事業報告(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)

企業集団の現況

(1)当事業年度の事業の状況

事業の経過及び成果

【全般的状況】
 わが国の経済は、政府の経済対策等により企業及び個人の所得拡大は底堅く推移しております。一方で過重労働問題や人手不足倒産などにみられるように、労働力不足が成長のボトルネックとなりつつあり、働き方改革など労働環境を改善し労働生産性を向上させる取り組みを、官民あげて加速させることが求められています。
 このような経済環境のもと、当社グループにおける受注は順調に推移しております。売上に関しても、コンサルティング・システム開発事業は前連結会計年度並の実績を確保し、マネージメントサービス(BPO)事業は前連結会計年度を上回る実績を確保しております。売上総利益については、コンサルティング・システム開発事業において生産性が改善したことや、マネージメントサービス(BPO)事業における稼働率改善、固定費を中心とした費用構造の改善効果が出てきたことにより、前連結会計年度を上回る結果となりました。販売費及び一般管理費については売上増加・生産拡充に伴う採用コスト及び人件費の増加により前連結会計年度と比較し増加しております。
 その結果として、当連結会計年度における業績は、売上高23,509百万円(前連結会計年度比2.1%増)、営業利益1,159百万円(前連結会計年度比41.9%増)、経常利益1,135百万円(前連結会計年度比51.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益733百万円(前連結会計年度比66.7%増)となりました。

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事業区分別の概況

セグメントの業績は次のとおりであります。

コンサルティング・システム開発事業

 コンサルティング・システム開発事業の当連結会計年度は売上高16,920百万円(前連結会計年度比0.9%減)、セグメント利益747百万円(前連結会計年度比13.9%減)となりました。
 会計システムのコンサルティングにつきましては、会計システム及びその周辺システムの再構築や同領域に係る業務改善に関して主要顧客を中心に受注を獲得しており、前連結会計年度を上回る売上・利益を確保しております。
 会計を中心としたシステム開発につきましては、受注・売上に関して主要顧客を中心に案件を獲得しており、前連結会計年度を上回る結果となりました。また、利益につきましても生産性が改善したことにより、前連結会計年度を上回る実績を確保しております。
 銀行・証券・生損保等の金融業界のシステム開発につきましては、受注に関して主要顧客を中心に情報化投資案件を獲得しておりますが、金融業界全般的な情報化投資の抑制傾向が継続しており、前連結会計年度を下回る結果となりました。このため売上・利益につきましても前連結会計年度を下回っております。
 情報セキュリティに関する分野につきましては、受注・売上ともに引き続き堅調に推移しておりますが、大型案件があった前連結会計年度を下回る結果となりました。当連結会計年度は新規サービスの開始に伴いコストが先行する時期に重なったこともあり、損失での着地となっております。
 PLM(Product Lifecycle Management)支援ソリューションにつきましては、製造業を中心とした製品設計の効率化をもたらすソリューションを提供しており、従来のPLMパッケージでは実現出来なかった製品管理を可能にしたソリューションである「PLMconsole」を中心に案件を獲得しており、受注・売上においては前連結会計年度を上回る実績を確保しております。利益につきましては前連結会計年度並の実績を確保しております。

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マネージメントサービス(BPO)事業

 マネージメントサービス(BPO)事業の当連結会計年度は売上高6,589百万円(前連結会計年度比11.0%増)、セグメント利益412百万円(前連結会計年度はセグメント損失57百万円)となりました。
 静岡地区にて国内企業を中心とした給与・労務等に係るアウトソーシングにつきましては、前連結会計年度に引き続き堅調に推移しており、受注・売上・利益とも前連結会計年度を上回る実績を確保しております。
 新潟地区に業務拠点を持つ人事・給与業務アウトソーシングサービス事業につきましても、受注・売上ともに順調に推移しており、固定費を中心とした費用構造の改善を受け、利益を確保しております。
 グローバル・シェアード・サービス事業につきましては、アジア進出企業向けBPOコンサルティングを中心に事業展開を行っており、受注・売上・利益とも引き続き順調に推移しております。
 外資系企業を中心とした経理・財務等のアウトソーシング及びITソリューションにつきましては、受注・売上とも好調に推移し、利益についても前連結会計年度を上回る実績を確保しております。
 人材派遣につきましては、受注・売上とも前連結会計年度並の水準を維持できたものの、案件の採算が低下しており損失を計上しております。
 医療機関等に対する人材派遣・事務請負につきましては、受注については前連結会計年度を上回ったものの、派遣要員の確保が十分でなかったことなどから、売上・利益については前連結会計年度並の着地となっております。
 熊本地区でのBPOセンター事業につきましては、受注・売上については前連結会計年度を上回り堅調に推移しております。売上拡大に伴い管理費用が増加しましたが、前連結会計年度並の利益を確保しております。
 損害保険会社の保険代理店向けシステムサポートサービス事業につきましては、前連結会計年度後半より主要顧客からの受注が順調に推移しており、売上・利益についても前連結会計年度を上回る数値を確保しております。

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 以上の結果、当社グループの事業別売上の状況は、次のとおりとなりました。

(2)直前3事業年度の財産及び損益の状況

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(3)対処すべき課題

 当社グループを取り巻く経営環境は、企業所得の増加や人手不足を反映し企業投資の拡大傾向は継続すると見込まれますが、一方で米国に代表される保護貿易への動きなど景気悪化要因も見られ、不安定さを伴っております。
 このような環境下におきましては、グループ経営基盤の強化と安定化・高付加価値化に向けた事業ポートフォリオ改革の推進が引き続き中心的な課題となりますが、生産性向上や差別化による競争力強化への取り組みも継続的な課題であります。また、昨今の事業環境の変化を勘案しますと、新技術への早期対応や海外事業分野の推進、公正・適切な企業活動を通じた社会貢献についてもより一層の取り組みが必要な課題と考えております。上記の課題に対応するため、具体的には以下の方針で対処してまいります。

① コンサルティング事業の強化

  • ソリューション・メニュー体系の強化・拡充
  • 継続的な社員教育、優秀人財の確保、優秀パートナーの開拓
  • 既存パートナーとの連携強化、効果的な業務提携やM&Aの実施
  • 新規サービスの早期立ち上げと他社差別化の推進

② 顧客志向の経営

  • 継続的な顧客リレーションの強化策の確実な実施
  • 顧客密着型サービスの拡大
  • クロスセル、点(単一サービス)から面(複合サービス)への展開によるサービス領域拡大
  • グループ総合力によるサービス提供

③ 事業基盤の強化

  • ノウハウ蓄積、標準化、方法論の確立等による絶対的品質の提供
  • プロジェクト管理強化と生産性向上によるシステム開発力の向上
  • コミュニケーション力の向上と現場への浸透
  • 経営管理機能の強化と間接部門の生産性向上
  • マーケティング強化によるBBSブランドの向上と市場への浸透

④ 重点事業の拡大

  • 働き方改革に関するコンサルティング、ソリューションの拡充
  • AI、ロボティックス、ビッグデータ解析、FinTech等の新技術への早期対応
  • 情報セキュリティ事業の継続的推進
  • High-Value BPO事業の継続的推進
  • 海外事業分野の継続的推進
  • 重点成長分野の体制強化による事業の拡大

⑤ 公正・適切な企業活動を通じた社会貢献

  • 東証1部上場企業としての自覚と「コンプライアンスガイド」の遵守
  • CSR・プロモーション活動強化によるブランド価値の向上
  • 社員の安心・安全・安定を実現するための職場環境づくり
  • 働きやすく、活力ある職場の実現

 名実ともに上場会社としての誇りを持ち、それにふさわしい安定経営を実現するため、グループ全員が一人ひとりの力を発揮し、生き生きと仕事に取り組める環境を実現し、その結果として組織としての活動を活性化し、事業拡大を推進してまいります。

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(4)剰余金の配当等の決定に関する方針

 当社は創業以来一貫して、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つと考えております。利益配分につきましては、株主の皆様への安定的な利益配当を基本に、当期業績に基づく株主の皆様への利益還元と財務体質強化のための内部留保を総合的に勘案して実施する方針であります。
 当事業年度の期末配当金につきましては、1株につき17.5円とさせていただきました。既に、平成29年11月に実施済みの中間配当金1株当たり17.5円と合わせまして、年間配当金は1株当たり35円となります。

連結計算書類

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