事業報告(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過及び成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調にあるものの、海外の政策動向や地政学リスクの高まり等もあり、先行き不透明な状況が続いております。
 外食産業におきましては、競合他社との競争が激化するなか、食材費・ビール仕入価格の高騰や人材不足による人件費の上昇並びに消費者の強い節約志向等により、特に居酒屋業態において、引き続き厳しい経営環境が続いております。
 このような状況のなか、当社グループにおきましては、平成29年5月に「北浜酒場 魚'S男」(大阪市中央区)、同6月に「上方御馳走屋うるる 名駅柳橋市場店」(名古屋市中村区)及び新業態となる「オリーブオイルキッチン 静岡パルコ店」(静岡市葵区)を新規に出店いたしました。また、ビルの建て替え等による退店のほか、当連結会計年度の方針である不採算店舗の見直しを実施いたしました。その結果、同4月に「大須二丁目酒場 名駅店」(名古屋市中村区)、同5月に「Briccone」(名古屋市東区)、同7月に「上方御馳走屋うるる 錦店」(名古屋市中区)・「なつかし処昭和食堂 錦三丁目桜通り店」(名古屋市中区)、同9月に「上方御馳走屋うるる 名張店」(三重県名張市)、同12月に「MILKISSIMO 静岡パルコ店」(静岡市葵区)など11店舗を退店いたしました。業態変更としては、同11月に「はまぐり御殿 紺屋町店」(静岡市葵区)を「まぐろ専門店 しびまぐろ」に、「Briccone piccolino 栄店」(名古屋市中区)を「肉のマルシェ M(エム)」に、「299太郎 小牧店」(愛知県小牧市)を「えびすや 小牧店」に、平成30年2月に「ゆずの雫 大分駅前店」(大分市中央町)を「鳥はち酒場 大分駅前店」に、「ゆずの雫 二官橋通り店」(鹿児島県鹿児島市)を「個室DE牛タンしゃぶしゃぶうるる 二官橋通り店」に、同3月に「えびすや 宮崎木花台店」(宮崎県宮崎市)を「なつかし処昭和食堂 宮崎木花台店」にそれぞれリニューアルオープンいたしました。この結果、平成30年3月末の店舗数は、101店舗(前連結会計年度末は109店舗)となっております。既存店につきましては、厳しい外部環境を背景とし全般的に伸び悩みました。また、当連結会計年度末において13店舗の減損損失を計上いたしました。当連結会計年度の経営方針でもあります「強い海帆へ」の達成のため、筋肉質な財務体制の構築を目指してまいります。
 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,840百万円(前連結会計年度比7.9%減)、営業損失6百万円(前連結会計年度は営業利益30百万円)、経常損失9百万円(前連結会計年度は経常利益49百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失137百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益10百万円)となりました。
 なお、当期末の株主配当金につきましては、1株につき2円とさせていただく予定であります。

(注)当社グループの報告セグメントは飲食事業のみであり、その他の重要性が乏しい事業につきましては記載を省略しております。

続きを見る閉じる

対処すべき課題

 当社グループの属する外食産業において、企業間競争はますます激化しております。今後もこの傾向は継続すると考えられます。こうした中、当社グループは、「幸せな食文化の創造」という社是のもと、ビジネスチャンスを着実に収益に繋げ、企業価値を高めていくために、以下の点に取り組んでまいります。

①既存店舗・業態の収益力の維持、拡大

 外食産業におきましては、個人消費の低迷を受けての低価格路線や、企業間競争の激化による既存店売上の減少等により企業収益の低下傾向が長く続いております。当社グループの飲食事業は、平成30年3月31日現在において、18業態101店舗を有しておりますが、そのうち61店舗が主力業態の「なつかし処昭和食堂」であり、安定した収益を生み出す業態となっております。「なつかし処昭和食堂」については、都心部や当社グループが出店を強化している郊外ロードサイドにおいて、まだまだ出店余地が残されていると考えており、引き続き、同業態の既存店売上の底上げと併せ、空白地帯への出店を図ってまいります。
 その中で、当社グループは、子会社に鮮魚類の卸売を業とする株式会社魚帆があることによって、安価で付加価値の高い商品を提供することが可能となっております。また、社内に販促物制作室があることを活かし、スピーディーに様々な販促手法を用いることで、客数の更なる向上と収益力の維持・拡大を推進してまいります。

②新たなエリアへの出店

 当社グループの飲食事業は、主に平均客単価2,400円前後の総合居酒屋を、東海地区の郊外を中心に展開しております。現在の展開領域においても競争力と出店余地は十分にあると分析しておりますが、更なる事業拡大に向けて出店エリアの拡大が重要課題であると考えております。今後、関東地区や関西地区への出店の強化を図ってまいります。長期的には、全国へ出店地域を拡大することで、安定的な成長並びに知名度のアップによる優秀な人材の確保を推し進めてまいります。

③新業態の開発

 外食業界が成熟する中でお客様のニーズも多様化しており、いわゆる総合居酒屋の枠を超えた新しい業態を開発することが、今後の更なる成長においては必要であると考えております。これまで当社グループになかった業態を開発することで、顕在化する経営リスクをヘッジ出来るものと考えております。
 加えて、新業態を積極的に展開することは、従業員のチャレンジの場となり、成長機会やモチベーションの向上につながるため、人材育成の観点からも重要であると考えております。

④衛生管理の強化、徹底

 外食産業においては、食中毒事故や食材の偽装表示の問題等により、食品の安全性や品質管理に対する社会的な要請が強くなっております。当社グループの各店舗・事業所では、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理を徹底すると共に、定期的に本社人員による店舗監査や子会社への監査を行っております。その結果に基づき各店舗・事業所に指導を行う等の衛生管理体制を整備しております。今後も法改正等に対応しながら、更なる衛生管理体制の強化を図ってまいります。

⑤人材の確保及び育成

 当社グループにおける最も大切な経営資源は「人」であり、他社が模倣できない当社の風土が生み出す「人間力」は、サービス向上の原動力であり、差別化の源泉として、貴重な経営資源であると考えております。当社グループの飲食事業においては、お客様のニーズに柔軟に対応するため、出店立地の峻別や店舗の個性を最大限に発揮させることで、店舗運営・サービスの提供方法等について各店舗の創意工夫を最大限に活かす仕組みとなっております。その結果が店舗活性化のノウハウや顧客ニーズへの対応力等、ソフト面での経営資源の蓄積につながり、競争力の向上に寄与するものと考えております。そのため、お客様に提供するサービスや店舗運営方法等は、各店舗の人材に影響を受けますので、優秀な人材の確保・育成は重要な課題となります。人材の確保につきましては、従来から力を入れております新卒・中途採用の一層の充実を図り、育成につきましては、人事制度の一層の充実を図ってまいります。

⑥経営管理体制の強化

 当社グループは、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信用され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのための更なる企業規模拡大の基盤となる経営管理組織を拡充していくため、今後においても意思決定の明確化、組織体制の最適化、内部監査体制の充実及び監査役並びに会計監査人による監査との連携を強化し、加えて全従業員に対しても、継続的な啓蒙・教育活動を行ってまいります。

続きを見る閉じる

連結計算書類

  • 連結貸借対照表を見る
  • 連結損益計算書を見る