第3号議案 第三者割当による募集株式発行の件

本議案は、会社法第199条の規定に基づき、以下の要領にて第三者割当による募集株式を発行することにつき、ご承認をお願いするものであります。

なお、本議案につきましては、第2号議案「定款一部変更の件」が承認可決され、定款変更の効力が生じることを条件といたします。

1.募集株式の内容

2.第三者割当による募集株式の発行理由

(1)割当予定先の選定の経緯

当社は、分譲マンション開発を中核事業に、商業開発、物流開発、ホテル開発や土地区画整理事業など多面的に不動産事業を展開する総合デベロッパーです。当社は、①情報力、企画力、商品開発力により、不動産が持つ無限の可能性を引出し顧客に心から満足いただける新たな価値を創造すること、②ROA(総資産利益率)およびキャッシュ・フローとリスクの徹底管理を主軸とした守りに強い業務管理を行うことにより、常に先手を取った攻めのできる経営を目指すこと、③急速に変化する社会において迅速な対応力と機動力を維持するため、少数精鋭のプロ集団を目指すこと、④社内社外を問わず常に同僚(他社)を敬い、感謝し、優良な協力関係を維持、構築すること、⑤コンプライアンスおよびガバナンスを意識して内部監査制度を充実させるとともに、ボトムアップの風通しの良い組織形成を行うことを経営方針として掲げ、その具現化に向けて邁進しております。

当社は、当社の強みである不動産事業に係る企画・事業ノウハウ等を活かし、中部電力グループ(2020年12月末時点において、中部電力株式会社(以下「中部電力」と言います。)を含む子会社38社および関連会社48社で構成されます。以下「中部電力グループ」と言います。)の強みであるエネルギー供給、中部圏での顧客基盤や電力事業で培った設備工事のノウハウ等を併せて活かすことにより相乗効果を生み出すことが可能となり、両社の企業価値の最大化が期待できると判断したことから、2018年8月28日付で中部電力との間で資本業務提携契約を締結し、同社の持分法適用関連会社となりました。その後、当社の連結ベースでの資産規模および業績は、2018年12月期の、総資産109,747百万円、純資産27,359百万円、売上高54,325百万円に対して、2019年12月期は、総資産132,696百万円(前年対比22,949百万円増)、純資産33,546百万円(前年対比6,187百万円増)、売上高72,106百万円(前年対比17,781百万円増)となり、2020年12月期は、総資産149,423百万円(前年対比16,727百万円増)、純資産38,627百万円(前年対比5,081百万円増)、売上高77,308百万円(前年対比5,202百万円増)となる等、不動産事業を順調に拡大してまいりました。特に中部圏を首都圏、関西圏と並ぶ重点事業エリアとして位置付け、2019年3月に名古屋支店を開設し、中部圏において中部電力グループとの共同事業としてマンション・商品開発事業に着手しております。具体的には、2019年6月に中部電力の子会社である中電不動産株式会社(以下「中電不動産」と言います。)との共同事業として分譲マンション用地(名古屋市東区)を取得して以降、2019年9月に分譲マンション用地(名古屋市東区)、2020年3月に事業用地(大阪府吹田市)、同年8月に事業用地(愛知県一宮市)をそれぞれ取得しており、名古屋市東区の取得用地につきましては、2021年から2022年に分譲マンションの供給開始を予定しております。また、同年8月には、当社グループが2016年から駐車場として運営していた事業用地を活用し、静岡県内での当社グループ初となる分譲マンション開発事業にも着手するなど、資本業務提携による中部電力とのシナジー効果を着実に拡大強化してまいりました。

しかしながら、日本国内のみならず世界的に拡大する新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの発生に伴い、経済活動が大幅に制限され社会経済環境も激変したことから、当社におきましても、ホテル案件の販売時期の見直しおよび物流用地の販売時期の期ズレの発生を理由として、2020年1月30日に公表した2020年12月期通期連結業績計画における連結売上高86,000百万円対して減収の見込みとなる修正を2020年12月22日付で公表いたしました。

そのような事業環境ではありますが、当社の連結売上高は2019年12月期72,106百万円に対して、2020年12月期は5,202百万円の増収の77,308百万円となりました。2020年12月期においては、新型コロナウイルス感染症が当社事業へ与える影響額を合理的に見積もることが出来なかったことから、2019年12月期の連結売上高を下回るような大幅な減収となる可能性も想定していたところ、2020年12月期の連結売上高は前年対比で増収となり、想定よりも影響は軽微に留まったことから、当社の中長期的な経営戦略に基づく更なる事業の拡大および経営の安定性の強化を進める絶好の機会であると認識するに至りました。また、当社は以下の2点を、中長期的な経営戦略の基本方針としております。

①想定外の経済環境の変化に耐えうる事業基盤の確立

いかなる経済環境下においても資金調達力を維持することができる、堅固な事業および財務基盤を確立させること。

②収益構造の変換と事業領域の拡大の同時実現

不動産賃貸事業の拡大により、フロー収益重視からストック収益重視の収益構造への転換を図ると同時に、事業の多様化および事業展開地域の拡大を実現させること。

上記2点の中長期的な経営戦略の実現のための最も有効な手段について様々な検討を重ねた結果、事業および財務基盤の強化を目的とした、中部電力を割当予定先として第三者割当の方法による当社普通株式(以下「本株式」と言います。)の発行(以下「本第三者割当増資」と言います。)を通じてコーポレートクレジットの高い中部電力の連結子会社となることで、当社の信用力向上による資金調達方法の多様化や資金調達コストの低減が可能となること、かつ中部電力グループとの更なる事業連携の推進を通じて大型まちづくりへの参入が可能となり、不動産情報量の増加も見込むことができること、ひいては当社の収益性の拡大ならびに経営の安定性の強化等により当社の企業価値をさらに高めることが可能と判断したことから、本第三者割当増資を実行することといたしました。

なお、本第三者割当増資が行われた場合、中部電力は当社のその他の関係会社から親会社となる予定です。中部電力とは2018年8月28日に資本業務提携契約を締結しておりましたが、更なる連携強化の促進等を目的として、2021年2月24日付で新たに資本業務提携(以下「本資本業務提携契約」と言います。)を締結することといたしました。

(2)発行条件等の合理性

①発行価格の算定根拠および発行条件の合理性に関する考え方

本第三者割当増資の発行価格(以下「本発行価格」と言います。)につきましては、本第三者割当増資にかかる取締役会決議日(以下「本取締役会決議日」と言います。)の直前営業日(2021年2月22日)の東京証券取引所における当社普通株式の終値769円といたしました。本取締役会決議の直前営業日における終値を採用しました理由は、直近の株価が現時点における当社の客観的企業価値を適正に反映していると判断したことからです。なお、本発行価格769円につきましては、本取締役会決議日の直前営業日までの過去1ヶ月間(2021年1月25日から2021年2月22日まで)の終値の平均値である768円に対して0.13%のプレミアム(小数点以下第3位を四捨五入。以下、平均株価の計算について同様に計算しております。)、直前営業日までの過去3ヶ月間(2020年11月24日から2021年2月22日まで)の終値の平均値である830円に対して7.35%のディスカウント、直前営業日までの過去6ヶ月間(2020年8月24日から2021年2月22日まで)の終値の平均値である850円に対して9.53%のディスカウントとなります。

本発行価額は、日本証券業協会が定める「第三者割当増資の取扱いに関する指針」に準拠したものであり、当社は、特に有利な発行価額には該当しないと判断しております。なお、本第三者割当増資に係る取締役会決議に関しては、取締役全員の賛成の下で成立しております。また、当社の常勤の監査等委員である社外取締役の西岳正義氏および監査等委員である社外取締役であり、かつ独立役員である溝端浩人氏ならびに福田正氏の3名から、本第三者割当増資の払込金額は、当社普通株式の価値を表す客観的な指標である市場価格を基準にしていること、および日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」を勘案して決定されていることから、特に有利な発行価額には該当せず適法である旨の意見を得ております。

②発行数量および株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠

本第三者割当増資により発行する本株式の数は26,619,000株(議決権数266,190個)の予定であり、2020年12月31日現在の発行済株式総数71,961,887株から自己株式2,344,400株を除いた69,617,487株に対して38.24%(2020年12月31日現在の発行済株式総数71,961,887株から同日現在の自己株式数2,344,400株および単元未満株式数10,287株を控除した69,607,200株に係る議決権数696,072個に対して38.24%)の割合で希薄化が生じることになります。

しかしながら、本第三者割当増資は、前記「2.(1)割当予定先の選定の経緯」に記載のとおり、割当予定先との事業連携の推進を通じて、当社の収益性の拡大および経営安定性の強化の達成を目的とし、本第三者割当増資による調達資金により、当社グループの更なる成長および収益性の確保を通じて当社の企業価値の向上につながることから、既存株主の皆様の利益にも中長期的に寄与することが期待できること、また、発行数量についても、かかる目的のもと、割当予定先との継続的な協議および交渉の結果として定められたものであること、加えて後記「2.(3)②割当予定先の保有方針」に記載のとおり、割当予定先は、本第三者割当増資により取得する本株式を中長期的に保有しつづける方針であり、安定株主になることが見込まれることから、今回の発行数量およびこれによる株式の希薄化の規模 は合理的であると判断しました。

(3)本第三者割当増資予定先の概要等

①割当予定先の概要(2020年3月31日現在)

②割当予定先の保有方針

当社は、割当予定先と中長期的なパートナーとして本資本業務提携契約を締結し、本第三者割当増資により両社の更なる事業連携を強化することが企図されているため、割当予定先が本第三者割当増資により取得する本株式を中長期的に保有する方針であることを口頭にて確認しております。

なお、当社は、割当予定先より払込期日から2年間において本第三者割当増資により取得した本株式の全部または一部を譲渡した場合は、その内容を当社に対し書面により報告すること、当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること、および当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。

3.本資本業務提携の内容

本資本業務提携の概要につきましては、以下のとおりです。なお、本資本業務提携契約の締結に伴い、2018年8月28日付で中部電力との間で締結した資本業務提携契約は効力を失います。

(1)業務提携の内容

当社と中部電力は、2021年2月24日付で新たに締結した本資本業務提携契約において、両社の事業の発展および企業価値向上のため、以下に掲げる事項を主なテーマとして業務提携を行うことについて合意しております。

  • ア.エネルギー供給・設備工事に関する連携強化
  • イ.次世代型スマートハウスまたはコネクティッドホーム等に関するビジネスについての共同研究および共同実施
  • ウ.中部電力グループである中電不動産との更なる連携強化
  • エ.中部電力グループの遊休地または低利用地の有効活用および開発に係る連携強化
  • オ.まちづくり事業等社会貢献に資する事業の協同取組

なお、業務提携の詳細については、本資本業務提携契約締結後に、当社および中部電力との間で協議していく予定です。

(2)資本提携の内容

当社は、上記に記載のとおり、本第三者割当増資により発行される新株式の発行により、中部電力を割当先として当社の普通株式の割当を行います。