<株主(79名)からのご提案>

第8号議案 定款一部変更の件(4)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第10章
プルトニウムの分離・抽出,使用及び他者への売却・譲渡
第48条
本会社は,使用済み核燃料からのプルトニウムの分離・抽出を行わない。

② 再処理で分離・抽出したプルトニウムを加工したMOX燃料は使用しない。

③ 既に分離・抽出したプルトニウムを他者に売却又は譲渡してはならない。

◆提案の理由

本会社が保有する核分裂性プルトニウムは,MOX燃料として加工し浜岡原発4号機と電源開発(株)の大間原発で消費する計画である。

しかし2原発の再稼動は不確定である上,軽水炉でのプルトニウム燃料利用は技術的にも経済的にも全くメリットがない。値段が高いことに加え,使用済みとなったMOX燃料の処理方法には具体的計画もなく,発熱量が高いため乾式貯蔵するにも百年単位の時間がかかる。トラブル続きの再処理事業と同様,今後もコストが膨張していくのは必然だ。

六ケ所再処理工場は竣工時期が23年も遅れ,建設費は4倍に増大して,既に事業費は約14兆円。高速増殖炉計画の頓挫で核燃料サイクル政策は既に破綻したのに,プルトニウムの抽出・利用に拘泥していては,エネルギー情勢の変化に対応できない。再処理の中止には合理性があり,現存するプルトニウムについては,安全且つ軍事転用が不可能な形で長期保管管理する方法を検討すべきである。

○取締役会の意見

エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,安全の確保と地域の信頼を最優先に,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であります。さらに,エネルギー資源の有効利用や廃棄物減容の観点から,原子燃料サイクルを確立することが重要と考えております。

使用済MOX燃料を含むすべての使用済燃料の再処理については,再処理等拠出金制度のもと,使用済燃料再処理機構が資金を安定的に確保し,適切かつ効率的に原子燃料サイクル事業を実施していくこととしております。

なお,使用済燃料を再処理して回収したプルトニウムについては,2018年7月に原子力委員会が決定した「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」に基づき,MOX燃料に加工することで適切に消費してまいります。

したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。

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