<株主(89名)からのご提案>
第9号議案 定款一部変更の件(3)
◆提案の内容
以下の章を新設する。
第8章 使用済み燃料及び高レベル放射性廃棄物
第46条 本会社は搬出先が確定していない使用済み燃料及び高レベル放射性廃棄物の排出を禁止する。
◆提案の理由
高速増殖炉「もんじゅ」は1兆円以上の費用をかけたが,ほとんど動かすことなく廃炉となった。
六ヶ所再処理工場も完成予定が既に22年も遅れ,その間,当初7,600億円とされていた建設費は約3兆円に膨んでいる。
核燃料サイクルは実現性,経済性,合理性が無く既に破たんしている。
使用済み核燃料,特に使用済みMOX燃料は,たとえ中間貯蔵できても政治的,技術的問題等で再処理できず,行き場を失う可能性が大きい。
さらに,再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物の処分場については目途さえ立たない状況である。
瑞浪超深地層研究所は処分のための研究施設であるが,地元首長の強い意志により2022年1月までに埋め戻しされることが決められた。研究所であってもその存在が,住民にとっては不安に通じるからである。
数十万年もの間,隔離しなければならない猛毒な放射性物質を処理,処分の目途もなく排出するのは企業倫理に反する行為である。
○取締役会の意見
エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,安全の確保と地域の信頼を最優先に,引き続き原子力を重要な電源として活用することが不可欠であります。さらに,エネルギー資源の有効利用や廃棄物減容の観点から,原子燃料サイクルを確立することが重要と考えております。
また,使用済MOX燃料は,使用済ウラン燃料と同様に安全に貯蔵することができ,その再処理についても国内外で実績があります。
高レベル放射性廃棄物の最終処分につきましては,国と原子力発電環境整備機構が進めておりますが,当社としては廃棄物の発生責任者として国や同機構と連携しながら地域のみなさまとの対話活動を通じてご理解が深まるよう取り組んでまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。