡した場合、死亡後に上記(3)に基づき算出される累積株式交付ポイント数に応じた数の当社株式について、本信託内で換価したうえで、その換価処分相当額の金銭の給付を当該取締役等の相続人が受けるものとします。受益者要件を充足した取締役等の海外赴任が決定した場合、取締役等が死亡した場合と同様に取り扱い、当該取締役等は、海外赴任決定後に算定される累積株式交付ポイント数に応じた数の当社株式について、本信託内で換価したうえで、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。

(5)

本信託内の当社株式に関する議決権

本信託内にある当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使しないものとします。

(6)

クローバック条項

取締役等に一定の非違行為があった場合、当社は、当該取締役等に対し、本制度における交付済み株式数(納税資金のために売却した株式数を含む)に返還を通知した日の東京証券取引所における当社株式の終値を乗じて得た額につき、一部又は全額の賠償を求めることができるものとします。

(7)

その他の本制度の内容

本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めます。

(ご参考)本制度の概要(2021年2月3日付プレスリリース「業績連動型株式報酬制度の継続に関するお知らせ」からの抜粋)

当社は取締役会において本制度の継続を決議しました。なお、当社は本制度に関する株式交付規程を既に制定しております。
当社は、2016年12月19日開催の第47回定時株主総会(以下「2016年株主総会」という。)の承認決議の範囲内で金銭を追加信託し、受益者要件を満たす取締役等を受益者とする信託(以下、「本信託」という。)の期間を延長します。
本信託は、信託管理人の指図に従い、信託内の金銭(②で追加信託された金銭を含む。)を原資として当社株式を株式市場から取得します。本信託が取得する株式数は、2016年株主総会の承認決議の範囲内とします。
本信託内の当社株式に対する配当は、他の当社株式と同様に行われます。
本信託内の当社株式については、信託期間を通じ、議決権を行使しないものとします。
信託期間中、役位及び毎事業年度における業績等に応じて、毎年、取締役等に一定のポイントが付与されます。一定の受益者要件を満たす取締役等は、原則として、取締役等の退任後に累積したポイント数の一定割合に相当する当社株式の交付を受け、残りの当該ポイント数に相当する当社株式については、信託契約の定めに従い、信託内で換価したうえで換価処分金相当額の金銭を受領します。
業績目標の未達成等により、信託期間満了時に残余株式が生じた場合、信託契約の変更及び追加信託を行うことにより本信託を継続利用するか、又は、本信託から当社に当該残余株式を無償譲渡し、取締役会決議によりその消却を行う予定です。
本信託の終了時に、受益者に分配された後の残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属する予定です。また、信託費用準備金を超過する部分については、当社及び取締役等と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。

(ご参考)役員報酬制度のイメージ図

役員報酬の構成比

役員報酬の支給タイミング

(注)
  • 基礎報酬は月例報酬として金銭で支給、変動報酬(金銭)は各事業年度の業績指標の達成度等に応じて年末に賞与として支給、変動報酬(株式)は各事業年度の業績指標の達成度等に応じた株式交付ポイントを年末に付与・累計します。
  • 取締役等の退任後、死亡後又は海外赴任決定後に、累積株式交付ポイント数が算定され、累積株式交付ポイント数に相当する当社株式等の交付等が行われます。

(ご参考)当社のコーポレートガバナンスについて

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社のコーポレートガバナンスの基本方針は、「経営理念」に基づき、社会価値、顧客価値、株主価値、社員価値の4つの価値の総体である「企業価値」を持続的に向上させるための活動の適正な実行を確保することを目的としています。

当社は、取締役総数の3分の1以上を社外取締役、監査役の過半数を社外監査役とし、「社外の視点」を積極的に経営に活かしています。業務執行は、取締役会が定めた経営の基本方針に基づいて、経営会議で決定し、執行役員が実施していますが、重要事項決定に当たっては、経営会議付議前に各種社内委員会に諮問を行っています。

また、当社は、傘下に重要な子会社である三菱総研DCS株式会社をはじめとする子会社、関連会社を有する企業グループとして、「行動規準」、「三菱総合研究所コーポレートガバナンス・ガイドライン」及び「業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)」の趣旨を共有し、基本的な価値観や倫理観として尊重しています。

当社のコーポレートガバナンス体制図
取締役会・役員体制・ガバナンス諮問委員会

当社の取締役会は取締役8名(うち社外取締役4名)で構成され、当社の経営の意思決定を行い、取締役の職務の執行を監督する権限を有しています。なお、現在の社外取締役4名のうち3名は他企業の経営の経験者、1名は教育者であり、それぞれの立場・経験・知見に基づいた広い視野から経営の意思決定と監視を可能とする体制を構築しています。業務執行は執行役員を選任し、経営と執行を分離することにより、効率的で的確な意思決定と業務遂行責任の明確化を図っています。

また、取締役会の諮問機関としてガバナンス諮問委員会を設置し、取締役会は、最高経営責任者(CEO)等の重要な経営陣幹部の選任・解任、役員報酬並びに取締役会の実効性分析・評価等についてガバナンス諮問委員会に意見を求めます。ガバナンス諮問委員会は、取締役会から諮問を受けた事項について審議し、取締役会に対して答申します。なお、最高経営責任者(CEO)等の重要な経営陣幹部の選任・解任、役員の報酬に係る内容を審議する場合、独立社外取締役が過半数となるよう、出席者を限定します。

<ガバナンス諮問委員会構成員>

森崎 孝(議長 取締役会長)、籔田健二、水原秀元、野邊 潤、坂東眞理子小林 健平野信行泉澤清次

※下線は社外取締役であります。

監査役会・監査役

当社は、会社法関連法令に基づく監査役会設置会社制を採用しています。監査役会は監査役5名(うち社外監査役3名)で構成されています。監査役は、株主総会や取締役会への出席、取締役・執行役員・従業員・会計監査人からの報告収受などの法律上の権利行使を行うほか、常勤監査役は、経営会議や社内委員会などの重要な会議への出席や、内部監査結果の報告収受などを行い、その結果を監査役全員に共有することにより、実効性のある監査を実施しています。

経営会議・執行役員会議

経営会議は、業務執行取締役、役付執行役員及び部門長で構成されており、原則として毎週水曜日に定期開催するほか、必要に応じて臨時開催することで、取締役会で決定した基本方針に基づき、経営に関する全般的重要事項を協議決定しています。なお、経営会議には常勤監査役が毎回参加し、モニタリングをしています。執行役員会議は業務執行取締役、執行役員及び研究理事によって構成されており、原則として毎月1回定期開催しています。執行役員会議では、業務執行取締役は取締役会を代表して執行役員の業務執行状況を把握し、取締役会の指示、決定事項を執行役員に伝達し、社長は執行役員に経営の現状を説明するほか、各執行役員に必要な指示を行い、その他の執行役員、研究理事は、自己の業務執行又は遂行状況の報告を行っています。

各種社内委員会

当社は、経営会議の諮問機関として各種社内委員会を設置しています。

経営戦略、連結経営、内部統制などをはじめとする経営の重要事項については、役員を委員長とするこれら社内委員会が十分に討議を尽くしたうえで、経営会議に付議することにより、透明性や牽制機能を確保するとともに、特定ラインのみによらない広い視野からの各種施策決定を可能としています。

グループ内部統制

当社は、三菱総研DCS株式会社をはじめ子会社、関連会社を有しています。企業グループとして「行動規準」、「三菱総合研究所コーポレートガバナンス・ガイドライン」及び「業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)」の趣旨の共有化を図り、徹底することにより、グループとしての企業価値の向上と業務の適正さを確保しています。

これに加えて、特に重要な子会社である三菱総研DCS株式会社とは同社経営の重要事項については当社との事前協議を必要とする旨の経営管理契約を締結するとともに、連結経営委員会を設置し、経営状況を業務執行取締役が定期的に確認する体制を構築しています。また、内部監査部門の業務監査により、グループ各社の業務の適正さを確保し、法令違反不正行為の抑止、未然防止を図る体制を整備しています。

取締役及び監査役の選解任

当社の取締役及び監査役の選解任は「基本方針」に基づくものとし、具体的には法令の規定に従い、取締役会にて候補者を決定し、株主総会で選解任します。なお、監査役候補者については、事前に監査役会の同意を得ます。

<役員選任の基本方針>

(1)
経営理念の実践を常に心がけている人材であること。
(2)
役員として必要な見識、高い倫理観、経験、能力・資質を有する人材であること。
(3)
社外役員に関しては、当社の経営に対して、社外の第三者の視点に立った厳格な監視・助言が可能な経験や能力・資質を有する人材であること。

独立性要件

当社は、当社の社外取締役及び社外監査役が以下の要件のすべてに該当しないと判断される場合に、独立性を有するものとしています。

<社外役員の独立性判断基準>

(1)

主要な取引先

ア.
当社・当社の子会社を主要な取引先とする者又はその業務執行者
イ.
当社の主要な取引先又はその業務執行者
(2)

専門家

当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家

(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう)

(3)

以下のいずれかの該当者(重要でない者を除く)の近親者

ア.
(1)と(2)の該当者
イ.
当社の子会社の業務執行者
ウ.
最近において、イ.又は当社の業務執行者に該当していた者

取締役及び監査役のスキル・マトリックス

当社の経営理念、果たすべき使命(ミッション)、目指すべき姿(ビジョン)に基づく中期経営計画2026の実現に向け、企業行動を監督、支援するために必要な主要な専門性・知見を以下のとおり選定しております。

役員の報酬

当社の役員報酬は「基本方針」に基づくものとし、具体的にはガバナンス諮問委員会での審議を経て、取締役については取締役会にて、監査役については監査役の協議にて、それぞれ決定しています。

<役員報酬の基本方針>

(1)
株主の負託に応えて経営方針を実現するために、各役員の職務執行への動機付けを導くことができる公正な報酬体系とする。
(2)
透明性、公正性及び合理性を備えた適切なプロセスを経て決定することにより、ステークホルダーに対する説明責任を担保する。
(3)
当社の継続的な成長に不可欠で有為な人材を確保し、長期にわたって惹きつけられる水準を目指す。

報酬の内訳は以下のとおりです。

社内役員
基礎報酬・変動報酬(金銭)・変動報酬(株式)を報酬の基本構成とする。変動報酬(株式)は、報酬を当社グループの業績等と連動させることにより、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に対する、役員の貢献意欲、インセンティブを高めることを狙いとしたもの。
社外役員
業務執行から独立した立場であることに鑑み、基礎報酬のみ。
監査役
独立性の確保の観点から鑑み、基礎報酬のみ。

役員報酬制度の詳細につきましては、前記の第5号議案及び後記の事業報告「3 会社役員に関する事項(2)取締役及び監査役の報酬等」に掲載しております。

取締役会の実効性分析・評価

当社は、取締役会の実効性を高めるために、ガバナンス諮問委員会においてレビューを行ったうえで、取締役会において実効性を分析・評価し、運営の改善を図っております。

2023年9月期はすべての取締役・監査役を対象に、構成・運営、戦略や指名・報酬の監督等についてアンケート調査を行いました。客観性を担保した評価を実施するため、アンケートの設計及びその分析評価に当たり外部機関を活用しました。

その結果、当社取締役会は自由闊達な雰囲気のもと、監督機関として建設的な議論、意見交換が行われ、戦略やサステナビリティを巡る課題に関与し、適切にその機能を果たしていることが高く評価され、実効的に機能していることを確認しました。

昨年度に課題として認識した、重要なリスク等に係る管理については、報告・審議の機会が設けられました。後継者計画への関与についても、ガバナンス諮問委員会を通じた取り組みが進むなど、これらの課題には一定の改善が確認されるとともに、今後の運用に係るさらなる取り組みを期待する建設的な意見が提示されました。

また一方で、取締役会のモニタリング機能がより実効的なものになるよう、2024年9月期から始まった中期経営計画2026や事業戦略の進捗、重大リスク等の重点モニタリング事項について計画的に審議する機会を設けることの有用性などを新たに認識しました。

当社は、こうした分析・評価結果に基づき、今後とも継続的に取締役会の実効性向上に取り組んでまいります。