第7号議案 取締役および執行役員に対する株式報酬等の改定の件

1.提案の理由および当該報酬等を相当とする理由

当社は、2022年6月24日開催の定時株主総会において、当社の取締役および執行役員(社外取締役および国内非居住者を除く。)を対象とした業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入することについて、株主の皆様にご承認いただき、今日に至っております。

今般、当社は、第2号議案「定款一部変更の件」が原案どおり承認可決された場合、監査等委員会設置会社に移行いたします。本議案は、監査等委員会設置会社への移行に伴い、本制度の対象者を、当社の取締役(監査等委員である取締役、社外取締役、国内非居住者を除く。以下同じ。)および執行役員(国内非居住者を除く。以下、取締役と併せて「取締役等」という。)に改定することについて、ご承認をお願いするものであります。なお、対象者の変更のほかは、いずれも2022年6月24日開催の定時株主総会においてご承認をいただいた内容のとおりです。本制度に基づく株式報酬は、第5号議案においてご承認をお願いしております報酬限度額とは別枠で、取締役等に対して支給するものです。

本制度は、取締役等を対象に、当社グループの中長期的な業績の向上と企業価値増大への貢献意識を高めるとともに、株主の皆様との利害共有を図ることを目的としております。さらに、交付する株式数を中期経営計画における業績目標の達成度等と連動させることにより、業績目標の達成に向けた意欲を高めるものであります。

当社は、2024年5月22日開催の取締役会において、第5号議案から第7号議案全てをご承認いただくことを条件として新たな役員の報酬等の内容の決定に関する方針を定めており、その概要は招集ご通知33頁の【参考:取締役の報酬方針】のとおりです。本議案は、当該方針に沿う内容の取締役等の個人別の報酬等を付与するために必要かつ合理的な内容となっていることから、相当であると考えております。なお、本制度の改定については、報酬決定プロセスにおける透明性・客観性を担保するため、経営監督会議における審議を経ております。

本制度の対象となる取締役の員数は、第3号議案「監査等委員でない取締役4名選任の件」が原案どおり承認可決されますと4名となります。また、上記のとおり、本制度は執行役員も対象としており(本株主総会の終結の時点において本制度の対象となる取締役を兼務しない執行役員は15名の予定)、本制度に基づく報酬には、執行役員に対する報酬も含まれますが、本議案では、それらの執行役員が対象期間中に新たに取締役に就任する可能性があることを踏まえ、本制度に基づく報酬の全体につき、取締役等に対する報酬等として、その額および内容を提案するものであります

なお、本議案は、第2号議案「定款一部変更の件」における定款変更の効力発生を条件として、その効力を生じるものといたします。

2.本制度における報酬等の額および内容等

  • (1)本制度の概要

    本制度は、取締役等に対する株式報酬制度であり、当社が拠出する取締役等の報酬額に相当する金員を信託へ拠出し、当該金員を原資として信託を通じて当社株式が取得され、役位および業績目標の達成度等に応じて、当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)について役員報酬として交付および給付(以下「交付等」という。)を行う制度です(本制度の詳細は下記(2)以降のとおり)。

  • (2)当社が拠出する金員の上限等

    本制度の対象となる期間は、原則として、当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(以下「対象期間」という。)とします。なお、現行の対象期間は、2023年3月31日で終了する事業年度から2026年3月31日で終了する事業年度までの4事業年度とすることを2022年6月24日開催の定時株主総会においてご承認いただいており、当該対象期間に関する信託金の拠出および信託金を原資とする株式市場からの株式取得については2022年度中に対応しております。

    当社は、取締役等に対する交付等の対象とする当社株式取得のために、対象期間毎に拠出される信託金の上限を、345百万円に当該対象期間の事業年度数を乗じた金額(現行の対象期間である4事業年度については合計1,380百万円)としたうえで、かかる信託金を拠出し、取締役等を受益者として対象期間に対応する期間の信託(以下「本信託」という。)を設定します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託金を原資として当社株式を株式市場または当社(自己株式処分)から取得します。当社は、対象期間中、取締役等に対して、下記(3)に定めるとおりポイントの付与を行い、あらかじめ定められた一定の時期に付与されたポイント数に相当する当社株式等の交付等を本信託から行います。

    また、本信託の信託期間の満了時において、新たな本信託の設定に代えて信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、原則として、その時点において当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度が新たな対象期間となり、当該新たな対象期間と同一の期間について本信託の信託期間を延長し、当社は本株主総会の承認決議を得た、本信託に拠出する信託金の合計上限額の範囲内で追加拠出を行い、引き続き新たな対象期間について、取締役等に対するポイントの付与および当社株式等の交付等を継続します。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除く。)および金銭(以下「残存株式等」という。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、345百万円に当該対象期間の事業年度数を乗じた金額の範囲内とします。

    この信託期間の延長は、一度だけに限らず、その後も同様に信託期間を延長することがあります。

  • (3)取締役等に対して交付等が行われる当社株式等の数の算定方法および上限等

    取締役等に対して交付等が行われる当社株式等の数は、「株式交付ポイント」の数により定まります。株式交付ポイント1ポイントにつき当社株式1株を交付するものとし、1ポイント未満の端数は切り捨てます。ただし、当社株式について信託期間中に株式分割・株式併合等を行った場合には、分割比率・併合比率等に応じて、株式交付ポイント1ポイントあたりの当社株式数および取締役等に交付等が行われる当社株式等の数の上限を調整します。

    • ① 業績連動部分
      取締役等に対する業績連動部分の株式交付ポイントは、対象期間中の各事業年度に付与される基準ポイントのうち50%に相当するポイントを累計し、対象期間終了後に、この累計値に業績連動係数を乗じて算定します。
      ※ 業績連動係数は、業績目標の達成度等に応じて0~200%の範囲で変動します。業績目標の達成度等に関する指標は、中期経営計画における業績目標の達成のための重要指標その他の取締役会が定める指標を用いることとし、現行の対象期間においてはROAおよびFTSE Russell ESGスコアとします。
    • ② 非業績連動部分
      取締役等に対する非業績連動部分の株式交付ポイントは、対象期間中の各事業年度に付与される基準ポイントのうち50%の累計とします。

    なお、対象期間中の事業年度の途中で退任、死亡または海外赴任することとなった取締役等については、業績連動係数を100%とした上で上記のとおり算定した株式交付ポイントを速やかに付与するものとします。

    本信託の対象期間について取締役等に交付等が行われる当社株式等の数(取締役等に付与されるポイントの数)の上限は、32万株に対象期間の事業年度数を乗じた株式数とします(現行の対象期間である4事業年度に対しては合計128万株)。なお、当該取締役等に交付等が行われる当社株式等の数の上限は、上記の当社が拠出する金員の上限を踏まえ、本制度の導入時の株価等を参考に設定しています。

  • (4)取締役等に対する当社株式等の交付等の方法および時期

    受益者要件を満たした取締役等は、原則として対象期間終了後、所定の受益権確定手続を行うことにより、株式交付ポイント数の50%に相当する当社株式(単元未満株式については切り捨て)の交付を受け、残りの株式交付ポイント数に相当する当社株式については、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。

    なお、対象期間中に受益者要件を満たす取締役等が死亡した場合には、当該時点における株式交付ポイント数に相当する当社株式について、その全てを本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を当該取締役等の相続人が受けるものとします。

  • (5)本信託内の当社株式に関する議決権

    本信託内にある当社株式(取締役等に交付等が行われる前の当社株式)については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使されないものとします。

  • (6)本信託内の当社株式の配当の取り扱い

    本信託内の当社株式にかかる配当は、本信託が受領し、本信託の信託報酬・信託費用に充当されます。信託報酬・信託費用に充てられた後、最終的に本信託が終了する段階で配当金の残余が生じた場合には、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属し、信託費用準備金を超過する部分については、当社および取締役等と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。

  • (7)その他の本制度の内容

    本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更および本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めます。

(参考)

当社子会社3社(日本メクトロン株式会社、ユニマテック株式会社およびNOKクリューバー株式会社。以下「当初対象子会社」という。)の取締役および執行役員(社外取締役および国内非居住者を除く。以下「当初対象子会社取締役等」という。)についても、各社の株主総会における承認を経て、2022年度から当社の取締役等と同様の制度を導入し、本制度と同一の信託を使用しています。なお、新たに当社子会社のシンジーテック株式会社(以下、当初対象子会社と併せて「対象子会社」という。)の取締役(社外取締役および国内非居住者を除く。以下、当初対象子会社取締役等と併せて「対象子会社取締役等」という。)についても、同社の株主総会における承認を経て、当社の取締役等と同様の制度を導入し、本制度と同一の信託を使用することを予定しています。

対象期間毎に各対象子会社が各対象子会社取締役等の報酬として拠出される金員の上限は、4社合計で235百万円に当該対象期間の事業年度数を乗じた金額(現行の対象期間である4事業年度については4社合計で906百万円)となる予定です。また、対象期間について各対象子会社取締役等に対して交付等が行われる当社株式等の数(各対象子会社取締役等に付与されるポイントの数)の上限は、 4社合計で23.5万株に対象期間の事業年度数を乗じた株式数(現行の対象期間である4事業年度については4社合計で91万株)となる予定です。

【参考:取締役の報酬方針】

当社は、以下のとおり取締役の報酬等の内容の決定に関する方針を定め、本方針に基づき、株主総会で決定した総額の範囲内で、監査等委員でない取締役の報酬に関しては取締役会にて、監査等委員である取締役の報酬に関しては監査等委員である取締役の協議により、それぞれ決定しております。

なお、当社は、役員の指名・報酬に関する客観性・透明性の向上を含む経営上の重要な課題に対応するため、取締役会の諮問機関として、指名・報酬諮問委員会(※補足:現在の経営監督会議)を設置し、役員の指名・取締役の報酬等の特に重要な事項について定期的な確認と、取締役会に対する適切な助言を行っております。指名・報酬諮問委員会は、社外取締役を委員長および主要な構成員とする会議体であり、指名・報酬等の経営上の重要な課題に関する確認・助言を行っております。

当社の、取締役の報酬に関する方針は、以下のとおりです。

  • ・方針の決定方法
    監査等委員でない取締役の報酬方針については、指名・報酬諮問委員会の助言も踏まえ、取締役会にて決定しております。また、監査等委員である取締役の報酬方針については、監査等委員である取締役の協議により決定しております。
  • ・基本方針
    当社グループは中長期的な企業価値の向上、およびステークホルダーの満足度向上を実現するため、当社グループの中核的な企業の取締役をはじめとする経営陣の目標達成意欲を、その報酬面から促すことが必要と考えております。そのため、当社グループの中核的な企業の経営陣に対しては、当社グループの中期経営計画における重点実施施策にかかるKPI達成度に応じて変動する自社株式報酬を導入しており、単年度の業績目標達成度に応じて変動する金銭報酬との両輪で、中長期的な企業価値の向上とステークホルダー満足度の向上を目指します。
  • ・個人別の報酬等の額または算定方法の決定方針
    監査等委員でない取締役の報酬は、各事業年度における業績の向上ならびに中長期的な企業価値の増大に向けて職責を負うことを考慮し、固定報酬部分・短期成果期待部分・長期成果期待部分からなる、基本報酬(金銭)・短期業績連動報酬(金銭)・中長期業績連動報酬(株式)の三区分としております。また、短期・長期成果部分が基準額であった場合、職責に応じて1~1.9内外の比率で報酬総額に階差を設けております。
    一方、監査等委員である取締役には、当社グループ全体の職務執行に対する監査・監督の職責を負うことから、その立場に鑑み、役割に応じた基本報酬(金銭)のみ支給いたします。
    なお、報酬の支給に関しては、急激な業績悪化や、企業価値毀損の事態があった場合は、臨時に減額または不支給とすることがあります。
  • ・業績連動報酬等に係る業績指標等の内容および額または数の算定方法の決定方針
    業績連動報酬は、取締役会で承認された賞与規程および株式交付規程に従い、評価項目の達成度に応じて、0%から200%の範囲で支給しております。
    短期業績連動報酬に係る評価指標は、規模拡大と利益水準の確保の両立を図るための財務指標(売上高および営業利益)と、個人の成果を適切に反映するための個人評価を採用し、その他業績に影響を与える事項(天災、特別損益等)を勘案して支給額を決定しております。各指標の評価加重は、売上高:営業利益:個人評価=15%:35%:50%としております(代表取締役社長は30%:70%:0%)。個人評価における目標設定および評価は、指名・報酬諮問委員会の答申を受け取締役会で決定することで、客観性・透明性を確保しております。
    中長期業績連動報酬に係る指標は、企業グループの総合的な収益力を高めると同時に、ESGを考慮した経営を進めるという理由から、財務指標をROA、非財務指標をFTSE Russell ESGスコアとしており、それぞれの評価加重を90%・10%としております。
  • ・非金銭報酬等の内容およびその額若しくは数またはその算定方法の決定方法
    中長期業績連動報酬については、当社グループの中長期的な業績向上と企業価値増大に対する取締役の貢献意欲を高めるため、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを活用しています。これは、対象となる取締役(監査等委員である取締役、社外取締役、国内非居住者を除く)および執行役員(国内非居住者を除く)に対し、役位・在任期間および中期目標の達成度等に応じて算定されるポイント数に応じた数の当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下、「当社株式等」という。)を交付および給付する制度です。
  • ・個人別の報酬等の額につき種類ごとの割合(比率)の決定方針
    当社の業域は自動車、電子機器等の部品の製造販売であり、業績が同業界の動向に左右され易い状況も勘案し、取締役の短期業績連動報酬・中長期業績連動報酬の割合は、それぞれ報酬総額の20%・20%としております。
  • ・報酬等を与える時期または条件の決定方針
    基本報酬は、定時株主総会後の取締役会において翌月から1年間の月額を決定し毎月支給とし、固定額を毎月一定日に支給しております。短期業績連動報酬は、取締役会において、期末決算に基づき、上記「業績連動報酬等に係る業績指標等の内容および額または数の算定方法の決定方針」に従い決定し、当該決算に係る定時株主総会までに支給しております。中長期業績連動報酬は、役位および在任期間に応じて算出される固定ポイントと、中期経営計画達成等に対するインセンティブを高めることを目的とする業績連動ポイントを毎年一定時期に付与し、原則として中期経営計画終了時に、固定ポイントの累計数に相当する当社株式等と、業績連動ポイントの累計数に、中期目標達成度に応じた業績連動係数を乗じた数に相当する株式等を交付および給付します。
  • ・個人別の報酬等の内容の決定方法
    個別の監査等委員でない取締役の報酬等の額またはその算定方法は、取締役会議長である取締役社長が、指名・報酬諮問委員会の助言も踏まえ、役員報酬案を取締役会に上程し、取締役会にて決定しております。
    監査等委員である取締役の報酬等の額については、監査等委員である取締役の協議により決定しております。