<株主(89名)からのご提案>

第8号議案 定款一部変更の件(2)

◆提案の内容

 以下の章を新設する。

第7章 脱原子力発電

第45条 本会社は,再稼動の見込みのない浜岡原子力発電所を廃止し,他社の原子力発電に関する出資,債務保証を中止する。

◆提案の理由

 浜岡原発は申請から5年を費やしても新規制基準の審査に合格する目処が立たない。約4千億円の対策工事を実施してきたにも関わらず,南海トラフ巨大地震での津波想定については,原子力規制委員からも更に厳しい条件設定を求められ,再び防波壁の嵩上げを検討せざるをえなくなった。
 そもそも浜岡原発は,直下地震での上下方向の揺れの想定が甘すぎ,耐震性に懸念がある。
 たとえ審査に通っても,地元住民の反対は根強く,再稼動できる見込みは薄い。
 一方,本会社は日本原電と北陸電力に対して,発電できない原発の維持費を毎年数百億円も支払い続けている。
 発電もせず維持費・工事費が嵩む原発は,会社の経営にとって重荷でしかない。
 浜岡原発の廃炉を発表すれば株価は上がる。それを日立が実証した。日立の株価は昨年末2,800円だったが,英国の原発から撤退を発表して一時は3,500円,3月も3,100円と1割以上も高い。
 故に原発からは撤退すべきである。

○取締役会の意見

 エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,安全の確保と地域の信頼を最優先に,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
 浜岡原子力発電所においては,従前より自主的に地震・津波対策や重大事故対策に取り組んでおり,原子力規制委員会が策定した新規制基準を踏まえて,さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。今後も新規制基準への対応にとどまることなく,安全性をより一層高める取り組みを継続的に進めてまいります。
 また,他社の原子力電源についても自社電源と同等の扱いをしていることなどから,必要な出資および債務保証を実施しております。
 したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。

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