ご挨拶

新中期経営計画のもと
さらなる持続的成長をめざして


平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
第9期定時株主総会招集ご通知の送付にあたりご挨拶申し上げます。

第7次中期経営計画の最終年度である2017年度は、営業利益を2度上方修正し137.9億円と過去最高の業績となりました。グループ傘下の全ての会社と全ての事業単位の業績で黒字を計上しました。その結果、当社が経営効率化の指標としているROE(自己資本利益率)は17.3%となりました。
この3年間で、IFRS(国際会計基準)の適用、監査等委員会設置会社への移行、コーポレートガバナンス体制の強化など、グローバル経営の基盤を固めました。

第8次中期経営計画のスローガンは「独創性と成長を追求するグローバル企業へ」です。2018年4月から始まる新中期経営計画の期間は3か年ですが、創業70年を迎える5年後の2022年度を見据えた計画と位置付けています。各事業セグメントの5年後のゴールイメージは次の通りです。

貴金属事業セグメントは、プライマリー(鉱山由来)原料とセカンダリー(リサイクル由来)原料をリファイニングするだけでなく、付加価値の高い商品にいたるまでの一貫した事業を目指します。地域的には北米や日本だけでなく、世界各地で「アサヒブランド」の浸透を図ります。

環境保全事業セグメントは、多様なリサイクル技術と処理困難廃棄物の無害化処理技術を通して、社会的な貢献度の高い事業会社としての「アサヒブランド」を日本国内で確立します。

ライフ&ヘルス事業セグメントは、顧客ニーズを的確に捉えた商品開発や独自のビジネスモデルの構築による事業拡大を図ります。高い技術と品質で、海外市場にも積極的に進出し「アサヒブランド」の浸透を図ります。

この3か年では、事業環境の変化に素早く対応するため「無形資本の充実」に努めます。情報処理技術を駆使した新たな技術開発、グローバル人材の育成と人的資本への投資、「働き方改革」による人的生産性の向上です。

今年4月、私たちの経営理念と社員の行動指針である「アサヒウェイ」を改定しました。
「わたしたちの信条」は、当社グループの事業そのものが2015年に国連で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」であり、これからも一層「地球のサステナビリティ」に貢献する意思を示しています。「わたしたちが企業として大事にすること」は、様々なステークホルダーと協調しながら、「無形の資産」を重視する考えを示しています。国内外の全グループの全社員に、この新「アサヒウェイ」を徹底させます。

当社の事業は10年前と比較すると構成内容が大きく変わっています。事業環境の変化に応じて、撤退したビジネスは10を超え、新たに起こした事業や傘下に収めた事業は20を超えています。過去20年間で20社以上の企業を買収してきましたが、その95%以上の会社が買収前を上回る業績を上げてきました。それを可能にしたのは「変化への対応力」と「事業を再生する経営力」です。

なお、2017年3月をもって東京証券取引所市場第一部上場15周年を記念し、2017年度期末配当は1株あたり3円の記念配当を実施しました。配当施策は株主に対する利益還元の最重要課題の一つでありますので、基本方針として「連結純利益の30%以上をめどにした安定的な配当」を今後とも継続したいと考えています。この方針により、2018年度の予想配当は年間74円に増配する予定です。

今後とも、「革新と挑戦」の精神で、事業環境の変化を克服しながら成長を続ける「アサヒホールディングスグループ」へのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役会長 寺山 満春

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