<株主(71名)からのご提案>

第14号議案 定款一部変更の件(5)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章
浜岡原子力発電所の廃止
第○条
本会社は,南海トラフ巨大地震の震源域に立地する浜岡原子力発電所の全部を廃止する。
現存する使用済み核燃料は,地震・津波によっても安全性が損なわれないような設備で保管・管理する。

◆提案の理由

能登半島地震は,地震列島・日本では,「原発立地の適地」はありえないことを明白に示した。どこであろうとも大地震・大津波に襲われる可能性を否定できない。
とりわけ浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域に立地しており,基準地震動の適否・大小を論じる以前に,存在すること自体が危険なのである。耐震設備や津波対策にどんなに巨額の資金を注ぎ込んでも「安全」を担保することは不可能である。
約4千億円かけて造った高さ22mの防波壁も,想定される最大の津波高が25.2mとなった今では,もはや万全と言えなくなった。浜岡原発3号機は既に運転開始から37年が経ち老朽化も進んでいる。
企業としての社会的責任を果たす見地からも,利益を追求する見地からも,浜岡原発の一刻も早い廃止を決断し,廃炉作業に着手すべきである。
浜岡原発は13年間停止中だが,当社は今期,過去最高の純利益を上げている。危険な原発を動かす必要はない。

○取締役会の意見

エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
浜岡原子力発電所においては,従前より,災害の教訓や国内外の先進事例などの知見も踏まえ,自主的に地震・津波対策や重大事故対策に取り組んでおり,新規制基準を踏まえて,さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。また,これまでも必要な点検を実施しながら,適切に機器の取り替えなどを実施し機能維持を行っております。今後も新規制基準への対応にとどまることなく,安全性をより一層高める取り組みを継続的に進めてまいります。また,使用済燃料についても,適切に貯蔵・管理してまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。