<株主(71名)からのご提案>
第15号議案 定款一部変更の件(6)
◆提案の内容
以下の章を新設する。
- 第○章
- プルトニウムの分離・抽出,使用及び他者への売却・譲渡
- 第○条
- 本会社は,使用済み核燃料からのプルトニウムの分離・抽出を行わない。
- ②
- 再処理で分離・抽出したプルトニウムを加工したMOX燃料は使用しない。
- ③
- 既に分離・抽出したプルトニウムを他者に売却又は譲渡してはならない。
◆提案の理由
核燃料サイクルの要の一つの高速増殖炉計画は消滅し,六ケ所再処理工場の竣工時期も27回目の延期が確実となった。軽水炉でのプルトニウム利用はコスト的にも後始末の厄介さからも全くメリットがない。これ以上の分離・抽出は,電源計画を硬直化させ柔軟な経営を阻害する。
また,当社が保有する核分裂性プルトニウムは,MOX燃料として加工し浜岡原発4号機と電源開発(株)の大間原発で消費する計画であるが,2原発の稼働が見通せないことや英国ではMOX燃料加工ができないことから,当社保有分を九州電力の大間譲渡分として東京電力と共同で提供すること,また仏国で管理するプルトニウムを東京電力等5社共同で四国電力と九州電力の英国管理分と交換することが決まった。
他社であってもプルサーマル発電でプルトニウムを消費することは極めて危険であるうえ,核物質管理の面からもプルトニウムの売却・譲渡は避けるべきであるため,この章を新設する。
○取締役会の意見
エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。さらに,エネルギー資源の有効利用や廃棄物減容の観点から,原子燃料サイクルを確立することが重要と考えております。
使用済MOX燃料を含むすべての使用済燃料の再処理については,再処理等拠出金制度のもと,使用済燃料再処理・廃炉推進機構が資金を安定的に確保し,適切かつ効率的に原子燃料サイクル事業を実施していくこととしております。
使用済燃料を再処理して回収したプルトニウムについては,2018年7月に原子力委員会が決定した「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」にもとづき,MOX燃料に加工することで適切に消費するとともに,他の事業者と連携・協力して国全体の海外保有分の削減に取り組んでまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。