<株主(66名)からのご提案>

第9号議案 定款一部変更の件(3)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章
南海トラフ巨大地震に対する危機管理対策
第○条
本会社は,南海トラフ巨大地震・津波により,本会社所有の施設が他者に危害を及ぼすことのないよう万全の対策を講じなければならない。
万全の対策を講じることができない設備は使用しない。

◆提案の理由

当社は,浜岡原子力発電所の再稼働を前提として,昨年11月,防波壁の海抜28mまでの嵩上げ計画を発表した。費用も工期も3月時点で公表されていないが,これまでの構造を大きく改変する予定だ。すでに対策費用に4,000億円を費やし,14年間毎年約1,000億円の維持費もかけ続けている中での追加負担となる。これは基準津波が決まらないうちに拙速に建設を進めたツケである。
しかし,津波に加え地震の破壊力に耐えられるような構造物を建設するのは容易ではない。さらに,そこまでしても,原子力規制委員会が妥当とした基準津波やプラントの基準地震動は過小評価だと指摘する専門家もおり,現在裁判でも争われている。また,地元住民には不安や反対の声も根強い。
南海トラフ巨大地震で被害を拡大しない万全な対策とは,何より膨大な放射能を内包する原発を稼働しないこと,そして現存する使用済み核燃料を可能な限り安全な形で管理することである。

○取締役会の意見

エネルギー資源の乏しいわが国において,化石燃料価格の変動や地球温暖化という課題に対処しつつ,将来にわたり安定的にエネルギーを確保していくためには,原子力を引き続き重要な電源として活用することが不可欠であると考えております。
浜岡原子力発電所においては,従前より,災害の教訓や国内外の先進事例などの知見も踏まえ,自主的に地震・津波対策や重大事故対策に取り組んでおり,新規制基準を踏まえて,さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。今後も新規制基準への対応にとどまることなく,安全性をより一層高める取り組みを継続的に進めてまいります。また,使用済燃料についても,適切に貯蔵・管理してまいります。
したがいまして,取締役会は本議案に反対いたします。