第16号議案 定款一部変更の件再処理の禁止

▼提案の内容

当社の定款に以下の章を新設する。
第11章 プルトニウムを取り出さない
(再処理の禁止)
第48条 当社は使用済核燃料からプルトニウムを取り出すことをしない。
第49条 英国にある当社所有のプルトニウムはイギリスで固化して処分する。
第50条 仏国にある当社所有のプルトニウムはMOX燃料に加工しない。使用済MOX燃料の再処理は行わない。

▼提案の理由

六ヶ所再処理工場は1993年に着工、32年経ったが、まだ竣工できていない。
電気事業連合会(電事連)は、2004年1月に、2006年から40年間の「原子燃料サイクルバックエンドの総事業費」を18兆8000億円と試算した。当時の経産省の役人たちは「19兆円の請求書―止まらない核燃料サイクル」という内部文書で全量再処理がコスト高であることを指摘、再処理政策の転換を求めたが、全量再処理方針を変えることはできなかった。2004年1月当時の電事連会長は藤洋作当社社長だった。この時点で方針転換できなかったことへの当社の責任は大きい。
21年後の現在、総事業費は22兆円を超える見通しで、今後も増える可能性が高い。
宮下青森県知事は昨年8月、27回目の完工延期発表に「今までできなくて、これからなぜできるのかがわからない」と疑問を呈している。核燃料サイクルは完全に破綻している。再処理の禁止を提案する。

○取締役会の意見:本議案に反対いたします。

当社は、核燃料サイクルの推進に関する基本的方針に基づき、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム等を有効利用することは重要と考えており、国内外に保有するプルトニウムを確実に消費できるよう、最大限取り組んでまいります。
当社は、日本原燃に対して、六ヶ所再処理工場の確実な竣工に向けて人員派遣等を行うとともに、再処理事業に係る総事業費の低減に向けて継続的な効率化努力を促すなど、引き続き必要な支援を行ってまいります。
したがいまして、ご提案の内容を定款に定めることは適当ではないと考えます。