<株主(66名)からのご提案>
第11号議案 定款一部変更の件(5)
◆提案の内容
以下の章を新設する。
- 第○章
- 使用済み核燃料
- 第○条
- 本会社は,原子力発電所から排出された使用済み核燃料の再処理を行わない。
- ②
- 現存する使用済み核燃料とすでに抽出したプルトニウムは,安全な形で適切に管理する。
- 第○条
- 容量を倍増することになった乾式貯蔵施設は,すでに発生した使用済み核燃料の安全な管理のためのみに使用することとする。
◆提案の理由
六ケ所再処理工場の竣工時期の延期は27回に及び,その31年の間に既に建設費だけで当初見積もりの4.5倍の3.4兆円,核燃料サイクルの他施設を含めた総事業費は17.5兆円にまで膨らんでいる。
再処理すれば核燃料をくり返し再利用できるかのように宣伝されているが,高速増殖炉がなければせいぜいプルサーマルで1回使えるだけだ。再々処理してもプルトニウムの高次化で何ら使うメリットはない。
MOX燃料は,輸入でもウラン燃料の5〜13倍,国産では20〜50倍の価格にもなり,コストが嵩むだけである。
英国は2月,民生用プルトニウム100t余を廃棄処分する方針を発表した。不良債権化したプルトニウムは,もはや使用済み核燃料から取り出す意味がないうえ,その工程で夥しい放射能を環境に撒き散らし,周辺住民の健康被害を引き起こしている。六ヶ所村でも既に試験段階で環境汚染が観測されており,再処理は進めるべきではない。
○取締役会の意見
エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。さらに,エネルギー資源の有効利用や廃棄物減容の観点から,原子燃料サイクルを確立することが重要と考えております。
使用済MOX燃料を含むすべての使用済燃料の再処理については,再処理等拠出金制度のもと,使用済燃料再処理・廃炉推進機構が資金を安定的に確保し,適切かつ効率的に原子燃料サイクル事業を実施していくこととしております。
使用済燃料を再処理して回収したプルトニウムについては,2018年7月に原子力委員会が決定した「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」にもとづき,MOX燃料に加工することで適切に消費してまいります。
新規制基準適合性確認審査を受けている使用済燃料乾式貯蔵施設については,使用済燃料を再処理するまでの間,適切に貯蔵・管理するために使用してまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。