事業報告(自 平成28年8月1日 至 平成29年7月31日)
企業集団の現況に関する事項
■ 当社グループの経営理念
------------ 経営理念 ------------
「みんなで幸せになれる会社にすること」
「今から100年続く会社にすること」
当社グループは「みんなで幸せになれる会社にすること」、「今から100年続く会社にすること」を経営理念としております。この経営理念のもとすべての役員及び従業員が一丸となり、様々な技術領域・ビジネス領域において、インターネットやスマートデバイス(スマートフォン及びタブレット端末)を通じて個人の利用者の皆様に支持・利用していただけるゲームコンテンツ、比較サイト・情報サイトやECサイトなどの企画・開発・運営を行っています。具体的には、「人と人とのつながりの実現」をテーマに、世界中の人々に娯楽を提供するスマートデバイス向けゲームやツールアプリケーションの企画・開発及び運営を行う「エンターテインメント事業」、人生のイベントや日常生活に密着し、有益な情報を提供する比較サイト・情報サイトなど、様々なウェブサービスの企画・開発及び運営を行う「ライフスタイルサポート事業」、そして自社在庫を持ち、完全組立自転車をお届けする利便性を実現する自転車専門通販サイトの企画・開発及び運営を行う「EC事業」の3つの事業軸でビジネスを展開しております。
(1)事業の経過及びその成果
■ 全般的概況
平成29年7月期は、営業利益ベースで4年連続増収増益、過去最高の売上を達成いたしました。
事業拡大に伴う従業員の増加を見据え、本社オフィス及び大阪オフィスの増床を実施したことにより、地代家賃等の固定費が増加したものの、各事業の成長により、営業利益が前連結会計年度比で増加し、過去最高となりました。
経常利益につきましては、エンターテインメント事業の海外売上において、前連結会計年度では為替差損が発生しましたが、当連結会計年度においては為替差益に転じたことにより、前連結会計年度比で大幅に増加し、過去最高となりました。
また、特別損失としてソフトウェア資産の減損損失を計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比で大幅に増加し、過去最高となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は34,603,014千円(前連結会計年度比50.7%増)、営業利益は4,077,681千円(前連結会計年度比84.3%増)、経常利益は4,118,300千円(前連結会計年度比96.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,579,584千円(前連結会計年度比99.6%増)となりました。
■ セグメント別概況
「エンターテインメント事業」、「ライフスタイルサポート事業」、「EC事業」とも好調に推移し、「エンターテインメント事業」及び「ライフスタイルサポート事業」は過去最高の売上高・セグメント利益を達成し、「EC事業」はまだ投資段階にありますが、過去最高の売上高を達成いたしました。
なお、当連結会計年度におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。
事業区分別の概況
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エンターテインメント事業
主な事業内容
スマートデバイス(スマートフォン・タブレット端末)向けゲーム&ツールアプリの企画・開発・運営
代表的なサービス
■ ゲームアプリ
- 放課後ガールズトライブ
- ヴァルキリーコネクト
- ユニゾンリーグ
- 三国大戦スマッシュ!
- ダービーインパクト
■ ツールアプリ
- [+]HOME
- ZeroAppシリーズ
エンターテインメント事業では、自社で開発したオリジナルスマートデバイス向けゲームアプリケーション(以下「ゲームアプリ」)をApple Inc.が運営するApp Store及びGoogle Inc.が運営するGoogle Play等、アプリケーション(以下「アプリ」)を配信する専用の配信プラットフォームを通じて、世界中の人々に提供しております。ゲームアプリ自体は基本無料で提供し、ユーザーがゲームをより効率よく、優位に進めるためのアイテムを購入することで、そのアプリ内アイテム購入代金がゲームアプリの収益となります。
平成29年7月期においては、引き続き既存ゲームの効率的な運用を進めながら、平成28年12月に新規ゲームアプリ「放課後ガールズトライブ」(覚醒少女バトルRPG)をリリースいたしました。既存ゲームアプリにつきましては、平成28年6月にリリースした「ヴァルキリーコネクト(Valkyrie Connect)」(至高のハイファンタジーRPG)が国内外で好調に推移し、これまでにリリースした当社ゲームアプリの中でトップ売上を記録し、業績をけん引する主要タイトルの1つとして寄与いたしました。平成26年12月にリリースした「ユニゾンリーグ(Unison League)」(新感覚リアルタイムRPG)はリリースから約3年経過するも、引き続き好調に推移し、根強い人気を博しております。平成25年5月にリリースした「ダービーインパクト(Derby Impact)」(本格3D競走馬育成ゲーム)及び平成27年3月にリリースした「三国大戦スマッシュ!」(爽快ひっぱり大戦アクション)は効率的な運用により、継続して収益に貢献しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるエンターテインメント事業の売上高は19,259,248千円(前連結会計年度比53.3%増)、セグメント利益は3,820,515千円(前連結会計年度比66.3%増)となり、過去最高の売上高・セグメント利益を達成いたしました。 -
ライフスタイルサポート事業
主な事業内容
人生のイベントや日常生活に密着した比較サイト・情報サイトの企画・開発・運営
代表的なサービス
■ 引越し比較・予約サイト「引越し侍」
■ 車査定・車買取サイト「ナビクル」
■ 結婚式場情報サイト「ハナユメ」
■ キャッシング・カードローン総合検索サイト「ナビナビキャッシング」
ライフスタイルサポート事業では、引越し関連、自動車関連、ブライダル関連、金融メディア等様々な事業領域において個人の利用者に向けてサービスを展開する事業者と提携し、「三方よし」のサービス理念のもと、人生のイベントや日常生活に密着した比較サイト・情報サイト等様々な便利なウェブサービスを展開しております。個人の利用者は基本無料で利用でき、パートナー企業に見込客を紹介することに対する紹介手数料及び成約報酬が主な収益であります。
サブセグメントとして、引越し関連事業、自動車関連事業、ブライダル関連事業、金融メディア事業、その他があります。
引越し・自動車関連事業は引き続き日々のサイトの改善、プロモーション活動などにより順調に利用者を増やし、継続して業界トップシェアを維持しております。「ハナユメ」を中心としたブライダル関連事業は、全国6エリアに12店舗のウエディングデスクを展開しており、「ハナユメ定額ウエディング」、「ハナユメフォト」等のブライダル周辺サービスを拡充しながら、平成28年11月のサービス名称変更後、より一層サービスの品質向上に努め、大きな成長を遂げました。「ナビナビキャッシング」を中心とする金融メディア事業は新たにクレジットカード比較・情報サイト「ナビナビクレジットカード」、住宅ローン比較・情報サイト「ナビナビ住宅ローン」及びFX比較・情報サイト「ナビナビFX」を順次立ち上げ、引き続き利用者数を伸ばしております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は13,342,546千円(前連結会計年度比45.1%増)、セグメント利益は1,929,110千円(前連結会計年度比17.8%増)となり、過去最高の売上高・セグメント利益を達成いたしました。 -
EC事業
主な事業内容
200種類以上の豊富な品揃えで自社在庫を持ち、プロが整備した完全組立自転車を自宅にお届けする自転車専門通販サイトの企画・開発・運営
代表的なサービス
■ 自転車通販サイト「cyma -サイマ-」
EC事業では、東海、関東、関西3カ所に物流倉庫を構え、国内外から仕入れた200種類以上の完成品自転車を自社で在庫を持ち、専属のプロ整備士により整備された完全組立自転車をオンラインで販売し、自宅までお届けする国内唯一無二の自転車専門通販サイトを展開しております。
主な収益は自転車の販売代金であります。
自転車通販サイト「cyma-サイマ-」は平成25年12月にサービスを立ち上げて以来、フルフィルメント(注)強化のため、段階的に投資を重ねてまいりました。現在まだ投資段階にありますが、事業として順調に軌道に乗り、「自転車を買うならサイマ」というブランディングを目指し、プロモーション強化を行いつつ、継続して安定的に販売台数を伸ばしております。(注)フルフィルメントとは、ネット通販における受注管理、在庫管理、ピッキング、商品仕分け・梱包、発送、代金請求・決済処理等、通販ビジネスで最も重要なコアプロセス全般を指します。また、苦情処理・問い合わせ対応、返品・交換対応等のカスタマーサポートや顧客データ管理等の周辺業務も含まれます。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,001,220千円(前連結会計年度比64.7%増)、セグメント損失は178,587千円(前連結会計年度は172,530千円の損失)となり、過去最高のセグメント売上を達成いたしました。
対処すべき課題
当社グループは「みんなで幸せになれる会社にすること」、「今から100年続く会社にすること」を経営理念に、中長期的な成長を図るため、以下7点を主な経営課題として認識し、迅速に対処してまいります。
①エンターテインメント事業における開発期間の短縮、ヒットタイトルの創出及びヒット率の向上
国内外のスマートフォンゲーム市場の拡大に伴い、市場参入者が増加し、競争が激化している中、利用者の嗜好は多様化しており、ゲームのクオリティは急速に高まっております。さらに端末の高性能化、多様化等に伴いゲームの開発規模が膨大化し、開発期間の長期化が顕在化しております。
このような事業環境の変化に適応し、持続的な成長を遂げるためには、開発期間の短縮、ヒットタイトルの創出及びヒット率の向上が最も重要な課題であると考えております。
市場ニーズに即したゲームを適切なタイミングでコンスタントにリリースするために、組織体制の整備、開発プロセスの改善を行い、さらに企画からリリースまでの期間の短縮、メガヒットタイトルの創出及びヒット率向上のための施策に積極的に取り組んでまいります。
②ライフスタイルサポート事業におけるサービス間の連携
ライフスタイルサポート事業は、引越し関連、自動車関連、ブライダル関連、金融メディア領域において、比較サイトや情報サイト等、人生のイベントや日常生活に密着した便利なサービスを多数提供しております。これらのサービス間で相互送客を行うことによって、集客効率の向上ならびに利益率の向上につながるものと考えております。既存サービスに限らず、今後展開する新規サービスにおいても、利用者の共有ならびに継続顧客を確保するための施策に積極的に取り組んでまいります。
③EC事業におけるフルフィルメントの強化
EC事業の自転車通販サイトは、立上げから約4年間にわたり順調に利用者数を増やし、国内3カ所に物流拠点を構え、事業として軌道に乗りつつあります。今後シェアを拡大するためには、フルフィルメントの強化が最も重要な課題であると考えております。中長期的な成長を見据え、早期黒字化の達成よりもサービスの品質・ユーザビリティの向上を優先に、フルフィルメントの強化に引き続き取り組んでまいります。
④新規事業・サービスへの積極的な取り組み
平成29年7月期より、当社グループは、エンターテインメント事業、ライフスタイルサポート事業とEC事業、3つの事業軸になりました。今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るためには、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、新たな事業・サービスの開拓に積極的に取り組んでおります。
その一環として、当社グループは四半期毎に社内から新規事業を公募する制度を設けており、ライフスタイルサポート事業の「すぐ婚navi」(現ハナユメ)やEC事業の「cyma-サイマ-」は当該制度から生まれた事業であります。今後、当該制度の活用及びM&Aによる買収等により、積極的に新規事業・サービスに挑戦していく所存であります。
⑤技術者を中心とした優秀な人材の確保と育成
技術者を中心とした優秀な人材を確保することは当社グループの継続的な成長に必要不可欠であります。そのため、職場環境の改善、福利厚生の充実、人事考課制度の改革及び採用活動の多様化に努め、人材の確保に力を入れております。
一方、採用においては優れた技術力のみならず、人間性・協調性を重要視した人材の選考を心がけており、企業文化と理念を共有し、長期的にみんなで協力し合いながら楽しく働けるような組織作りを大切にしております。
また、社内研修・教育制度をさらに強化し、グループ内定期異動制度の機動的な運用を実施しながら、事業間で経験とノウハウを共有することで企業とともに成長していく人材育成システムの構築に努めてまいります。
⑥企業認知度・サービスの知名度の向上
当社グループが持続的な企業価値の向上を実現していくためには、提供するサービス自体のユーザビリティ、品質等に加え、各サービスの知名度を向上し、利用者数を拡大していくことが不可欠であります。
また、グループ全体の事業を支える優秀な人材の獲得や他社との提携等をより有利に進めるためにも、当社グループでは、今後も費用対効果を見極めながら、サービスの広告宣伝活動及び企業認知度向上のための広報活動を含むブランディング戦略に積極的に取り組んでいく所存であります。
⑦グループ経営体制及びコーポレートガバナンスの強化
平成28年12月にベトナムに当社初の海外開発拠点を設立したことで、当社グループは、国内連結子会社4社及び海外連結子会社1社により構成されたグループ企業体制となりました。
企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、経営の公正性・透明性を確保するとともに、事業運営の効率化及び内部管理体制の強化を実現すると同時に、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に沿った各種施策に積極的に取り組み、グループ全体の企業倫理の一層の向上及びグループ企業としての企業価値最大化に向けて経営基盤の強化を図っていく所存であります。
連結計算書類
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