わが国の経済は、好調な内外需を背景とした企業業績の回復とともに国内設備投資が堅調に推移する一方、日本国内のリース取扱高(公益社団法人リース事業協会統計)は減少しております。歴史的な金融緩和策の継続により、リース会社のみならず金融機関との競争も激化するなど、厳しい収益環境となっております。
さらに少子高齢化や生産年齢人口割合の低下など人口動態の変化やAI、ロボット、IoT、フィンテックなどの技術革新の進展により、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化することが予想されます。
こうした環境下、当社グループは更なる成長を実現するために2017年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画をスタートさせ、事業基盤の強化と新しい成長領域の創出により事業を成長させるとともに、IT強化と働き方改革の推進により組織能力を高め、更なる成長に向けた基盤作りを進めてまいります。
①中期経営計画ビジョン:「リース」の先へ
今中期経営計画期間である2017年度から2019年度を"「リース」の先へ"に向かう成長期として位置づけ、お客様の期待を軸に基盤事業周辺の新事業へ進出し、これまで取り組んでいない事業領域やリスクにチャレンジしながらお客様の期待を先取りした事業・商品を研究・開発することで、更なる成長の基盤を築いてまいります。そして、次の中期経営計画期間で"「リース」の先へ"に到達し、リースや金融だけでなく、環境・社会・お客様の発展に役立つサービス・商品を提供できる企業へと進化することを目指します。
②中期経営計画の戦略
Ⅰ.事業成長戦略
イ.ベンダーとのアライアンス強化と顧客網の最大活用による揺るぎない営業基盤づくり
当社が保有する40万社の顧客網に対する接点活動を強化しながら、ベンダーに対する有効なオファリングモデルの提供と戦略的な提携による関係強化を図ります。
ロ.リース以外の提供価値の創造
お客様、市場、時代が求める事業・商品を開発し、新たなリスクテイクによって事業領域を拡大します。
ハ.リコーグループ各社との協業によるリース+サービスビジネスの展開
製造、販売、物流などグループ各社が持つ強みを組み合わせた新たなサービスやビジネスモデルを創造します。
ニ.創エネ・省エネを軸とした新たな環境分野への挑戦
環境・再生可能エネルギー設備に対する取り組みを強化します。
ホ.社会の変化に対する課題を解決するための金融サービスの開発と提供
多様化する決済手段への対応を強化するとともに、人口動態の変化に対応した金融サービスの開発と提供を進めます。
Ⅱ.組織能力強化戦略
イ.多様化するニーズ・サービスに対応し、更なる商品力・業務効率化を追求する新プラットフォームの構築
新しい事業・サービス・商品の開発・提供を支えるため、またAI等の新しいテクノロジーを活用した業務効率化を推進するためのITインフラの整備を進めます。
ロ.社会、市場、働き方の変化に対応した人財マネジメント
時間、場所にとらわれない柔軟な働き方の実現による生産性の向上と、事業成長に向けた人員のシフトを進めます。また業績貢献に報いるための報酬制度を改定し、社員の成長意欲・チャレンジ精神を育みます。
Ⅲ.CSRの更なる推進
イ.事業活動を通じた環境負荷低減
環境貢献度の増大を目指した環境関連事業の拡大を図ります。
ロ.持続的な成長を実現するための各ステークホルダーへの貢献
社会的課題解決に向けて優先順位をつけた活動を推進します。
ハ.コーポレートガバナンスの継続的な強化
PDCAの強化による企業価値向上を目指します。
連結業績予想、中期経営計画の財務目標は、以下のとおりです。

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