<株主(66名)からのご提案>
第8号議案 定款一部変更の件(2)
◆提案の内容
以下の章を新設する。
- 第○章
- 社会的責任の遂行
- 第○条
- 本会社は,社会的責任である地球温暖化対策を進めるため,実効性のある計画を策定する。そのために以下のことを行う。
- ①
- 大規模集中型で大容量のバックアップ電源を必要とする原子力発電事業から撤退する。
- ②
- CCUSやアンモニア混焼など,実用性が不確実な技術をあてにした火力発電の延命をしない。
◆提案の理由
当社の「ゼロエミチャレンジ2050」での電源構成は,CCUS火力と原子力,再エネ,水素,アンモニアと記載されているが,これでは脱炭素化は実現できない。
長期にわたる放射性廃棄物の管理や処分に費やすエネルギー量まで考慮すれば,脱炭素電源としての原子力の有効性は疑わしい。
さらに,原発は大規模発電設備であるため事故や地震などで停止の事態となればバックアップの電源が必要となるが,揚水発電は一時的なバックアップでしかなく,カバーできるのは火力発電,それも,余裕のある火力発電がなければ安定供給はできない。
一方,火力発電で発生したCO₂を分離回収し,これを利用したり,地層に貯留するCCUSは,コストや環境リスク等課題もあり,実用化の目途は立っていない。水素,アンモニアも同様である。
実現性の乏しいチャレンジは,実効性のある対策を遅らせる。
地球温暖化対策は国際的な急務であり社会的責任を果たすべく再考すべきだ。
○取締役会の意見
当社は,GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展などにより中長期的な電力需要の見通しが増加傾向に変化する中においても,「S(安全性の確保)+3E(エネルギー安定供給・経済効率性・環境適合性)」が重要であると考えております。
脱炭素につきましては,引き続き,2050年までに事業全体のCO₂排出量ネット・ゼロに挑戦するゼロエミチャレンジ2050の達成に向けて取り組んでおります。この目標を達成するうえでは,エネルギーの安定供給を全うしつつ,エネルギー安全保障に寄与し脱炭素効果の高い再生可能エネルギーや原子力発電の最大限の活用などに加え,水素・アンモニアやCCUSなどの活用に向けた新技術の動向を見極めながら,火力発電のゼロエミッション化に向けて,適切にトランジション(脱炭素化に向けた移行)を進めていくことが重要であると考えております。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。