第5号議案 定款一部変更の件事業およびサプライ・チェーン、投資・出資の脱炭素化

▼提案の内容

当社の定款に以下の「CSRに基づく事業運営」の章を新設する。
第8章 CSRに基づく事業運営
(事業およびサプライ・チェーン、投資・出資の脱炭素化)
第41条 本会社の社会的責任を果たすため、気候変動に関わる科学的知見、国際合意および歴史的排出責任を踏まえ、本会社の事業およびサプライ・チェーンにわたる脱炭素化を計画的に進める。投資・出資においても、計画段階から気候変動との関連を優先する。

▼提案の理由

地球沸騰化と言われる程、気候変動が深刻化している。COP28では化石燃料からの脱却が合意された。パリ協定の目標達成には、日本は2030年に2013年比65-74%の削減が必要とされる(Climate Action Tracker、2023年11月)が、その余地は失われつつある。
当社は「ゼロカーボンロードマップ」を策定しているが、2030年における排出量、排出係数の目標について具体的に示していない。CO2排出係数・大気汚染リスクが大きいため早急な廃止が求められる石炭火力発電については触れてさえいない。また、実現性・有効性が疑わしい、火力発電における水素・アンモニアの利用、炭素回収利用貯留技術の開発を含んでいる。
気候変動は、集中豪雨、大型台風等による被害の拡大に加えて、電カインフラヘのリスク、対策コストの上昇により社会・将来世代に損失をもたらし、企業価値の毀損、株主の損失にもつながる。

○取締役会の意見:本議案に反対いたします。

当社は、ゼロカーボン社会の実現に向けて、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」およびその実現への道筋を定めた「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」でお示ししているとおり、発電事業をはじめとする事業活動に伴うCO排出量を2050年までに全体としてゼロとすることとしております。本年4月にはロードマップを改定し、当社の事業活動に伴う温室効果ガス排出量(Scope1,2)について、2030年度時点で70%削減(2013年度比)し、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)について、2030 年度時点で50%削減(2013年度比)する目標を新たに掲げたところであり、引き続き計画的に脱炭素化の取組みを進めてまいります。
なお、ロードマップで掲げた投資をはじめ、各セグメントの成長につながる投資については、気候変動への対応の観点のみならず、収益性等を総合的に判断し、実施してまいります。
したがいまして、ご提案の内容を定款に定めることは適当ではないと考えます。