第7号議案 定款一部変更の件頑健な設備・事業体制、人材の育成・定着、技術の開発・継承

▼提案の内容

当社の定款に以下の「CSRに基づく事業運営」の章を新設する。
第8章 CSRに基づく事業運営
(頑健な設備・事業体制、人材の育成・定着、技術の開発・継承)
第43条 本会社の社会的責任を果たすための技術的・組織的基礎として、災害等に対して頑健な設備・事業体制づくり、人材の育成・定着と技術の開発・継承を進める。

▼提案の理由

設備を支えるのは人であるが、2001年に導入された成果型賃金制度は、従業員の評価を正当に行えておらず、その恣意的な運用の弊害が現れてきている。それは、従業員のやりがい・モチベーション低下を引き起こしている。結果として当社の遵法意識の低下を招き、一連の不正に対して「業務改善命令」を数回受けている。
また「カイゼン」の理念に反した不合理なコスト削減・外注化で、技術の継承が困難になっている。一方、全体的な工事量の削減が、協力会社の工事力を低下させ、災害対応や突発的な工事への敏速な対応を困難にしている。
誤った合理化が職場の繁忙感をより高めており、特に安全が最優先される原子力職場での人員不足は危機的状況といわれている。さらに精神疾患の件数は減らず、高齢者、障害者にも差別的待遇が残っている。この状況を改善しなければ、優秀な人材を失い、業務遂行・サービスに支障をきたし社会の信頼を得ることも困難になる。

○取締役会の意見:本議案に反対いたします。

当社は、安全の確保を前提としたレジリエントな事業基盤の強化、人材育成・確保の強化および技術・技能の継承・向上を重要と考えており、これまでも設備の保全に万全を期し、安全・安定供給を全うするための設備・体制の構築に取り組んでまいりました。引き続き、高経年化設備の計画的な改修や、平時における関係者間の連携強化も含めた大規模自然災害への対応等、より強靭な設備・体制を構築するよう取組みを進めてまいります。
また、本年4月にアップデートした中期経営計画であらためてお示ししているとおり、多様な人材の確保と一人ひとりが活躍できる組織づくり、心身の健康維持・増進の支援および働きがいのある環境の整備などの取組みを一層強化することとしております。
したがいまして、ご提案の内容を定款に定めることは適当ではないと考えます。