• 国内酒類事業 売上高構成比 詳細はこちら 

    当期の概況

     国内におけるビール類総需要は、ビールテイスト市場からRTD(※1)市場への流出や、業務用市場におけるリターナブル容器商品の価格改定、夏以降に各地で発生した自然災害などによる消費冷え込みの影響が大きく、前期比98%程度と推定されます。
     このような中で、国内酒類事業は、経営ビジョン「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を継続し、サッポログループならではの価値の提供を積み重ねるとともに、「続・ビール強化」を事業方針に掲げ、積極的な投資をすることで、さらなる成長を目指しました。
     ビールでは、「サッポロ生ビール黒ラベル」は好調に推移し、4年連続で売上成長を達成しました。一方で、発泡酒及び新ジャンルは、市場の競争激化やRTDへの需要のシフト等の影響を受けて苦戦し、ビール類合計の売上数量は前期比92%となりました。
     RTDでは、8月に発売したストロング系の「サッポロチューハイ99.99<フォーナイン>」が年間販売目標の200万ケースを11月末に達成し、「男梅サワー」「愛のスコールホワイトサワー」「キレートレモンサワー」等のコラボRTDの主軸商品も順調に推移したことで、売上は前期を大幅に上回りました。
     ワインでは、日本ワイン「グランポレール」、シャンパーニュ「テタンジェ」、輸入ワイン「ペンフォールズ」等のファインワイン(※2)の販売を強化しました。一方で、デイリーワイン(※2)が伸び悩んだこと等から、売上は前期を下回りました。
     洋酒では、「バカルディ」「デュワーズ」等の主力ブランドが好調に推移したことで、売上は前期を上回りました。
     和酒では、甲乙混和芋焼酎売上No.1(※3)の「こくいも」が堅調に推移したものの、売上は前期を下回りました。
     以上の結果、国内酒類事業の売上収益は2,509億円(前期比106億円、4.1%減)となり、営業利益は67億円(前期比33億円、33.1%減)となりました。

    • ※1 RTD:Ready To Drinkの略。栓を開けてそのまま飲めるアルコール飲料
    • ※2 ファインワイン:中高級価格(1本1,500円以上)ワイン、デイリーワイン:低価格(1本1,500円未満)ワイン
    • ※3 インテージSRI 甲乙混和芋焼酎市場2017年4月~2018年11月累計販売金額全国SM/CVS/酒DSの合計
  • 国際事業 売上高構成比 詳細はこちら 

    国際事業、食品・飲料事業及び外食事業の海外売上収益を合わせたグループの売上収益海外比率は、22.7%(酒税抜き)です。

    当期の概況

     北米におけるビール市場の総需要は、アメリカ、カナダともに前期を下回ったと推定されます。アジア経済は成長率が鈍化し、各国で物品課税を実施・検討する動きがより顕著となりました。
     このような中で、国際事業は、北米及び東南アジアにおけるプレミアムビール市場を中心にブランド力の強化に取り組みました。
     北米では、カナダにおいて、「スリーマン社」が主力のプレミアムブランドへのマーケティング投資を継続した結果、ビール売上数量(「サッポロ」ブランドを除く)は前期を上回り堅調に推移しました。アメリカでは、「サッポロUSA社」がアメリカ一般市場やアジア系市場への展開を進めましたが、同社の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期を下回りました。2017年9月から連結子会社化した「アンカー社」は「サッポロUSA社」とのセールスシナジー強化に取り組みましたが、主戦場であるサンフランシスコにおける総需要の大幅な落ち込みにより、前期売上を大きく下回りました。
     アメリカの飲料市場においては、厳しい経営環境を背景に「カントリー ピュア フーズ社」「シルバー スプリングス シトラス社」両社合計の売上収益は前期を下回りましたが、業績改善に向け両社の経営統合を行いました。
     東南アジアでは、ベトナムにおいて、「サッポロベトナム社」が高コスト体質脱却への改革、輸出の強化に取り組んだ結果、ビール売上数量は前期を大幅に上回り、単年度で営業利益黒字となりました。
     これらの結果として、国際事業全体の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期比98%となりました。
     以上の結果、国際事業の売上収益は、795億円(前期比9億円、1.1%増)となり、営業損失は34億円(前期は27億円の損失)となりました。

  • 食品・飲料事業 売上高構成比 詳細はこちら 

    当期の概況

     国内飲料の総需要は、前期比102%と推定されます。
     このような中で、食品・飲料事業は各商品ブランドのラインアップ強化に注力し、サッポログループならではの価値提案を行ってきました。
     国内飲料では、レモン飲料や「加賀棒ほうじ茶」などの国産素材無糖茶が好調(※1)に推移しました。一方で缶コーヒー市場の低迷を背景にコーヒー飲料の売上が減少し、加えて西日本の豪雨災害の影響により物流網に混乱が生じた影響もあり、国内飲料合計の売上数量は前期を下回りました。
     レモン食品では、基幹商品「ポッカレモン100」や「レモン果汁を発酵させて作ったレモンの酢」が健康志向を捉え好調に推移し、売上数量は前期比113%となりました。また、12月には名古屋市の「東谷山フルーツパーク」内にて「ふるさとナゴヤレモン園」の共同運営を開始する等、レモンに関心を高める体験の場の創出に取り組みました。
     スープ食品では、基幹商品「じっくりコトコトシリーズ」に加えて、「リゾランテ」や「辛王シリーズ」などの独自性のある商品においても話題喚起を図りましたが、暖冬の影響もあり売上数量は前期を下回りました。大豆・チルド事業では、豆乳ヨーグルトの新商品「SOYBIO(ソイビオ)」などが寄与し、前期比110%と成長しています。
     国内外食では、カフェチェーン「カフェ・ド・クリエ」を展開する「ポッカクリエイト社」が、季節やトレンドに合わせた新メニューの発売等を行いましたが、売上は前期並みとなりました。
     海外飲料では、緑茶で約70%のシェアを占め、お茶カテゴリーでNo.1のシェア(※2)を有するシンガポールでのポジションは維持しつつも、一部の国での新たな税制導入による影響もあり、シンガポールからの輸出については低調に推移しました。
     以上の結果、食品・飲料事業の売上収益は1,272億円(前期比49億円、3.7%減)となり、営業利益は20億円(前期比4億円、16.6%減)となりました。

    • ※1 当社実績:「加賀棒ほうじ茶」シリーズ4品合計 2018年1月1日~11月26日累計販売函数
    • ※2 Nielsen Singapore Market Track October 2018 (Copyright © 2018, The Nielsen Company)
  • 外食事業 売上高構成比 詳細はこちら 

    当期の概況

     国内外食市場は、業界全体として売上収益では前期を上回る回復基調が続いているものの、人手不足に伴う採用コスト増や原材料の仕入価格上昇に伴い、依然として厳しい経営環境にありました。
     このような中で、外食事業は、企業理念である「JOY OF LIVING~生きている喜び~」のもと、安全・安心な商品の提供を心がけ「お客様へ100%満足の提供」を目指す店舗づくりを進めました。
     国内においては、相次ぐ台風の上陸・長雨や北海道の震災などの影響を大きく受け、非常に厳しい経営環境となりました。その中でも新規出店として「ヱビスバー」を3月に九州初となる博多、11月には兵庫・西宮に、「銀座ライオンビヤガーデン」を5月に千葉・柏に出店するとともに、基幹業態である「銀座ライオン」を8月に川崎、9月には広島に出店しました。店舗改装としては4月に東京・青山の「銀座ライオン」を全面改装・リニューアルオープンするとともに、和食業態「そばえもん」を新業態として開発し、4月に東京・大崎に、11月には東京・青山にオープンしました。いずれもお客様から高評価を得て順調に推移しています。一方で、不採算店など6店舗を閉鎖しました。また、関係会社の「マルシンカワムラ社」においては、8月に新業態「大衆天ぷら まねき屋」を、9月には「大衆居酒屋 まねき屋」をそれぞれ札幌に出店したことにより、12月末の国内店舗数は195店舗となりました。今後も店舗数の拡大を図るとともに、既存店の店舗改装・業態変更を積極的に行っていきます。
     シンガポールにおいては相次ぐ競合企業の参入により競争が激化する市場環境の中で、7月に和食レストラン等の事業を現地の飲食企業に譲渡しました。これによりシンガポールの店舗は「銀座ライオン」1店舗のみとなりましたが、ビヤホール業態に集中することで、ビヤホール文化を世界に発信すべく、取り組みを進めていきます。
     以上の結果、外食事業の売上収益は276億円(前期比11億円、3.7%減)となり、営業損失は2億円(前期は5億円の損失)となりました。

  • 不動産事業 売上高構成比 詳細はこちら 

    当期の概況

     不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、大量供給の影響による市況の悪化が懸念されていましたが、好調な企業業績などを背景に引き続きオフィス需要が堅調なことから、依然として空室率は低い水準で推移しています。それを受けて賃料水準も緩やかな上昇傾向が継続しています。
     このような中で、不動産賃貸では、収益の柱となっている「恵比寿ガーデンプレイスタワー」をはじめ、首都圏を中心に保有する各物件で高稼働率を維持しています。また、既存テナントの賃料水準引き上げについても積極的に取り組みを進めています。
     複合商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」では、お洒落で洗練された街・恵比寿のランドマークとして、これまで以上にお客様に「豊かな時間」「豊かな空間」を感じていただける「大人の街」となるべく、ブランド力強化と利便性向上による資産価値向上に向けた取り組みを推進しています。
     複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」は、施設コンセプトである「発信と交流の拠点」としてさらに情報発信力を高め、ブランド価値向上に取り組んでいくとともに、街の賑わい創出や集客向上に貢献していきます。
     また、札幌市が都心まちづくり重点地区と位置付けて進めている「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、複合商業施設「サッポロファクトリー」の改装を引き続き進めており、その第一弾として、11月に3条館の一部がオープンしました。「サッポロファクトリー」では、今後も魅力ある都市空間づくりに努めていきます。
     一方、不動産事業全体の価値向上を図るために、長期的な視点から、引き続き物件ポートフォリオの戦略的な組み替えを行っており、11月に「新宿スクエア」と「ストーリア白金台」を売却するとともに、恵比寿で建築中のビルを含むオフィスビル等3物件の取得を決定し、「まちづくり事業」を推進しています。
     以上の結果、不動産事業の売上収益は245億円(前期比6億円、2.5%増)、営業利益は120億円(前期比18億円、17.3%増)となりました。