<株主(2名)からのご提案>
第12号議案 定款一部変更の件(1)
◆提案の内容
以下の条項を,本会社の定款に追加的に規定する。
- 第5章
- 監査等委員会
(監査等委員会の財務リスク監査の開示)
- 第○条
- 本会社は,不正行為や気候変動等の重大な課題に起因する急性かつシステミックな財務リスクの増大,並びに取締役の職務執行の妥当性を監査する監査等委員会の職責を踏まえ,本会社の長期的な企業価値の向上を図るため,監査報告書において以下の事項を開示する。
- 1
- 本会社が特定した重要課題に関連する財務リスクを軽減するための本会社の戦略,方針及びプロセスの妥当性に関する監査等委員会の評価(リスク管理が適切に実施されている場合及び不十分な場合のそれぞれにおいて本会社が直面し得る財務リスクの検討手続及び検討結果の妥当性に関する評価を含む。),並びにその評価の根拠
- 2
- 本会社が特定した重要課題に関連する本会社のリスク管理体制に関する監督が適切に行われているかを監査するための,評価基準その他の枠組み
当該開示は,合理的な費用の範囲内で行われるものとし,また,営業秘密情報に該当する情報は除くものとする。
◆提案の理由
本提案は,当社取締役によるリスク監視が適切に行われているかを株主が判断するために必要な情報を監査報告書にて開示することを求めるものである。
株主は現状,当社取締役会による監督及びそのプロセスが当社経営陣によるリスク管理を適切に監督しているかを評価することができない。近年発生した国内不祥事例を踏まえ,株主は当社取締役会の監督体制に正当な懸念を抱いており,他の重大なリスク(気候関連財務リスク等)に対する監督体制の実効性についても同様である。
例えば2023年度の監査報告書では取締役監督上の問題点が指摘されていないが,その結論に至った根拠は定かでない。会社法及びコーポレートガバナンスコードの定めに従い,当社は株主への説明責任を果たすべきである。
本提案が求める開示は,当社のガバナンスを強化し,中長期的な企業価値の向上を促進し,経営陣との対話機会を有しない株主も含め全株主の利益に資するものである。
○取締役会の意見
当社は,2019年5月の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同以降,TCFD提言に沿った開示を進めており,1.5℃シナリオを含む複数のシナリオにおいて,気候変動リスク・機会がもたらす影響を評価し,当該影響評価にもとづく取り組みや年間財務影響額を中部電力グループレポートや有価証券報告書に掲載するなど,定量的開示の充実を図っております。
気候変動その他の経営に重大な影響を与えるリスクについては,リスク管理部署が会社全体の観点で統合的に管理し,リスクマネジメント会議において対応方針を審議しております。取締役会は,これらを踏まえ,脱炭素社会実現への取り組みをはじめとする経営の重要事項について,審議・決定しております。
監査等委員会は,監査等委員による取締役会その他の重要な会議への出席,職務執行状況の聴取,重要な決裁書類の閲覧などを通じて,公正・客観的な視点で,リスクの把握・適切な評価をしたうえで,取締役の職務の執行を監査しており,監査報告も法令にもとづき適正に作成されております。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。