第4号議案 取締役に対する業績連動型株式報酬制度の一部改定の件

1.提案の理由及び当該報酬制度を相当とする理由

当社の取締役の報酬は、固定報酬である「基本報酬」、業績に応じて変動する業績連動報酬としての「賞与」及び「株式報酬」で構成されているところ、このうち「株式報酬」は、2017年6月21日開催の第57回定時株主総会において、信託を用いた業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」といいます。)として株主の皆様のご承認をいただき導入したものですが、本議案は、本制度の内容を一部改定することについてご承認をお願いするものです。

なお、その詳細につきましては、下記2.の枠内で取締役会にご一任いただきたく存じます。

本制度は、取締役の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として導入しているものです。本議案による本制度の改定は、取締役の報酬全体における、株式報酬の割合を増やすことにより、かかる意識をより一層高めることを目的としております。

本制度による報酬枠は、従前と同様に、2012年6月21日開催の第52回定時株主総会においてご承認いただきました取締役の報酬の限度額(年額5億円以内。)とは別枠とします。また、改定後の本制度による報酬は、2024年3月末日で終了する事業年度から2025年3月末日で終了する事業年度までの2事業年度(以下「対象期間」といいます。)の間に在任する取締役(社外取締役及び非業務執行取締役を除きます。以下も同様です。)を対象とします。

また、当社は、2023年4月28日開催の取締役会において、本議案の承認可決を条件として取締役の個人別報酬等の決定方針の概要を事業報告37~39頁に記載のとおり変更することを決議しているところ、本議案は、当該変更後の方針に沿った報酬等を支給するために必要かつ合理的な内容となっておりますので、その内容は相当であると判断しております。

なお、第2号議案「取締役8名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる取締役は5名となります。

2.本制度における報酬等の額・内容等

(1)本制度の概要

   本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(2017年の本制度導入時に設定済みです。以下「本信託」といいます。)が当社株式を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される、という株式報酬制度です。

   本制度の継続にあたり、当社株式の取得資金として当社が本信託に拠出する金額の上限及び取締役に付与するポイント数の上限等を改定いたします。

   改定後の本制度に係る報酬等の額及び内容等は以下のとおりです。

(2)当社が拠出する金銭の上限

   当社は、設定済みの本信託の信託期間を2025年9月末日まで延長しており、改定後の本制度に基づき取締役に対し株式報酬として交付するために必要な当社株式の取得資金として、対象期間中に、合計金210百万円を上限とする金銭を対象期間中に在任する取締役に対する報酬として追加信託することといたします。

   なお、当社の取締役会の決定により、対象期間を5事業年度以内の期間を都度定めて延長するとともにこれに伴い本信託の信託期間を延長し(本信託と同一の目的の信託に本信託の信託財産を移転することにより、実質的に信託期間を延長することを含みます。以下も同様です。)、本制度を継続することがあります。この場合、当社は、当該延長分の対象期間中に、本制度に基づき取締役に交付するために必要な当社株式の追加取得資金として、当該延長分の対象期間の事業年度数に金105百万円を乗じた金額を上限とする金銭を本信託に追加信託し、下記(3)のポイント付与及び当社株式の交付を継続します。

   また、上記のように対象期間を延長せず本制度を継続しない場合であっても、信託期間の満了時において、既にポイントを付与されているものの未だ退任していない取締役がある場合には、当該取締役が退任し当社株式の交付が完了するまで、本信託の信託期間を延長することがあります。

(3)取締役に交付される当社株式の算定方法及び上限

   ①取締役に対するポイントの付与方法等

   当社は、当社取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、信託期間中の株式交付規程に定めるポイント付与日において、役位及び業績目標の達成度等に応じたポイントを付与します。

   ②付与されたポイントの数に応じた当社株式の交付

   取締役は、上記①で付与されたポイントの数に応じて、下記③の手続に従い、当社株式の交付を受けます。ただし、取締役に社内規程等の重大な違反や非違行為があった場合等には、所定の手続を行ったうえで、それまでに付与されたポイントの全部または一部は消滅し、消滅したポイント見合いの当社株式については交付を受けないものとします。

   なお、1ポイントは当社株式1株とします。ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、交付すべき当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、1ポイントあたりの当社株式数はかかる分割比率・併合比率等に応じて調整されるものとします。

   ③取締役に対する当社株式の交付

   各取締役は原則としてその退任時に所定の受益者確定手続を行うことにより、本信託から上記②の当社株式(なお、本議案による変更前の本制度に基づき付与されたポイント見合いの当社株式を含みます。)の交付を受けます。

   ただし、このうち一定の割合の当社株式については、源泉所得税等の納税資金を当社が源泉徴収する目的で本信託において売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。また、本信託内の当社株式について公開買付けに応募して決済された場合等、本信託内の当社株式が換金された場合には、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。

(4)議決権行使

   本信託内の当社株式に係る議決権は、当社及び当社役員から独立した信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないことといたします。かかる方法によることで、本信託内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しております。

(5)配当の取扱い

   本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。

(ご参考)取締役及び監査役のスキル・マトリックス

第2号議案が原案どおり承認可決された場合の取締役及び監査役のスキル・マトリックスは以下のとおりです。

(ご参考)社外役員の独立性に関する判断基準

社外役員の独立性に関する判断基準につきましては、会社法並びに株式会社東京証券取引所等国内の金融商品取引所が定める独立役員の要件に則り、以下(1)~(6)に該当しないことを、独立性の判断基準としております。

  • (1)現在又は過去10年間において、当社又は当社の子会社の業務執行者※(社外監査役については業務執行を行わない取締役を含む)であったこと。ただし、業務執行を行わない取締役又は監査役であった者については、就任前の10年間において当社又は当社の子会社の業務執行者であったことも含む。
  • (2)現在又は過去10年間において、当社の親会社の業務執行者又は業務執行を行わない取締役(社外監査役については監査役を含む)又は兄弟会社の業務執行者であったこと。
  • (3)現在又は過去1年間において、当社の株式を直接又は間接に10%以上保有している大株主若しくはその業務執行者であったこと。
  • (4)直近決算期において、当社との取引高(売上高又は仕入高)の2%を超える大口の取引先若しくはその業務執行者であったこと。
  • (5)過去1年以内に、当社から役員報酬以外に年間1,000万円以上の報酬支給を受けたコンサルタント、会計専門家、法律専門家又は税務専門家(当該報酬を得ている者が法人、組合等の団体である場合には当該団体に所属する者を含む)であったこと。
  • (6)次の(a)、(b)のいずれかに掲げる者(重要でないものを除く)の配偶者・二親等内の親族であったこと。
    • (a)現在又は過去1年間において、当社又は当社の子会社の業務執行者(社外監査役については業務執行を行わない取締役を含む。)ただし、現在において当社の業務執行を行わない取締役であることも含む。
    • (b)上記(2)~(5)に該当する者。

    ※業務執行者とは、業務執行取締役、執行役員、その他使用人等をいう。

(ご参考)取締役会全体の実効性に関する分析、評価

当社は、2022 年度の取締役会全体としての実効性に関して、各取締役の自己評価をベースに、取締役及び監査役全員を対象に取締役会の構成、運営状況、支援体制等について意見を求め、これらの意見とともに第三者評価機関による評価・分析も参考にし、ガバナンス委員会で審議・検討のうえ、取締役会において分析、評価を実施いたしました。

2022 年度の評価では、昨年度に引き続き、それぞれの項目において概ね高い水準を維持しており、当社の取締役会の運営は全体として適切であり、実効性が確保されていることを確認いたしました。一方で、中⾧期の経営戦略・方針に係る議論の深化や、議論を促すための運営体制の向上等について、意見や提言がありました。本評価結果等に基づき、取締役会の監査機能及び意思決定機能の更なる向上を図ってまいります。

(ご参考)政策保有株式に関する方針

当社は、政策保有株式の保有にあたっては、将来の事業化が見込まれ、戦略性を有する等の保有目的が認められることを前提に、投資リターンの実現確度が高く、当社の企業価値向上に資するものに限定する方針としております。

また、既に保有する政策保有株式に関しては、個別の株式に係る保有の合理性について毎年取締役会にて検証を行い、所期の投資目的の実現確度や、当社の企業価値向上に繋がる経済的付加価値を生出せているかといった観点から、保有・縮減の適否につき判断しております。

2023年5月18日開催の取締役会における検証結果は以下のとおりです。

当社保有の政策保有株式(全6銘柄)につき、個別銘柄毎に保有目的が適切であるか、保有に伴う便益やリスクが当社の資本コストに見合っているかを具体的に精査いたしました。その結果、保有が適切であると判断する銘柄も確認された一方で、一部の株式につき、今後保有意義を見極めたうえで縮減することを検討する銘柄も確認されました。

(政策保有株式の議決権行使基準)

政策保有株式の議決権の行使にあたっては、原則として棄権、白紙委任は行わないものとしております。また、短期的な業績・株価等の画一的な基準のみにより賛否を判断するのではなく、投資先企業の経営方針・戦略等の非財務情報も踏まえ、当社及び投資先企業の中長期的な企業価値の向上に繋がるかどうか等の観点から、個別議案を精査したうえで、各議案の賛否を判断しております。

(ご参考)取締役候補者及び監査役候補者の選任の方針と手続

  • 取締役候補者の選任の方針と手続
    当社の取締役会として、適切な経営の監督と重要な業務執行の意思決定を行えるよう、原則として社長CEOの他、CFO、CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)、CIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー)、各事業部門長等の役割を担う者の中から(業務執行)取締役候補者を指名するとともに、取締役会の経営監督機能を強化するため、社外取締役比率を3分の1以上とするべく、複数名の社外取締役候補者を指名します。社外取締役候補者については、各分野における経験を通じて培った高い見識をもって当社の経営に貢献することが期待される者を指名します。
    取締役候補者については、上記方針を踏まえて社長CEOが原案を作成し、ガバナンス委員会での審議・検討を経て、取締役会で株主総会への選任議案の提出を決定します。また、取締役として求められる資質や職務遂行能力を満たさない場合、ガバナンス委員会での審議・検討を経て、取締役会で株主総会への解任議案の提出を決定します。
  • 監査役候補者の選任の方針と手続
    当社の監査役として、経営の監査を適切に行えるよう、当社の経営に関する知見や、会計、財務、法律、リスク管理等の各分野で高度な専門知識を有し、広範囲にわたる経験を兼ね備えた者を監査役候補者として指名します。社外監査役については、高度な専門分野や各分野での豊富な経験を有しており、客観的な立場をもって当社の経営を適切に監査することが期待できる者を指名します。
    監査役候補者については、上記方針を踏まえて社長CEOが常勤監査役と協議のうえ原案を作成し、監査役会の同意を得たうえで、取締役会で株主総会への選任議案の提出を決定します。