【第2号議案および第3号議案に関連して】

第2号議案および第3号議案は役員報酬制度の見直しに関連した議案であります。当該議案の主なポイントにつきまして、その概要は次のとおりです。

  • 第2号議案は、当社の取締役(社外取締役を除く)に対して新たに業績連動型株式報酬制度を導入すること、および当該制度に対し、1事業年度あたり1億円(3事業年度で3億円)の金員拠出の上限枠を新たに設定することをお願いするものです。
  • 第3号議案は、現在年額7億5千万円以内としている取締役の報酬等の総額について、金銭報酬を年額6億円以内(うち社外取締役分は年額2億円以内)とするとともに、役員持株会を通じた当社の普通株式の取得のための資金として当社が取締役(社外取締役を除く)に対して支給する額を、年額5千万円以内とすることをお願いするものです。
  • 上記により取締役の報酬等については、①金銭報酬の額:年額6億円以内、②役員持株会を通じた当社株式の取得のための資金として取締役に支給する額:年額5千万円以内、③業績連動型株式報酬制度に拠出する金員:年額1億円以内、の三種類の構成となり、全てを合計した場合は年額7億5千万円以内と、従来の水準を維持します。

<会社提案>

第2号議案 取締役に対する業績連動型株式報酬等の額および内容決定の件

1.提案の理由および当該報酬等を相当とする理由

本議案は、当社の取締役(社外取締役を除く。以下本議案において同じ。)に対する報酬等として、第3号議案「取締役の報酬等の額および内容改定の件」で提案させていただく取締役の報酬とは別枠で、当社の中期経営戦略の達成度などに応じて当社株式の交付を行う業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)の導入をお願いするものであります。

本制度の導入は、当社の中期経営戦略の実現に向けて、取締役の報酬と当社の企業価値との連動性をより明確にし、中期経営戦略における財務目標達成に向けた意欲を高めることおよび取締役の自社株保有の促進により株主の皆様との利益共有を一層進めることを目的としており、また、当社は2021年5月12日開催の取締役会において、本議案をご承認いただくことを条件として新たな取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を定めており、その概要は事業報告49〜50頁に記載のとおりでありますが、本議案は、当該方針に沿う内容の取締役の個人別の報酬等を付与するために必要かつ合理的な内容となっていることから、本議案の内容は相当であると考えております。

これにより、取締役の報酬は、月額報酬(基本報酬)、賞与(短期の業績連動報酬)ならびに役員持株会を通じた株式取得および業績連動型株式報酬(中長期の業績連動報酬)の三種類で構成されることになり、当該事業年度の会社業績に加えて、中長期的な企業価値が報酬に反映されるバランスのとれた報酬体系となります。

本制度の対象となる現在の当社の取締役の員数は、4名であります。

なお、当社は、報酬決定プロセスにおける透明性・客観性を担保するため、取締役会の事前審議機関として、独立社外取締役2名を含む4名の取締役で構成される人事・報酬委員会を任意に設置しており、本制度の導入については、人事・報酬委員会の審議を経ております。

2.本制度における報酬等の額および内容

(1)本制度の概要

本制度は、当社が拠出する取締役の報酬額を原資として、信託が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当該信託を通じて取締役に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)の交付および給付(以下「交付等」という。)を行う株式報酬制度です。詳細は下記(2)以降のとおりです。

(2)当社が拠出する金員の上限

本制度の対象となる期間は、当社が掲げる中期経営戦略の対象となる事業年度(以下「対象期間」という。)とします。なお、当初の対象期間は2022年3月31日で終了する事業年度から2024年3月31日で終了する事業年度までの3事業年度とします。

当社は、取締役に対する交付等の対象とする当社株式の取得のために、対象期間において、1億円に当該対象期間の年数を乗じた金額(当初の対象期間である3事業年度に対しては3億円)の範囲内で信託金を拠出し、受益者要件を充足する取締役を受益者として対象期間に相当する期間の信託(以下「本信託」という。)を設定します。本信託は、信託管理人の指図に従い、当該信託金を原資として、当社株式を株式市場から一括して取得します。当社は、対象期間中、取締役に対するポイント(下記(3)のとおり。)の付与を行い、あらかじめ定められた一定の時期に付与されたポイント数に相当する当社株式等の交付等を本信託から行います。

なお、本信託の信託期間の満了時において、新たな本信託の設定に代えて信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、その時点の中期経営戦略に対応する年数が新たな対象期間となり、本信託の信託期間も当該新たな対象期間と同一期間延長します。当社は、延長された信託期間ごとに、1億円に当該新たな対象期間の年数を乗じた額の範囲内で追加拠出を行う予定です。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除く。)および金銭(以下「残存株式等」という。)があるときは、取締役を対象とする報酬に相当する残存株式等の金額と当社が追加拠出する信託金の合計額は、1億円に当該新たな対象期間の年数を乗じた額の範囲内とします。この信託期間の延長は、一度だけに限らず、その後も同様に信託期間を再延長することがあります。

(3)取締役に対して交付等が行われる当社株式等の数の算定方法および上限

信託期間中の毎年一定の時期に、取締役に対して、役位に応じて、以下の算定式により計算されるポイント(以下「基準ポイント」という。)が付与され、対象期間の最終事業年度末日直後の一定の時期(当初の対象期間については2024年6月頃を予定)に、信託期間中に累積した基準ポイント数(以下「累積ポイント数」という。)に業績連動係数を乗じて計算されるポイント数(以下「株式交付ポイント数」という。)に基づき、交付等を行う当社株式数が決定されます。

業績連動係数は、当社の中期経営戦略に掲げる財務目標などで評価するものとし、当初の対象期間については、対象期間の最終事業年度(2024年3月期)のEPS成長等の財務目標達成度に基づき、0〜150%の範囲で決定します。

(基準ポイントの算定式)
役位別に定める基準株式報酬額 ÷ 対象期間開始月の前月の東京証券取引所における当社株式の終値の平均値(小数点以下の端数は切り捨て)

本信託を通じて取締役に交付等が行われる当社株式等の数は、1ポイントあたり当社株式1株とし、1ポイント未満の端数は切り捨てます。ただし、当社株式について信託期間中に株式分割・株式併合などを行った場合には、当社株式の分割比率・併合比率などに応じて、1ポイントあたりの当社株式数を調整します。

なお、信託期間中に取締役が退任または死亡した場合には、当該時点までに累積したポイント数を株式交付ポイント数として、交付等を行う株式数を決定します。

本信託の信託期間中に取締役に対して付与されるポイント数の上限は、47,000ポイントに対象期間の年数を乗じたポイント数とし、また、信託期間中に本信託が取締役に交付等を行うために取得して取締役に交付等を行う当社株式の数の上限は、当該上限ポイント数に相当する株式数とします(以下「上限交付株式数」という。)。そのため、3事業年度を対象とする当初の対象期間中に対応する上限交付株式数は、141,000株(1ポイントにつき当社株式1株の場合)となります。なお、上限ポイント数および上限交付株式数は、上記(2)の当社が拠出する金員の上限を踏まえて、直近の株価等を参考に設定しています。また、上記(2)により本信託の継続が行われた場合、延長された信託期間に取締役に対して付与されるポイント数の上限は、47,000ポイントに新たな対象期間の年数を乗じたポイント数とし、また、信託期間中に本信託が取締役に交付等を行うために取得して取締役に交付等を行う当社株式の数の上限は、当該上限ポイント数に相当する株式数とします。

(4)取締役に対する株式交付等の条件、時期および方法

取締役が当社の取締役および執行役員その他当社の取締役会が定める地位を全て喪失した場合、国内非居住者となった場合、在任中に死亡した場合その他当社の取締役会が定める株式交付等の条件を充足した場合には、当該充足後において、取締役に対して当社株式等の交付等を行います。ただし、取締役が当社の意思に反して自己都合により退任した場合(ただし、傷病などのやむを得ない事情による場合は除く。)または取締役の解任事由に相当する行為を原因として解任された場合には、株式交付等の条件は充足しないものとします。

受益者要件を充足した取締役は、株式交付ポイント数の一定割合に相当する数の当社株式(単元未満株式については切り捨て)の交付を本信託から受け、残りの株式交付ポイント数に相当する数の当社株式については、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。

なお、信託期間中に取締役が死亡した場合には、当該時点で計算した株式交付ポイント数の全部に相当する当社株式について、本信託内で換価した上で、当該取締役の相続人が、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。

(5)クローバック制度等

取締役に重大な不正・違反行為等が発生した場合又は取締役が当社の許可なく同業他社に就職した場合、当該取締役に対し、本制度における当社株式等の交付等を受ける権利の喪失又は没収(マルス)、交付した当社株式等相当の金銭の返還請求(クローバック)ができる制度を設けます。

(6)本信託内の当社株式に関する議決権

本信託内にある当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使されないものとします。

(7)本信託内の当社株式の配当金

本信託内の当社株式に係る配当金は、本信託が受領し、本信託の信託報酬・信託費用に充てられます。信託報酬・信託費用に充てられた後、最終的に本信託が終了する段階で配当金の残余が生じた場合には、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属し、信託費用準備金を超過する部分については、当社および取締役と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。

(8)その他の本制度の内容

本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更および本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めます。

(ご参考)

なお、当社は、本議案が原案どおり承認可決されることを条件に、当社の執行役員ならびに当社が定める主要子会社の取締役および執行役員についても本制度の対象として同一の信託を使用する予定です(主要子会社の取締役については、各主要子会社における株主総会の承認可決を条件とします。)。なお、当社の執行役員ならびに当社が定める主要子会社の取締役および執行役員に係る報酬額および株式数は本議案の対象としておりません。

本制度の詳細につきましては、2021年5月12日付適時開示「当社および当社主要子会社の取締役等に対する業績連動型株式報酬制度の導入に関するお知らせ」をご参照ください。