<株主(2名)からのご提案>

第16号議案 定款一部変更の件

◆提案の内容

以下の条項を,本会社の定款に追加的に規定する。

第4章
取締役及び取締役会

(取締役の指名(気候変動関連の事業リスク及び事業機会の効果的な管理のための取締役のコンピテンシー))

第○条
本会社は,本会社の長期的成功を促進するため,気候変動に伴う事業リスク及び事業機会を踏まえ,取締役会全体の知識,経験及び能力の適切なバランス及び多様性に留意しつつ,気候変動関連の事業リスク及び事業機会の管理が本会社の中核的な経営戦略に確実に組み込まれるよう,取締役の指名及び取締役会の実効性評価に関する方針及び手続を策定し,開示する。

◆提案の理由

本提案は,本会社の取締役会が気候変動関連の事業リスク及び事業機会の適切な監督能力を備えているかについて,株主が評価する上で必要な情報の開示を求めるものである。
中部電力グループは化石燃料関連事業の拡大戦略により重大な移行リスクに晒されているが,取締役会が当該リスク低減の責務を果たし得るか,現状株主は評価できず,株主自らも当該リスクに晒されている。取締役会が気候変動に伴う事業リスク及び事業機会を適切に監督するには,気候科学やバリューチェーン全体にわたる低炭素化等に関する専門性が必要である。
本提案は,日本のコーポレートガバナンス・コード及び投資家団体(CA100+等)や国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)等を通じて投資家が求める情報開示に合致する。
本提案の可決により,本会社は脱炭素経済への移行に伴う事業リスク及び事業機会を適切に管理し,企業価値を維持することが可能となる。

○取締役会の意見

中部電力グループは,2050年までに事業全体のCO2排出量ネット・ゼロに挑戦するゼロエミチャレンジ2050を掲げ,水素やアンモニアの新技術の動向を見極めながら,火力発電のゼロエミッション化に向けて,適切にトランジション(脱炭素化に向けた移行)を進めてまいります。
当社は,取締役会の構成,規模について,「脱炭素社会実現」への貢献も含めた経営諸課題を総合的に勘案したうえで,22頁に記載の取締役に求める専門性および経験として,「電力供給・環境に資する技術」の項目も含めた8項目を設定し,各取締役の知識,能力,専門分野,実務経験などのバランスを踏まえ決定しております。
取締役会においては,気候変動に関する事業リスクと事業機会について,取締役会メンバーで定期的に議論・意見交換を実施し,経営計画に反映しております。
また,当社は,年1回,全取締役および全監査役に対し,気候変動などを含めた全社的なリスクに関する議論の充実度についてアンケートを行うなどして,取締役会の実効性を評価し,これにもとづく取り組みを実施しております。さらに,気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿って,脱炭素化の移行段階に応じた最新の情報をもとに,気候変動にかかるリスク・機会がもたらす影響を評価し,当該評価にもとづく取り組みを実施しております。これらの評価および取り組みにつきましては,中部電力グループレポートなどに掲載しております。今後もみなさまのご意見を踏まえ,開示の充実に努めてまいります。
このため,本提案のような規定を,あらためて定款に定める必要はないと考えます。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。