第5号議案 取締役に対する業績連動型株式報酬制度の変更の件
提案の理由および当該報酬制度を相当とする理由
当社の取締役の報酬は、「固定報酬(金銭)」、「業績連動報酬等(金銭)」および「業績連動報酬等(非金銭)」で構成されているところ、このうち「業績連動報酬等(非金銭)」は、2022年6月20日開催の第107回定時株主総会において、信託を用いた株式報酬制度(以下、「本制度」といいます。)として株主の皆様のご承認をいただいたうえで導入し(なお、このご承認の決議を以下、「前回決議」といいます。)現在に至るまで運用しているものですが、本議案は、本制度の内容を変更することについてご承認をお願いするものです。
なお、その詳細につきましては、下記の範囲内で取締役会にご一任いただきたく存じます。
本制度は、取締役の報酬と当社の業績および株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有することにより、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として導入したものです。前回決議では、本制度に基づく報酬としての当社の普通株式(以下、「当社株式」といいます。)は退任時に交付するものとしていましたが、在任時に(下記2のとおり、当社によるポイント付与の都度)交付することに変更し、かつ、当該当社株式に3年または退任までの間の譲渡制限を付すことにより、株式交付後においても企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることといたします。
本制度に係る報酬枠は、第6号議案「取締役の報酬限度額改定の件」においてご承認をお願いしております社外取締役を含む取締役の報酬の限度額(年額800百万円以内(うち、社外取締役分は年額80百万円以内)。ただし、使用人分給与は含みません。)とは別枠とします。
当社における取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針の内容は、事業報告3.会社役員に関する事項(4)当事業年度に係る取締役および監査役の報酬等④に記載のとおりですが、本議案の承認可決を条件として、その内容を、第6号議案末尾の【ご参考】に記載のとおり変更することを、2025年5月8日開催の取締役会において決議しております。本議案は、変更後の当該方針および本制度導入の目的を達成するために必要かつ合理的な内容になっているため、その内容は相当なものであると判断しております。
なお、第2号議案「取締役9名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる取締役(社外取締役および取締役相談役を除きます。以下も同様です。)は5名となります。
※本議案が原案どおり承認可決された場合、当社と委任契約を締結している執行役員(以下、「執行役員」といいます。)に対して導入している同様の株式報酬制度についても同様の変更を行う予定です。
本制度における報酬等の額・内容等
変更後の本制度に係る報酬等の額および内容等は以下のとおりです。
(1) 本制度の概要
本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(2022年の本制度導入時に設定済みです。以下、「本信託」といいます。)が当社株式を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される、という株式報酬制度です。
本制度に基づき付与するポイントは(ⅰ)固定ポイントおよび(ⅱ)業績連動ポイントの2種類です。
(ⅰ)固定ポイント
固定ポイントは、2025年4月1日以降の各事業年度(以下、「固定ポイント期間」といいます。)における職務執行を対象として、当該期間における役位等に応じて付与するポイントであり、原則として、各固定ポイント期間終了後に開催される当社の定時株主総会日(以下、「固定ポイント付与日」といいます。)に付与します。本株主総会において本議案が承認可決された場合、本株主総会終結日以降に下記(3)①により付与した固定ポイント見合いとして同②により取締役に交付する当社株式については、各固定ポイント付与日以降、所定の期間内(原則として固定ポイント付与日の同事業年度内)に交付したうえで、下記3.のとおり、当該株式について当社と各取締役との間で譲渡制限契約を締結することにより譲渡制限を付すものとします。
(ⅱ)業績連動ポイント
業績連動ポイントは、2025年4月1日以降の連続する3事業年度の各期間(以下、「業績連動ポイント期間」といいます。注1)における職務執行を対象として、当該期間における役位、在任期間、および業績目標の達成度等に応じて付与するポイントであり、原則として、各業績連動ポイント期間終了後に開催される当社の定時株主総会日(以下、「業績連動ポイント付与日」といいます。)に付与されます。本株主総会において本議案が承認可決された場合、本株主総会終結日以降に下記(3)①により付与した業績連動ポイント見合いとして同②により取締役に交付する当社株式については、各業績連動ポイント付与日以降、所定の期間内(原則として業績連動ポイント付与日の同事業年度内)に交付するものとしますが、交付された株式について3年間の譲渡制限に服するものとします(ただし、その前に退任した場合は退任時に譲渡制限を解除します。)。
注1:ただし、初回の業績連動ポイント期間は、3事業年度ではなく、2025年4月1日から2026年3月末日までの1事業年度とします。
第2回の業績連動ポイント期間は2026年4月1日から2029年3月末日までの3事業年度、第3回の業績連動ポイント期間は2027年4月1日から2030年3月末日までの3事業年度とし、以降、同様とします。

注2:当社は、前回決議に基づき、2022年4月1日から2026年3月末日までの4事業年度の間に在任する取締役に対して、本議案による変更前の本制度に基づき取締役に交付するための当社株式の取得資金として、金280百万円を上限とする金銭を拠出(本信託に信託)済みです。この点を踏まえ、以下の金額の合計額は、金200百万円を超えないものとするようにします。
・初回の固定ポイント期間における職務執行に対して付与する固定ポイント見合いの当社株式の取得資金として当社が拠出する金銭の金額
・初回の業績連動ポイント期間における職務執行に対して付与する業績連動ポイント見合いの当社株式の取得資金として当社が拠出する金銭の金額
・2025年4月1日から2026年3月末日までの事業年度における職務執行に対して変更前の本制度に基づき付与するポイント見合いの当社株式の取得資金として拠出済みの金額
(2) 当社が拠出する金銭の上限
当社は、本信託(設定済みです。)に係る信託期間を延長のうえで、本信託に対し、本制度に基づき取締役に交付するために必要な当社株式の追加取得資金として、上記(1)の上限金額の範囲内の金額を拠出(本信託に追加信託)します。
本信託は、本信託内の金銭(当社が追加信託した金銭のほか、本信託に残存している金銭を含みます。)を原資として、当社株式を当社の自己株式の処分による方法または取引所市場(立会外取引を含みます。)から取得する方法により、追加取得します(注3)。
注3:当社が実際に本信託に信託する金銭は、上記の当社株式の取得資金のほか、信託報酬、信託管理人報酬等の必要費用の見込み額を合わせた金額となります。また、当社の執行役員に対して同様の株式報酬制度に基づき交付するために必要な当社株式の取得資金を併せて信託することがあります。
(3) 取締役に交付される当社株式の算定方法および上限
① 取締役に対するポイントの付与方法等
当社は、当社取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、信託期間中の株式交付規程に定める固定ポイント付与日および業績連動ポイント付与日に、上記(1)のとおり、(ⅰ)固定ポイントおよび(ⅱ)業績連動ポイントを付与します(注4)。
注4:業績連動ポイントについては、役位等に応じて定める数に業績連動指標の実績値に応じて変動する業績連動係数を乗じた数を付与するものとします。なお、かかる業績連動指標および業績連動係数のレンジは当社の取締役会において決定するものとしますが、初回の業績連動ポイント期間における業績連動指標は、「ROE」「サステナビリティ関連指標」等とし、業績連動係数のレンジは50%から150%までとする予定です。
ただし、当社が取締役に対して付与するポイントの総数は、(ⅰ)一の固定ポイント期間に対して付与する固定ポイントとして46,000ポイント、(ⅱ)一の業績連動ポイント期間に対して付与する業績連動ポイントとして69,000ポイントを、それぞれ上限とします。
なお、本議案を原案どおりご承認頂いた場合であっても、本定時株主総会終結以前の期間における職務執行の対価として、本議案による変更前の本制度に基づき、前回決議の範囲内で取締役にポイントを付与することがあります。
② 付与されたポイントの数に応じた当社株式の交付
取締役は、上記①で付与されたポイントの数に応じて、下記③の手続に従い、当社株式の交付を受けます。ただし、取締役が自己都合により退任する場合等には、それまでに付与されたポイントの全部または一部は消滅し、消滅したポイント見合いの当社株式については交付を受けないものとします。
なお、1ポイントは当社株式1株とします。ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、1ポイントあたりの当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、1ポイントあたりの当社株式数は、かかる分割比率・併合比率等に応じて調整されるものとします。
③ 取締役に対する当社株式の交付
各取締役は、原則として各固定ポイント期間および各業績連動ポイント期間の終了後、各ポイント付与の都度、所定の手続を経ることを条件として、本信託の受益権を取得し、本信託の受益者として、各ポイント見合いの当社株式の交付を受けます(注5)。
注5:ただし、固定ポイント期間または業績連動ポイント期間の途中で退任する場合その他所定の場合には、当該期間終了時点より前に、固定ポイントまたは業績連動ポイントを付与したうえでその見合いの当社株式が本信託から当該取締役に交付されることがあります。
ただし、業績連動ポイント見合いとして交付する当社株式のうち一定の割合の当社株式については、源泉所得税等の納税資金を当社が源泉徴収する目的で本信託において売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。
なお、本議案による変更前の本制度に基づき本定時株主総会終結日以前の期間における職務執行期間の対価として付与されたポイントに応じた当社株式については、前回決議のとおり、各取締役は原則としてその退任時に所定の手続を行って本信託の受益権を取得し、本信託から交付を受けるものとします。
また、本信託内の当社株式について公開買付けに応募して決済された場合等、本信託内の当社株式が換金された場合には、当社株式に代わり金銭(当該換金額)を交付することがあります。
(4) 議決権行使
本信託内の当社株式に係る議決権は、当社および当社役員から独立した信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないことといたします。かかる方法によることで、本信託内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しております。
(5) 配当の取扱い
本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。
取締役に交付される固定ポイント見合いとしての当社株式に係る譲渡制限契約
本議案を原案どおりご承認いただいた場合には、以降に上記2.(3)①により付与された固定ポイント見合いとして交付する当社株式については、当社と取締役との間で、以下の内容を含む譲渡制限契約(以下、「本譲渡制限契約」といいます。)を締結するものとします(各取締役は、本譲渡制限契約を締結することを条件として、当社株式の交付を受けるものとします。)。
ただし、退任日以後に交付する当社株式(もしあれば)については、譲渡制限が付されていない普通株式を交付します。また、このうち一定の割合の当社株式については、源泉所得税等の納税資金を当社が源泉徴収する目的で本信託において売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。
(1) 譲渡制限期間
取締役は、本制度により固定ポイント見合いとして交付を受けた株式(以下、「本交付株式」という。)につき、その交付を受けた日(複数回交付を受けた場合には各交付を受けた日)から退任する日までの間(以下、「本譲渡制限期間」という。)、本交付株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下、「本譲渡制限」という。)。
取締役は本譲渡制限期間中、取締役が既に保有している株式と分別して管理することを目的に、当社が指定する証券会社の口座にて本交付株式の管理を行うものとする。
(2) 本交付株式の無償取得
① 取締役が上記(1)に違反して本交付株式の全部または一部を譲渡、担保提供その他の方法で処分しようとしたときは、当社は、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。
② 取締役が本譲渡制限期間中に次の各号のいずれかに該当した場合、当社は、取締役が当該各号に該当した時点をもって、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。
ⅰ) 取締役が所定の刑事罰に処せられた場合
ⅱ) 取締役について破産手続開始、民事再生手続開始その他これらに類する手続開始の申立てがあった場合
ⅲ) 取締役が任期満了、定年または死亡その他正当な理由以外の理由により退任した場合
③ 取締役が本譲渡制限期間中に次の各号のいずれかに該当した場合、当社は、取締役に対して本交付株式を無償で取得する旨を書面で通知することにより、当該通知の到達した時点をもって、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。
ⅰ) 取締役において、当社もしくは当社グループの事業と競業する業務に従事し、または競合する法人その他の団体の役職員に就任したと当社の取締役会が認めた場合(ただし、当社の書面による事前の承諾を取得した場合を除く。)
ⅱ) 取締役において、法令、当社もしくは当社グループの内部規程または本契約に重要な点で違反したと当社の取締役会が認めた場合、その他本交付株式を当社が無償で取得することが相当であると当社の取締役会が決定した場合
ⅲ) 取締役において、その行為が当社または当社グループの名誉を毀損し、あるいは当社または当社グループに著しい損害を与えたと当社の取締役会が認めた場合
(3) 組織再編等における取り扱い
本譲渡制限期間中に次の各号に掲げる事項が当社の株主総会(ただし、株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認された場合(ただし、次の各号に定める日(以下、「組織再編等効力発生日」という。)が本譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限る。)には、上記(1)にかかわらず、組織再編等効力発生日の前営業日の直前時をもって、本交付株式についての本譲渡制限が解除されるものとする。
ⅰ) 当社が消滅会社となる合併契約 合併の効力発生日
ⅱ) 当社が分割会社となる吸収分割契約または新設分割計画(当社が、会社分割の効力発生日において、当該会社分割により交付を受ける分割対価の全部または一部を当社の株主に交付する場合に限る。) 会社分割の効力発生日
ⅲ) 当社が完全子会社となる株式交換契約または株式移転計画 株式交換または株式移転の効力発生日
ⅳ) 株式の併合(当該株式の併合により取締役の有する本交付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限る。) 株式の併合の効力発生日
ⅴ) 当社の普通株式に会社法第108条第1項第7号の全部取得条項を付して行う当社の普通株式の全部の取得 会社法第171条第1項第3号に規定する取得日
ⅵ) 当社の普通株式を対象とする株式売渡請求(会社法第179条第2項に定める株式売渡請求を意味する。) 会社法第179条の2第1項第5号に規定する取得日
(4) その他取締役会で定める事項
上記のほか、本譲渡制限契約における意思表示および通知の方法、本譲渡制限契約の改定の方法、その他取締役会で定める事項を本譲渡制限契約の内容とする。
取締役に交付される業績連動ポイント見合いとしての当社株式に係る譲渡制限期間
本議案を原案どおりご承認いただいた場合には、以降に上記2.(3)①により付与された業績連動ポイント見合いとして交付される当社株式については、当社取締役会で定める株式交付規程に従い、交付時から3年間の譲渡制限(譲渡、担保権の設定その他の処分を禁止)に服するものとします(ただし、退任した場合は譲渡制限を解除します。)。