② 設備投資等の状況
当連結会計年度における設備投資総額は、1,901億円(長期前払費用を含む)であります。
その内訳は、モール事業における「日本」1,562億9千6百万円、「中国」144億9千6百万円、「アセアン」193億7百万円であります。「日本」においては、当社所有新規モールであるイオンモール徳島、イオンモール松本、イオンモール神戸南の開設を行ったこと等による投資を実施しました。「中国」においては、イオンモール天津津南、イオンモール南通星湖、イオンモール武漢金橋、イオンモール佛山大瀝、「アセアン」においては、イオンモール ジャカルタ ガーデンシティの新規モールの開設を行ったこと等による投資を実施しました。
③ 資金調達の状況
当連結会計年度におきましては、長期借入金として既存取引銀行等より482億9千万円、社債の発行により500億円の調達をいたしました。
④ 環境保全・社会貢献活動
当社は、「社会」「環境」「倫理」の側面から企業活動の方針を定め、これを推進する「イオンモールCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)会議」を毎月開催し、CSR活動の進捗管理及び課題解決に向けての迅速な意思決定を行っています。
<環境課題の解決に向けて>
環境保全活動においては、太陽光発電(当連結会計年度末現在国内71モール、海外14モール)(注1)やLED導入等による省エネルギー活動を推進し、CO2排出量の削減に取り組んでいます。2017年9月にオープンしたイオンモール ジャカルタ ガーデンシティでは、年間約550トンのCO2削減をめざして、屋上に約510kWの太陽電池モジュール、地上に110kWhの蓄電池設備を設置、環境省の2014年度JCM設備補助事業(注2)に採択されています。
また、地球環境の保全及び持続可能な社会の実現を目的として、EV充電器の設置を推進してきました。日本企業として初めてEV100(注3)への参加を宣言し、当連結会計年度末現在国内外152モールに1,937基のEV充電器設置が完了しています。今後も、EV充電器の設置を含め、環境負荷を最小限に抑える最新技術の導入、地域の生態系を守る仕組みづくり、自然と調和したまちづくりを推進していきます。さらに、循環型社会の構築をめざし、モールから排出されるすべての廃棄物をリサイクルするゼロ・エミッションへの取り組みも積極的に進めています。
<外部認証の取得>
イオンモールKYOTO(京都府)、イオンモール水戸内原(茨城県)では、建物オーナーであるイオンリート投資法人と協力し、DBJ Green Building認証(注4)5段階のうち、最高位となる5つ星「国内トップクラスの卓越した環境・社会への配慮がなされたビル」の評価を獲得しました。
イオンモール幕張新都心(千葉県)の建物及びイオンモール名古屋茶屋(愛知県)モール内にある「イオンゆめみらい保育園 名古屋茶屋」の2施設では、2017年11月に「WELL Building Standard(WELL認証)」(注5)の適合性事前検証を国内商業施設としていち早く実施しました。
イオンモール松本(長野県)では、周辺植生の保存と敷地内高・中・低木を70本移植保存し、地域の固有の景観と環境を維持していること、移植できない樹木を空庭フードコートの椅子・テーブルとして利用することで物質循環への配慮がされていることなどが評価され、「いきもの共生事業所®」認証(注6)を取得しました。当社は、当連結会計年度末までに合計7施設で同認証を取得しています。
<外部からの評価>
当社は、2017年度GRESB(注7)リアルエステイト評価において、環境配慮やサステナビリティに関する取り組みに関して、「マネジメントと方針」及び「実行と計測」の両面において優れていると高く評価され、3年連続で最高位となる「Green Star」評価を獲得、総合スコアでの相対評価による「GRESBレーティング」においても最上位の「5スター」評価を獲得しました。
京都市内の3モール(イオンモール京都五条、イオンモール京都桂川、イオンモールKYOTO)では、京都市事業者排出量削減計画書制度において、温室効果ガスの削減率(総量ベース)13.5%(2013年度比)を達成し、総合評価「S評価」の特別優良事業者に認定されました。
大阪府下の6モール(イオンモール寝屋川、イオンモール堺北花田、イオンモールりんくう泉南、イオンモール鶴見緑地、イオンモール四條畷、イオンモール堺鉄砲町)では、環境負荷を最小限にする取り組みが評価され、大阪府が主催する2017年度「おおさかストップ温暖化賞優秀賞」を3年連続で受賞しました。
当社は、女性管理職比率の向上をめざし、仕事と介護や育児を両立できる制度設計や時間外労働削減に向けた労働時間の見える化や業務効率化を評価指標の一つとする等、女性が活躍して働き続けるための環境整備を推し進めており、女性人材の活用を積極的に進めている上場企業として「なでしこ銘柄」(注8)に2年連続、不動産セクターでは唯一選出されました。
<社会課題の解決にむけて>
イオングループが設置拡大を進める事業所内保育施設「イオンゆめみらい保育園」の展開においては、当連結会計年度末において20園(注9)となりました。今後もグループ企業の従業員をはじめ、より多くの方々の仕事と育児の両立支援、待機児童解消の一助となる取り組みを進めていきます。
ローカライゼーションの視点に基づいた地域のコミュニティセンターとしてのモールづくりに取り組んでおり、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟の協力による全国防災キャラバンの実施や、衆議院選挙における全国30箇所の期日前投票所の設置等、地域におけるコミュニティ機能の強化に取り組みました。
東日本大震災復興支援活動である「イオン 心をつなぐプロジェクト」では、被災地の復興に向け、植樹活動やボランティア活動に当社従業員が参加する等、今後も継続的に支援活動を続けていきます。
さらに、イオングループの主要各社が税引前利益の1%を拠出し、社会貢献活動を行う公益財団法人イオン1%クラブの取り組みに協賛し寄付を行うとともに、伝統的な文化・工芸・技術の普及啓蒙事業協力事業者、全国募金協力事業者として継続的に社会貢献活動を行っています。
(注)
- イオンリテール株式会社より管理・運営業務を受託している70モールを含んだ数値で記載しています。また、海外モール数について、海外現地法人の決算期は12月末ですが、日本の会計年度における数値を記載しています。
- JCM(Joint Crediting Mechanism:二国間クレジット制度)とは、日本国政府が推進しており、日本の優れた低炭素技術の普及や対策実施を通じ地球規模での温室効果ガス排出削減及び途上国の持続可能な開発に貢献し、削減量を定量的に評価することで日本国の温室効果ガス削減目標の達成にも活用するものです。
- 電気自動車推進イニシアチブ。温室効果ガス排出量の削減に取り組む国際環境NGOのクライメイトグループにより、2017年9月18日から24日にニューヨーク市で開催された気候週間で発足を発表。EV100とは、企業による電気自動車の使用や環境整備促進をめざす国際的なビジネスイニシアチブ。当社は2017年11月10日より正式参加しました。
- DBJ Green Building認証は、株式会社日本政策投資銀行が建物の環境性能、快適性、リスクマネジメント、周辺環境・コミュニティへの配慮、ステークホルダーとの協働の5つの視点で不動産を評価する認証制度です。
- WELL Building Standard(WELL認証)は、米国で開発された人間の健康と快適性の評価に特化した世界初の建物認証システムです。
- 「いきもの共生事業所®」認証は、「一般社団法人企業と生物多様性イニシアチブ(JBIB)」が作成・登録した「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」に基づき、生物多様性に配慮した緑地づくりなどの取り組みを第三者的に評価・認証する「いきもの共生事業推進協議会」が行う認証制度です。
- GRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)は、欧州の年金基金のグループを中心に創設されたGRESB財団が行うアンケート調査に基づき、不動産会社・不動産運用機関のサステナビリティ・パフォーマンスを測るベンチマークです。
- 経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を選定し、発表しているもので、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じ、企業への投資を促進し、各社の取り組みを加速化していくことを狙いとしています。
- イオングループに設置している「イオンゆめみらい保育園」6施設のほか、従業員の保育利用について一般の保育事業者と当社が提携した2施設を含みます。
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