事業報告(2019年1月1日から2019年12月31日まで)
企業集団の現況
当事業年度の事業の状況
事業の経過及び成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、前連結会計年度後半から続く世界経済の減速に伴う生産活動の鈍化により景気動向は低迷したものの、秋以降徐々に回復の兆しが見え始めました。
世界経済につきましては、米中貿易摩擦の長期化や中東における地政学的リスク、英国のEU離脱問題の動向が懸念され、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの属しておりますエレクトロニクス業界につきましては、国内外で自動車の電装化や生産現場の自動化に伴う産業用ロボットの導入など、様々な場面で電子機器・部品や生産設備等の需要は堅調に推移しましたが、前述の世界経済の影響により生産活動については慎重な状況が続きました。
このような状況下、当社グループは、2017年を初年度とする四ヵ年の中期経営計画「第9次中期経営計画(2017年~2020年)」を策定し、オリジナル製品の拡販や新市場の開拓、海外事業の拡大に取組みました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は61,621百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は3,205百万円(前年同期比9.6%減)、経常利益は3,220百万円(前年同期比10.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,171百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
セグメントごとの概況
セグメントごとの概況は以下のとおりであります。
当社グループは、「第9次中期経営計画」の事業戦略である「オリジナル製品開発の強化」「海外ビジネス展開の強化」に沿った計数管理及び情報開示を行うため、当連結会計年度より、従来「国内販売事業」セグメントに含まれておりました当社海外事業本部と「海外子会社」セグメントを統合し、「海外事業」として報告セグメントの区分を変更しております。
また、各セグメントの前年同期比較につきましては、前年同期の実績を変更後の報告セグメントの区分に組替えた数値で比較しております。
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売上高構成比率
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(単位:)
売上高
前期比%減
当セグメントにつきましては、電子機器及び部品では半導体や情報システム機器の販売が、製造装置では二次電池生産用の製造装置の販売が、それぞれ好調に推移しました。しかし、中国経済の減速による生産調整の影響を受け、半導体やロボット産業の生産設備向けに「電子部品&アセンブリ商品」のコネクタやハーネスの販売が、半導体の生産設備向けに「エンベデッドシステム」の産業用PCの販売が、それぞれ減少しました。また、データセンター向けの無停電電源装置(UPS)は、大型案件があった前年同期の実績に至らなかったことから、当セグメントの売上高は41,544百万円(前年同期比5.9%減)、セグメント利益(営業利益)は1,166百万円(前年同期比28.4%減)となりました。
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売上高構成比率
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(単位:)
売上高
前期比%増
当セグメントにつきましては、電子機器及び部品を手掛ける部品事業部門は、売上、利益共に前年同期並みで推移しました。製造装置を手掛ける装置事業部門は、半導体ウェーハの生産用に半導体製造装置の販売が、レーザーダイオードや電子部品の生産用に電子部品製造装置の販売が、それぞれ好調に推移しましたが、前年同期の実績と比較し、開発コストが伴う新規製品の売上構成比が増加したことにより利益は前年同期の実績を下回りました。
この結果、セグメント間の内部売上高を含めた当セグメントの総売上高は9,962百万円(前年同期比0.9%増)となりました。また、外部顧客への売上高は3,501百万円(前年同期比4.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,121百万円(前年同期比18.0%減)となりました。 -
売上高構成比率
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(単位:)
売上高
前期比%増
当セグメントにつきましては、北米及び東アジア市場にて「電子部品&アセンブリ商品」「画像機器・部品」「半導体」の販売が、北米市場にて「電子部品製造装置」の販売が、それぞれ減少しましたが、東アジア市場にて「半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置」の販売が好調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は16,574百万円(前年同期比36.6%増)となり、セグメント利益(営業利益)は976百万円(前年同期比62.6%増)となりました。

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売上高構成比率
(単位:)
売上高
前期比%減
当セグメントにつきましては、電子機器及び部品では半導体や情報システム機器の販売が、製造装置では二次電池生産用の製造装置の販売が、それぞれ好調に推移しました。しかし、中国経済の減速による生産調整の影響を受け、半導体やロボット産業の生産設備向けに「電子部品&アセンブリ商品」のコネクタやハーネスの販売が、半導体の生産設備向けに「エンベデッドシステム」の産業用PCの販売が、それぞれ減少しました。また、データセンター向けの無停電電源装置(UPS)は、大型案件があった前年同期の実績に至らなかったことから、当セグメントの売上高は41,544百万円(前年同期比5.9%減)、セグメント利益(営業利益)は1,166百万円(前年同期比28.4%減)となりました。
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売上高構成比率
(単位:)
売上高
前期比%増
当セグメントにつきましては、電子機器及び部品を手掛ける部品事業部門は、売上、利益共に前年同期並みで推移しました。製造装置を手掛ける装置事業部門は、半導体ウェーハの生産用に半導体製造装置の販売が、レーザーダイオードや電子部品の生産用に電子部品製造装置の販売が、それぞれ好調に推移しましたが、前年同期の実績と比較し、開発コストが伴う新規製品の売上構成比が増加したことにより利益は前年同期の実績を下回りました。
この結果、セグメント間の内部売上高を含めた当セグメントの総売上高は9,962百万円(前年同期比0.9%増)となりました。また、外部顧客への売上高は3,501百万円(前年同期比4.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,121百万円(前年同期比18.0%減)となりました。 -
売上高構成比率
(単位:)
売上高
前期比%増
当セグメントにつきましては、北米及び東アジア市場にて「電子部品&アセンブリ商品」「画像機器・部品」「半導体」の販売が、北米市場にて「電子部品製造装置」の販売が、それぞれ減少しましたが、東アジア市場にて「半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置」の販売が好調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は16,574百万円(前年同期比36.6%増)となり、セグメント利益(営業利益)は976百万円(前年同期比62.6%増)となりました。
財産及び損益の状況
対処すべき課題
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、国内外で技術の進歩や高度化・複雑化が加速する中で合従連衡が進むなど、変化の激しい事業環境が続いております。こうした環境下で生き残りを果たしていくためには、成長が期待される市場を開拓し、付加価値の高い商品のモノづくりを行うことで安定的な成長と収益性を高めていくことが必要不可欠であると認識しております。
この課題に対処すべく、2017年を初年度とする四ヵ年の中期経営計画「第9次中期経営計画(2017年~2020年)」を策定いたしました。「第9次中期経営計画」では、長期的な視点に立った経営を重視し、長期ビジョンとして「グループ・ステートメント」を刷新すると共に、「目指す姿」を明確に規定いたしました。
[長期ビジョン]
○グループ・ステートメント
- 「Creator for the NEXT」
- ~エレクトロニクス業界を担う企業として、グループのネットワークを活かし、新しい価値をクリエイトする~
○目指す姿
- 「製販が融合した他に類を見ないユニークな企業」
- 「業界にとってなくてはならない特徴ある技術・製品を有する企業」
- 「社員にとって働き甲斐があり、誇りに思える企業」
- 「一致団結の強さと同時に自律能動的に動く組織」
こうした長期ビジョンのもと、「第9次中期経営計画」では、対処すべき課題に対し次の5つの“事業戦略”に基づく経営を推し進め、売上・利益の持続的な成長を図り、企業価値の向上を目指してまいります。
[事業戦略]
① 成長性重視の事業の再構築を推進
自動車、医療、インフラ、ロボット関連技術、航空宇宙など、成長が期待される市場を開発し、事業ポートフォリオの再構築を推し進めております。主な取組み事項として、これらの成長が期待できる事業分野に対して、社内プロジェクトを編成し、市場開拓に注力することで、徐々に安定的な成長の実績として成果が表れ始めております。
② オリジナル製品開発の強化
従来と同様に、オリジナル製品(「Daitron」ブランド)の開発・拡充を図り、収益性の更なる強化を推し進めてまいります。主な取組み事項として、オリジナル製品のラインナップ強化のため、製品開発部を設置し当社内での研究開発に注力しております。それに加えて、仕入先メーカーとの協業も進めてDaitronブランド製品のラインナップ強化に努めております。
③ 海外ビジネス展開の強化
電子機器・部品関連を中心とした安定的な売上拡大、海外市場における顧客の拡大、当社グループのネットワークを活かした地域独自の事業を開発しビジネスの拡大を推し進めてまいります。主な取組み事項として、2019年5月にベトナム(ハノイ)に拠点を新設し、グループの海外ネットワークの充実を進めるなど、グループ全体で海外ビジネスの展開を更に強化しております。また、インドや欧州への進出も視野に入れた調査も進めております。
④ マーケティング力と営業力の向上
2019年に国内では仙台に、海外では前述のベトナム(ハノイ)に拠点を新設し、更なる販売ネットワークの拡充に努めてまいりました。加えて、大規模な展示会だけでなく、取引先内での展示会に出展するなどの取組みを継続的に行い、新規取引先の開拓を積極的に行っております。また、取引先・仕入先との関係強化に取組み、更なる提案機会の拡大に努めてまいります。
⑤ 生産部門の統合強化
当社グループの基幹工場として新たに立ち上げた中部工場に、製造装置の生産を行う中部第二工場が完成し、2019年8月から本格的に操業を開始いたしました。同じ敷地内に、電子機器・部品と製造装置の生産工場が完成したことで、生産能力の拡大に加え、電子機器・部品と製造装置の技術と人材を融合させ、技術力、開発力の強化につなげてまいります。このような取組みによって、より高い付加価値の創造を目指す「製販融合路線」の経営を追求してまいります。
当社グループは前述の経営戦略に基づき、「製販融合路線」による“エレクトロニクス業界の技術立社”として独自の進化を図り、高成長及び高収益な企業グループを目指してまいります。
連結計算書類
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