第9号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く。)等に対する業績連動型株式報酬制度等に基づく報酬額等の算定方法等決定の件

1.提案の理由及び当該株式報酬等を相当とする理由

当社は、2022年6月22日開催の第135期定時株主総会において、「取締役等に対する業績連動型株式報酬等の額及び内容の一部改定等の件」として、業績連動型株式報酬制度を継続することにつき株主の皆様にご承認いただきました。
今般、第2号議案「定款一部変更の件」が原案どおり可決され効力を生じますと、当社は監査等委員会設置会社に移行いたします。これに伴い、その内容を当該制度対象期間の途中(現在の対象期間は2022年4月1日から開始する3事業年度(2025年3月末日まで))において一部改定し継続するものです(改定後の業績連動型株式報酬制度を、2.において「本業績連動型株式報酬制度」といいます。)。
本議案は、監査等委員会設置会社への移行及び昨年実施した株式分割等に伴いご承認をお願いするものであり、本制度に係る実質的な報酬額等の内容は、2022年6月22日開催の第135期定時株主総会においてご承認いただきました内容と基本的に同一であることから、相当であると考えています。
第3号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」が原案どおり可決され効力を生じますと、対象となる本総会終結後の取締役は4名(社外取締役3名は対象者ではありません。)となります。また、本制度は、取締役を兼任しない執行役員(ただし、兼務執行役員を除きます。)も対象としており、本株主総会終結時点において、本制度の対象となる上述の執行役員は22名を予定しています。
本議案は、第2号議案「定款一部変更の件」による定款変更の効力発生を条件として、効力を生じるものといたします。

2.本業績連動型株式報酬制度等における報酬等の内容

  • (1) 本業績連動型株式報酬制度の概要
    本業績連動型株式報酬制度は、第6号議案及び第8号議案でご提案する基本報酬及び業績連動型金銭報酬とは別に、当社が拠出する金銭を原資として当社が設定した信託が当社株式を取得し、当該信託を通じて取締役等に当社株式の換価処分金相当額の金銭及び当社株式(以下、これら金銭と当社株式を併せて「当社株式等」といいます。)の給付及び交付(以下、「交付等」といいます。)を行う株式報酬制度であり、その内容の概要は次のとおりです。
  • (2) 当社が拠出する信託金の上限額等
    本業績連動型株式報酬制度は、連続する3事業年度(当初は2022年4月1日から開始する3事業年度(2025年3月末日まで)とし、後記の信託期間の延長が行われた場合には、以降の各3事業年度とします。以下、これら連続する各3事業年度を「対象期間」といいます。)を対象とします。
    当社は、対象期間ごとに合計16億円を上限とする信託金(信託費用等を含んだ額。以下、同じとします。)を、取締役等への報酬として拠出し、受益者たり得る取締役等を受益者とする信託期間約3年間の信託(以下、「本信託」といいます。)を設定(後記の信託期間の延長を含みます。以下、同じとします。)します。
    本信託は、信託管理人の指図に従い、信託金を原資として当社株式を株式市場から取得します。当社は、信託期間中、取締役等に対する株式交付ポイント(下記(3)のとおりとします。以下、「ポイント」といいます。)の付与を行い、信託期間中に、当社株式等の交付等を行います。
    なお、本信託の信託期間の満了時において、新たな信託の設定に代えて信託契約の変更及び追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、当初の信託期間と同一期間だけ本信託の信託期間を延長し、信託期間の延長以降の3事業年度を対象期間とします。当社は、延長された信託期間ごとに、合計16億円の範囲内で、追加拠出を行い、引き続き延長された信託期間中、取締役等に対するポイントの付与を継続し、延長された信託期間中に、当社株式等の交付等を行います。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除きます。)及び金銭(以下、これら当社株式と金銭を併せて「残存株式等」といいます。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、16億円の範囲内とするため、残存株式等の金額の分だけ新たに拠出する金額は減少いたします。
  • (3) 取締役等が取得する当社株式等の数の算定方法及び上限
    役位固定部分については毎事業年度終了後に「固定ポイント」を付与し、固定ポイントに応じた数の当社株式等を対象期間中の各事業年度終了後、毎年交付等します。業績連動部分については3事業年度終了後、「変動ポイント」に業績連動係数を乗じたポイントを付与し、ポイント数に応じた当社株式等を対象期間終了後に交付等します。1ポイントは、当社株式3株とします。ただし当社株式について、株式分割・株式併合などを行った場合には、当社株式の分割比率・併合比率などに応じて、対象者が取得する株式の上限数及び1ポイント当たりの当社株式数を調整します。
    当該ポイントの算定にあたって用いる業績連動指標は、配当込み当社TSR及び当社が掲げるESGに関する考え方を踏まえた当社独自のESG指標とし、当社TSRについては、対象期間中の東証株価指数(TOPIX)成長率及び競業他社TSRとの比較によって達成度を測ります。それぞれの指標の達成度に応じ、業績連動係数は0~2.0の範囲で変動します。
    本信託により取締役等に交付される当社株式等の総数は、対象期間である3年ごとに300万株(ただし、2022年10月1日の株式分割後を基準とした株式数であり、分割前においては100万株です。また前記のとおり更なる株式分割・併合などにより形式的に調整される可能性があります。)を上限とします。この上限株式数は、上記(2)の信託金上限額等を踏まえ、設定したものであり、発行済株式の総数(2022年3月31日時点、かつ、自己株式控除後)に対する割合は約0.6%です。また、当社株式は株式市場から取得するため、希薄化は生じません。
    なお、固定ポイントに基づき毎年交付される株式には、交付後3年間の譲渡制限を設けるものとします。また、全ての交付株式について、別途、インサイダー取引規制の観点から定めた社内規程による譲渡制限が適用されます。
  • (4) 対象取締役等に対する当社株式等の交付等の時期
    受益者となる取締役等は、毎事業年度経過後に、固定ポイントより算出された株式数の一定割合を市場で売却して得られる金銭の給付を受け、残りの当社株式について交付を受けるものとします。また、対象期間終了後には、3事業年度分の変動ポイントに業績連動係数を乗じた数の合計に基づき算出された株式数の一定割合を市場で売却して得られる金銭の給付を受け、残りの当社株式について交付を受けるものとします。
    なお、信託期間中に取締役等が退任する場合(自己都合により退任する場合及び解任される場合を除きます。)又は役位変更により制度対象者ではなくなった(変動ポイントについては、固定ポイントのみを対象とする役位への変更を含みます。以下、同じとします。)場合は、当該取締役等は、所定の手続きを経た後遅滞なく、退任又は制度対象者でなくなった時までの固定及び変動ポイント数(変動ポイントについては、その時までのポイント数を前記の3事業年度の業績連動指標及び係数に関する考え方を勘案して別途個別に報酬諮問委員会において評価し、取締役会にて定めます。以下の2段落においても同じとします。)を基に算定される株式数の一定割合を市場で売却して得られる金銭の給付を受け、残りの当社株式について交付を受けるものとします。本改定発効前に当該事象が発生した場合も同じとします(以下の2段落についても同じとします。)。
    また、信託期間中に取締役等が死亡した場合、所定の手続きを経た後遅滞なく、死亡時までのポイント数を基に算定される株式数の当社株式を市場で売却して得られる金銭について、当該取締役等の遺族が給付を受けるものとします。
    信託期間中に取締役等が国内非居住者となった場合、当該取締役等は、その時点までのポイント数を基に算定される株式数の当社株式を市場で売却して得られる金銭について給付を受けるものとします。
  • (5) 本信託内の当社株式に関する議決権
    本信託内にある当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中議決権は行使されないものとします。
  • (6) マルス・クローバック
    対象期間中に制度対象者が不正行為等の非違行為を行った場合、本業績連動型株式報酬制度に基づき付与された全ポイントを没収し、又は本業績連動型株式報酬制度に基づき交付等された株式等(役位固定部分にかかるもの)の価値に相当する金銭の賠償を過去3年に遡及して求めることがあります。
  • (7) その他の本業績連動型株式報酬制度の内容
    本議案の範囲内で、本業績連動型株式報酬制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加拠出等の都度、取締役会において定めるものといたします。ただし、本業績連動型株式報酬制度に重大な影響を与える変更等については、法令の要件に従い再度株主総会の決議によるご承認をお願いすることとします。
  • (8) 国内非居住により本業績連動型株式報酬制度の対象者にならない者に関する措置
    国内非居住であることによって本業績連動型株式報酬制度の対象外となる取締役又は執行役員については、同様の仕組みにより算出・付与されたポイント相当の金銭を別途(基本報酬及び業績連動型金銭報酬とは別に)会社より支給する(株式の交付はしない)ものとします。支給の時期及び方法等は、株式による支給と同等といたします。
    なお、当該ポイント相当数の金銭の価額については実際の支給時期の株価によって定まることとなり現時点では確定いたしませんが、当該報酬は国内非居住であることによって本業績連動型株式報酬制度の対象外とされる者のみに支給されるものであること、及びその算出方法は本業績連動型株式報酬制度と同様であることから、過大な報酬とはならないと考えています。また、本株主総会終結時点で本措置の対象となる取締役はいません。

(ご参考)

1.取締役等の報酬枠の概略図

  • (※1)改定後の基本報酬額の総額年額510百万円以内のうち、社外取締役分は総額で年額150百万円以内です。
  • (※2)業績連動型株式報酬の金額については、当社が拠出する信託金の上限額です。
  • (※3)本業績連動型金銭報酬制度及び本業績連動型株式報酬制度の対象者には、一定の要件を満たした執行役員も含んでおり、上記の上限額はそれら執行役員も含めた各制度の対象者全員にかかる上限額です。
  • (※4)国内非居住であることによって本業績連動型株式報酬制度の対象外となる者にかかる分を含みません。

2.報酬構成のイメージ図

(※)上記割合は、各ケースにおける想定値で、役位により変動します。

3.本業績連動型金銭報酬の支給及び本業績連動型株式報酬の交付等のイメージ図

4.当社の取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針について

当社の取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針(「役員等の報酬決定に関する方針」)につきましては、インターネット上の次のページ(https://www.nyk.com/profile/gvn/guideline/)よりご参照ください。