<株主(71名)からのご提案>
第13号議案 定款一部変更の件(4)
◆提案の内容
以下の章を新設する。
- 第○章
- 原子力発電事業からの撤退
- 第○条
- 本会社は,住民の安全性が確保できない原子力発電事業から撤退する。
◆提案の理由
現在の原子力災害対策指針とそれに基づく自治体の原子力防災計画(避難計画)は現実的ではないことが能登半島地震により証明された。自然災害と原発事故が重なる複合災害の場合でも,被ばくは避けなければならない。しかし,能登半島地震では,通信の断絶,家屋の倒壊,避難道路の寸断などが発生し,避難ができないので,原発事故が起きれば被ばくは避けられないことが分かった。
また,この地震の震源は,当社が計画していた珠洲原発の建設予定地極近傍である。計画を止めてくれた住民に当社は感謝するとともに,注目していなかった近傍の活断層が連動して大きな地震になったことを教訓としなければならない。
当社の浜岡原発は,将来起きるとされる南海トラフ巨大地震の想定震源域にあり,東海道新幹線や東名高速道路にも近く,放射能放出事故になれば長期にわたって日本が真っ二つに分断される危険性がある。したがって浜岡原発は全機廃炉にすべきである。
○取締役会の意見
エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
浜岡原子力発電所においては,従前より,災害の教訓や国内外の先進事例などの知見も踏まえ,自主的に地震・津波対策や重大事故対策に取り組んでおり,新規制基準を踏まえて,さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。加えて,防災体制の整備や教育・訓練の充実を図るとともに,住民避難を含む緊急時対応の充実強化に向けて,国・自治体との連携を一層強化しております。
今後も,地域のみなさまのご理解をいただけるようコミュニケーションを図り,安全確保を大前提に浜岡原子力発電所の再稼動に向けて取り組んでまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。