<株主(79名)からのご提案>

第9号議案 定款一部変更の件(5)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第11章
石炭火力発電からの電力調達
第49条
本会社は,地球温暖化の原因とされる二酸化炭素排出量が多い石炭火力発電による電力を調達しない。

◆提案の理由

世界の平均気温が産業革命から1℃上昇しただけで,巨大化した台風や大規模森林火災など各地で自然災害が多発している。

地球温暖化問題は「気候変動」から「気候危機」になった。

2015年のパリ協定では気温上昇1.5〜2℃を目標としていたが,これでは全く足りず,現在では多くの国が1.5℃未満を目標としている。

今後10年で大幅なCO2の削減がなければ2030年には1.5℃に達し,その後3℃以上の上昇になってしまうからだ。

日本の最大のCO2排出源は石炭火力発電所である。最新鋭の高効率の発電所でも,天然ガス発電の2倍の排出量がある。

当社関連の(株)JERAの武豊5号は107万kWの大規模発電所であり,年間CO2排出量は569万t。これは50〜100万人の1年間の排出量に相当する。

石炭火力発電所からの電力調達は「地球環境の保全に努めます」とうたう当社のコンプライアンス基本方針に反することから,これを止める。

○取締役会の意見

当社は,地球温暖化対策をはじめとした環境保全への取り組みを最も重要な経営課題の一つとして位置づけ,積極的に推進しております。具体的には,原子力発電の継続的な活用,再生可能エネルギーの推進を図ってまいります。また,高効率な火力発電の導入につきましても,JERAの自律性を尊重しつつ,株主として適正に関与してまいります。

石炭は,わが国の第5次エネルギー基本計画において,「現状において安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源の燃料」であり,「高効率化・次世代化を推進するとともに,非効率石炭のフェードアウトに取り組むなど,長期を展望した環境負荷の低減を見据えつつ活用していくエネルギー源」と位置づけられております。

現在JERAが開発を進めている武豊火力発電所5号機においては,最新鋭の高効率発電設備を採用しており,さらに,バイオマス混焼が可能な設備とするなど,可能な限り環境負荷の低減に努めております。

今後も,石炭火力発電を含め,各種電源を「S(安全性)+3E(安定・安価・環境への適合)」の観点からバランスよく組み合わせた電力調達に努めることが重要と考えております。

したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。

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